農業機械関係ニュース

平成12年10月


  1. クボタは乗用4条田植機・ジョイカムジュニア発表
  2. みのる産業が走行動力噴霧機を発売
  3. ササキコーポレーションは畦塗機の新製品発売
  4. ディーゼルエンジンの排ガス規制を1年前倒し
  5. 13年の米生産調整面積を最大10万ha拡大
  6. JA全農の営農・技術センターが「施肥名人」を開発
  7. ドッキング掘取機を上田農機が発売
  8. マメトラ農機ではクローラーカート発売
  9. 松山はNEOロータリー発売
  10. 「農」と「共生」掲げ,第22回JA全国大会開く
  11. 石川島芝浦機械は芝草管理機を11機種発表
  12. 日立建機ティエラで田植機4型式発売
  13. 丸山製作所は背負動噴2機種を新発売
  14. 小橋工業では中型ローター,畦塗機,折りたたみハロー発表
  15. 共立が新型始動装置「iスタート」開発

1.クボタは乗用4条田植機・ジョイカムジュニア発表
 超軽量でコンパクト,容易な操作性・作業性と手頃な価格を実現した田植機。各部の軽量化設計により,機体重量195Lの超軽量化を実現。また全長は歩行型並みの2270@。大径車輪と余裕の最低地上高との相乗効果で湿田での沈み込みが少なく小回りが利く。「点滅式マスコット」を装備し,苗切れの警報を点滅で知らせる。見やすくて操作が楽なフロント集中レバーを採用するなど,初心者・女性に使いやすい配慮を施した。来年1月より発売する。
 
