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農業機械関連ニュース

2023年5月11日発行

<業界短信-新製品5月>

1.スズテックが野菜用セルトレイ播種機と乾燥玉ねぎ調製機を発売

野菜農家に向けて「セルトレイ全自動播種機STH4009」と、乾燥玉ねぎの根切り・葉切りができる「乾燥玉ねぎ調製機TC3000」を発売した。
 「セルトレイ全自動播種機STH4009」は、キャベツ、レタス、ブロッコリーなどの播種作業をより効率的に進められる播種一貫作業機。
 主な特徴は、

  1. セルトレイ供給から、土入れ、灌水、セル鎮圧、播種、覆土、灌水、仕上げまでの各工程を全自動で行う省力マシン
  2. 最大15トレイの供給から土入れ、灌水、覆土、灌水などを経て1工程で仕上げまで行う
  3. 適用種子はLサイズのコート種子、播種量は1穴1粒、適用セルトレイはNAME規格128穴、200穴で、組み替えキットを同梱
  4. 適用アンダートレイは野菜用アンダートレイ、水稲用育苗箱(高さ33mm)

-など。


 「乾燥玉ねぎ調製機TC3000」は乾燥玉ねぎの根と葉をきれいにカットするもの。主な特徴は、

  1. 玉ねぎを投入後、根起こし、根きり、葉切りなどを行い仕上げまでと、いずれも省力化を図り、野菜農家の負担を大きく低減
  2. 根の切断は、根起こし羽で伸ばした後にスポンジローラーでつかんで処理するため、きれいに仕上げられる
  3. 根起こし羽のスポンジ部分は取り外しが可能であり、消耗部分のみ交換できるようにしていることから、メンテナンス費用が抑えられる
  4. 保護カバーは簡単に着脱でき、さらに駆動方式をシンプル構造としたため、耐久性、メンテナンス性が向上

-など。

2.オーレックが種ごと食べられるスイカ生産用花粉を
 ブランドリニューアル

2013年から製造・販売を行っている、種ごと食べられるスイカ生産用花粉を、10年ぶりにブランドリニューアルし、販売開始した。名称を「TANE FREE(タネフリー)」と変更し、ウェブサイトを一新。生産者向けや一般流通向けのスイカラベルなど、各種ツールを充実する予定だ。同社広報は「人々がスイカへ持つ不満の解消が期待でき、どんな品種にも対応、糖度の高いスイカを提供できる花粉技術と『タネフリー』スイカの認知拡大を目指し、今回のリニューアルに至った」とコメントしている。
 主な特徴は、

  1. 通常の種ありスイカ花粉の染色体を特殊技術で分断しDNAを不活化。授粉しても種の遺伝子情報が伝達しないので、中身(胚乳)がなく薄く柔らかい白い種に育つ
  2. 種ごと食べることができ、本来は種の生育に使われるはずだった栄養素が実に向かうので、スイカの甘み(ショ糖)が増すというデータあり
  3. 大玉、小玉、赤肉、黄肉など、どんな品種のスイカにも使用可能で、種類に関わらず種ごと食べられるスイカにすることができる

-など。

<業界短信5月>

1.クボタが北海道ボールパーク内に農業学習施設を開業

農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」が開業した。コンセプトは「『食と農業』の未来を志向する仲間づくりの場」。同施設は北海道日本ハムファイターズの新本拠地である「ESCONFIELD」を置く北海道ボールパークFビレッジ内にあり、開業とともに誰でも無料で利用できるフリースペースの開放とカフェの営業を開始。6月30日のグランドオープンに向け、「食と農業」の魅力を楽しみ、味わいながら学ぶ場として準備を進めていく。
 開業セレモニーで挨拶した北尾社長は「多くの方々が気軽に立ち寄り、食と農業の未来や学びとともに、コミュニケーションが交わされ、笑顔と活力に溢れた場にしていきたい」などと挨拶した。オープンした「クボタアグリフロントカフェ」では、北海道産の米や農作物、フルーツなど、こだわりの食材を使ったメニューを用意。「食と農業」を自分ごととして感じてもらうきっかけづくりを目指す。その他、グランドオープン後に体験できる「ツアープログラム」の案内も先だって行われ、ダイナミックで美し映像体験ができるシアターやチームで農業経営シュミレーションゲームが体験できる「アグリクエスト」、最先端の作物栽培が体感できるテックラボなどが公開された。

