群馬県農業の概要
野菜・畜産のウエート高い

群馬県の農業は、恵まれた自然条件と首都圏に近い立地条件豊富な水資源や温暖な気候、耕地が標高10m〜1400mの間に分布するなど恵まれた自然条件や、首都圏等大消費地に近いという立地条件を活かし、多彩、多様な農業が展開され、特に野菜や畜産物の生産が盛んで、伝統的な米・麦・繭・こんにゃくいも等も生産されている。

 水稲よりも野菜・畜産等のウエートが高いのが特徴で、全国でトップクラスの品目も多い。
 農業生産における全国地位(平成13年)は、全国1位なのはこんにゃく(全国の86%)、繭(42%)、きゅうり(10%)、2位にキャベツ(13%)、うめ(8%)、3位に小麦(6%)、えだまめ(8%)、ほうれんそう(8%)、やまのいも(5%)、4位になす、肉豚、生乳、ブロッコリー、5位には未成熟とうもろこし、はくさい、ねぎなどがあげられる。
 県農政は、優れた農業経営の展開と地域営農システムづくりを目指し、農家戸数は減少傾向に対応するため、農業経営を近代化するとともに、協業経営や組織経営等の展開のため、法人化(平成11年277法人)を進めている。
 また、地域では多様な営農システムづくりが進んでいる。平坦地域では、担い手農家(認定農業者等)を中心に、兼業農家や高齢農家等が連携し、農地や農業機械、労働力等の資源の効率的利用を通じた生産性の高い地域農業の確立に取り組んでいる。中山間地域では、緑豊かな自然や恵まれた地域資源を活用して、都市農村交流やグリーンツーリズムなど、消費者との連携や結びつきに努めている。
 担い手の減少・高齢化が急テンポで進行し、昭和一ケタ世代が離農する時期にさしかかっている一方で、新規就農者の増加と高齢者、女性農業者の活動が地域農業に活力を与えている。新規学卒就農者やUターン、Iターン、さらに定年後就農者、中高年齢者の就農など新規就農者は、増加傾向にあり、平成12年度は136名となっている。
 また県内には、中核的な農家を中心に高齢者や兼業農家を含めた話し合いに基づき、活力ある地域農業が営まれている地域も数多くあり、とりわけ女性や高齢者グループの活動は、農産物直売所・朝市の運営や農産加工、景観づくり、さらには観光産業との結び付き等「むらおこし・地域おこし」として、地域の活性化に大きく貢献している。
 また県では、農業関係試験研究機関として、農業試験場、蚕業試験場、畜産試験場、水産試験場および園芸試験場の5つの試験場において、農業者、関係機関、農業団体等からの意見や要望を踏まえた試験研究テーマを設定し、地域に密着した試験研究を行ない、多様な技術開発、情報化の推進を図っている。