農業機械関係ニュース

平成13年11月


  1. 山本製作所が遠心脱ぷ籾すり機を開発
  2. スズテックでは苗箱施薬土入れ機,うすまき播種機プラントなどを発表
  3. 日農工がトレーラーブレーキにガイドライン
  4. 秋田県農業機械化ショーが盛況
  5. 大島農機は次世代小型乾燥機を追加発売
  6. 本田技研工業が世界最大クラスの船外機を発売
  7. 共立はすべての刈払機にiスタートを採用
  8. 金子農機では「遠赤米」をPRするポスター作成
  9. クボタは菜園用管理機「ミディー菜ning」発売
  10. タイショーはグレンコンテナの新シリーズと肥料散布機を発売
  11. 井関農機は宮城県にトマト養液栽培施設完成

1.山本製作所が遠心脱ぷ籾すり機を開発
 インペラ脱ぷ方式と揺動選別方式を一体化した「ダップマン」RP―601で,平成14年1月より本格的な発売を開始する。“こだわり米”を大切に仕上げることができる。小規模稲作農家向けで,肌ずれが少なくきれいに、玄米が光っているように仕上げる。また,小型・コンパクトで誰にでも簡単に操作できる。能力は1時間当たり最大10俵と高性能。
  1. インペラ脱ぷ方式の採用により,ロール式のようなすき間調整操作が必要なく,籾すり機構がシンプル。また多少水分が高くとも脱ぷ性能が良くきれいに籾すり作業が行える
  2. 揺動選別方式を採用したことにより,水分ムラ,高水分の玄米でも選別できる。また,揺動式により選別状態が一目でわかる。昇降機やスクリューを使用していないため残粒がほとんどない
――などの特徴がある。
 
