農業機械関係ニュース

平成12年6月


  1. 富士ロビンは過去最高売り上げ
  2. 三菱農機がゴムクローラトラクターなど発表
  3. 田中産業でヌカロンコンテナ発売
  4. 日農工に稲わら収集・調製機械研究会が発足
  5. トラクターMF2200シリーズをMSK東急機械が発売
  6. 北海道農業機械工業会の専務理事に高井宗宏氏
  7. ササキコーポレーションが最新ITシステム導入
  8. 鋤柄農機を海外研修員が視察
  9. 佐竹製作所が組織改革
  10. 金子農機が「おかげさまで88周年ありがとう」キャンペーン
  11. JAグループが一斉推進に成果

1.富士ロビンは過去最高売り上げ
 同社の12年3月期決算は,エンジン,刈払機などの増販により売上高126億5700万円(前期比5.1%増)で過去最高を記録。営業利益2億1000万円(同329.1%増),経常利益1億8100万円(同439.5%増),当期純利益8600万円となった。  部門別の状況では,エンジン部門は36億5000万円で,海外向けのOEM供給エンジンが増加,14.1%増加した。農業用機械部門は17億4100万円で,新製品の本格投入などで3.8%の増収。刈払機部門は35億4700万円で17.7%増。新開発の小型4サイクルエンジン搭載機器の投入や東南アジア市場の回復から海外向けを中心に増加した。
2.三菱農機がゴムクローラトラクターなど発表
 12年度下期の新製品として発売するもので,クローラの課題とされる移動速度は最高で毎時15kmを実現した。また,車輪式トラクターGXシリーズで採用している先進のマイコン「MAC・Sシステム」をクローラ用にアレンジして搭載。MACの「入」「切」や設定状態がひと目でわかる液晶パネル「マックビジョン」をメーターパネル内に設置したほか,ハンドル手元のクイックアップレバーや主変速を「後進」に入れると作業機が自動的に上昇するバックアップ機能,また作業機の傾斜・耕深はもちろんドラフト制御も可能なマイコンドラフト(Sモード)付きとし,高精度作業ができる。  そのほか,業界初の後方レーザーシステムによりプラウ,ハロー,ロータリに簡単に装着して大区画圃場の均平化が実現でき,PTOは3段変速,ハイ/ローの切り換えがワンタッチボタンなどの特徴をもつ。MKM45(46馬力)〜MKM75(75馬力)まで4型式ある。
3.田中産業でヌカロンコンテナ発売
 水田10a分の籾ガラ(約2000L)を1袋で収納・運搬できる新タイプの籾ガラ収納袋で,籾すり機からダイレクトに籾ガラを大量収納でき,フォークリフトやホイスト,軽トラックを活用することで,袋の持つ便利さを活かした大量輸送が行える。また,側面が全開になるファスナーの開け閉めで排出量が調整できるので,圃場全体に籾ガラを撒くこともできる。  製品は,袋部とパイプセット,ホルダーの3点から成り,袋部はポリエステルフィラメント糸を使用した塩化ビニール樹脂加工。縦・横・高さとも1200mmの立方体で,ファスナー方式で横排出ができる。パイプセットは,籾すり機の排出口につないで籾ガラの通路なるポリエチレン製のヌカロンホース,籾ガラを袋へ落とす硬質塩化ビニールのパイプ,パイプを袋に固定するスチール製のパイプスタンドからできている。ホルダーは袋を固定する枠。
4.◆日農工に稲わら収集・調製機械研究会が発足
 口蹄疫の発生に関連して農林水産省が国産稲わら緊急確保対策に乗り出したことを受け,国産稲わらの確保が円滑に進むよう機械化の側面から業界全体で協力していくことを目的に設立されたもので,6月9日に都内の機会振興会館で第1回の会合を開き,座長にスター農機の営業企画部副部長・香川譲司氏を選出した。  今後は活動として,(1)農林水産省との連携による対策関連情報の早期入手(2)稲わら収集・調製機械化関連資料の作成・提供(3)稲わら収集・調製作業に係る事例研究および業界共通課題の協議などを行う。  会員メーカーは,アテックス,井関農機,クボタ,斎藤農機製作所,ササキコーポレーション,三陽機器,スター農機,タカキタ,デリカ,三菱農機,山本製作所,ヤンマー農機,八鹿鉄工。