2.諸岡が新組織と役員体制

4月1日付新組織体制並びに役員体制を内定し、公表した。それによると、新組織体制では、管理本部の「経理部」と「財務部」を統合し、「経理・財務部」を新設するほか、営業本部の「部品部」と「サービス部」を統合し、更に「品質保証」機能を持たせた「カスタマーサポート部」を新設する。グローバルなアフターマーケット事業の強化を図るのがねらい。また、サプライチェーンの一元管理の強化を図るため、生産技術本部の「生産管理部」に「購買部」を統合する。
 4月1日付の役員体制は、代表取締役CEOに諸岡正美氏、取締役副社長COO兼CTO・営業本部長、最高技術責任者兼務に諸岡昇氏、常務取締役CFO・管理本部長、最高財務責任者に名田和彦氏などとなっている。

3.井関農機がみずほ銀行とポジティブ・インパクト契約締結

みずほ銀行をアレンジャー(幹事金融機関)とし、シンジケーション方式による「Mizuhoポジティブ・インパクトファイナンス」の融資契約を締結した。
 「Mizuhoポジティブ・インパクトファイナンス」はポジティブ・インパクト金融原則に基づき、インパクト評価フレームワークを活用して企業の社会的インパクトを包括的かつ定量的に分析・評価し、「ポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの」と確認された場合に、取り組みの継続的な支援を目的として融資を行うもの。井関農機グループは、「農家を過酷な労働から解放したい」という創業者の想いのもと、「『お客様に喜ばれる製品・サービスの提供』を通じ、豊かな社会の実現へ貢献する」を基本理念に掲げており、ステークホルダーとともに持続可能な社会〝食と農と大地〟の実現を目指している。
 締結にあたっては、こうした井関農機のサステナビリティに関する取り組みを中心に、特にSDGsの目標達成にインパクトを与える活動として「資源効率・安全性」や「気候」「食糧」などのテーマについて、定性的・定量的に評価された。

4.三菱マヒンドラ農機がMITサービスでオープンAPI連携を開始

三菱マヒンドラ農機が展開する営農支援システムのMITサービスにて取得した農機データを他社の営農管理システムでも利用できるよう、MITのオープンAPI連携を開始した。オープンAPI連携を行うことにより、MITサービスが取得しているデータを様々な営農管理システムで利用できるようになり、使っている農機メーカーを問わずデータの一元化が可能になる。
 オープンAPI連携機能の利用対象事業者は、日本国内にて営農支援サービスを提供している法人・組織としており、また、提供条件として、セキュリティについて同社が要求する事項を確認し遵守するとともに、APIの許諾に当たって同社が定める規約その他の契約を締結することなど示している。同社が示すオープンAPI連携機能の提供条件は次の通り

  1. 安全なデータ連携のため、セキュリティについて同社が要求する事項を確認し、遵守するとともに、同APIの許諾に当たって当社が定める規約その他の契約を当社と締結すること
  2. API利用事業者が農業データ連携基盤(WAGRI)の登録事業者であること。
  3. API利用事業者提供サービスにMITサービスの利用者が存在していること。
  4. API利用事業者は顧客データを第三者に開示しないこと
  5. API利用事業者提供サービスの利用者がMITのデータをAPI利用事業者提供サービスの中で自己利用すること
  6. API連携機能の利用料金は無償。ただし、WAGRI利用費用はAPI利用事業者で負担すること

