農業機械関係ニュース

平成11年8月


  1. 井関農機がファミリートラクターと大型トラクター発売
  2. 井関農機の下期新製品第2弾
  3. 佐竹製作所が米の高性能検査機器発表
  4. 本田技研・ツインリンクもてぎで第2回テーマ展を開催
  5. ミカサは家畜活性化システムを開発
  6. 日立建機ティエラがトラクターと玄米保冷庫発売
  7. クボタは精米自販機「C1」を発売
  8. クボタトラクター・キングウェル発売
  9. ニッカリが刈払機など新製品
  10. 新しい水田農業の生産調整システムに大綱骨子
  11. 諸岡が農用フォークリフト新発売
  12. ベルト式大豆色彩選別機を山本製作所が発売
  13. 4ストロークエンジン搭載の草刈機を富士ロビン発表

1.井関農機がファミリートラクターと大型トラクター発売
 ファミリートラクターは「ピコロ」TC13で中山間地や都市近郊農家,さらに果樹園やハウス作業用に開発した小型トラクター。軽四輪にも積載できる超コンパクトボディには使い易い様々な機能が満載されている。フル装備にもかかわらず価格は95万8000円〜と戦略価格が設定されており,同社では管理作業専用トラクターとして,またセカンドトラクターや耕うん機利用層からの更新機として拡販をめざす。
 また,大型トラクターは「New BIG−T」シリーズで,操作容易なノークラッチ仕様や環境対応型のハイパワーエンジン搭載などを特徴とする次世代大型トラクター。
2.井関農機の下期新製品第2弾
 トラクター「ジアス」TG3シリーズ,田植機「さなえ」PM・PK−Yシリーズ,同「さなえ」PA・PH−Lシリーズ(疎植スペシャル),野菜栽培管理ビークル,ロールベーラなどで,このうちトラクター「ジアス3」は新機能のIQアクセルを織り込んだ「新IQシステム」を採用,操作性を向上させている。
3.佐竹製作所が米の高性能検査機器発表
 新型米粒食味計は,高性能フィルターの採用,センサーの大型化により測定精度と再現性がさらに向上,玄米でも白米でも測定可能で,粒のまま入れて測定ボタンを押すだけで,わずか1分で食味値と成分データを表示する。
 新型精白度計は,搗精によってどれだけ白米の品質が向上したかを示す精白度をコンピューターが計算し,表示する。光の透過率や反射光による米の白度も測定できる。測定用の照射光に,光ムラのないLED光源を採用しているため長期間安定した高精度な測定ができ,信頼性が高い。測定は,サンプルを測定ケースに入れて測定部に挿入するだけでよく,操作性が向上。あとはすべてコンピューターがコントロールする。
4.本田技研・ツインリンクもてぎで第2回テーマ展を開催
 ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)にある「ホンダ コレクションホール」で6月27日から第2回テーマ展「ホンダ半世紀の歩み―市販製品の50年史」を開催中。
 1階フロアを中心に「人々の生活を豊かにするもの,社会に役だつものを創りたい」という,「ものづくりの夢」を追い続けるホンダの歩みを紹介。1946年の自転車用補助エンジンを搭載した自転車から1996年のNSX Type-Rまで,2輪,4輪,汎用の各市販製品を,年代順に見やすく展示。2階と3階の展示フロアは,初回展のテーマを継承しつつ一部入れ替えが行われている。
5.ミカサは家畜活性化システムを開発
 「NEWスパルターL」は,空気と水から発生する全域複合音波と触媒セラミックスとで家畜に飲ませる水を活性化すると同時に,溶存酸素量を融解して増やす。このシステムの活性水を飲ませると,家畜の体質が活性化し,高い生命力と免疫力を維持する。これにより抗生物質100%カットの高品質な畜産品を消費者に供給できる。
 また,畜産の悪臭対策にも有効で,岐阜県で家畜活性化システム「NEWスパルターL」の効果が環境庁の悪臭分析方法第63号により確認された。また,無臭堆肥製造については,長野県豊丘村の養豚場で成功している。 電話=0265(79)6939
6.日立建機ティエラがトラクターと玄米保冷庫発売
