農業機械関係ニュース

平成11年12月


  1. 静岡製機が遠赤乾燥機など発表
  2. 東洋農機が馬鈴薯栽培新システムの収穫実演会
  3. スズテックはポット土入れ機など発表
  4. 次世代動噴搭載のセット動噴を丸山製作所が発売
  5. 99年グッドデザイン選定商品にクボタ,ヤンマーのトラクター,ホンダ,ロビンの草刈機
  6. JA全農が鳥取で営農新技術研修会
  7. 農機価格は据置き
  8. サタケ・フレンドリーシステムを発表
  9. 熊谷農機ニュースノーラッセル発売
  10. 松山は中・小型トラクター用新型ロータリー発売
  11. 生本実氏が死去
  12. 需要は回復軌道と日農工地方大会で報告
  13. 農機公取協が20周年式典
  14. 共立の代理店会議で新製品発表

1.静岡製機が遠赤乾燥機など発表
 PCLシリーズのガンタイプG型4型式,遠赤外線タイプのE型4型式を来年1月から発売する。PCLシリーズは,従来機をよりパワーアップし,操作性,低コスト化を実現。設置性の向上を図るため遠心式送風機をセットし,軸流式送風機では困難であった多方向への排風を可能にした。また,運転音も静か。
 同シリーズにはG型,E型ともに20石から35石用があり,G型は従来の乾燥機よりも全高を低くし,操作については簡略化を図っている。E型は従来機と同じ簡単操作で遠赤外線乾燥機の特徴である(1)燃焼効率の向上(2)食味の向上(3)胴割れの防止(4)静かな運転音――などが実現できる。
2.東洋農機が馬鈴薯栽培新システムの収穫実演会
 同社が昨年度から取り組んでいる英国方式の馬鈴薯栽培新システムの収穫実演会を士幌町で開催した。これは,5月下旬に行ったベットフォーマー,石礫除去,プランタでの播種,培土などの実演検討会に続くもので,慣行の栽培方式に比べて「土中の環境がいいので節と節の間隔がゆったりとして形もいいし,歩留まりもいい」(同社)との成果を得た。
 新システムは,英国のリチャード・ピアソン社と技術提携し販売を始めたもの。慣行と比較し,説明に当たった山田専務は「馬鈴薯の深さが20〜30cmあり,根もしっかり張っている。いもの形もいい」と強調した。
3.スズテックはポット土入れ機など発表
 今回発表したのは,園芸関連機器のポット土入れ機,鉢上げコンベア,苗抜き機,真空播種プラントと,稲作用の自走式箱並べ機,電動作業車の新製品6機種。
 ポット土入れ機は,中小規模の野菜,花き生産者を対象に,土入れ部,土供給部を一体化,コンパクトな設計とし,求めやすい価格を実現。スプロケットの掛け換えで100,150,200トレイの土入れ作業が選べる。  鉢上げコンベアは,能力が毎時30〜250トレイに対応。新発売のポット土入れ機などと連結して使用できる。苗抜き機は大・中規模の花き生産者を対象として,足踏み方式で苗抜き作業が瞬時に行える。
 真空播種プラントは,セルトレイに床土を入れ,鎮圧し,花きの微細種子からコート種子まで,能率良く播種できる。
4.次世代動噴搭載のセット動噴を丸山製作所が発売
 同社では次世代に向けた新型動噴“アルティフローシリーズ”を発表したが,この動噴を搭載した(1)小型セット動噴(2)アルミキャリー,自動巻きアルミキャリー,自動巻取動噴(3)自動整列巻取機(4)自走整列巻取り,自走整列巻取ラジコン動噴(5)大型ラジコン動噴などを,新シリーズとして発売していく。
 小型セット動噴は6型式。従来のアルミフレームをさらにコンパクトにまとめ,持ちやすさを追求。新設計の調圧弁を採用したアルティフロー動噴により,動噴締切圧と噴霧圧の差が少なく,高いノズル噴霧圧が得られ,レスポンスの良い防除作業が行える。
 自動整列巻取りタイプは一方向から集中操作できるレバー配置,360度どこからでも軽快にホースの送り出し,巻取りができる独自のホースサポートアームを採用している。
5.99年グッドデザイン選定商品にクボタ,ヤンマーのトラクター,ホンダ,ロビンの草刈機