2.スズテックでは苗箱施薬土入れ機,うすまき播種機プラントなどを発表
 苗箱施薬土入れ機「ST−307Y」は,床土入れと同時に,水稲用殺虫・殺菌剤のデラウスプリンス粒剤50gを均一に苗箱に散布する。これにより,田植え時の繁忙期での散布手間が省け,いもち病に関しては苗の時期から防除できる。
 うすまき播種機プラント「H−700」は,営農集団に向け,高能率,高精度で耐久性に優れたコンパクトな播種プラント。能力は1時間当たり700箱と育苗センター並みの播種作業が行える。
 園芸関連ではポット土入れ機「STK−25P」などで,これは土入れ部,回収部を一体化し土供給ホッパー付きでワンタッチ着脱ができる。軽量コンパクトで移動及び格納が簡単。
3.日農工がトレーラーブレーキにガイドライン
 トラクター部会と作業機部会の技術委員会で策定した。トレーラー(牽引式作業機を含めた総称)を対象とし,80PS以上でかつ製品出荷重量3.5t以上のトラクターの場合,最大積載時総重量がトラクターの1.5倍を超えるトレーラーを牽引する際はトラクターの常用ブレーキと連動して作動するトレーラーブレーキを標準装備するか,トレーラーブレーキキッドを用意しておく。
 また,同クラスの場合,トレーラーブレーキを備えていてもトラクター総重量の4.5倍を超えるトレーラーを牽引してはならないとした。このクラスのトラクターに関してはガイドライン制定後,1年以降に生産されるものからこの規定が適用される。
4.秋田県農業機械化ショーが盛況
 大館市の大館樹海ドーム駐車場で開かれた同ショーでは,農業機械の最新機種が展示され,多くの来場者で賑わった。各出展企業の小間には,トラクター.コンバイン,乗用田植機といった稲作の主要機械を始めとして「本作化」が急ピッチで進もうとしている大豆関連の各種管理機械,品質向上に欠かせないポストハーベストの調製,計量機器,品揃えが充実してきた野菜,畑作用機械,環境対応の堆肥化装置,樹木粉砕機などがバラエティー豊かに並べられ,関心を集めた。
5.大島農機は次世代小型乾燥機を追加発売
 「ロイヤルテンパーツイン」に小型クラスの「RST−T型」と中型の「RTM20−T,RTM16−T」を追加した。「ロイヤルテンパーツイン」シリーズは,バーナーから発する熱源を従来方式の低温熱風利用と,バーナーにより温められた特殊熱放射板から発する低温熱線により穀物を乾燥する二元乾燥方式を採用。特殊熱放射板には遠赤外線エネルギーを発する特殊塗料を塗装し,遠赤外線効果を発揮する。この特徴を小型機にも適用したもので,バーナーから発する熱源を温風と熱線の2つの方法で利用するツインヒート方式を最大の特徴とし,その他,機内を循環する温風の流れを更に効率よく流れるよう新設計,効率の良い乾燥と穀物に無理のかからない優しい乾燥が行える。
6.本田技研工業が世界最大クラスの船外機を発売
 V6−3.5L 四ストロークの「BF225」(225馬力)で,このクラスで初めて世界で最も厳しい米国カリフォルニア州大気資源局(CARB)の2008年度排出ガス規制値を下回る高い環境性能とともに,抜群の経済性と信頼性を実現した四ストローク船外機。
7.共立はすべての刈払機にiスタートを採用
 14年度の地区代理店会議の席上発表したもので,新製品として刈払機SRE200シリーズ,同300シリーズ,背負式シリーズなどすべての刈払機にiスタートを採用した。また,背負動噴,背負動散,ヘッジトリマー,枝打機にもiスタートシリーズを拡充,さらに,チェンソー発売40周年を迎え,新型チェンソー395SP,加えてパワーブロワー,乗用管理機,スピードスプレヤー,高所作業機などの新製品を発売した。
 iスタートは軽い引き力でエンジンを始動することができ,人気を呼んでいる。
8.金子農機では「遠赤米」をPRするポスター作成
 同社の遠赤外線乾燥機「レボリューションエイト」シリーズが好評なことを受けて,これをさらに加速する一助として,遠赤外線乾燥機を利用して乾燥仕上げをしたコメを「遠赤米」と命名し,アピールしていくためのポスター,チラシを作成,全国の支店,営業所に配布した。同社では,遠赤米を利用しているレストラン,食堂などにこのポスターを貼ってもらい,遠赤外線乾燥機の名前を一段と浸透させたい考え。
9.クボタは菜園用管理機「ミディー菜ning」発売
 農家の自家菜園および一般家庭の家庭菜園などの耕うん・中耕培土・除草に使用できる菜園用の管理機・TMA300シリーズを12月より新発売する。野菜作りが楽しくなるような扱いやすさの工夫に加え,斬新なデザインと魅力的な価格を実現している。主な特徴は,
  1. 軽い力でエンジンがかかり,音も静かだから,疲れず楽しく作業ができる(縦軸型OHVエンジン搭載)
  2. 少しくらいなら自分でも手入れができる。工具なしで燃料を抜くことができる「クイックドレン」というネジもその一つ
  3. ローターに草巻き付き防止棒を装備。草が機械に巻き付きにくい
  4. 危ないと思った時に押せば止まる緊急停止スイッチ付き
――など。
10.タイショーはグレンコンテナの新シリーズと肥料散布機を発売
 URシリーズ6型式は,積載量27袋用のUR08型から103袋用のUR31型まで揃い,いずれの型式も広角排出180度。また,乾燥機のスピードアップに対応し,ホースでの排出スピードを大幅に上げ(排出能力毎時14〜17t),籾の張り込み作業の効率化を実現した。パネル折り畳み式での出荷が行え(UR08,同11型),小スペースでの収納も可能。着脱もワンタッチで簡単に行える。さらにトラックへの積み降ろし,移動,収納が便利な回転スタンドを08,11,17,21の4型式に適用した。
 また,肥料散布機・グランドソワーPUシリーズは,ホッパー容量80aの140型と100aの170型で,いずれの型式もトラクターのフロントに装着するタイプで,粒状,紛状,土改材など幅広い肥料が均一に定量散布できる。
11.井関農機は宮城県にトマト養液栽培施設完成
 JA栗っこ農業協同組合から受注,建設を進めていた有限会社サンアグリしわひめの施設で,総事業費は約7億円。敷地面積3万2000m2,温室栽培棟2万m2,選果場640m2,管理棟200m2。トマト(桃太郎)の冬春作型(長期多段の年作型)で,植え付け本数は4万8500株,推定収量10a当たり32t,総収量664tとしている。
 ハウスは,日射量に比例させて温度・炭酸ガス濃度の制御を行う日射比例制御方式を採用,さらに,蒸発散計を使用して培養液の灌水制御を環境条件により制御する本来の複合環境制御を実現している。