 従来の日立トラクターNXシリーズを9年振りにフルモデルチェンジしたもので,新シリーズのNTXシリーズは21馬力から33馬力の6型式。電子油圧ハイシフト(H仕様)は電子油圧方式なのでスムーズに変速が行え,走行中のシフトアップ,ダウンも自在にできる,電子油圧制御AD倍速(ボタン切換式)により,ハンドルを切るだけで倍速,片ブレーキ,作業機アップ(TD仕様)が自動的に作動し,楽に旋回できるなどの特徴がある。
 また,玄米保冷庫は新たに冷凍ユニット内蔵型を加えたもので,パネル色も日立オリジナルのホワイトライトグリーンを採用している。
7.クボタは精米自販機「C1」を発売
 消費者の“今つき米”に対するニーズが高まる中,自分好みの玄米を,好みの量だけ,好みの白度で精米加工して購入できるように,24時間販売の可能な精米自販機(屋外設置できるタイプ)を開発したもの。米の小売店のほか,農家などの直販にも有効だ。
 主な特徴は,@玄米を新鮮保存…ペルチェ効果による電子冷却機能を採用し,玄米の鮮度を保っておいしさを守るAお米の銘柄と白さが選べる…玄米は2種類用意し,お米のつき加減を自分の好みで3種類(分つき,標準,上白)の選択ボタンから選ぶことができるB食味を保つ機能搭載…独自のマイコン制御低温精米により食味を保ち,また残留米ゼロ機構を採用しているので2種類の玄米が混ざることがなく衛生的C手軽さ重視の販売量…鮮度が落ちないうちに食べきってもらえるよう,また手頃な重さで持ち帰りやすいように少量販売(1,2,3?)としたD使い易さを追求…玄米の選択から精米までボタンを押すだけで自動的に行われる。3?を2分30秒のスピード精米。お金を投入しないと扉が開かないよう小扉ロック機構を装備――など。
8.クボタトラクター・キングウェル発売
 安全で快適な農作業の実現,環境に優しいトラクターとして「高品質」「割安価格」を狙って発売した。KL21(21馬力)からKL33(33馬力)まで6型式ある。
 主な特徴は,@オペレーターに日本語表示でメッセージを伝える電子パネル(ウェルナビ)を採用A電子油圧多段シフトで最適な作業速度が選べる(工場オプション)Bニュー3P油圧システムで油圧揚力が大幅アップC特殊3Pと標準3Pの作業機を共着可能にした業界初のW3P機構(W仕様)――など。
9.ニッカリが刈払機など新製品
 創立40周年記念式典に先立ち,新製品発表会を実施し,背負式刈払機NBD新シリーズ,電動刈払機MNB−600,プロ用刈払機SXD−50E,穴掘機,モノレールなど多数の新製品を披露した。
 このうち,背負式刈払機NBDシリーズは“人機一体感”に優れ,長時間作業も楽。フレーム部に把手を追加,持ち運びも楽にできる。
10.新しい水田農業の生産調整システムに大綱骨子
 従来の減反による米の生産調整から,麦,大豆,飼料作物の作付拡大による米面積の減少を狙いとしたもので,助成金は減反面積ではなく,麦,大豆等の作付けに対して支払われる新たな方式を導入する。今年10月に大綱としてまとめ,12年産から導入する。
11.諸岡が農用フォークリフト新発売
 特殊車輪を採用した不整地対応型の農用フォークリフトで,ハウス内の作業から超湿田にまで対応できる。また,ハンガーマストの採用により本マストの伸縮に関係なく動くためクリアランスがとれ,4軸駆動によりその場旋回ができる,触媒方式により排ガスの黒煙を解消――などの特徴を持つ。
12.ベルト式大豆色彩選別機を山本製作所が発売
 同選別機は毎時350?の処理能力を発揮,高機能モデルでありながら従来同等モデルに比べ約4分の1の低価格を実現した。また,機体高さも約3分の1とし,設置場所を選ばない。300mm(有効240mm)のベルト幅から流れてくる大豆の不良品を前・後のカメラ2ヵ所で監視し,16個のフラッパではじき飛ばす。
13.4ストロークエンジン搭載の草刈機を富士ロビン発表
 同社はこのほど,世界最小・最軽量の4ストロークエンジンの生産に着手,その搭載品として「草刈機BH2500」を市販する。@現行モデルに比べ700g(20%)軽量,体積も40%軽減A独自の潤滑システムで草刈り作業等で要求される傾斜運転が可能Bクリーンな排ガス――などの特徴を持つ。