機械化現地フォーラム’03

低コスト野菜産地づくりをめざして

 本会は11月12日、栃木県と共催し、栃木県農業試験場鹿沼農場で平成15年度農業機械化現地研究会「機械化現地フォーラム'03『低コスト野菜産地づくりをめざして』」を開催した。当日は、地域の機械普及のリーダーなど関係者1500名が参加、機械の実演を見つめた。前日の雨も上がり晴天に恵まれ、参加したメーカー等18社136台のうち68台が実演。特にニンジン、ネギ、サトイモに関しては特別収穫実演が行われた。フォーラムは今年、2年振りの機械の実演となり、次回は講演で、機械の実演は再来年となる。


 実演に先立ち、開会式が行われ、栃木県農務部経営技術課の小瀧勝久課長補佐の司会進行により最初に主催者として栃木県農務部の橋本俊一部長が挨拶。
 「今、日本では食の安全・安心に、非常に関心が高まっている。安全で安心な農産物の生産、供給が強く求められており、また、輸入野菜が増えていることから、それに加えて低コストでの生産が必要となっている。栃木県においても、首都圏に近いという有利性を活かして園芸、米麦、畜産、それぞれの特徴を活かしながら、しっかりと農業に取り組む人を支援するという形で取り組んでいるところである。特に野菜等については、なかなか機械化が難しい側面もあり、それが遅れているということもあり、この機械化フォーラムを通じ、是非とも低コストで安全・安心な、そして栃木県の場合は、新鮮な野菜を供給するという役割をしっかりと果たしていきたい。特に園芸等ではそれに加え、環境にやさしい栽培を推進している。栃木県のエコファーマーについても、全国で2番目の数となっていて、そういった方面にも十分配慮しながら栽培に取り組んでいる。その意味からも、今日は素晴らしい天気の下で、これからの栃木県の農業にとっても野菜作りにとっても、このイベントが大きな契機になることを祈念している」と語った。
 次いで、本会会長の関谷俊作が挨拶。出席者始め関係者、出品者にお礼を述べた後、「今回は低コスト野菜野菜産地づくりをめざして、というテーマで実施することにしている。野菜の生産は農業生産としては2兆円の生産額があり、全体の4分の1を占める大変重要な作物である。また国民の栄養、健康保持の点からも欠くことのできない食品である。最近は輸入野菜の急増等の中で、海外との競争を意識しながら低コスト生産、品質の高い野菜の供給ということをやっていかなければならない。そのために機械の開発は大変重要なことであり、大型機械の開発・利用も進められているが、同時に我が国の場合には、比較的小規模で点在する野菜機械のためには、小回りの利く中型・小型の機械の開発と利用が必要という、大変困難な問題に直面している。今回は、中型・小型の機械の実演・展示により、効率的な機械の利用体系を検討して頂き、また、低コスト野菜生産並びに機械化のための標準的な栽培様式の確立に向けて、機械化一貫体系を開発・推進していくことを課題としている。今日は各種の選りすぐった最新機械を実演・展示しますので、じっくりとこれをご覧いただき、意見交換も十分にしていただき、それぞれの地域に応じた機械の導入利用を進めていただきたい」と要請した。
 引き続き来賓として、農林水産省生産局農産振興課課長補佐の日向正彦氏が「国内農業の競争力を高めるために、高性能農業機械の開発、資材の低減対策に力を入れており、今年度から次世代農業機械の新規開発に取り組んでいるところである。現在の我が国農業における環境保全、循環型社会に対応した農業機械技術の進展、新しい技術の取り組みについては、開発の側と農業生産現場の努力の成果であると考えている。今回のフォーラムでは野菜生産の定着・拡大に向け、効果的な農業機械導入利用技術の検討、低コスト化野菜生産、並びに機械化のための標準的栽培様式による機械化一貫体系確立の推進に役立つものと期待している」と祝辞。
 また、地元鹿沼市の阿部和夫市長が、同市が全国一のニラの生産や市場で評価を受けているイチゴの「とちおとめ」の産地であることなどを紹介するとともに、「全国的な農業の現状をみると、高齢化、後継者不足などが急速に進む中で、低コストな機械化の推進が課題であり、本日ここに全国規模の野菜機械の展示・実演が行われることは大変意義深いことであると思っている。鹿沼市においても、サトイモをはじめ多くの露地野菜の産地であるので、収穫で実演される機械が作業効率の向上につながり、首都圏農業の推進に大きく貢献することを心より期待している」と歓迎の言葉を述べた。
