農業機械関係ニュース

平成12年4月


  1. 全農機商連では21世紀ビジョンを作成へ
  2. ヤンマーが学生懸賞論文・作文を募集
  3. 全自動ねぎ収穫機を小橋工業で発売
  4. クボタは小規模施設向けガラス選別機「米奉行」発売
  5. 熊谷農機では育苗箱並べ器を新発売
  6. 金子農機が揺動式籾すり機と籾がら収集器発売
  7. 長芋植付機を鋤柄農機で発売
  8. 山本製作所は手持ちの乾燥機を遠赤にするキット開発
  9. 松山がニプロ・ウィングハローなど春の新製品発売
  10. エム・エス・ケー東急機械が展示会でトンネルマルチャーなど新製品
  11. 静岡製機で遠赤外線乾燥機の新機種など
  12. ニッカリがヘッジトリマー発売
  13. 元石川島芝浦機械・社長の笠原伸平氏が逝去
  14. 上田農機が球根拾い集め機開発
  15. 静岡製機が籾すり機「秋一番」発売

1.全農機商連では21世紀ビジョンを作成へ
 このほど開催した第44回総会で12年度事業計画などを可決,了承し,21世紀の農業機械販売整備業のビジョン作成を目指すことを決めた。このほか,共同購買事業の推進や,スクラップした農業機械のリサイクル,農業生産資材費低減対策などに,総務,購買,共済の3つの委員会の活動を強化して取り組む。また,昨年開設したインターネットのホームページの充実も図る。
2.ヤンマーが学生懸賞論文・作文を募集
 昨年第10回の節目を刻んだ「ヤンマー学生懸賞論文・作文募集事業」を装いも新たにして継続していくもので,今回は新農業基本法の制定を受け,その主旨とテーマを,「いま 日本の農業がおもしろい―その変化と対応―パート―新しい世紀の食・農・くらし」と改め実施する。最終審査委員も新しい顔ぶれとなり,後援は21世紀村づくり塾と,全国農村青少年教育振興会・就農準備校本部が新たに加わった。
 応募資格は論文が大学院〜短大,農業大学校に在籍する30歳以下の学生,作文は農業大学校,農業短期大学に在籍する25歳以下の学生。募集期間は6月1日〜10月31日。
3.全自動ねぎ収穫機を小橋工業で発売
 農林水産省の緊プロ事業で開発,商品化したもので,掘り取り,土落とし,株分け,根切り,葉切りを1行程で行う。根と土をコンベアで浮かし,専用ベルトでつかんで掘り取り,収穫後の根切り・葉切りも同時作業。硬い土でも砂土でも土壌条件を問わずに収穫ができ,2人作業で能率は慣行の約3倍。機体は,自動水平機構を採用しており,常に水平が保たれ,精度の高い掘り取りが可能となっている。また,畝を挟んで走行できるガイド輪を採用,手放し運転ができ,その場旋回もできる。
4.クボタは小規模施設向けガラス選別機「米奉行」発売
 KGMシリーズで,中小の精米事業者からの要望に応えた。1つのユニットで25馬力精米機に対応可能な1.6t/時の処理能力としたのが特徴で,玄米,白米とも選別できる。米奉行で採用した平面シューターをコンパクトにした1次選別と,8チャンネルの余裕ある2次選別機構を同一ユニットに内蔵しており,1次選別は溝シューターに比べ同一幅で2倍の処理量がある。ガラス以外の透明な異物にも対応し,高速・高分解デジタルラインセンサーにより微小異物まで的確に検出する。
5.熊谷農機では育苗箱並べ器を新発売
 手動式で極めて簡単に育苗箱が並べられる。苗箱を6箱搭載でき,横方向にも縦方向にも並べられ,ハウスの状況に応じて効率的な作業が行える。最適な傾斜角度により,ブレーキレバーを引くと,自然に育苗箱が落下し,簡単に並べられるというもの。
 本体はステンレス製でさびに強く,滑りもよい。一輪車感覚で狭い場所や細いあぜ道での育苗箱運搬ができ,育苗箱のほか肥料や土,野菜コンテナなどの運搬にも使える。
6.金子農機が揺動式籾すり機と籾がら収集器発売
 籾すり機は「ピュアラー」で5型式。3,4,5インチタイプの一般農家向けで,誰にでも手軽に取り扱えるよう簡単操作を実現,脱ぷ・選別・排出の基本操作がワンレバーでできる。AM仕様では,ボタン1つで操作できる専用コントローラーのほか,自動的にロール間隔を維持する「ピタロール機能」や「モニター機能」を搭載,M仕様では大型の「ゴムロール間隔調節ダイアル」を装備し,籾の状態に合わせベストなロール間隔に調節できる。
 籾がら収集器は籾すり機から出る籾がらをビニール袋に収集する装置で,一昨年の埼玉県発明創意くふう展で特許庁長官賞を受賞した。