5.ヤンマーホールディングスが役員人事

役員人事および主要人事を内定、発表した。6月23日付の人事は定時株主総会、取締役会、監査役会で正式に決定する。
 6月23日付の人事は、取締役退任が小林直樹氏及び石田佳久氏。取締役就任が武井涼子氏。4月1付人事は、執行役員・ヤンマーアメリカコーポレーション社長にジェフ・オルブライト氏、ヤンマーホールディングス技術本部本部長兼技術本部中央研究所所長に道上英二氏、同技術本部技術戦略部部長に末崎達也氏、ヤンマーグローバルエキスパートCSR部部長に卯善智雄氏、ヤンマーパワーテクノロジー小形事業部生産部部長に川口茂孝氏-など。

6.松山が新執行体制を決定

定時株主総会並びに取締役会で役員が選任され、それぞれ就任した。
 新執行体制は、代表取締役社長に松山信久氏、常務取締役に村山生夫氏、取締役に大池賢治氏(総務部長)、太田誠氏(海外部長)、徳武雅彦氏(品質担当、資材担当、製造部長)、田中計宏氏(資材部長)、上野功氏(商品企画担当、営業部長)、池田俊朗氏(開発部長)、監査役に宮崎寛氏(非常勤)、山下祐二氏(新任、同)。山下祐二氏は取締役を退任し監査役に就任。また、小宮山孝一氏は監査役を退任した。

7.IHIアグリテックが新役員体制

新社長に磯本聡一氏(前・IHI運搬機械監査役)が就任した。
 新たな役員体制は、代表取締役社長に磯本聡一氏(新任)、取締役に森川俊一郎氏、塩田朋彦氏、水野能啓氏、久野賢史氏、櫻井雅晴氏(非常勤、IHI産業システム・汎用機械事業領域副事業領域長)、監査役に清水克志氏、北村伸夫氏(非常勤、IHI財務部内部統制評価グループ長)、根布谷岳志氏(同、同汎用機械事業領域企画管理部戦略・業績グループ主査)。また、満永敬哉氏は代表取締役社長を退任した。

8.やまびこが新経営体制を決定

先に開いた定時株主総会ならびに取締役会において役員の選任を行い新たな経営陣容を決定した。
 新任の取締役に西正信氏、執行役員人事では、取締役の北村良樹氏、吉崎拓男氏の2名がそれぞれ常務執行役員に昇任した。北林孝明取締役は退任し顧問に就任した。新たな経営体制をみると、代表取締役に久保浩氏、取締役に北村良樹氏、吉崎拓男氏、西正信氏(新任)、取締役(社外)に佐野廣二氏、野上義之氏、亀山晴信氏、大高美樹氏、常勤監査役に高井司氏、院去嘉浩氏、監査役(社外)に東昇氏、安藤鋭也氏-など。

9.JA全農が5年度事業でスマートアグリコミュニティ構築

令和5年度より、JAグループ版スマートシティ「スマートアグリコミュニティ」の構築に取り組む。これはJAグループが保有する地域インフラやサービスをICTでつなぎ、JAと協力して地域の農家や生活者に暮らしやすい生活環境を提供する取り組みで、伊藤忠商事、野村総合研究所と基本合意書を締結し、家庭用再生可能エネルギー分野やシステム開発等において両社の知見や技術、ノウハウの提供を受けながら、一体となって「スマートアグリコミュニティ」の構築を目指していく。
 構築にあたっては、群馬県前橋市・高崎市等をモデル地区とし、生活関連事業を皮切りに実証実験を行い、その後段階的に営農関連、行政との連携へとサービス範囲を拡大していく。生活関連事業で提供する主なサービスとして、JA-SSやJAファーマーズなどJAグループの施設を利用した人へのポイント還元や、生活者への農畜産物出荷情報の提供、ネットスーパーや移動購買車の導入、太陽光発電や蓄電池を活用した地域内エネルギー循環、EV車の導入などを進める予定。また、同取り組みに賛同する企業と積極的に連携し、サービス内容の拡充・実装を図っていくとしている。JA全農はこの取り組みを通じて、地域を活性化することで、農家・生活者の便利で快適な暮らしを支援するとともに、地域農業の発展に寄与して元気な地域社会が実現することを目指すとしている。

