農業機械関係ニュース

平成11年9月


  1. 上田農機はニラの花切機を発売
  2. ヤンマーが11年下期新製品
  3. フレールモアと掘取機を松山が発売
  4. 佐竹製作所は製粉分野向けに新製品2機種
  5. 小橋工業が新型自走ハーベスター発売
  6. 高床式の野菜運搬車を筑水キャニコム発売
  7. 川辺農研産業ではごぼうハーベスタを本格発売
  8. 松山の関東営業所・新築移転で記念展示研修会
  9. スター農機がフォーレージハーベスタの新型
  10. 有光工業はISO9001の認証を取得
  11. 10年の作業機出荷は709億円
  12. 前半は農機販売上向く
  13. JA全農の資材・農機部10年度実績は1927億円
  14. 肥料機械課長に黒元氏
  15. 来年4月18〜21日に国際園芸技術展開催
  16. ミカサが「無臭完熟堆肥化」試験を発表

1上.田農機はニラの花切機を発売
 4条同時切断を可能とした管理機用のアタッチメント。ハウス内作業時など使用場所に制約のある場合には両サイドの回転刃を折りたたむことにより2条刈り,3条刈りにも対応できる。条間も45〜55cmに適応,手持ちの5PS以上の管理機にセット,楽な姿勢でより安全に作業でき,フロント作業のため切断に伴う葉茎等の作業者への飛散がない。
2.ヤンマーが11年下期新製品
 トラクター4機種23型式,乗用田植機2機種3型式,普通型コンバイン,ミニクローラ運搬車,動力散布機など。
 トラクターでは大型のAF800シリーズ,中型のAF300シリーズ,RSシリーズで,全型式に優秀省エネ機器表彰・日機連会長賞のエコトラのコア技術であるエコディーゼルを標準装備し,割安感のあるエコトラとして発表した。AF800シリーズは,高性能でしかも長時間作業に対応できる操作性・居住性への要望に応えた大型トラクター。あらゆる作業がノークラッチでできる電子制御6段パワーシフトとパワーリバーサを採用,広範囲の作業に対応する。また,センサーが牽引負荷の変化を直接感知し作業機を上下するロアリンクセンシング方式の電子ドラフト制御,ナイスティエコトラUFOなどを装備している。
3.フレールモアと掘取機を松山が発売
 フレールモアは果樹園や公園・グラウンド等の緑地の草刈りに威力を発揮する作業機で,ワイドなフレール爪とダブルスイング機構の組み合わせで一段と高能率かつきれいな仕上がりを実現した。このフレール爪は自由にスイングしさらにシャックルで軸に取り付けられているため,石などの強い衝撃に対して刈り刃が逃げるようになっており安心して作業が進められる。また,掘取機は球根類やコンニャク玉の掘り取り作業に対応,二段コンベアとコンベアの内側下に装備したスクレパーゴムにより高い土ふるい能力を発揮する。
4.佐竹製作所は製粉分野向けに新製品2機種
 今回発表したのは,製粉分野の新製品・新型精麦機とスペックカウンター。精麦機はあらゆる種類の麦をワンパスで原形精麦する。主な特徴として,@高精度の研削作用とクリーニング作用(噴風作用)により原形をとどめたまま外皮(フスマ)を均一に除去A精麦機に内蔵したサイクロンで除去したフスマに混入している小粒麦(未熟粒,砕粒)を分離捕集することができるB従来機に比較して電力が3割,設置面積が3割削減できる――など。
 また,スペックカウンターはセモリナ及び粉中のスペックを迅速にカウントするもので,従来の目視を装置化した画期的な検査機器。
5.小橋工業が新型自走ハーベスター発売
 甘藷,馬鈴薯,ニンジンの掘り取りから選別,コンテナ詰めまでを乗ったままで行える。平成4年に発売し好評を得てきた「ポティ」を,蓄積した技術を集約してフルモデルチェンジした。主な特徴としては,「掘り取りコンベアの上下操作と左右の旋回操作が1本のレバーでできるマルチレバーを採用,左右の旋回操作にはパワーアシスト機構を採用し,軽いタッチで操作できる」ことのほか,コンテナ台を前後・両サイドに配置,最大20個積載できる,選別コンベアを50mm延長し選別とコンテナ詰めが楽に行える,などがある。
6.高床式の野菜運搬車を筑水キャニコム発売
 同機はクローラ式で,油圧リフトを採用したことなどで床面高さの調節が可能。高さの違う複数の作物の収穫,運搬が1台で行え,リフト機能がついており,トラックへの積み込みも楽にできる。また,@荷台幅&トレッドの調節が補助輪と油圧リフトの装備により軽い操作力で行える。これにより,作業状況に応じて任意の幅で設定できるので畝幅を選ばないA副変速付きの豊富な変速段数により,作業に合わせた好みのスピード調節が可能――などの特徴を持つ。
7.川辺農研産業ではごぼうハーベスタを本格発売