 この後、実演に移行。最初は、調製など定置機械の実演。続いて展示機械の参観。そして圃場での、体系ごとの実演と続いた。圃場での実演は、@トラクタと歩行体系に分けての土作り、肥料散布、耕うん、マルチ、播種Aトラクタ体系の土壌消毒、耕うん、マルチ、播種、苗床作りB耕うん整地、畝立てマルチの一貫作業C歩行用タイプの土壌消毒、マルチャー、播種機D移植、管理、防除作業E特別収穫実演の順で、18社63台が、機械の説明の後、実演を行った。
 なお、参加メーカーは次の各社。
 アグリテクノ矢崎、井関農機、クボタ、小橋工業、ササキコーポレーション、サークル鉄工、鋤柄農機、スズテック、スター農機、タカキタ、マツモト、松山、マメトラ農機、丸山製作所、三菱農機、みのる産業、ヤンマー農機、新農業機械実用化促進。
 以下に、実演機械と各社の紹介からその特徴をみた。▲TOP
 〈定置機械〉
実演は、長ねぎ調製装置(自動型・マツモトMR−1)とネギ選別機(マツモトMN−105R)、半自動ネギ調製機(マツモトMB−1D)、ほうれん草調整機(クボタNC150)、計量機付き包装機(クボタJSK−1717)、整列播種機(ヤンマーSF70K)。
 半自動ネギ調製機を除いて、すべて緊プロ事業による開発機。新農機鰍ェメーカーとともに実演した。全自動ネギ調製機は、光センサーの利用により根切り、皮むき、葉切りすべてを全自動で処理でき、選別までをこなす。
 ほうれん草調製機は、根切り、泥落とし、下葉取りが同時にでき、2人作業で大幅な省力化ができる。また、計量機付き包装機は、テーブルに乗せるだけで所定の量を計量し、一定の量になると自動的に搬送しフィルムで包装する。
 整列播種機は、これまで手播きに頼っていた不定形の種子や大型の種子を、方向を揃えてトレイに播種することができる。▲TOP

 
〈圃場@〉
実演は、ミキシングソワー(ササキRMS300−0S)、有機ブロードキャスター(ササキMD206R−0S)、有機マルチソーワ(スターMMS4000)、自走小型ロールベーラ(タカキタSR602N)、マルチブロワ(タカキタMB2105E)、自走マニュアスプレッダ(タカキタSD1000D)。
 ササキコーポレーションのミキシングソワーは、有機肥料や化成肥料など数種類の肥料を混合して散布することができる。有機ブロードキャスターは、シャッターの開閉ばかりでなく散布量の調整をトラクターに乗ったままできるブロードキャスター。
 スター農機の有機マルチソーワは、シャッター開度を無段階に調整可能で、化学肥料から有機肥料まで対応する。また、スター農機では、フレールモア・スターMFN1410を紹介。L字フレックス2枚刃で野菜作後の残渣処理などに活用できる。
 タカキタの自走小型ロールベーラは、ネットでもトワインでも結束できる。マルチブロワは、トラクター作業で堆肥の切り返しを可能としたもの。切り返しばかりでなく、ブロワを用いて、マニュアスプレッダーへの積み込みもできる。自走マニュアスプレッダーは、軟弱地でも安定した走行を実現、操作レバーを運転席に集中し、確実な操作ができる。▲TOP
 〈圃場A〉
実演は、マルチ同時土壌消毒機(矢崎DIT−4)、播種マルチ+フロント施肥機(矢崎AMS−200DW+矢崎TCS−121)、播種機(矢崎TPH−30C)、サブソイラー消毒機(ニプロSSD−440)、ソイルリフター(ニプロSPS−2)、逆転成型ロータリ(ヰセキUMY16)、イチゴ畦成形機(ヰセキTS2100)。
 アグリテクノ矢崎のマルチ同時消毒機は、安定した吐出量を維持し、低速でも高精度な作業ができる。トラクターフロントに装着した施肥機・クリーンソワーは、同時作業で作業効率が高い。手元のスイッチで散布のオン・オフが可能。播種マルチは、マルチの穴がないところはシャッターが閉じて種が止まり、穴が来るとシャッターが開き確実に播種する。平行リンク機構により、地面の凹凸に追従していく。また、播種機はホッパーを透明にして種子の残量が一目でわかり、ユニット式で条の増減が簡単。