10.農機メーカー各社が入社式

農機業界の主要メーカーは入社式を行った。新型コロナウイルスの感染状況がようやく落ち着きをみせ、5月からは感染法上の分類が「5類」に引き下げられることとなり、多くの企業ではコロナ前と同様に対面型の入社式を実施。各社トップは新入社員たちに激動の時代を乗り越え新たなチャレンジに取り組むように力強いエールを送った。
 一部の入社式の挨拶概要をみると、クボタは1.グループの歴史とミッションをしっかり認識しよう、2.長期ビジョン「GMB2030」の実現に向けて力を合わせよう、3.「On Your Side」の精神で仕事に取り組もう、4.安全と健康に留意しよう-などと呼びかけた。ヤンマーはヤンマーとサッカーのつながりを交えて話を進め、強いチームは一人ひとりが役目を理解し、自ら状況を判断してベストなプレーをすることに加え、チームワークがもたらす連携や信頼関係によってゴールが生み出されるとし、これは企業活動においても同じだとした。井関農機は新入社員に心掛けてほしいこととして、1.チャレンジ精神、2.常に研鑽・スキルアップ、3.ルールの順守-などをあげた。三菱マヒンドラ農機は、「グレートスモール」と「グローバルカンパニー」を目指すとし、「食を支える農業の発展に貢献する」パーパスと「考動」のバリューを示して1つのチームでぜひいいものを創っていきたいと語りかけた。

11.農林水産省が基盤確立事業計画を7件認定

みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画を認定し公表した。今回認定されたのは、日本ニューホランド、ビコンジャパン、ハスクバーナ・ゼノア、大竹製作所、中部エコテック、静岡製機、北四国エンジニアリングの7件で、可変施肥機や収穫機、親子式傾斜地草刈機、色彩選別機などがみどり投資促進税制の対象機械に追加された。今回の認定により、累計では40事業者の事業計画が認定された。また、昨年認定されたオーレック及びササキコーポレーションの基盤確立事業実施計画についても、計画変更認定の申請が認められた。
 認定された計画の概要を一部みると、大竹製作所は化学農薬の使用低減や有機農業の拡大に資する「水田用除草機」の普及拡大に取り組む。静岡製機は化学農薬の使用低減に寄与する「色彩選別機」の普及拡大に取り組む。オーレックは化学農薬の使用低減に寄与する「ラジコン草刈機」をみどり投資促進税制の対象機械に追加し、普及拡大に取り組む。ササキコーポレーションは化学肥料の使用低減に寄与する「マニュアスプレッダー」をみどり投資促進税制の対象機械に追加し、普及拡大に取り組む。

12.クボタがKSASセミナーで「できる」ことを紹介

WEBセミナーで同社の営農・サービス支援システムKSAS(クボタスマートアグリスシステム)に入会を検討している農家を対象に、KSASの実際の画面を使いながら「KSASでできること紹介セミナー」を開催した。
 KSASとは「農業経営を見える化して農業経営の課題の解決をサポートする営農・サービス支援システム」としたうえで、圃場管理や作業記録、またKSAS対応機と連携してたくさんのことができるインターネット・クラウドシステムと紹介。具体的に解決できる課題として、1.圃場管理、2.作業の計画・記録・振り返り、3.進捗状況の確認、4.栽培計画と資材費の計算、5.KSAS対応機との連携などがあげられ、農業経営を見える化し、データを活用した営農サイクル実現をサポートするとした。また、KSAS対応機の紹介では、機械とKSASが連携して、1.位置情報・稼動情報の送信、2.自動日誌の作成、3.食味収量の測定、4.肥料設定の受信などができるとし、例えばKSASコンバインで刈取りすれば食味・収量の値がわかると紹介した。