 今年度,グッドデザインに選ばれたのは,ワーキングユース商品部門で,草刈機・ロビンBH2500,刈払機・ホンダ刈丸4UMK422,431,トラクター・ヤンマーAF865RVUQ,875RVUQ,880RVUQ,890RVUQ,同・クボタキングウェルKL33など。また,施設部門でホンダのツインリンクもてぎと,その中のHONDA FUN FUN LABも選ばれた。
6.JA全農が鳥取で営農新技術研修会
 新しい農業技術と営農体系の提案の場として鳥取県羽合町で開催したもので,営農集団や認定農家約700名が参加した。午前中は室内研修,午後は圃場での実演があり,耕起・田植え・刈り取り・防除の4ブロックに分け,レーザー均平,直播,紙マルチ田植え,畦畔草刈りなどの実演を行った。
7.農機価格は据置
 JA全農はメーカー各社と交渉を進めてきた平成12年1〜12月の国産農機価格について,現行価格を据え置くことで合意したと発表した。また,HELP農機の大規模農家向け機種の設定や野菜作機械への機種拡大も引き続き要請していくとしている。
8.サタケ・フレンドリーシステムを発表
 佐竹製作所の'99新商品の第10弾・共同乾燥調製施設用の大型乾燥機「フレンドリーシステム」RLDR20A型で,同機はこれまでの乾燥の常識を根底から見直し,21世紀に求められる理想的な乾燥機として開発したもの。「お米にやさしい」,「環境にやさしい」,「人にやさしい」を開発コンセプトとしており,(1)穀温が低く食味がアップ(2)ランニングコストが大幅に削減される(3)作業環境が大幅に改善される――などを特徴とし,「米麦生産の合理化と品質向上はもちろん,特に食味アップに貢献する」大型乾燥機。乾燥機の加温部で穀物をゆっくり暖め,水分を穀物表面に移行させ蒸発しやすい状態にし,次に低温風を当て,穀物表面の水分を多量にスムーズに蒸発させる――仕組み。
9.熊谷農機ニュースノーラッセル発売
 トラクター用のBTシリーズ4型式で,従来型よりも投雪能力をさらにアップさせるとともに,全機種にリモートコントロールを標準装備し,機能の充実を図った。また,今までにない安価に価格を設定している。
10.松山は中・小型トラクター用新型ロータリー発売
 ニプロロータリーNEW08シリーズ3機14型式で,小型普及廉価版のCBX,CX,デラックス型のSXで構成。軽快でロータリー耕の重作業から解放するモデルとして使いやすい機能を盛り込んだ。主な特徴は,(1)耕うん部カバーの内側にステンレスカバーを装着。土の付着が少なく作業時の重量が軽くなり爪の摩擦抵抗を軽減(SX)(2)チェンケースとブラケットの内側にもステンレス板を付けたのでカバー側面から土の付着による耕うん抵抗をさらに軽減させた(同)(3)フランジタイプの耕うん爪は石に強く反転性に優れた爪形状で粘土地でも土の抜けがよく土詰まりが少ない。ホルダータイプの耕うん爪は軽負荷耕うんが可能で,粘湿地でも土詰まりがなく内盛り,外盛りの爪配列ができる――など。
11.生本実氏が死去
 みのる産業の創業者であり代表取締役会長の生本実氏が10月31日,心不全のため死去した。89歳だった。社葬は11月25日,岡山県山陽町の山陽ふれあい公園総合体育館でしめやかに執り行われた。
12.需要は回復軌道と日農工地方大会で報告
 平成11年度の見込みは,おおむね収穫・乾燥・調製関係が横ばいから減少,トラクター,耕うん機,作業機,田植機,防除機などは2〜3%の増加見込み。
 12年の見通しは,今年の見込みに対してトラクターが2%,耕うん機が4%,作業機が2%,動噴が4%,刈払機が1%増加で,田植機,コンバイン,ハーベスター,乾燥機は横ばいから微減の予測となっている。
13.農機公取協が20周年式典
 都内の池之端文化センターで記念式典と祝賀会を開き,金子愛次郎,大島昭一,松山徹氏ら6名が公正取引委員長表彰を受賞するなど,表彰された。
14.共立の代理店会議で新製品発表
 地区別の代理店会議で平成12年度の新製品を発表した。共立刈払機SRM240シリーズは,超軽量にパワーアップ型が加わった。乗用管理機RV3,RV3Hはワンマン作業で正確散布が特徴。ロボットスプレーカFAS100Nは大型ハウス対応の電磁誘導ケーブル方式の無人防除システム。この他,クローラブーム,キャビン付スピードスプレヤー,ブームスプレヤー,ウッドチッパーなど多彩な商品が投入される。