平成22年1月10日発行
- サタケと山本製作所が包括的提携
- 日農工除雪機安全協議会が販売店に除雪機の安全チラシを配布
- やまびこがタンク容量400Lの乗用管理機など発表
- 三菱農機がガスミニ耕うん機「エコ・ラテシリーズ」2機種を発表
- サタケが新型米粒食味計を開発
- 農機業界が国際連携し「アグリエボリューション」設立
- クボタがミニ耕うん機「ニュー菜ビ」を新発売
- 有光工業が「カルーラ」搭載ラジコン動噴発売
- ホンダが緊急離脱ベルトを採用した背負式刈払機を発売
- スガノ農機がパワフルリンクを採用した「パワフルリンクプラウ」発売
- 田中産業が豊中市の市民環境展に出展
- 井関農機が6・7条刈りコンバインなど22年度上期新商品を発表
- 筑水キャニコムがカセットガス燃料の運搬車発売
1.サタケと山本製作所が包括的提携
両社では、社歴や事業領域に共通した点があることから、かねてより相互発展のための提携について協議を重ねてきたが、
- 両社の技術を融合させることで効率的な新製品の開発・生産が促進される。
- 両社の重複している販売領域での物流・販売・アフターサービス等の効率化が図れる。
具体的な提携業務は、今後個別に詰めていくが、大枠として
- 生産・調達
- 販売・広告宣伝
- 技術開発・製品開発
- 物流・アフターサービス
なお、現段階で決定している提携業務は製品相互補完と部品調達。この中で山本製作所がサタケから光選別機「ピカ選」など各種選別機を、サタケが山本製作所から汎用乾燥機や農産物保冷庫などの供給を受け、部品調達として排出パイプC、スロワーエルボ、送風機を進めていく
—としている。
2.日農工除雪機安全協議会が販売店に除雪機の安全チラシを配布
平成21年度の安全啓発活動の一環として「除雪機を安全にお使い頂くために」と題した販売店向けのチラシを作成、1万5000枚を配布した。 チラシには、除雪機の事故実態や除雪機の主な安全機構、点検時の注意事項などが掲載されており、「安全機構の改造は非常に危険です。絶対に行わないで下さい」と呼びかけている。
3.やまびこがタンク容量400Lの乗用管理機など発表
平成22年度の新製品として、乗用管理機“共立RVシリーズ”に薬液タンク容量400Lの「RVH40」と“Gセンサー刈払機”「SRG2610シリーズ」を発表した。
このうち、RVH40は、400Lクラスでは業界初のHSTを搭載。微妙な速度調節が可能となり、レバー1本で圃場の出入りの際の調整ができる。散布中の速度調整や旋回時の条合わせが容易になるため、ブーム操作に集中でき、長時間作業でも疲労低減につながり、さらに、使用頻度の高いブームの高さ調整もスイッチで操作可能にするなど、使いやすさを追求している。
刈払機SRGシリーズは、衝撃を感知してエンジンを停止するGセンサーを装備。作業中の転倒、キックバックなど意図しない本機の急激な動きを感知し、事故の危険性を低減させる。
4.三菱農機がガスミニ耕うん機「エコ・ラテシリーズ」2機種を発表
エコ・ラテF(フロント)「ELF20」とエコ・ラテ「EL20A」の2機種。好評のガスミニ耕うん機に新たにフロント耕うんロータリタイプの「エコ・ラテF(フロント)ELF20」を追加するとともに、EL20をスタイリッシュにモデルチェンジして「EL20A」とした。
ELF20の主な特徴は、
- 燃料は手軽に使える家庭用カセットコンロのカセットボンベ。ガソリンに比べて排気がクリーンで手軽に入手でき、しかも交換時に手を汚すことなく簡単にできる。保管する際もカセットボンベを外すだけ。
- 主変速内に設けられた「手押しレンジ」でエンジンをかけずに軽い力ですいすい移動できる。
- 耕うん爪は外側が正転、内側が「1軸正逆転」のうえ、土への食い込みの良い「ナタ爪」をすべての爪に採用、しっかり耕うんできる。
5.サタケが新型米粒食味計を開発
測定精度の向上や軽量コンパクト化など機能性をアップした「新型米粒食味計(RLTA10A)」で、従来機RCTA11A型の後継機種。簡単・迅速な測定機能など従来機の特徴を継承しつつ、さらなる機能性の向上を図った。
主な特徴は、
- 測定精度の向上(近赤外透過連続波長方式を採用)。
- 軽量コンパクト化(従来機比較で重量比20%減、容積比37%減)。
- 大型カラー液晶タッチパネルの採用。
- プリンタ内蔵。
- USBメモリに直接データ保存可能。
- サタケの穀粒判別器との接続(穀粒判別器データの食味計への保存可能)。
6.農機業界が国際連携し「アグリエボリューション」設立
ドイツの呼びかけで11月、ドイツ・ハノーバーで初会合が持たれ、11カ国が参加し設立をみた。日本からは日農工(阿部修司会長)事務局が出席した。日農工によると、ドイツ農業機械工業会(VDMA傘下)の呼びかけによりハノーバーで開かれた第1回会議には、ドイツ、日本のほかイギリス、イタリア、フランス、ロシア、トルコ、アメリカ、ブラジル、中国、インドの11カ国の農業機械工業会(メーカー団体)が参加した。設立目的は、国際レベルでの情報交換の可能性を模索しようとするもので、第1回会議では、まず、欧州農業機械市場の開発現状について、ドイツのVDMAのから概況が報告された。次に、国別市況報告として各工業会ごとに農業概況について報告が行われた。今後、統計情報の共有のほか、国際組織と連絡を取るグローバルプラットフォームとして、特にロビー活動、国際農業機械業界の共通トピックに関する情報キャンペーンなどを展開していきたいとしている。
