飼料コンバインベーラーの導入による耕畜連携の取組み
 熊本県上益城農業改良普及センター 波多江 弘氏


熊本市の隣にある御船町で,葉たばこ作付けの後作に飼料稲を導入し,飼料コンバインベーラーを導入しました。
 平成10年ごろまで,たばこの後作は土壌クリーニングとして食用の米を作付けしていました。なかなか転作作物の選定が困難ということですし,後作には水を張って作物を作りたいとのことでした。一方,酪農は水田地帯で飼料作付けの面積を拡大したいのだけれども,まとまった借地の確保が難しいという状況にありました。
 その解決策として,飼料稲を栽培しては,ということで,普及センターから提案し,ホールクロップサイレージにして乳牛用の餌として利用しましょうということで取組みを開始しました。
 平成10年,11年は試験的なもので,飼料稲を牛が食べてくれるのだろうかということで試験をして,だいいたい大丈夫ということで,13年は約100戸の農家の方が飼料稲の作付けを行っています。作付面積は13年,約70haまで拡大しました。
 収穫関係が一番問題になってきまして,収穫を一度にしたい,普通の稲作の稲刈りが終わった後に,すぐに飼料稲を収穫したいということで,協議会を作って,価格とか,取り決めをしています。
 収穫の機械化体系は,機械に1名ずつついてモアで刈り取り,テッダー,レーキで反転集草,ロールベーラーで収穫,運搬に5名,ラッピングに3名というものと,ヤンマー・スター農機さんのベーラーの方は,刈り取りに1名,ロールの方をその場で1回だけ巻いているので2名の方がついています。
 ヤンマーさんの機械は,刈り取りからベール作りまで一度にできるということで,去年導入しました。
 15pぐらいにカッティングしてロールにするので,給餌のときはホークで真ん中を差すと崩れてきます。このようにハンドリングはかなり良いので,酪農家はこちらのものを欲しがるという状況になっています。
 その他,この良いところは,トラクターだと水田がぬかると溝ができてしまいますが,専用機はクローラですので轍ができにくいことです。たばこ農家も収穫後すぐに耕起するので,できる限り湿気の多い水田ではクローラ式のものを使うようにしています。