農業機械関係ニュース

平成１４年１１月

　ＣＡＴ924Ｇは新機構のバーサリングを搭載し，作業性を高めた。主な特徴は，

1. 独特の１本アームが抜群の前方視界を生み出し，視認性が一段とアップ
2. 視界の向上で，クイックカプラでのアタッチメントの交換が容易に行える
3. 強固なボックスセクションデザインを採用，作業中の様々な負荷に対して抜群の強度を確保

　　──など。ハイリフトアームと標準リフトアーム仕様がある。

　宮城県下で開かれた会議では，今年及び来年の出荷見通しに関する報告が行われ，トラクターでは中型機のハイスピード化，キャビン化，高馬力化の進展，コンバインなど収穫機では，台数でほぼ横ばいながら全体的に安価型に対する需要傾向にある，などの報告が行われた。

　これまで生研機構，長野農試，同会営農・技術センターで実施してきた安全性や取扱性などの試験結果，輸入のための諸費用などを考慮すると価格優位性に乏しい，などから「輸入・国内供給を積極的に位置づけるのは困難」との結論となったと発表した。ただ，低価格機械の提供を実現する立場から，機械不具合の改善や部品供給体制の問題などが解消されれば，ひとつの選択肢となるとし，可能性に含みをもたせた。

　発表したのはｉスタート背負動噴ＳＨＲＥ10Ｂと15Ｂ，ｉスタート背負動散ＤＭＥ400（Ｆ），キャビンＳＳのＳＳＶ545ＦＣ。ｉスタート動噴は，手持ち機械に求められる第一の要件である「軽さ」に応え，世界最軽量を実現。

1. リコイル引き力２分の１のｉスタート背引きタイプ
2. 丸型のアクセルレバーを採用。エンジン調整が簡単

―などが特徴。ｉスタート背負動散はシリーズに軽量・ハイパワーな中型モデルを追加したもの。8.5�Lと軽量ながら新開発エンジンにより，40ｍのパイプダスター防除が可能。新機構ステップシャッターを装備している。キャビンＳＳは500�Pの超コンパクトモデル。個人でも導入しやすい価格を実現している。

　貯蔵庫としての基本機能を維持しつつ極力コストを切りつめて開発した。型式はＧＲ14，ＧＲ７。同クラスの製品に比べ収納量をアップ，本体部分は同社メーンのＧＢシリーズと同じドア厚さ50ｍｍ，底板60ｍｍとし，断熱性を強化するとともに，庫内温度微調整を可能にした。新型冷蔵ユニットを搭載，消費電力の大幅な低下を実現，代替フロンＨＦＣ−134ａを採用し，環境に配慮した。ＧＲ14は貯蔵量玄米30�L袋14袋，ＧＲ７は同７袋。

　上海市内に上海電気集団傘下の現代農業装備有限公司（ＳＥＣ現代農機）と合弁で新会社「上海世達爾現代農機有限公司」を設立。中・小型農機の開発・設計・製造・販売を行う。新会社の資本金は210万米ドル（約２億5200万円）で，出資比率はスター農機が51％，ＳＥＣ現代農機が49％。薹事長はスター農機社長の西谷勲夫氏が兼務する。来年春に工場操業を開始し，牧草刈取機や集草機，ラッピングマシーンなどを生産・販売する予定。

　うすまき全自動播種機ＴＨＫ−5017Ｋは，中〜大規模の農家に向け，床土入れから仕上げまで一貫作業ができる高性能播種機。毎時能力400〜500箱で，ミニコン，苗箱供給機，自動ハコツミ機をオプション装備することによりさらに省力化が可能になる。また，自動ハコツミ機ＡＨ−７は，作業姿勢に無理ない高さに積み上げ，腰痛を防止できる。苗箱の送り込み，積み上げをモーターで駆動するシンプル機構が特徴。ストップセンサーにより７枚で自動停止する。育苗箱自動積重装置ＳＴ1000Ｄは，育苗施設，大規模営農集団向けに開発したもので，毎時1000箱の積み重ね作業が行え，独自のロータリーアーム方式で最大24段，６〜８山に確実に積み重ねる。

　今年の秋の褒章で晴れの受章を受けた。11月13日には伝達式が行われ，夫人とともに出席，天皇陛下の拝謁に臨んだ。

　今年の秋の叙勲で，新農業機械実用化促進株式会社の中野賢一氏は勲三等瑞宝章を受章，ササキコーポレーションの前会長・佐々木忠一氏が発明考案功労で勲五等瑞宝章を受章した。

　２人乗り小型特殊自動車ライガー・デュオの後継機で，前輪に緩衝装置を採用し走行時の衝撃を緩和，乗り心地を向上させた。また，低速車マークを標準装備し，４輪すべてに油圧ブレーキを採用，安心して走行ができる。 その他，

1. 11.3馬力のハイパワーエンジン搭載。積み荷を積んでいても坂道などでも力強い走行性を発揮する
2. 乗用車と同等の大型ヘッドライトを採用
3. 車体サイズをワイド化し，クラスナンバーワンの室内空間と荷台広さを実現
4. スライド＆前倒し機構付きの分割ベンチシートとインパネシフトの採用により，左右のウォークスルーが楽に行える

──などの特徴を持つ。

　本田技研工業は都内の代々木公園で行われた「まちとむらの交流大会」にミニ耕うん機「プチな」（ＦＧ201），「こまめ」（Ｆ220）を出品。同機による土づくり，野菜作りの実演を行うとともに，入場者に機械を使ってもらう体験の場を設け，人気を博した。

　米奉行（ＫＧシリーズ）の後継機で，主な特徴は，

1. カメラ分解能力は従来機の８倍（センサーを1000画素から5000画素とし，最小見える大きさを250ミクロンから50ミクロンに，計測回数も1.6倍のスピードとした）
2. 選別対象に合わせた多様な照明方式とバックグラウンド調整機能により，白米，玄米を始め，ソバ，小麦，ごま，コーヒー豆にも対応
3. インジェクタ数を２倍にし，選別に伴うロスを最小限に抑えた
4. インジェクタの効率を高め，異物除去に要するエア消費量を低減したことで，異物混入率の高い場合も選別可能

──など。

　現在の米袋は30�Lであるが，これからの高齢化などを背景に20�Lの米袋が採用されつつある。これに合わせ，全国穀用紙袋協会の指導・協力により，昭和パックスと共同で紙袋シール封緘型オートパッカーＯＳＰ−240を開発した。計量から包装までを一貫して処理し，能力は毎時240袋。空袋供給や→フラップ開き→計量・充填→両面テープ剥離→封緘→荷出しの行程を15秒でこなす。空袋も自動供給するため，人手が大幅に省け，計量も高精度。本格発売は15年１月からを予定している。

　籾すり機ではネオライスマスター（ＮＰＳ）シリーズに４，５インチモデルを追加し，自動ロール制御機構，精品昇降機仕様を加えた。自動ロール制御機構はロール間隙調整をコンピュータで制御する。精品昇降機は籾すり，選別後の仕上がり玄米を昇降機で排出し，より安定した運転を可能とするもの。精米機は新型クリーンワンパス４型式を10月から発売。このうち，ＣＢＳ750Ａ，同1500Ａ，同2200Ａは糠受けに新技術の，糠が周囲に飛散しないローズドサーキット方式を採用している。乾燥機では，15〜80石のマジックドライヤー，９〜55石のグルメドライヤー，中山間地仕様機をラインアップし，ワイドな品揃えとなっている。