宮ちゃんの会員さん訪問記・番外編 サイアムクボタ/ヤンマー農機タイ |
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タイの首都バンコクの中心部から北に50kmのところにサイアムクボタの本社があります。また、東に30kmのところにはヤンマー農機タイの本社があります。名前が示すとおり日本のクボタとヤンマー農機がそれぞれ出資する現地法人です。社長はいずれもタイ人ですが副社長は日本人です。駐在する日本人の数は多くはありませんが中枢を担っています。
3月7日火曜日にサイアムクボタ社を訪ねました。取締役の川勝さんが出迎えてくれました。サイアムクボタ社の歴史は古く、1978年7月に会社を設立し、耕耘機に搭載する横型水冷エンジンを中心に生産を行っています。最近は乗用トラクターの売れ行きが順調で、昭和40年代の日本のような形相を呈してきているようです。タイの経済発展に伴って農村部から出稼ぎに来ていた人たちが都市部に定職を持って定着を始めたことからも、農村部の人手不足が深刻化してきています。耕耘機のエンジン(横型水冷エンジン)はほとんどタイで国内生産ができるようになってきています。 翌日の8日にはヤンマー農機タイ社を訪ねました。社長のタニックさんが迎えてくれました。こちらは新しく建設中の新国際空港の近くに会社がありました。横型水冷エンジンの工場は近くの工業団地内に別の会社(ヤンマーSP社、こちらの前身のヤンマータイ社も1978年7月の設立)があって、やはり国内生産部品を使って1981年から横型水冷エンジンを製造しています。ヤンマー農機タイ社は一昨年にヤンマー農機が出資して現地企業と合弁で会社を興し、乗用トラクターの日本からの輸入販売を始めています。タイの物価から考えると非常に高価な乗用トラクターですが、順調に販売台数を伸ばしています。
作業機ではタイの企業が頑張っており、まだ日本の作業機メーカーの本格的な進出には至っていないようです。精米部門ではサタケがバンコクの北に大型精米機の現地生産工場を持っており、タイ国内はもとより、同社の世界市場を見据えた生産拠点となっています。 自動車産業ではタイが東南アジアでの生産拠点になって大きな飛躍を続けていることからも、今後は、タイの工場で作られた日本企業の農業機械が東南アジアを中心とした地域に輸出され、各国の農業の機械化の推進と地域経済の発展に貢献するとともに、これが日本の国際的な貢献にもつながるものと期待されています。 今回の会社訪問ではタイでの乗用トラクターの販売状況についてお話を伺うことと、今年11月から来年1月末までタイ北部の古都、チェンマイで開催される花博覧会(ロイヤルフローラ・ラチャプルック2006)に出展をお願いする目的がありました。
日本政府は博覧会の中心となる約2,000uの屋内展示施設に250uの日本ブースを出展します。その展示コーナーに農業機械メーカーの現地法人の出展を要請されています。日本からの出展は財団法人日本花普及センターが準備を進めております。一昨年に日タイ経済連携協定(JTEPA)が話し合われる中で日本政府の出展が決められた今回の博覧会は両国の協力の象徴的な意味も持っています。
(来月号の機械化広報でタイを中心に東南アジアの様子をお伝えしていきたいと考えています。) |
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