2.みのる産業が走行動力噴霧機を発売
 タンクや機械を背負わなくてはならない従来の背負式動噴を走行式とすることで防除作業の軽作業化を図ったもの。主な特徴は,
  1. 噴霧機本体は水平対向ユニフロート式。圧力3段切り換え式
  2. 業界初の希釈液を簡単に作ることができる「希釈倍率カップ」を装備。撹拌装置付きの優れ物
  3. ダブル車輪の採用で軟弱な土面でも軽快に作業。狭い畝間の走行もスムーズ
  4. 走行を楽にするループハンドルを採用。高さ無段階調節で,傾斜地でも楽に走行できる
――など。
3.ササキコーポレーションは畦塗機の新製品発売
 RB307Dシリーズ2機10型式で,「人に,環境にやさしい」を基本理念に開発した畦塗機。畦上面処理爪を行い,ステンレス製のディスクに段差を設け,この段差で畦の法面を連続してたたき,土中の空気を追い出して土粒子を密着させ堅く締め固める。さらに,ディスクの全体が上下運動し,この振幅によって畦全体を堅く押し固め一層きれいで丈夫な畦を形成する。数々の先進機構に加えボディカラーもアイレストグリーンを基調とした「目にも環境にもやさしい」色とし,使う人の立場に立った本格派・高性能畦塗機。
4.ディーゼルエンジンの排ガス規制を1年前倒し
 中央環境審議会大気部会は9月に開いた会合で2004年から適用されることとされたトラクター・コンバイン,フォークリフトや各種建設機械など,いわゆるディーゼル特殊自動車の排出ガス低減実施時期を1年前倒しして実施するなどを柱にした答申案を了承した。
5.13年の米生産調整面積を最大10万ha拡大
 このほど決定した平成12年緊急総合米対策によるもの。平成13年産からの生産調整は,減反の割り当てから生産量の配分へと方式が移行するため,13年産の拡大分の配分は,25万tの生産量の縮減を目標とする。これを作付け面積に換算すると約5万haとなる。加えて,13年産からの新たな手法として,需給調整水田を設定,これを5万haとし,合わせて10万haの生産調整の拡大となる。
 また,助成措置も追加し,10a当たり青刈りに4万円,ホールクロップサイレージ稲に2万円などを上積みする。
6.JA全農の営農・技術センターが「施肥名人」を開発
 窒素無機化のシミュレーションソフトで,「健康な土づくりと施肥改善運動」の一環として各種肥料や堆肥などの資材と土壌から発現してくる無機態窒素量を総合的にシミュレーションしていく。このソフトを利用することで作物の生育状況と照らし合わせ,無駄のない,しかも合理的な施肥ができる。
7.ドッキング掘取機を上田農機が発売
 根菜類の収穫に威力を発揮するトラクター用の掘取機で,無段変速機構付きの2段式(ドッキング)コンベアを採用したことにより土振るいが一層理想的となり,スピーディできれいな収穫作業を実現する。
8.マメトラ農機ではクローラーカート発売
 楽楽SC−20W」は,重い荷物も不整地でも楽に運搬できる。すぐれたバランス,低い重心,ステップ乗用,自由に選べるダンプ角度3段階といったメリットがある。シンプルな操作パネルで,カッター,ポンプ,発電機へ動力を取り出せる。
9.松山はNEOロータリー発売
 トラクター用ロータリーの,SXR08シリーズとMXR08シリーズ。
SXRシリーズは,
  1. ミッションギア変速付き
  2. 耕うん部カバー,左右内側サイド,さらに均平板下部にもステンレスを装着。
このため土の付着が少なく耕うん抵抗をさらに軽減。高能率で軽快な作業ができる。
MXRシリーズは,
  1. ゲージ輪は幅広,ゴムを焼き付けているため土の付着が少ない
  2. トラクター後輪に合わせてスライドセットできるので一層安定した耕うん作業ができる
――などの特徴をもつ。
10.「農」と「共生」掲げ,第22回JA全国大会開く
 席上,大会議案を決議し,食料・農業・農村の21世紀を切り拓くJAグループの取り組み方向,JAグループの経営・事業・組織の改革,参加・参画・連携の促進による農業協同組合運動の展開の3つの項目でこれからの展開方向を示した。このうち経済事業にかかわる農業機械については,リース・レンタルの促進や農機センターの集約を打ち出している。
11.石川島芝浦機械は芝草管理機を11機種発表
 2001年ニューモデルとして発表したもの。新製品は,乗用アプローチモア,フロント7連リールモア,乗用傾斜地モア,フロントモア,ターボブロア,スライサー,グリーンモア,ゴルフスペシャルトラクター,乗用薄目土散布機,ハンマーナイフモアで,同社・グリーン事業部を窓口に全国販売する。
12.日立建機ティエラで田植機4型式発売
 HP−Uシリーズの,HP−U50軽快快速(乗用5条植え),60軽快快速(乗用6条植え),65プロ仕様(乗用6条植え),85プロ仕様(乗用8条植え)。
主な特徴は,
  1. らくらく旋回「ゆう優ターン」…旋回時のブレーキ操作が一切不要。ハンドルを切ると旋回する内側の後輪動力が自動的に切れ,ブレーキを踏まずに条合わせができる
  2. 一本のレバーで前・後進「ゆう優シフト」…ペダルを踏まずにレバー1本でできるHST無段変速を採用
――など。
13.丸山製作所は背負動噴2機種を新発売
 MSO48型はポンプ形式がカスケード式(渦流式)で除草剤散布に最適。MSO58型は対向2連ユニフロー式ポンプを採用しており,脈動が少なくパワフルな噴霧が行える。その他,48型の特徴は,ワンタッチポンプドレインの採用で押すだけでポンプの水抜きができ,凍結トラブルを防止する,除草剤専用グラスシャワーノズルを標準付属,など。58型は,48型同様クイックドレインを採用している,6段調圧ダイヤルで最高20kgのパワーをきめ細かく圧力調節できる,直動式でバネ押さえの固着を解消,などが特徴。
14.小橋工業では中型ローター,畦塗機,折りたたみハロー発表
 3機種とも「ゆとりある楽しく安全な農作業を」との同社の21世紀製品コンセプトに沿って開発されている。中型ローター「ハイパーロータージュニア」はコバシ独自のハイパー理論により,耕うん爪と爪配列を一新し,軽くスムーズで静かな耕うん作業を実現している。
 畦塗機「アゼローターBR750Sシリーズ」は小型トラクター用で,機体がトラクターサイドと後方センターへ移動する回動方式を採用,安全性を高めている。また,畦作りには偏芯量が5段階に調節できるパワードラム方式を採用,固く締まった畦を作る。折りたたみハロー「ツインハローTZSシリーズ」は安価で,かつ使いやすさを向上させた。
15.共立が新型始動装置「iスタート」開発
 2サイクルエンジンの新しいリコイル式始動装置で,「容易な始動を」の声に応えた。
  1. 軽く,滑らかにリコイルが引ける
  2. リコイルを引くことによりバネに力を蓄え,一気にエンジンを回転させ始動する
  3. 引き力は従来機の約3分の1
――を実現した。また同機構を採用した背負動噴を3型式,刈払機(肩掛式,背負式)2機5型式を発売した。