農業機械関係ニュース

平成13年4月


  1. 日立建機ティエラが新型トラクター
  2. アグリテクノ矢崎ではセルトレイ真空播種プラントを発売
  3. スター農機は折りたたみハローに新製品を追加
  4. 小橋工業が超小型の中山間地向け畦塗機を発売
  5. JA全農が5ヵ年の中期事業構想を策定
  6. 筑水キャニコムが運搬車の新製品
  7. 大島農機では籾すり機MRBシリーズ新発売
  8. サタケがマジックライスをインド大地震救援に提供
  9. オーレックは新しい乗用草刈機を発売
  10. 金子農機では遠赤外線乾燥機に新型投入
  11. 農機学会の新会長に市川友彦氏
  12. 川辺農研産業ではバイブロソイラーSV3シリーズ発表
  13. 石川島芝浦機械が芝管理機器を充実
  14. タカキタではオートラップマシーン2機種

1.日立建機ティエラが新型トラクター
 日立トラクターNTX−H(ハイスピード)シリーズに2型式を追加したもので,昨年発売したNTX−Hシリーズの上位機種のNTX46Hと同50H。主な特徴は,(1)ハイスピード電子多段ハイシフト(H仕様)…24段の作業速度レンジに加えて6段の高速レンジを採用。ノークラッチでスムーズに変速できる,(2)電子油圧制御AD倍速(ボタン切換式)…ハンドルを切るだけで「倍速」「片ブレーキ」「作業機アップ(TD仕様)」が自動的に作動し,楽に旋回できる。さらに車速に応じて倍速/オートディスク(AD)が働くので安心して作業できる――など。
 