 松山のサブソイラー消毒機は、40cmの間隔、深さ30cmの深層に施薬する。特殊爪とVリフターでタイヤ跡を残さない。ソイルリフターは、7cmの幅で土を抜いてしまうことで、サブソイラに比べ排水効果が長持ちする。また、天地返しの効果もある。
 井関農機の逆転成型ロータリーは、稲刈り跡、麦刈り跡で野菜用の畦作りが1行程でできる。逆転ロータリーと成型機のノウハウを実用化した。フルクローラトラクターにセットしたイチゴ畦成形機は、トラクターに乗り、丈夫な崩れにくい畦を楽にできるようにした。また、フルクローラにセットすることで、圃場の凹凸に影響されにくくなり、まっすぐな畦を作ることができる。▲TOP
 〈圃場B〉
実演は、サトイモマルチロータリー(クボタRT−112[M6])、ローター(コバシKJS160ST−3S)、アゼローター(コバシRKS750HT−0S)、ドリームロータリ(三菱MDR117YBGSM)、畦立同時ペースト施肥機(三菱MYS600)、スライド成形ロータリ(三菱RS−150PH)、畑用灌注ペースト施肥機(三菱MYM31)、整地シーダー(三菱MM−HS6)、管理機用クローラキット+平、平高畦専用整形ロータリセット(三菱CKM6+M6R−E15B)、支柱打込機(三菱MNT−02)。
 クボタのサトイモマルチロータリーは、ロータリ部にフローティング装置を採用して、畦際ぎりぎりから作業ができるようになっており、畦立てとマルチ作業が楽にできる。
 小橋工業の畦塗機・アゼローターはリバース作業で隅まで畦塗りができるようにしており、1回の調整でバック作業ができる。コバシハイパーローターは、本体の軽量化と新型ハイパー爪の装備で、耕うん馬力が少なく、精度の高い作業を可能にした。
 三菱農機のドリームロータリは、ロータリのすぐ後に取り付けたサブソイラで、ロータリ耕と同時に耕盤破砕が行える。これにより、普通耕うん、畑作深耕、畑作超深耕と3通りの作業に対応する。スライド成形ロータリは、水田の裏作用にと開発されたもので、爪本数を多くすることで細かく砕土して成形部を左右にスライドすることにより、畦際から畦成形ができる。管理機用クローラキットはタイヤの代わりに車軸に装着できるクローラのアタッチ。柔らかい圃場でも安定した直進ができる。装着した平高畦専用整形ロータリセットは、ハンドルによる調節で平畦から平高畦まで対応する。支柱打込機は、ハウスの支柱を確実に地面に打ち込む。1本打ち込むと自動で次の打ち込み位置まで移動する。トラクター装着の畦立同時ペースト施肥機は参考出品で、3畦を成形しながらペースト肥料を局所施肥していく。施肥位置は畦の中央から左右に各5cm、深さ5cmの所で、1株ずつに均等に施肥されることで生育が揃う。畑用灌注ペースト施肥機は歩行型で、根の近くにノズルを打ち込み、ペースト肥料を施肥していく。整地シーダーは、1行程で整地・播種・鎮圧を行い、1点1粒蒔きができ、間引きの手間を省く。▲TOP
 
〈圃場C〉
実演は、テーラー用マルチャー(矢崎MRX−1SA)、ロータリーシーダー(ヰセキRS−6)、自走式土壌消毒機(みのるD−2)、可変式平畝ロータリマルチ(ヤンマーMK7R−F15B)。
 アグリテクノ矢崎のテーラー用マルチャーは、テーラーで牽引することで簡単に平マルチができる。重量が軽く取り回しも楽。
 井関農機のロータリーシーダーは、砕土・整地・播種・鎮圧までを1行程でこなし、能率的。
 みのる産業の自走式土壌消毒機は、ハウス専用型で、薬液残量がわかる計量装置が取り付けられてあり、接地輪で薬液注入装置を駆動する。
 ヤンマー農機の可変式平畝ロータリマルチは管理機に装着、成型器の姿勢をハンドルで調整できるので、圃場条件が変わっても抱き込む土の量を変えることができ、容易に作業ができる。▲TOP 
〈圃場D〉
実演は、ロータリカルチ+施肥機(ヰセキCR33+FJ33)、カンショ移植機(ヰセキPVH1−70PBL)、玉ネギ移植機(ヰセキPVH2−145WZL3A)、ブームスプレヤー(ヰセキJKA17D+VBS500G)、全自動野菜移植機(クボタSKP−11E)、たまねぎ移植機(クボタKP−2TE)、ブームスプレーヤ(クボタKBM−410D)、中耕ローター(コバシCF323)。
