農業機械関係ニュース

平成13年7月


  1. 遠赤乾燥機は8352台普及
  2. 井関農機が下期向け新商品15品目32型式発
  3. タカキタがフレコンライムソーワ発売
  4. ニッカリではモップ式草刈機を発売
  5. コマツゼノアで世界最軽量の背負式刈払機
  6. 運搬車「シャチ」に筑水キャニコムが新型
  7. ヤンマーとジョンディアが提携30周年
  8. クボタがトラクターと乗用田植機の新シリーズを発表
  9. 三菱農機では下期新商品として小型トラクターなど発表
  10. 山本製作所が新しいコイン精米機を発売
  11. サタケが環境分野に本格進出
  12. 日立建機ティエラが全国販売店会議

1.遠赤乾燥機は8352台普及
 新農機が第9期定時株主総会で緊プロ開発機の普及状況を明らかにした。遠赤乾燥機の他、畦畔草刈機は1892台、大型汎用コンバイン182台、水田用栽培管理ビークル310台、野菜栽培管理ビークル398台、野菜全自動移植機128台などとなっている。
 
2.井関農機が下期向け新商品15品目32型式発表
 発表したのは、75PSのトラクター「ジャパン」をはじめフルクローラトラクター、「ジアス」Sシリーズ、「シアルハンター」、超小型フルクローラトラクター(ピコロシリーズ)、クローラ仕様およびセル仕様の管理機、8条植えのペースト仕様田植機。歩行全自動野菜移植機「ナウエルハナ」の往復2条植えタイプなど。
 ヰセキトラクター「ジャパン」は軽量、コンパクトでしかも高馬力。主変速8段ボタンシフトで変速はクラッチ操作が不要、副変速レバーもボタンシフトと一体化しワンレバー操作で24段変速を実現している。
 また、「ジアス」Sシリーズは、オールシーズン快適作業を提供するデラックスキャビンを37、41、46馬力に設定。20〜30PSクラスの「シアルハンター」は、フルモデルチェンジして水田から転作、畑作まで多機能で汎用性に富んだTHシリーズと、基本性能重視の超経済タイプTHSシリーズをラインアップした。
3.タカキタがフレコンライムソーワ発売
 これまでのタイプでは投入しきれなかった比重の小さい肥料を1000a・1000?まで投入でき、高能率散布が行える。本体の上ブタを両開きとしてあるため、フレコンに米ヌカや大豆カス等を大量に入れ、フォークリフトで吊り上げての一括投入が行える。アジテーターの回転ムラがなく、精度の高い散布が可能なうえ、アジテーターを左右に抜き取ることができるのでメンテナンスも容易。ホッパーなどの素材にはステンレスを採用し、耐久性に優れている。
4.ニッカリではモップ式草刈機を発売
 農林水産省・四国農試(現・農業技術研究機構近畿中四国農業研究センター四国研究センター)との交流共同研究の成果を商品化したもので、車輪が付いたモップ式となっており果樹の樹冠下の除草作業が楽に行える。低い位置にエンジン・刈刃部をまとめ、ハンドル中間部に設けた角度調節機構により、腰を伸ばした立ち姿勢で樹冠下の除草ができる。また操作も簡単で、片手で前後に押し引きするだけ。刈刃はナイロンコードカッター専用としており、幹を傷める危険性を少なくしている。
5.コマツゼノアで世界最軽量の背負式刈払機
 BK2210(排気量21.7立方m)DL、DT2タイプは「より軽く、より使いやすく、より安全に」を開発コンセプトに、誰でも簡単にスタートできる、畦草刈りに最も適した背負式刈払機。また、軽量化に加えて背負い部を極めてコンパクト化、不安定でバランスの取りにくい斜面でも楽な姿勢で作業が行える。同社独自のeスタートシステムでスタート時の引き力は従来の2分の1。振動対策もトップレベルで長時間の作業でも疲れにくい。
6.運搬車「シャチ」に筑水キャニコムが新型
 S10の後継機、S10Aで、ロングクローラとHSTにより、優れた走破性と、安定性を実現した。主な特徴は、
  1. 搭載するハイパワー水冷2気筒ディーゼルエンジンは高出力15馬力