2.アグリテクノ矢崎ではセルトレイ真空播種プラントを発売
従来の同社真空播種機SHH−100に,土入れ・鎮圧機および覆土・灌水機を加えたプラント。土入れ,鎮圧,穴あけ,播種,覆土,灌水の6工程を全自動で行う。トレイ条数は7〜20条に対応し,毎時能率は60〜150トレイ。
 真空播種機SHH−100は,平ベルト搬送により,あらゆるセルトレイに対応可能,微小種子から大粒種子まで播ける6種類の播種ノズルを準備, などの特徴を有する。
3.スター農機は折りたたみハローに新製品を追加
 ニューレインボーハローMPVシリーズに,規格作業幅3mのMPV3001と同3.2mのMPV3201,MPWシリーズが同3.6mのMPW3611,同4mのMPW4011。外部油圧による折りたたみ方式を採用している。ニューレインボーハローは,独自の「3分割垂直折りたたみ方式」と,センター・両サイドに確実に動力を伝える「3ウェイドライブ方式」,移動時の安全を守る「セーフティバランス」が好評を得ている。
4.小橋工業が超小型の中山間地向け畦塗機を発売
 超軽量・安全・安価の「コバシアゼローターBR620Sシリーズ」で,コバシ21世紀モデルの第2弾。10〜17馬力の小型トラクターに装着でき,136kgという超軽量設計と独自のオフセット機構「ツイストアップ方式」の採用により小型トラクターとの優れたマッチングを実現している。
 畦作りには上位クラスと同じ構造を採用。進行方向に対し垂直に取り付けたロータリーが元畦をダウンカット,砕土された土を12面体ドラムに供給し,1回転ごとに強く畦を押し込み,固く締まった畦を形成する。
5.JA全農が5ヵ年の中期事業構想を策定
 第25回臨時総代会で13年度の事業計画と併せ了承したもので,中期事業構想の戦略・施策としては,主に(1)低コスト資材の開発・普及など競争力ある価格の実現(JAとの年間計画に基づく予約積み上げを基本とした全国集中購買による購買力強化,ヘルプ農機の組合員・JAニーズの把握および型式設定・取り扱い拡大など)(2)物流改革などによる流通コストの削減(農機の広域部品センター設置など広域的な事業拠点の展開など)――を掲げている。
 また,各年度ごとに行動計画を立て,生産資材のコスト低減では最大20%削減を達成するとし,ヘルプ農機の設定型式数を13年度200,15年度210,17年度220としている。
6.筑水キャニコムが運搬車の新製品
 クローラ運搬車「パルメート」BC40,ホイール運搬車「下町小町」J65で,パルメートBC40には手動ダンプ,油圧ダンプ,下町小町J65では平ボディ,油圧ダンプの2型式がある。
 パルメートBC40の特徴は,(1)新開発の副変速付ミッション搭載により,前進4速・後進4速の豊富な変速段数(2)ベルトによる副変速に対してミッションによる副変速を採用したのでVベルトが1本となり,メンテナンス性がアップ(3)足回りはスイング転輪プラス芯金無しクローラを採用し走行安定性を図っている――など。
 下町小町J65の特徴は,(1)最高速度13.2km/時での公道走行が可能(2)大型シート,大型ミラー採用(3)スロットルの調節はアクセルペダルとレバーの両方で可能――など。
7.大島農機では籾すり機MRBシリーズ新発売
 ロイヤルハラーMRシリーズの3インチ,4インチタイプをモデルチェンジし,MBRシリーズとして新発売した。よりコンパクト化し 籾すり作業の効率化,作業スペースの拡大を実現するとともに,揺動選別板の有効面積を拡大させて選別精度を向上させた。また,選別板の単独取り出しによるメンテナンス性の向上,誰でも簡単に籾すりできるワンレバー操作方式などの特徴を持つ。
8.サタケがマジックライスをインド大地震救援に提供
1月26日発生したインド西部大地震の救援のため,マジックライス3000食を現地へと発送した。同社のインド支店を通じ,紹介を受けたNGOの「Friends of All」に提供された。
 マジックライスは,お湯や水だけで調理できる加工米で,長期保存が利くことから災害時の保存食として注目を集めている。
9.オーレックは新しい乗用草刈機を発売
 無段変速(HST)を装備したラビットモアーRM86で,刈幅880mm。(1)ハンドル,シート,エンジンカバーの高さが低く,低重心(2)ミッションはデフ&デフロック機構を標準装備(3)ロータリーカバー開閉式(4)小石,草屑,土ぼこりなどが外に出にくく,安全重視のフルカバー刈取部(5)ステップフロアは低く,乗り降りがしやすいフラットタイプ――などが特徴。
10.金子農機では遠赤外線乾燥機に新型投入
 REC型に15石と50石の2型式を追加,廉価型のBSタイプを設定するとともに大型機種としてRELシリーズを投入した。RELシリーズは60石から100石までの4型式で,乾燥スピードを最速とし,大型機ながら運転音の大幅な静粛性を実現した。同社の遠赤外線乾燥機は,独自の「全粒照射方式」を採用,1粒ずつに遠赤外線を照射してムラなく乾燥,均一で無駄のない仕上がりを実現する。
11.農機学会の新会長に市川友彦氏
 4月1〜4日に鳥取大学で第60回年次大会を開催し,総会の席上,新役員が紹介された。新会長は市川友彦氏(生物系特定産業技術研究推進機構・生物生産システム研究部長),副会長には岡本嗣男氏(東京大学)と小田原哲一氏(クボタ)が就任した。同大会では33の分野で245の研究成果が発表された。
12.川辺農研産業ではバイブロソイラーSV3シリーズ発表
 40〜60馬力級のトラクター用で,独創の上下振動により畑を荒らさず50cmまで地中深耕ができる。また,収穫用アタッチメントの取り付けにより根菜類,ネギ,アスパラなどの掘り上げ作業にも対応する。標準仕様は土を抱えるカーブドシャンク2本,ストレートシャンク2本の4本シャンク仕様,耕幅は1.4〜1.7m。強力な耕盤破砕効果を持ち,水田裏作の排水性,保水性改善に極めて高い効果をもたらす。独特の振動方式のため,カム式やクランク式の振動方式にありがちな故障やトラブルがなく,オーバーロードにも対応,振動の方向を上下方向にしたことでトラクターへの振動を抑え,オペレーターに振動による不快感を与えない。
13.石川島芝浦機械が芝管理機器を充実
 同社・グリーン事業部では栃木県下のゴルフ場と足利今福工場,八坂工場で展示・実演会を開催,78機種を出品した。このうち乗用傾斜地モアGA230は低床・4WDで急傾斜地や木立周りの作業に最適。乗用リールモアTM747Dは刈幅4500mmの高性能作業を実現している。
14.タカキタではオートラップマシーン2機種
 小区画の圃場でも軽快にロールのラッピング作業が行えるトラクター3P直装式のオートラップマシーンWM1050と同1050Wを新発売した。3点リンク直装タイプのため,小回りが利き,積み込むロールとの位置合わせも簡単。また,特殊大型キャスター輪を標準装備しているので軟弱地でもスムーズに走行できる。機体の右横からロールを積み込む「横積み込み方式」のため,作業が楽に行える。ラッピングは1度のボタン操作ででき,スロースタート機能とオートストップ機能で安全で確実なラッピングが行える。適応トラクターは30〜60PS。