 圃場Dから、午後の実演となり、移植・管理・防除について、歩行・乗用合わせた実演を行った。
 井関農機のカンショ移植機・ナウエルナナは慣行のつる苗をマルチフィルムの上から専用の挟持式植え付け爪で苗を傷めることなく植え付けていく。半自動の玉ネギレタス兼用移植機は、玉ネギの移植作業を立ってでき、レタスも移植できる。1人でも2人でも作業可能。活着促進のために灌水装置が標準装備されている。ロータリカルチは乗用管理機に装着され、中耕除草作業をこなす。乗用管理機はスリーアクション4WSで、畝間に入る、畝間での後退などの操作が楽にできる。ブームスプレヤーも乗用管理機に装着されており、最大散布幅15.6mのスライド式ブーム。散布幅は電動モーターで10mからスライドでき、変形圃場などでの散布に対応する。ブーム部は自動水平装置を備えている。
 クボタの野菜全自動移植機は、苗がなくなるとブザーで知らせ機械を止めることなく苗補給ができ、効率よい作業ができる。油圧式昇降感知制御により平畝から高畝まで幅広く対応する。半自動のたまねぎ移植機は、簡易乗用型2人乗りで、能率よく移植作業ができる。植え付けは油圧式自動水平昇降機構により、5cm〜30cmの畝まで機体が自動追従し、植え付け深さが一定となる。ブームスプレーヤは乗用管理機に装着したもので、乗用管理機はトレッドが変えられるズームトレッド方式を採用している。ブームは車速連動装置着きで、少量散布もでき高精度な散布が行える。
 小橋工業の中耕ローターはネギ用中耕管理機専用で、フレーム地上高が高いため、ネギを傷めることなく土あげ作業ができる。正転、逆転とも可能で、条間隔は75〜100cmに調節ができる。▲TOP
 〈圃場E〉
実演は、乗用長ネギ移植機(サークルNTP)、乗用長ネギ管理機(マメトラMSR−950N)、乗用野菜移植機(マメトラTPR−1S)、かんしょ移植機(マメトラSP−3)、乗用野菜管理機(マメトラMSR−1250)、全自動白ネギ移植機(みのるVP−100)、全自動野菜移植機(みのるVP−100・平地移植キット付き)、軟弱野菜移植機(みのるVP−240)、自走マルチチェアー(みのるMF−2)、マルチ回収機(みのるW−1A)。
 サークル鉄工の長ネギ移植機は、慣行苗を移植、無段変速ミッションで好みの速さで作業できる。
 マメトラ農機のかんしょ移植機は、立ったままで苗移植が楽にできる。苗は慣行苗を斜めに挿入し、1株ごとに鎮圧する。乗用移植機は、大苗、長苗の移植を目的として、ホッパー横開きにより30cmの草丈の移植が可能。オペレーターが植え付けを確認しながらの作業ができるようになっている。足回りにはクローラを採用し、スリップがない。乗用野菜管理機は、中耕・土寄せ作業を目的として開発、フロントでの作業なので畝間を確認しながら、作物を傷めず正確な作業が行える。長ネギ乗用管理機は、管理作業を乗用化、2条で行える。これもフロント作業となっている。
 みのる産業の全自動白ネギ移植機は、苗をセットすると機械が苗を抜き移植、苗がなくなると機械が停止するという機械任せの作業。機械を、溝の中を走らせるので中央に確実に移植できる。これに平地移植キットを装着すると、ブロッコリーも同じ機械で移植できる。軟弱野菜移植機は、特にハウス内のチンゲンサイ、ホウレンソウの移植を可能にした。苗箱のセットも簡単で、ワンレバーの操作となっている。自走マルチチェアーは、自走式の野菜移植台車。サツマイモの移植用にとに注目されている。乗って移植ができ、先端のマルチホーラーで穴を開けながら、苗を手で植えていく。マルチ回収機は、マルチを巻き取りながら機械が前へと自走していく。振動装置が付いており、泥や野菜クズなどを落としながら巻き取る。▲TOP
 〈圃場F〉
実演は、じゃがいも移植機(ヤンマーPN1、J)、全自動ねぎ移植機(ヤンマーPA1、N)、全自動野菜移植機(ヤンマーACP10)、ラジコン動噴(ヤンマーACPG300RC)、歩行型ハイクリブームスプレーヤ(丸山BSW−200−M)、マルチスプレーヤ(丸山MRS90−500BSLT)、乗用管理機(丸山BSA−535LS)。
