農業機械関係ニュース

平成13年3月


  1. 日農工アンケートでは今年の内需は横ばい
  2. 佐竹製作所は池本発明功労賞を受賞
  3. 本田技研がOHCエンジン・GX100発売
  4. スター農機が続々と新製品
  5. 全農機商連が創立45周年式典開く
  6. 全農の需要予測では今年は横ばい基調
  7. 井関農機の社長に中野弘之氏
  8. 上田農機が自走式ヤマトイモ収穫機を発売
  9. 筑水キャニコムでは新型「草刈機まさお」を発売
  10. 熊谷農機は混合機マザールジュニア発売
  11. MSK東急がMTM展で新製品
  12. 金子農機が簡易型機能水生成装置を発表
  13. 静岡製機は全国シヅオカ会を開き遠赤外線乾燥機の新型など発表

1.日農工アンケートでは今年の内需は横ばい
 今年の内需と輸出に関する会員59社のアンケート調査結果によると,金額比で内需に関してはほぼ横ばい,輸出は前年比97.3%の見込みとなった。
 国内需要の機種別では,台数比で乗用トラクター,動力耕うん機,動力噴霧機,トラクター作業機(金額比)が前年対比増加,特に20PS未満トラクター(104.7%),30PS以上トラクター(105.5%)は伸び率が大きい。半面,稲麦刈取機(91.9%),動力脱穀機(89.4%),トレーラー(88.8%)などは減少予測となっている。
 
