オフロード法(特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律)で注意促す
ユーザーに対応機使用を義務づけ

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オフロード法(特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律)は、17年5月に公布され、今年10月1日から、エンジンの大きさによって順次施行が始まる。この法律では使用者に対して、「適合表示」または「少数特例表示」がついたもの以外を用いてはならないとし、違反した者に対して30万円以下の罰金に処するとしている。こうしたことから農林水産省生産局・技術対策室(川本憲一室長)では、「農耕作業用自動車の排出ガス規制について」と題するチラシを作成、農業機械の流通ルートや農業機械士会などを通じて農家へ配布、注意を促している。

今年10月1日から一部で適用
公道を走行する乗用型トラクターなど農耕用の小型特殊自動車は、型式認定を受ける時点で、排出ガス規制が行われているが、公道を走行しないものは、このオフロード法で規制されることになった。その規制は、一番早いものが軽油を使う定格出力130kW以上560kW未満(約177馬力〜約762馬力)を対象に今年10月1日から始まった。
 以後、順次、19年10月1日からは、農業機械に多い軽油を使う19kW以上37kW未満(約26馬力〜約50馬力)、75kW以上130kW未満(約102馬力〜約177馬力)、ガソリン・LPGを使う19kW以上560kW未満(約26馬力〜約762馬力)が対象となり、20年10月1日からは37kW以上56kW未満(約50馬力〜約76馬力)、56kW以上75kW未満(約76馬力〜約102馬力)が対象となる。(表参照)
 これは新型式に対してのもので、継続型式や輸入車はそれより1〜2年遅れて対象となる。
普通型コンバインなどが問題
こうしたエンジンを積んだオフロード車は、それ以前の製造のものか、適合したもの以外使用してはならないとされている。定置式のものは今回、対象となっておらず、自走式のトラクターやコンバイン、田植機、スピードスプレヤー、ホイールタイプの自走作業機、クローラ式の自走作業機などが対象となる。
 また、農耕用に限らず、建設機械や運搬機械で公道を走行しないものも対象となっており、そうしたものではバックホウやフォークリフトなどがある。
 農林水産省・技術対策室によると、トラクターや自脱型コンバインの多くは公道を走行できるよう国土交通大臣の型式認定をとっており、このオフロード法の対象外となる。一部とっていないもの、特に普通型コンバインや沖縄等で使われるケーンハーベスタなどが問題となるが、その適用はエンジンの出力の関係や輸入車が多いことなどからほとんどが来年の10月1日以降の適用となる、という。
 同対策室の推計によると、15年の出荷のうち、農用トラクターで対象となるのは、6万6287台のうち、109台、自脱型コンバインは3万3345台のうち1台、普通型コンバインは844台のうち、752台。数は少ないものの注意が必要だ。
 農家は、規制開始日以降、そうした農耕用作業車を購入する場合は、車両に「排出ガス基準適合車」か「少数特例基準適合車」のシールが貼られていることを確認する必要がある。
 また、現在使用しているものについては、製造日が規制日以前ということで対象外であり、使用してもよく、中古機についても売買、使用ができる。ただし、規制日以前の製造であることを証明できる販売契約書などの書類を保管しておくことが必要となる。
 規制日以降は、基準に適合していない農耕用作業車を使用すると、30万円以下の罰金に処せられる。この規制については、農林水産省や環境省の職員が立ち入り検査や確認を行うことになっている。
 パンフレットでは、不明の場合は近くの農政局、環境事務所等に問い合わせてほしいとしている。
特定特殊自動車の種類 規制適用日
燃料 定格出力 新型式 継続型式・輸入車
軽油 19kW以上37kW未満
(約26馬力〜約50馬力)
平成19年10月1日 平成20年9月1日
37kW以上56kW未満
(約50馬力〜約76馬力)
平成20年10月1日 平成21年9月1日
56kW以上75kW未満
(約76馬力〜約102馬力)
平成20年10月1日 平成22年9月1日
75kW以上130kW未満
(約102馬力〜約177馬力)
平成19年10月1日 平成20年9月1日
130kW以上560kW未満
(約177馬力〜約762馬力)
平成18年10月1日 平成20年9月1日
ガソリン・LPG 19kW以上560kW未満
(約26馬力〜約762馬力)
平成19年10月1日 平成20年9月1日

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