農業機械関係ニュース

平成12年11月


  1. クボタが育苗箱の展開・回収機を発売
  2. 熊谷農機はトラクター用除雪機を発売
  3. 本田技研が船外機を一新
  4. ササキコーポレーションはシャトルハロー発表
  5. コマツゼノアの川越工場が竣工し式典
  6. 田中産業ではゴア・インナーウェアを開発
  7. 薄播き播種機をスズテックが発表
  8. JA全農が出雲で21世紀営農フェスタ
  9. 有光工業が北海道で新製品発表会
  10. ニッカリはバッテリ式誘因結束機を発売
  11. 金子農機会長・金子愛次郎氏が死去
  12. 馬鈴薯植付機を鋤柄農機が新発売
  13. 佐竹製作所の佐竹覚代表が死去
  14. 新農業機械実用化促進Mがはくさい収穫機等を実演
  15. 共立が21世紀新製品を多数発表

1.クボタが育苗箱の展開・回収機を発売
 「苗ライン」は水稲育苗センター向けの半自動タイプ育苗箱展開・回収機で、苗箱の運搬、展開、回収を省力省人化している。同社では全自動の「アグロボ2」を既に開発・販売しているが、低価格で既設育苗施設にも導入が可能な育苗箱整列機が必要と判断、展開だけでなく回収機能を加えた上で
  1. 簡単操作
  2. お手ごろ価格
  3. 三人作業 
をコンセプトに開発したもの。作業操作はリモコンで簡単、展開と回収の切り替えはスイッチひとつ、走行は移動時には高速・回収時は中速・展開時は低速との3段階設定――などの特徴をもつ。
 