13.井関農機がWEBセミナーでアイガモロボ使用の要点を紹介

「アイガモロボ円滑導入WEBセミナー」を開催した。営農ソリューションポータルサイト「Amoni」の取り組みで開催したもので、今回は当用期前にアイガモロボを効果的に使うためのポイントをわかりやすく紹介。アイガモロボの概要と使用の流れ、うまく活用するためのポイント、専用アプリの使用方法などを丁寧に説明した。
 アイガモロボは水田に浮かび、自動で動き回って雑草の発生を抑制する全く新しい雑草対策であるため、除草剤を使わない有機栽培や除草回数削減による労力低減などに貢献。抑草効果の発揮に大切なのは「常に田んぼ全体が濁っていること」であり、それには「ロボを動かし続けること」が求められるなどとした。特にうまく使いこなすためには、1.圃場の均平を取る(±4cm)、2.全面5cm以上の水深を確保、3.水没しない丈夫な苗を用意-の3点が重要なポイントであり、「必ず守ってほしい」として、それぞれを詳しく説明した。さらに、そして、アイガモロボの使用開始については、1.本体組み立て、2.本体を田んぼに入れて電源をON、3.専用アプリで初期設定+ルートを送信-の3ステップで簡単に使用できる旨を述べた。

14.スガノ農機が新しい会社案内を作成

今年の改訂版の会社案内を作成、工場見学の来訪者、取引先への説明、あるいはリクルート活動に活用している。A4版8頁建てで、同社らしく表紙は日本各地の土壌サンプルで飾られている。ちなみに同社は農研機構農業環境研究部門と共同で2017年から土のあり方を研究しており、道都県ごとに並べられた16種類の土壌を見るだけでも感慨を催す。表紙裏には「様々に変化を続ける農業環境を見つめ土を育てる農作業機械を作り続けて106年」とタイトルし、渡邊社長のあいさつの言葉。また、1917年に畜力プラウを製作して以来の同社の歴史、顧客対応の体制と理念、工場ライン説明、製造製品・取り扱い製品、生産設備の内容、事業実績推移などを収録している。
 渡邊社長のあいさつでは、農林水産省のみどりの食料システム戦略について、私たちが向かうべき指標が示されたことにより、日本の農業ステージはもう一段ステップアップすると指摘しつつ、太陽、空気、土、水が農業の原点であり、作物にふさわしい土づくり、水の量の的確なコントロールでこの変革の時においても日本農業は柔軟に対応・発展できると述べ、農業者の課題、問題をともに考え解決する企業であるための努力を続けていくと同社の姿勢を表した。

15.JA全農がJAグループ農業機械検定の結果発表

令和4年度JAグループ農業機械検定を実施し、合格した45名を「JAグループ農機サービス士」として認定したことを発表した。これにより、JAグループ農機サービス士は累計447名(1級81名、2級366名)となり、全国の農機センター等で活躍している。
 同検定は、JA農機担当者の経験年数に応じた知識・技能の習得を目的とし、実際の修理・整備に必要な知識・技能や、メーカー固有の機構・新技術、納品・安全指導など、より業務に密着した内容を検定項目に取り入れて実施。平成23年度からスタートした同検定では、令和4年度は1級41名、2級109名が受検し、学科試験と実技試験の両方で合格基準に達した1級4名、2級41名の計45名がJAグループ農機サービス士として認定された。JA全農はこの「JAグループ農業機械検定」を通じて、農機担当者のスキルアップを促し、農家に信頼されるJAグループ農機事業の体制づくりに取り組んでいくとしている。

16.文部科学省・科学技術分野の大臣表彰で
  クボタやオリオン機械など受賞

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者を決定のうえ発表した。同表彰は科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を顕彰するもの。科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的として科学技術賞(開発部門、研究部門、科学技術振興部門、技術部門、理解増進部門)、若手科学者賞、創意工夫功労者賞、研究支援賞の各賞を授賞している。
 業界関連からは創意工夫功労者賞に「建設機械製造ラインの生産性及び作業負荷改善」でクボタ枚方製造所の岩武英輔氏、「難作業の低コスト自動組立装置の考案」でクボタ堺製造所の平田利勝氏、「組立支援ロボによる安全性改善」でオリオン機械の荻原淳一氏、山崎健太氏、勝山順三氏、「板金ブランク加工稼働率改善」でオリオン機械の水野雅賢氏、藤原正道氏などが選出された。