  2. ツインHST(油圧無段変速)の採用により、スムーズな走行・旋回が可能。加えて、高・低2段の副変速により、作業状況に合わせたスピード調節ができる
  3. 安心して作業ができる大型のリヤガードや整備性を向上したエンジンカバーなど、使いやすさを工夫している
――など。
7.ヤンマーとジョンディアが提携30周年
 提携30周年記念大会が北海道のロイトン札幌ホテルとホクトヤンマー本社で行われた。大会には両社の幹部と全国の販売店の代表者が参加。1日目が提携30周年記念式典、2日目にはジョンディア商品研修会が行われた。
8.クボタがトラクターと乗用田植機の新シリーズを発表
 トラクター「スーパーグランドマックス」GM82、90は主に大規模・中規模の畑作・酪農を主体に一部大型水田農家も対象とし、作業性・快適性をアップしながら価格は従来機より100万円もの安価を実現した。また、安定した耕深制御が簡単にできるニューミックス比例ドラフトを装備し高精度な作業を実現する。
 「ニューグランビアボーイ」シリーズは新たに17馬力を追加した。安全で、扱いやすく、安価な中・小規模農家向けトラクター。クッションオート、逆転PTOなどを標準装備。さらには倍速ターン仕様なども用意している。
 乗用田植機「ジョイカムアルファシリーズ」は新旋回システム“ゆう優ターン”や畦越操作等の安心機能を標準装備。同時に超軽量で低価格の新施肥機の仕様も加えている。
9.三菱農機では下期新商品として小型トラクターなど発表
 トラクターは中山間地域向けの「Gbit(ジービット)」シリーズで、10年振りのフルモデルチェンジ。新たに17馬力を追加し、乗り降りが楽で女性やお年寄りでも安心・安全運転ができ、操作が簡単。大排気量エンジンを搭載しているので作業性能が高く、しかも手頃な価格を実現している。
 乗用田植機は「PBOT(ピボット)」シリーズ。本格4条植えのデラックス型で、中山間地域・小規模農家を対象に、誰にでも簡単に使いこなせる。オペレーターに静かで疲れにくい作業スペースを提供、見やすいモニターや乗り降り容易で苗継ぎに楽なワイドステップを採用している。
 また、管理機「うねもりくん」シリーズは、開閉式ロータリーカバーで耕うん、畝立てが簡単にできる。
10.山本製作所が新しいコイン精米機を発売
 同社独自の開発による残留米なし機構により、機内に米が残らないため、うるち米ともち米が混じらない。また、精米スピードを従来機より30%アップし、待ち時間を大幅に短縮した。操作を音声で知らせ、利用者がより使いやすくするとともに、集客率向上のため夜遅くでも目立つように電飾看板を採用し、外観デザインも一新した。精米機は特殊金網の採用で糠切れがよく、低温精米でき、きれいな白米に仕上げる。
11.サタケが環境分野に本格進出
 同社ではこれまで、家庭用・業務用の生ゴミ処理機、自然の雪・氷を利用して野菜や穀物を保存する氷室・玄米倉庫、さらに畜産廃棄物を堆肥化する設備などを手掛けてきたが、こうしたノウハウを背景に長野県内に「大型堆肥化施設」を完成させた。同施設では地元周辺で排出される乳牛の糞、下水汚泥、きのこ栽培の廃オガ屑を、吸送気微生物発酵方式と独自の最先端計測制御技術により低ランニングコストで堆肥化し、安定した完熟堆肥を生み出す。
 また、全米精米業者協会(RMA)から、同社の前代表・故佐竹覚氏に、長年にわたる功績をたたえて表彰状が授与された。RMA理事会が特別に表彰したもので、史上初めての受賞になる。
12.日立建機ティエラが全国販売店会議
 トラクターCX、NXの新シリーズ導入10周年を記念して開催したもので、席上、日立オリジナルトラクターCTX175、NTX245が披露された。日の本トラクターの長所である「小型で高出力」、「扱いやすい」を継承し、日立が今一度原点に帰って「安全」、「安価」、「扱いやすい」を追求、充実した基本性能に特別装備を加えた。