農業機械関係ニュース

平成12年8月


  1. 共立が世界最軽量の超ミニチェンソー発表
  2. ヤンマーの下期新製品としてトラクター,乗用田植機など
  3. 大竹製作所が籾すり機発売
  4. オーレックがISO14001取得へ
  5. JA全農の資材・農機部取り扱いは2717億円
  6. 金子農機は新型低温貯蔵庫「優庫」発売
  7. コマツではミニホイールローダの畜産仕様車を充実
  8. 11年のトラクター用作業機の出荷は734億円
  9. 全農営農・技術センターが新方式のサイロ開発
  10. 今年上期の農機販売はやや不振

1.共立が世界最軽量の超ミニチェンソー発表
本体重量は2.6Lで,カジュアルユーザーに向けたローラーノーズバー仕様と,プロ作業に最適のカービングバー仕様の2タイプを揃えた。キャブレター,オートオイラー,クラッチシューなど,チェンソーにとって重要な箇所にはプロ機並みの部品を採用しながらトータル重量を大幅に軽減している。トップハンドルは握りやすく,特許の急後傾扁平左手ハンドルで疲労しにくい。「あなたなら,何につかいますか?」をキャッチフレーズに,記念プレゼントセールなどで拡販を図る。
 
2.ヤンマーの下期新製品としてトラクター,乗用田植機など
 新製品はトラクター4機種17型式,乗用田植機2機種3型式,大豆コンバイン,汎用コンバイン,クローラ運搬車など11機種35型式。丸ハンドル・プラス・フルタイムドライブシステム,直噴エコディーゼル,超軽量化技術などヤンマーが誇る新技術を横展開し,能率,操作性,安全性を一段とアップし,求めやすい価格を実現している。
 このうち,小型本格トラクターAFシリーズは,14,16,18,20馬力で水田だけでなく,畑作管理,ハウス・果樹と多岐にわたる作業に対応できる高機能トラクター。また,クローラトラクターCTシリーズは,丸ハンドル・プラス・フルタイムドライブシステムを採用,なめらかな旋回性や走行速度の高速化を実現している。
3.大竹製作所が籾すり機発売
 高能率型のFSH38で,好調出荷が続いているFSシリーズの高能率タイプとして発売したもの。くず米,シイナを分離し,粒揃いの良質米に仕上げる。主な特徴は,
@小型ながら毎時5〜10俵の籾すりができる
Aインペラ脱ぷなので肌ずれのないつやのある仕上げ米になる
B高水分籾でも優れた脱ぷ率
Cスイッチを入れてシャッターを開くだけ。長時間連続手放し運転ができる
など。
4.オーレックがISO14001取得へ
 環境マネジメントシステムを2001年12月までに取得するため,キックオフ大会を開くなど活動をスタートさせた。同社はすでにISO9001の認証を取得している。
5.JA全農の資材・農機部取り扱いは2717億円
 第24回通常総代会で11年度の業務報告書を了承し,取扱高4兆7210億円,当期利益20億1312万2千円を計上した。このうち,資材・農機部の実績は2717億円で,計画比91%。内訳は,農業資材360億円,袋資材161億円,段ボール資材557億円,資材店舗用品15億円,一般農機565億円,大型高性能農機442億円,部品・作業機215億円,原材料402億円。
6.金子農機は新型低温貯蔵庫「優庫」発売
 新機種VLシリーズで,従来のKMシリーズをバージョンアップし,狭いところに設置する場合でも高さの調節が庫内からできるなど,より設置しやすく,使いやすくしたほか,デザインもシャープなものとなっている。貯蔵玄米量は30L7袋〜同42袋。主な特徴として,
@ドアの開閉ハンドルを埋め込みとし突起をなくしてよりスマートにした
A安全を考慮し大切なお米を守る鍵位置を下位置に変更
B排水ホースは丈夫なフレキシブルチューブとし,ネズミ害を防止
などで,従来機の良さはそのままに表示部をデジタルとし,マイコン制御とするなど,使う人に優しい設計となっている。
7.コマツではミニホイールローダの畜産仕様車を充実
 錆びやすいバケットやホイール部分に,防錆性・耐薬品性の高い亜鉛メッキ処理を採用したほか,脱着式ラジエター目詰まり防止ネットによるおが屑の目詰まり防止や,作業機などの牽引に最適な牽引ピンの装備など,装備を充実。マイカー感覚で作業を可能にするHSTの搭載や,不整地走行時でも車体の揺れを最小限に抑えるリアアクスル揺動方式の採用などにより,快適で効率の良い作業を可能としている。
8.11年のトラクター用作業機の出荷は734億円
 日農工の作業機部会がまとめた11年の作業機の生産は,乗用トラクター用が581億3105万円,対前年比(回答企業数が異なるため参考)107.6%,歩行トラクター用や自走式・その他を合わせ695億8456万円,同105.5%。出荷は乗用トラクター用が616億5628万円,同107.6%,合計734億3983万円,同103.6%となった。  出荷のうち,乗用トラクター用で伸びの大きかったのは施肥・播種・移植用,畑作物収穫用,耕起用で,逆に管理用,飼料収穫用,運搬用は減少した。
9.全農営農・技術センターが新方式のサイロ開発
 二重壁間に冷風を通し,米を保管する新方式のサイロで,生研機構のUR対策関連技術開発事業の一環として,佐竹製作所,クボタと共同開発した。
 これは米の高品質長期大量保存のため,二重壁間通風方式のサイロ(250t)を用いて,バラ籾を低温で貯蔵する技術。サイロの外壁の内側には断熱材を施している。昨年岡山で行った試験では,二重壁間の設定温度を15度とした場合,貯蔵籾の下からおよそ4分の3は15度以下,上4分の1は20度以下での貯蔵が可能であり,低温倉庫並みの能力で貯蔵できることがわかった。
10.今年上期の農機販売はやや不振
 全農機商連が会員へのアンケートによってまとめた今年上期の販売状況と,下期の見通しによると,上期は前年に比べ「増加した」が36%,「変わらない」が17%,「減少」47%で,増加が15ポイント減り,減少が6ポイント増えた。前年を100とした売上高比率は97.9%だった。
 一方,下期については,「増加」予測が14%,「変わらない」54%,「減少」32%と,慎重な見方となっており,売上高比率の見通しは96.6%。