 ヤンマー農機のじゃがいも移植機は、畝を立てておけば適期に植え付けができるもの。種芋は手で補給、植え付けは専用の開孔器を装備し、15cmの深さで確実に植え付ける。全自動ねぎ移植機は、ネギのセル成型苗を植えていくもので、苗をセットすれば連続植え付けが可能。ガイド輪により直進性に優れる。全自動野菜移植機は、苗をセットするだけの全自動タイプで、苗が一定量まで減るとブザーで知らせる。苗継ぎは植え付けを止めずにできる。水平制御を、手元で自動・手動と切り替えられ、安定した植え付けを実現する。ラジコン動噴は、ホースの巻き取り・エンジン停止を手元ででき、バッテリーが不要、メンテナンスも楽。
 丸山製作所は3タイプのブームスプレーヤを紹介。乗用型ニューハイクリブームは、12馬力ディーゼルエンジンを搭載した乗用管理機で、散布幅15.6mのスライドブームを装備した防除機。タンクを機体の中央に配置し、機体バランスが良好。歩行型ハイクリブームスプレーヤは、自走式で200aのタンクを搭載。ブーム幅は6.9m。トレッドは4段階に調整可能。マルチスプレーヤは、足回りにクローラを採用、ブームは散布幅7.2mの2段式スライド、180度ターン方式を採用し、往復で14.4m、前後進同じ速度なので、同じ量の散布ができる。▲TOP
 〈特別収穫実演・ニンジン圃場〉
実演は、井関農機、クボタ、ヤンマー農機のニンジン収穫機で、型式はヰセキVH−C112S、クボタCH200F、ヤンマーHN15、C。
 井関農機の収穫機は、より速く、より快適に、より精度よく作業ができるよう開発した。選別者が乗車でき、大幅な省力化を実現、独自のコンテナ交換システムで、満杯になったコンテナを素早く交換できる。
 クボタの収穫機は、フレコン収納タイプ。掘り取り深さをワンレバーで調整でき、掘り取り部のスピードと走行速度が同調するハーモニーシステムを採用、低速から高速まで安定した作業ができる。
 ヤンマー農機の掘取機は、振動式サブソイラにより固い圃場でもニンジンを傷めず掘り取りでき、幅広いゲージホイルにより軟弱圃場でも一定の深さを保ち、安定した掘り取りが行える。ベルト式肩揃え機構により、茎葉の切断も高精度。▲TOP
 〈特別収穫実演・ネギ圃場〉
実演は、ネギ管理機(クボタFTN−7Y)、ネギ掘取機(クボタMMO−300LG)、全自動タイプのネギ収穫機(コバシHG100)、長ネギ収穫機(ニプロNK−1)、ネギ用管理機(ヤンマーHK8EXK)、ネギ収穫機(ヤンマーSV2−NGTK)。
 クボタのネギ管理機は、植え付け溝から埋め戻し、土揚げまで、独自の爪で畝高さ50〜60cmまで対応する歩行型機械。ネギ掘取機は、パワークローラトラクターに装着され、トラクターが進行するに従いネギが掘り上げられ、上下振動をするリフトフォークで土をふるい落としていく。
 小橋工業のネギ収穫機は、緊プロでの開発機。作業は1名から可能で、掘り取りから土落とし、収穫まで1行程で行える。作業能率は従来の約3倍。収容はネットで巻いていく方式となっている。
 松山の長ネギ収穫機は、トラクター装着の作業機で、先金で掘り上げ、ベルトで後方に搬送する。トラクターオペレーターと後ろの作業者との2人での作業となる。リモコンオフセットを採用し、移動時は機体中央部へ移動する方式。
 ヤンマー農機のネギ用管理機は、スクリューカットロータリという残耕処理爪を装備し、固い圃場でもきれいな移植溝ができる。高いところまで土を飛ばすことができる。ネギ掘取機はトラクターに装着するサブソイラー方式の掘取機。上下振動方式でネギの土をきれいに落とし、掘り上げる。▲TOP
 〈特別収穫実演・サトイモ圃場〉
実演は、鋤柄農機と松山の掘取機で、鋤柄農機は振動式掘取機スキガラTSD−910、松山は掘取機ニプロBL−80−1Sで掘り取りを行った。
 鋤柄農機の掘取機は、トラクターのPTOを利用し、刃先とフォークを振動させ、刃先で畝を崩しながら、後方のフォークで土と芋とを分離させ、芋を浮き上がらせる。
 松山の掘取機は、刃先で掘り上げコンベアで土と芋をふるい分けるコンベア方式。根菜類に幅広く対応する。
 最後に、本協会の小川一貴専務理事が閉会の挨拶を行い、参加者のご協力に感謝し、全日程を終了した。▲TOP