17.サタケが広島県知事を表敬訪問

サタケが開発した「真吟精米」を用いた日本酒「吟-UTA-」の発売を記念して、松本和久代表取締役社長と醸造元である広島醗酵共同研究会が湯崎英彦広島県知事を表敬訪問した。
 サタケは、広島県が掲げる「元気、美味しい、暮らしやすい」という、広島ならではの素晴らしさを県内外に伝えていく取り組み「みんなで創るひろしまブランド」に賛同。
 本年3月にひろしまブランドアンバサダー企業を宣言した。「食の力ですべての人を幸せにする」をモットーとしており、今後、広島の「美味しい」を積極的に世界に発信していく考え。また、広島から誕生した技術「真吟精米」を採用した「真吟精米」を用いた日本酒「吟-UTA-」は、広島の魅力を発信する存在であり「みんなで創るひろしまブランド」のコンセプトと合致しており、広島の魅力を日本酒で表現・発信すべく、3蔵で2022年に発足した広島醗酵共同研究会とともに知事を表敬訪問し「吟-UTA-」を紹介した。

18.JA全農が宮城で子実トウモロコシ現地見学会

宮城県のJA古川とともに、富長生産組合の圃場で、昨年に続き2回目の子実トウモロコシ現地見学会を開催し、地元の生産者を中心に、収量確保に最も重要な播種の機械化作業の実際と、そのポイントなどについて情報を発信した。播種機は、スガノ農機の側条施肥機付き真空播種機および田端農機具製作所の施肥機付き目皿式播種機を用いた。
 実演したのは、前作に大豆を栽培した1ha区画圃場2枚で、排水対策として本暗渠のほか額縁明渠、弾丸暗渠を施し、真空播種機使用の圃場はバーチカルハローで砕土・整地。目皿式播種機を使用した圃場ではロータリを用いた。両圃場とも4月初旬に鶏糞堆肥を10a当たり500kg施用。播種量は10a当たり7100粒、条間75cm、株間18.8cmで、目皿式播種機のほうは14ギア、20穴×12mmの設定。また播種時には化成肥料14-14-14を10a当たり40kg同時施用し、目皿式播種機の使用圃場は播種後に鎮圧ローラーで鎮圧作業を行った。実演では、パイオニアエコサイエンスの関係者が播種時の留意点を説明。スガノ農機の関係者は真空播種機の作業について、時速8km以上ではバラつきが出るなどの注意点を説明した。

19.日本農業法人協会が2021年農業法人実態調査のレポート公表

「2021年農業法人実態調査」について、同法人と共同実施した東京大学・木南章教授、新潟大学・木南莉莉教授及び同・古澤慎一助教が取りまとめたレポートを公表した。
 同調査は2021年11月~2022年3月に同協会の会員法人を対象に行った実態調査であり、今般公表されたレポートでは、みどりの食料システム法の施行をふまえ、「共有価値の創造(CSV)」の視点から農業法人の今後の発展について論じており、農業法人の事業活動の経済的側面と社会的側面の関係に焦点を置いて、解説。
 結論として、農業法人に対しCSVの企業理念を明確にし、起業家精神を発揮できる環境を整えながら、競争戦略と社会戦略の実践により事業を営む地域社会や経済環境を改善し、自らの競争力を高めることにより持続可能な農業経営が実現できると期待した。また、農業法人の経済成果と社会成果の実現状況について、「経済成果」を実現した農業法人は約4割、「社会成果」を実現した農業法人は約3割になった一方で、「経済成果」と「社会成果」の両立を実現した農業法人は1割強に留まっていることが判明し、農業法人にとって経済成果と社会成果の両立は必ずしも容易ではないことが分かると分析している。