2.熊谷農機はトラクター用除雪機を発売
 スノーラッセルの新型KSRシリーズで、全機種にリモートコントロールを標準装備し、投雪性能、耐久性などを更にアップしている。最大除雪幅1200@のKSR−1200RCと、1650@のKSR−1650RC、1800@のKSR−1800RCの3型式を揃えており、トラクターを除雪機に早変わりさせる雪国の定番として販売を進めている。
3.本田技研が船外機を一新
 「人と地球にやさしく経済的で軽量コンパクトな船外機」をコンセプトに開発、米国カリフォルニア州大気資源局(CARB)の2008年度規制値を大幅に下回るクリーンな排出ガスレベルを達成した小型4ストローク船内機。8馬力と9.9馬力がある。
4.ササキコーポレーションはシャトルハロー発表
 折り畳み式代かき機「シャトルハロー」の新シリーズで、軽量タイプのKWシリーズ、GWシリーズ、プロ農家向け大型のKW−0シリーズ、SWシリーズ。20〜140馬力のトラクターに対応している。今回の新シリーズは、軽く折り畳みができる強力スプリングを内蔵し、軽量タイプには折り畳んだまま楽に格納ができるキャスタースタンドを標準装備、整地板の接地圧を強弱切り換えられるレベラー調圧機構など、機能、使いやすさを充実させながらも価格面では農家の経営に優しい納得価格の低コスト化を図っている。
5.コマツゼノアの川越工場が竣工し式典
 かねてより進めていた本社・立川工場ならびに埼玉工場の川越移転が完了したことから、竣工記念式典を実施した。新工場は八月に完成、10万F強の敷地に近代的な設備を保有する事務棟と工場を配置し、月産3万6000台(農林機器エンジン換算)、月産600台(建機PC30MR換算)の生産能力を有する。
6.田中産業ではゴア・インナーウェアを開発
 「ゴアウインドストッパーインナーウェア」は極めて薄く軽い素材にもかかわらず、厳しい寒気や寒風から身を守る保温性・防風性に優れている。汗のムレを放出する透湿機能も兼ね備えており、下着の上にこれを着るだけで冬場でも快適な作業が行える。農作業はもちろん、各種屋外作業に最適。
7.薄播き播種機をスズテックが発表
 手動式から全自動式まで7シリーズ、12型式を開発した。このうち、薄播きオート播種機「HK−207B型」は脚高さ調節機構により通常より100@高くなり、作業者の体格に合わせ楽な姿勢で箱乗せ、箱取りができる。また土ならし回転ブラシとスミ取り装置は4段階調節を採用、使いやすさを追求した。安定した播種精度も特徴。
 薄播き全自動播種機「THK−3017型」は、播種量の調節が可変速モーターにより播種ローラーの回転に変わり、毎時300箱の作業が行える高能率機。
 さらに、人工培土専用のミニコン「SCS−7型」と育苗箱展開回収機「SRP−5型」、「同7型」も新発売した。
8.JA全農が出雲で21世紀営農フェスタ
 昨年の鳥取県内で開催された研修会に続くものでJAグループとしては2度目の大規模な試み。鳥取・島根両県を中心とした中国5県の認定農家、営農集団、生産法人を始め約600名が参加、150点を超える農業機械の展示・実演に見入った。
 屋内実演では防除作業機を実演して紹介。三菱農機、クボタ両社のブームスプレーヤ搭載管理機が散布実演を行ったほか、共立、丸山製作所、初田工業の各社による散布実演が注目された。圃場実演では、クボタ、三菱農機のそれぞれのコーナーで大豆体系、野菜作体系、稲作体系とその他共通の三部門に分類。両者が交互に実演を行った。
9.有光工業が北海道で新製品発表会
 営業方針、製品開発の現状と将来的構成、新製品の紹介・実演の順で進められ、「減農薬栽培の広がりや、農薬事態の変化による散布方法の変化と大型・法人化へと変遷する農業の実態に適応する防除システムを開発していく」として、新製品のセット動噴3機種、自走ラジコン、背負動噴2機種、走行式防除機、エアアシスト式少量散布ブーム2機種、マイコン散布量調整装置、草刈機、プラスチック噴霧機など、参考出品として静電式ハウススプレーが紹介された。
10.ニッカリはバッテリ式誘因結束機を発売
 棚栽培の果樹園で行われる誘引結束作業を軽労化する。バッテリ式剪定鋏「ニッカリペレンク2000」の姉妹品で、専用の結束タイ(結束するヒモ)を捩って、枝と番線を結束する。最大結束能力は25@、1充電当たりの誘引結束回数は8000回。バッテリと腰ベルトはニッカリペレンク2000のものと共用できる。
11.金子農機会長・金子愛次郎氏が死去
 11月5日、入院先の埼玉県羽生市の羽生総合病院で死去した。69歳。本会の前理事。
12.馬鈴薯植付機を鋤柄農機が新発売
 馬鈴薯の畝成形、植え付け、覆土、マルチ作業が1行程でできる「エイブルプランター」TAP−100M、TAP−100で、15〜25馬力のトラクターに装着して種芋を手軽に定植できる。
  1. 芋の植え付け、畝立て、マルチ作業が同時にできる
  2. 作業者は座席に腰掛けて作業できるので、楽
  3. 植え付け間隔は、スプロケットの交換で10段階の調節が可能
  4. 搬送ベルトの駆動はゲージ輪から動力をとっているので、トラクターの車速に左右されることなく、等間隔に植え付けできる
――などが特徴。
13.佐竹製作所の佐竹覚代表が死去
 11月13日、入院先の大阪市内の病院で急性心不全のため亡くなった。75歳。本会監事を務めていた。
14.新農業機械実用化促進Mがはくさい収穫機等を実演
 茨城県内で開かれた野菜収穫機、管理機等の実演会で性能を披露した。同実演会は、野菜機械の普及を目的に、茨城県との共催で実施したもの。緊プロで開発・実用化したねぎ収穫機、はくさい収穫機、野菜栽培管理ビークル、軟弱野菜調製機の実演を行い、導入促進をアピールした。
15.共立が21世紀新製品を多数発表
 全国5ヵ所で開いた2001年新商品の代理店内見会で、新始動装置「iスタート」搭載の刈払機、背負動噴など200機種にのぼる21世紀モデルを披露した。  このうち、共立刈払機・オートスタートシリーズは、
  1. オートスタートで始動が容易
  2. 軽く疲れない背負式
  3. パワフルエンジンを搭載
――などが特徴。高あぜ草刈り機は、自走式の4輪駆動で、平坦地から50度の斜面にまで対応、法面の草刈りに威力を発揮する。  共立乗用管理機RV5、RV5Wは大型の500a薬液タンクを搭載、ブーム幅は標準で10mあり、ブームの昇降・開閉が油圧で行える。