2.佐竹製作所は池本発明功労賞を受賞
同社のフレンドリー方式の乾燥機が,超高速低温乾燥機の開発として日本発明振興協会主催の第26回発明大賞池本発明功労賞の栄誉に輝いた。
 この乾燥方式の原理は,穀物をあらかじめ加熱して表層部と内部を均一化したあと乾燥風で乾燥するもの。これにより,
  1. 胴割米が生じない
  2. 低温乾燥でおいしさアップ
  3. 作業時間を短縮
  4. 電気代,灯油代を節減,ランニングコスト大幅減
  5. 装置の小型化が可能になった
――などのメリットを確保,すでに各地の農家から高い評価を受けている。
3.本田技研がOHCエンジン・GX100発売
 ホンダ独創のサイドカムOHC機構の採用により,高い信頼性,耐久性と軽量コンパクト化を両立しながら,米国EPAの第2次規制に対応するなど優れた環境性能を実現した3馬力の4ストロークガソリンエンジン。静粛性に優れた独自のビルトイン・タイミングベルトや大型マフラーの採用により,作業者にも配慮した超低騒音設計で,急に負荷がかかるケースでも回転数ダウンが少なく,OHCならではの粘りあるフラットなトルクを確保する。小型コンクリートミキサーやハンマーなどの小型建機,ポータブル発電機の動力として最適としている。
4.スター農機が続々と新製品
 「ニューフェース21」キャンペーンで発表しているもので,肥料散布機として化成混合散布機,有機肥料散布機。フリークローラ方式のクローラマニュアスプレッダ,クローラロールベーラ,クローラカッティングロールベーラ。さらに自走積み込みマニュアスプレッダ,ミキシングスプレッダ「ゆうきくん」など。
 このうち,新製品第3弾として発表した「ゆうきくん」は有機肥料と化成肥料を均一に混合・散布できる。2本オーガで確実な混合,特殊スピンナーで均一散布,などの特徴を持ち,混合した肥料を散布せず,そのまま取り出すこともできる。
5.全農機商連が創立45周年式典開く
 全農機商連は昭和31年8月,農機販売・整備業の全国団体組織として発足,今日まで業界の近代化や流通の正常化に大きく貢献してきた。式典ではそうした45年の歩みを紹介の後,業界の発展に貢献した功労者を顕彰,引き続き祝賀の宴がもたれた。
6.全農の需要予測では今年は横ばい基調
 全国の130JA,20県連・県本部からの回答を集計したもので,今年の農機全般の需要については「変わらない」および「やや減」の見込み。機種的には転作関連の大豆,野菜用機械が増えると期待をかける向きが多く,トラクター,コンバイン,田植機については大型化・多条化・乗用化の傾向,また,ヘルプ農機(低コスト農業支援農機)の割合が増える予測となった。地域別では東海・近畿・中四国で明るさの見える結果になっている
7.井関農機の社長に中野弘之氏
 4月1日付で就任した。役員の異動は,代表取締役社長には中野弘之代表取締役専務,代表取締役専務に首藤矩生常務取締役,常務取締役営業本部長に山本達一取締役・ヰセキ九州社長が就任する。堀江行而代表取締役社長,玉井蔚代表取締役副社長,須藤昌宏代表取締役副社長は取締役相談役に就任した。  中野氏は昭和15年2月27日生まれ,愛媛県出身。昭和37年愛媛大学文理学部を卒業後,同年井関農機に入社し,人事勤労部長,開発製造本部副本部長兼松山製造所長,業務本部副本部長などを歴任。平成6年に取締役,11年に常務取締役,12年4月から代表取締役専務。
8.上田農機が自走式ヤマトイモ収穫機を発売
走行部にはゴムクローラを採用し,6馬力のガソリンエンジンを搭載,拾いあげ収穫していくもの。拾いあげる部分に取り付けられている前輪が,掘上機で作溝された溝に沿って走るので安定した作業ができる。また,拾い上げたヤマトイモはコンベアに送られ,土をふるいながら作業者によってコンテナに収納される。
9.筑水キャニコムでは新型「草刈機まさお」を発売
 傾斜地での草刈り作業に有効な4WDに加え,小さく旋回できる四WSを採用。さらにハイパワー21馬力エンジンを搭載するなどグレードアップした。主な特徴は,@刈刃への動力伝達方式に,効率の良いシャフトドライブを採用。また,ベルトレスによりメンテナンスや刈刃カバーの清掃が楽にできるA刈り高さ調整を旧来手動式から電動式にすることで,スイッチひとつで刈り高さ調整ができるB刈刃全体が右側へ150mmスライドするスライス・スライディング機構を搭載――など。
10.熊谷農機は混合機マザールジュニア発売
 同機は回転式で湿気があっても本体に付着することなくムラなく混合できる。オールステンレス製で,肥料,育苗床土,飼料などの他,食品関係での利用も可能。コンパクトで高性能,使用現場,収納場所を選ばない。
1回の処理量は約110a。特殊な羽根の配列によって均一に混合できる。
11.MSK東急がMTM展で新製品
 同社関東支店で開催した展示会で新製品としてMF2200トラクターの自動水平装置,フェラボリ・ロールベーラ「スプリンターSP120,165,180」,1台でベーリング作業とラッピング作業ができるビコン「ベールパックRF130」などを発表した。  このうち,フェラボリのバリアブルタイプのロールベーラは,ハードコア(芯巻き)と4段階のソフトコアが選択でき,ダブルトワイン,ネット,フィルムの3種類の結束システムが標準,さらに,カッティングなし,トップカット,ウルトラカットの3仕様が選べる。
12.金子農機が簡易型機能水生成装置を発表
 一昨年発売したOECの簡易型であるOEC−30,40の2機種。還元水のみに用途を集約(40は強酸化水も生成)し,価格も引き下げて,ユーザーが求めやすくした。界面活性力の増大など優れた機能水の物理性を利用して,減農薬を実践しながら生産者の経済面,生産者と消費者の健康維持に役立てることを主眼に開発したもので,
  1. 廉価である
  2. 作業が簡単B作物が安全
――などが特徴。
13.静岡製機は全国シヅオカ会を開き遠赤外線乾燥機の新型など発表
 静岡製機は全国シヅオカ会を開き遠赤外線乾燥機の新型など発表=新製品は,遠赤外線乾燥機「PCEシリーズ」(43〜63石),ガンバーナー乾燥機「PCGシリーズ」の大豆乾燥用Dタイプ(25〜60石),ロータリバーナー乾燥機「PCRシリーズ」(25〜60石),玄米低温貯蔵庫“菜庫”「GB500B」,さらに精米・施設用機器としてカラー選別機,精米ユニット“米(マイ)プラン”,家庭用生ゴミ処理機“エコロンポ”「LE−8」,電子測定機器など。
 このうち,遠赤外線乾燥機は,従来タイプに比べ遠赤外線を放射する熱風層の有効開口面積を40%拡大し,大豆乾燥機は搬送系の回転数を米麦の3分の2,循環速度可変制御で大豆の損傷を防ぐ。