7.長芋植付機を鋤柄農機で発売
 6〜8馬力の管理機にセットして作業する中小規模経営向けの植付機。植付溝の作溝,植え付け,覆土,鎮圧が同時にでき,種芋を低い位置までベルトで搬送して植え付けるので植え付け間隔がよく揃い,きれいな作業を実現する。長芋のほか,大和芋,馬鈴薯なども植え付けできる。
8.山本製作所は手持ちの乾燥機を遠赤にするキット開発
 同社の小型乾燥機MAXシリーズと中型乾燥機AX,AX2,AX3シリーズのユーザーを対象とし,予約を受け付けている。改造キットの内容は,遠赤外線放射体,火炉ケース,バーナー仕組み,メモリーカードなど。遠赤外線乾燥機はうまい・音が静か・省電力・低燃費などの特徴で評価が高いが,「更新にはまだ間がある」,「コストをかけずに遠赤にしたい」などと考えているユーザーには最適な商品となっている。
9.松山がニプロ・ウィングハローなど春の新製品発売
 ウィングハローはHVSとHCSシリーズで,HVSは40〜70PS用の3分割折りたたみ方式のモデル,HCSは20〜40PS用の2分割方式。ウィングハローのほか,ロータリーソワー,サブソイラー消毒機も発売した。
 ウィングハローには,松山独自の高速サポートシステムを装備。レーキアームのスプリングでレーキ重量を調節し,均平板サポートのレバーで均平板重量を強弱2段に切り替えられる。この組み合わせにより低速から高速まで,土質に合わせた作業ができる。
 ロータリーソワーはロータリーの前方に散布,その直後に耕うんすることで肥料・薬剤の土壌中での拡散・即効性に優れた作業ができるもの。
10.エム・エス・ケー東急機械が展示会でトンネルマルチャーなど新製品
 トンネルマルチャーはダイコン,スイートコーン用で,スター農機との共同開発。適用トラクターは50PS以上で,支柱を打ち込み,そこにフィルムをマルチングしていく。トンネルのサイズは幅100〜105cm,高さ48〜50cm。また,MFトラクター2200シリーズを5月に発売予定。
11.静岡製機で遠赤外線乾燥機の新機種など
 20〜35石の遠赤乾燥機PCL−EFシリーズと,玄米低温貯蔵庫「菜庫Bシリーズ」9型式を新発売する。  遠赤乾燥機は,従来の大型に加え中型を品揃えし,人気に応えたもの。同社の遠赤乾燥機は,ランニングコストの低減,静かな運転音,従来の乾燥方式に比べ,コメ品質の粘り,総合ポイントを向上させるなど,多くのメリットがある。
 菜庫Bシリーズは,冷蔵装置のモデルを変更し,使い易さ,省エネ,環境保護,簡単な設置に加え,本体上部の冷蔵ユニット部にあった操作パネルを,目につきやすく操作しやすいドア上部にセットするなど,操作性,機能性を高めている。
12.ニッカリがヘッジトリマー発売
 NT−20W,26W,26Sの3シリーズ。NT−20Wは小型軽量・両刃仕様。(1)前ハンドルを新形状のループハンドルとし,後ハンドルを刈り取り面に合わせてワンタッチで回転できるので,より作業が楽(2)18Mの軽量エンジン始め全体を軽量化――などが特徴。26Wはプロ用両刃仕様。刈り取り面に合わせて後ハンドルを回転構造とし,効率的な防振構造を採用している。26Sは片刃仕様で,手首の疲労軽減を狙って前ハンドルを左向きに15度振り,グリップにはフィット感のある発泡ゴムを採用している。
13.元石川島芝浦機械・社長の笠原伸平氏が逝去
 3月15日,肺炎のため急逝。75歳。故人は昭和60年に石川島芝浦機械の社長に就任,その後会長等を歴任した。また,当協会の理事も務めた。
14.上田農機が球根拾い集め機開発
 チューリップなどの球根類の拾い集めを省力化するトラクター作業機で,25〜40馬力トラクターに適応する。掘取機で掘り起こした球根類を振動式の刃先で拾い上げコンベアで後方に搬送,コンテナに積み込む。
15.静岡製機が籾すり機「秋一番」発売
 揺動選別方式を採用し,選別板に特殊な凹みを持たせ,一定の振動動作を与えることにより,高い選別精度を発揮する。3インチから6インチまで5機種10型式あり、ゴムロールの初期設定を自動的に行う,ゴムロール自動調整付きのAタイプも用意されている。
 脱ぷ,選別,排出の基本操作はワンレバー方式,仕上げ米調節や返り籾調節もツマミのスライドで簡単にできる。各工程にはクリーンシステムを導入,脱ぷ時には上方から垂直に空気を吸い上げる垂直二重風選システムにより,シイナや籾ガラを除去する。