農業機械化情報研究会から |
先月号で紹介した通り、本会は2月18日、14年度第4回目農業機械化情報研究会を開催した。研究会では「農業法人の現状と今後の動向について」を社団法人日本農業法人協会参事・栗毛野伸一氏が、「韓国における農業用トラクターの動向について」を全国農業協同組合連合会生産資材部農機第一課調査役・藤間則和氏が講演した。 |
全農の藤間氏は、全農で、韓国からトラクターを輸入し販売しようとした取り組みの経緯を語った。 韓国でトラクターを生産・販売しているメーカーについては5社あり、販売実績は8923億ウォン、およそ910億円で、800億円が国内、110億円が輸出となっていること、輸出は、アメリカが34%を占め、その他、ヨーロッパ、中国などにも輸出されていること、台数でみると、合計で1万8700台あり、このうち国内が1万3000台、輸出が5700台となっていることなどを説明。 次いで、全農の取り組み経過について次のように紹介した。 「近年、農業資材店舗「しんしん」が韓国製トラクターの販売を行っており、JAや農家から韓国製トラクターのJAグループでの取り扱いに関する問い合わせが増えてきた。このため、長野県本部で確認試験のために輸入することとなり、県本部に協力して韓国製トラクターの技術・性能等の検査・試験を行った。 その結果、@道路運送車両法の保安装備基準の範囲外となっている事項があるA安全フレームは作業者の安全域確保ができない可能性があるBエンジン性能については『作業時の粘り』が不足した――などが明らかになった。 こうしたことから、今回試験した機械については、道路走行時の保安基準への一部不適合や、部品・アフタサービス体制に不安があると思われ、更に、輸入のための諸費用等を考慮すれば価格優位性に乏しく、積極的に位置付けるのは困難である、と結論した。 しかし、「低価格であれば使いたい」の意見もあるので、農家に対して低価格機械の提供を実現する立場から、韓国メーカーによる機械の改善が前提になるが、部品供給・国内アフターサービス体制等の取り扱い課題も含め、一つの選択肢としての可能性を追求していくことにした」。 |