 同機は60〜90馬力と90〜120馬力のトラクター用2タイプ。いずれも1行程で高速にごぼうを自動収穫できるプロ農家用の強力タイプとなっている。また,畝幅に合わせて収穫部のスライド幅が1m(左右それぞれ500mm)オフセットできる油圧のフルスライド方式を採用し,あらゆる作付畝幅のごぼうが収穫できるほか,あぜ際の掘り取り作業や往復掘りが可能。逆ハの字状のオポジットモールドボードを採用した掘取部,引抜き部,横送りコンベア部で構成されており,特殊ベルトでごぼうを傷めず,確実に挟み上げる。
8.松山の関東営業所・新築移転で記念展示研修会
 ユーザーや取引先など約1500名を招き,新営業所の披露をかねて実施したもので,ロータリーやドライブハロー,掘取収穫機,畦塗機,転作関連機械などが紹介され,実演も行われた。また,ニューロータリー08シリーズも参考出品された。
9.スター農機がフォーレージハーベスタの新型
 同社の75周年モデルとしてダクト部亜鉛メッキはもとよりシュート・ヘッド部にもステンレス鋼を採用,耐久性,処理能力,メンテナンス性を従来機よりも大幅に向上させた。適応トラクターは55〜80PS。サイドリバースの切り替えはジョイントの差し替えを不要とし,供給部の正逆転及びシュート・ヘッドの操作はコントロールボックスでトラクターに乗ったまま行える。
10.有光工業はISO9001の認証を取得
 本社と奈良工場及び大阪センター(技術・付帯サービス)を含み,認定の範囲は「プランジャーポンプ・防除機・高圧洗浄機及び洗浄装置の設計・開発・製造及び付帯サービス」。
 ◆10年の作業機出荷は709億円=日農工・作業機部会がまとめたもの。乗用トラクター用の作業機は生産540億2113万円(前年比84.2%,ただし,回答企業数が前年と一致しないため参考),出荷572億8230万円(82.1%)となり,歩行トラクター用,自走式を合わせた作業機全体では生産659億5885万円(78.1%),出荷709億1602万円(77.4%),輸入35億4857万円(66.6%)となった。
11.前半は農機販売上向く
 全農機商連が実施した11年上期の販売実績と11年下期の販売予測などの会員アンケートによると,ことしの上期は前年に比べ「増加」が44H上昇,同「減少」が47H低下し,実績を確保した。また,下期は「減少」が49H低下する一方で,総売上高率の見通しは97.5%と,依然慎重さも残っている。一時の低迷からは脱したが,経営上の課題で「売り上げ不振」がトップとなっており,引き続き市場深耕,需要開拓が求められている。このため,売り上げ増加には@新製品A畑作関連機器B展示会の開催などに注力するとしている。
12.10年の農業所得は3.6%増に
 農林水産省が発表した平成10年の農業経営動向統計調査によると,全国販売農家の1戸当たり平均の農業所得は前年に比べ3.6%の伸びを示し,平成9年の13.3%減から増加に転じた。野菜,果樹,花きの価格上昇により農業粗収益が大幅に増加した一方,農業経営費がほぼ横ばいに抑え込まれたことから,農業所得が増加した。しかし,一般景気の低迷などから農外所得は減少し,農家総所得は868万円で1.3%の減少となった。また,大農具・自動車購入額は47万900円でだった。
13.JA全農の資材・農機部10年度実績は1927億円
 10年度のJA全農の取扱高は3兆8112億円,計画比93%,当期利益は11億2500万円を計上した。第23回通常総代会で明らかにされた。取扱高のうち資材・農機部は1927億円で,計画対比86%。内訳は,一般農機382億円(同79%),大型高性能農機(同85%),部品・作業機149億円(同93%)などとなっている。
14.肥料機械課長に黒元氏
 農林水産省は7月30日付けで幹部人事を行い,農産園芸局肥料機械課長に黒元重雅氏が就任した。黒元氏は北海道空知郡出身。昭和27年10月22日生まれ,46歳。林野庁森林総合利用対策室,農林漁業金融公庫企画調整課,農産園芸局種苗課長,国土庁防災調整課長を経て就任。
15.来年4月18〜21日に国際園芸技術展開催
 日本施設園芸協会など3団体は第9回国際園芸技術展を2000年4月18日から21日までの4日間,千葉市の幕張メッセで開催する。今回は名称を,施設園芸技術展から国際園芸技術展に改め,施設を中心に露地栽培まで,「野菜・果樹・花き」の生産から流通・販売に至る園芸産業に関する総合技術展を目指す。展示規模(予定)は250社,500小間。入場者は約4万1000名を見込んでいる。
16.ミカサが「無臭完熟堆肥化」試験を発表
 微生物や消臭剤等を一切使用しない家畜体質活性化システム「スパルターL」の管理から生まれた,無臭完熟堆肥を補助資材とし,それを用いた生ごみなどの堆肥作りの試験を,静岡県環境フェア'99(静岡市曲金のツインメッセ静岡で9月23〜25日開催)で実施し,その有効性を発表する。試験の発表日は24日の予定。