5.トラクターMF2200シリーズをMSK東急機械が発売
 マッセイファーガソンの新型トラクター,54PSのMF2210−4Cと64PSのMF2220−4Cの2機種で,主な特徴は,(1)パーキンス製新型3気筒エンジン,環境対応型の「グリーンエンジン」を搭載(2)前後進50段の多段ミッション装備―前後進シャトル×5段主変速×3段副変速=前後進15段,スピードシフト2段,クリープ(副変速低中で使用)(3)スピードシフト―主変速レバーのノブにあるボタンで操作(4)デフロック―前後同時に確実な接続(5)PTO―独立式の2スピードPTO+グランド(6)フロントアクスル―ステアリング切れ角は60度,パワーターンも標準装備,ステアリング切れ角35度以上で前輪を増速して旋回性を向上――など。一段と作業性,快適居住性を高めている。
6.北海道農業機械工業会の専務理事に高井宗宏氏
 先に開催した総会で役員改選を行い,就任した。また,山木貞夫常務理事は8月いっぱいで勇退,後任に小川宏之氏(前道立農業大学校校長)が就任する。
7.ササキコーポレーションが最新ITシステム導入
 NTT東日本のERPパッケージ「NEW RRR(ニュートリプルアール)」を全国で初めて導入,これと合わせてグループウエアソフトウエア「WORK BOX」も導入,イントラネットを構築した。ホームページによる外部への情報発信を始め,営業面ではモバイルパソコン携帯による営業行動で情報の受発信のスピードアップ,データベースの統合化による業務革新の推進と顧客管理・販売管理の充実,生産面では取引先とのネットワーク連携による購買リードタイムの大幅削減などを進め,経営のスピードアップ,効率アップを図るのが狙い。
8.鋤柄農機を海外研修員が視察
 国際協力事業団の農業機械設計コース技術員一行11名が同社を訪れ,工場見学,滲炭焼入れ法,圃場での実演など実務研修を行ったもの。同社では毎年,この研修の受け入れを行っており,今回は鋤柄社長のあいさつの後,会社概要,製品紹介があり,その後,圃場で畦盛作業,中耕培土作業,トラクターによるマルチ作業などが実演された。
9.佐竹製作所が組織改革
 より一層のユーザー密着を図ることを目的に営業部門の組織改革を実施したもので,(1)従来の営業所を統廃合し全国7ヶ所(札幌,東北,関東,中部,関西,中四国,九州)に支店を設置(2)技術部門から多数の技術者を営業部門に移し,技術に精通したレベルの高い営業,質の高いサービスが365日・24時間提供でき,かつ技術支援がいつでも行える体制――とした。これにより“営業と技術のサタケ”を目指す。
10.金子農機が「おかげさまで88周年ありがとう」キャンペーン
 今回のキャンペーンは,古来88という末広がりの縁起の良さにあやかったもので,発売2年目に入った遠赤外線乾燥機が非常に好調なほか 周辺環境機器の「ゴミとるもん」「からとるもん」も順調なことを受けて,これをさらに加速するために展開したもの。期間は12年度(今年4月〜来年3月)いっぱい。各地で積極的な販促活動を行っている。
11.JAグループが一斉推進に成果
 昨年10月から今年3月まで全農資材・農機部は全国一斉農家推進運動を展開し,ふれあいの輪の拡大に成果をあげた。この11年度一斉農家推進運動では,特に(1)組合員農家が持っている農機を長期に使ってもらうためのトラクター等の簡易点検の実施(2)農作業事故の減少を図るための農機の安全使用の啓発(3)農機費用低減に向けHELP農機の普及拡大――の3点を柱に据え,展示会に向けた事前事後推進などを展開,各支所ごとの取り組みもあり,実績につながった。