農作業安全に関する要請について
北海道農作業安全運動推進本部

 「農作業安全に関する要請」についてご紹介させていただきます。

 北海道農作業安全運動推進本部では、農作業事故の発生を防止するために、事故発生実態調査にもとづく「農作業事故報告書」を毎年作成し、事故防止対策の基礎資料としているほか、農業者向けの農作業安全啓発資料の配付や農作業事故ゼロ運動推進研修会の開催などを行ってきました。
 この結果、北海道における農作業事故は毎年度おおむね2500件発生し、そのうち20から30件が死亡事故となっていましたが、平成19年度の死亡事故は15件と前年比9件減少となり、また、平成20年度は12件まで減少しました。

 しかしながら、北海道農業は担い手不足等から農家戸数が減少するなか、1戸当たり経営規模が着実に拡大して農地の広域化が進み大型のトラクター・作業機が道路を走行する機会が増えています。農作業を請け負うコントラクター事業者も同様に増加し、TMRセンター等の設置が進んで大型作業機の道路走行が急増しています。  さらに、農道等の整備進展とGPS技術の進歩の影響で一般車両が農道を走行することが目立つようになってきました。  これらの状況が相俟って、農業機械が絡む一般車両との交通事故が更に増加することが強く懸念されるようになってきております。

 当本部ではこれら交通事故を回避する方策として、トラクター等の農業機械が道路を安全に走行し、道路走行時の追突事故防止に効果が確認されている低速車マークを普及することにしました。この低速車マークを装着することにより、農業者自らが安全意識をもって道路を走行することになります。また、農業関係者以外の理解と協力を得ながら農作業事故防止を図ることができると考え、平成18年度から「農作業安全『MMH運動』」として推進してきました。

 この運動は、
 M:トラクター等運転は、交通ルールと運転マナーを遵守
 M:点検・整備の励行と低速車マーク・反射テープ等の装着
 H:農業労災保険と傷害共済・自動車共済等任意保険への加入
を目標とするものですが、低速車マークについてはマークと装着経費を併せると機種の構造により異なりますが装着にかかる新たな負担が発生することから、運動効果が上がり難いと言う新たな壁に直面しているのが実態です。

 こうしたことから当本部は、本年7月、国(農林水産省)をはじめ関係機関に「型式検査または安全鑑定の基準として、トラクター等の道路走行可能機種に低速車マーク並びに反射テープの装着を義務付けること」を要請いたしました。
 このことにより、低速車マーク装着が大いに進展するのではないかと考えます。

 農業機械の道路走行時の事故の減少に向けた低速車マークの装着率向上について、関係者の皆様のご理解、ご協力を宜しくお願いいたします。

(参考) 「北海道農作業安全運動推進本部」会員
 北海道
 北海道農業協同組合中央会
 北海道信用農業協同組合連合会
 ホクレン農業協同組合連合会
 全国共済農業協同組合連合会北海道本部
 北海道厚生農業協同組合連合会
 財団法人北海道農業開発公社
 北海道農業共済組合連合会
 社団法人北海道農業機械工業会
 株式会社クボタ機械営業本部(東日本)北海道地区
 株式会社ヰセキ北海道
 ホクトヤンマー株式会社
 東日本三菱農機販売株式会社北海道支社
 日本ニューホランド株式会社
 エム・エス・ケー農業機械株式会社
 株式会社IHIスター
 北海道農機商業協同組合



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