7.クボタがミニ耕うん機「ニュー菜ビ」を新発売
型式はTR3500。主な特徴は、
- 全機種にうね立て機能を標準装備=標準仕様(TR3500、TR3500−D)には新しく開発した折り畳み式の「簡単うね立てマット」を標準装備。耕うん作業時に土をきれいに均す整地板を転回・固定するだけで、土を掻きわけてうねを立てられる形状になり、着脱が不要となった。また、より本格的なうね立て作業を求める人には、ロータリカバー開閉仕様を設定。
- あぜ際などでの取り回しの良さを向上=全機種に「後進」の変速を追加。後進時にはロータリが回転しない機構になっており、あぜ際ギリギリまで耕うんした時のバックや狭い場所での取り回しが楽に安心して行える。
- 簡単な操作方法=走行の前・後進や耕うん作業の操作がレバー1本でできるほか、変速レバーを「中立」に切り替えると車輪が軽く回転するため、エンジン停止時にも収納場所への出し入れ等など軽い力で楽にできる。
8.有光工業が「カルーラ」搭載ラジコン動噴発
「カルーラ」は、ホース内の水を抜くことで、ホースを従来より約6割(同社比)の力で引っ張ることができる。22年度からこの装置を搭載したラジコン動噴の本格発売に入る。操作方法は、動噴クラッチを入れるところまでは今までの自走式動噴と同じ。ホースを送り出す前にリモコンで「水抜き」ボタンを押すと、ホース内の水がノズル先端から抜け、ホースが空の状態になる。水抜き所要時間は3分30秒程度。ホース内が空になり軽くなったホースを引っ張って行き、リモコンの「噴霧」ボタンを押すと20〜30秒程度で噴霧を開始する。ホースから薬液を抜いて引っ張ってもらうと、「非常に軽く感じられた」という声が多数寄せられているという。
9.ホンダが緊急離脱ベルトを採用した背負式刈払機を発売
UMR425で、「世界最軽量」とする360度自在傾斜4ストロークエンジンを搭載。従来モデルからの利点である斜面や狭い場所での使いやすさはそのままに、いざという時、機体をワンタッチで体から離すことができる緊急離脱ベルトの採用により、生研センターが定める安全鑑定基準に適合している。
10.スガノ農機がパワフルリンクを採用した「パワフルリンクプラウ」発売
新製品は、丘・溝兼用プラウに「パワフルリンク」を採用したニューモデル。新開発の格子ボトムAP14を採用。耕深が深くなり鋤き込み性能が向上し、新たな格子形状とカットナイフにより土の破砕性も増し、さらにランドサイドが大きくなったことで、直進安定性に優れている。「パワフルリンク」は、従来の油圧スライド方式と比較してフレームの変形量が大幅に減少し、起こし山が揃い犂底が安定するため高精度の作業ができる。また、油圧スライド方式と比較して強度・耐久性も向上した。
11.田中産業が豊中市の市民環境展に出展
大阪府豊中市の市民会館で開かれた「とよなか市民環境展2009」に、簡単に堆肥ができる家庭向けの「タヒロンニューガーデンバッグ」を出品、人気を呼んだ。このバッグの中に落ち葉や剪定枝などを詰めて土の上に置いておくだけで4〜6ヵ月で堆肥ができるとアピール。「庭木の落ち葉の処理に困っていた」という市民などが熱心に説明を聞いたり、実際に同バッグで腐葉土化した落ち葉の状態などを興味深そうに確かめたりしていた。
12.井関農機が6・7条刈りコンバインなど22年度上期新商品を発表
新商品は、7条刈りコンバイン「ジャパンHJ7120」、6条刈り「同6120」、大規模向け経済型ロプス仕様トラクタ「ATK560」、乾燥機「ドライボーイGCL40」「同45」、「同50」、「同60」、兼業向けコンバイン「フロンティアビバHVF220」、「同223」「同223」、同323」、「同328」、電動ミニ耕うん機「エレ菜」など。
このうち、6・7条刈りコンバインは、環境に優しいコモンレール式120馬力ディーゼルエンジンを搭載し、最高作業速度2.0m/秒(HJ6120)を実現するなど、高いパフォーマンスを折り込んだ。主な特徴は、
- 低コスト農業に対応するため基本性能を大幅に向上させながらも、価格を抑えコストパフォーマンスを追求した。
- コモンレール式超高圧燃料噴射システムとクルードEGR(排ガス再循環)システムの組み合わせにより、高出力・高トルクを実現しつつ、NOx低減効果を高めた環境に優しいエンジン。
- 操作荷重の軽い電子制御HSTを搭載、長時間の作業でも操作が楽。副変速の切り換えが車体を停止することなくでき、圃場間の移動などの作業効率が向上した。
- 3つの胴を持つ「ツインエイトスレッシャー」脱穀部を搭載。大径ロング扱胴と、2番還元物を専門に処理する扱ぎ室処理胴、扱胴からの排塵を処理、拡散、排出する排塵処理胴の3つから構成される高精度脱穀部。
13.筑水キャニコムがカセットガス燃料の運搬車発売
歩行型クローラ運搬車の愛称「まごの手もみじ」BP30MGFDBで、家庭用カセットコンロと同じカセットボンベを燃料に使い、ボンベ1本で約30分間使用できる。カセットガスボンベの利用によりメンテナンスが楽になり、燃料を給油する手間が省け、女性をはじめ一般ユーザーも手軽に使える。時速0.25kmの超低速走行ができ、自走させながらの搬出・積み込みも可能。同社では家庭菜園やキャンプなど、物を運ぶ作業が増えている一般家庭をターゲットに販売を進める。