宮ちゃんの会員さん訪問記
金子農機株式会社

埼玉県羽生市に乾燥機を主力製品にして頑張っておられる金子農機さんを訪ねました。東武鉄道伊勢崎線と秩父鉄道が合流する羽生駅で降りて、西口に出るとそこは金子農機の元の工場があったところです。今は少し南の工業団地の中に本社(工場)があります。

金子社長と愛用のパソコンの前で
 (画面は協会のホームページ)
羽生駅の西口の駅前にはホテル、スーパーマーケット、ホームセンターなどが広がっていますが、スーパーマーケットとホームセンターは金子農機の工場跡地だそうです。昭和12年に300坪の借地に工場を建設して以来、羽生駅の西口に一貫して周辺の土地を買収、拡張をし、金子農具店から有限会社金子農機製作所を経て、金子農機株式会社へと発展してきた歴史のある土地が、今は駅前の商業地域に生まれ変わっていました。その西口を出て、南に2キロほど進むと、工業団地の一角に金子農機の本社工場がありました。
社長さんは創業者からは3代目に当たります。創業以来の社の経営哲学に「メーカーと販売店は車の両輪である」という理念があり、従業員を家族のように思い大切にしていくという考え方が貫かれているようです。

元々金子農機は初代社長の金子専一翁が、野鍛冶からスタートして、畜力原動機と馬耕犂を皮切りに、籾摺機、脱穀機、精米機等その時々の農家が必要としている機械を次々と世に送り出し、昭和40年代からは穀物乾燥機を主体にした機械生産となり、現在は穀物遠赤外線乾燥機を主力とした展開になっています。初代社長を中心にして、2代目社長の愛次郎翁をはじめとした家族的な経営母体を持ち、現在の社長も小学校3年生の時の作文で「ぼくの、一番えらいと思う人は、僕の家のおじいちゃんです」と書かれたようで、幼い頃から経営者としての教育を受けてこられたようです。

看板の遠赤外線乾燥機
現在の製品は何といっても農業機械等緊急開発事業で生研センター等と共同開発され、その成果を基に独自の技術を付加した穀物遠赤外線乾燥機がメインで、乾燥機の金子農機としての看板になっています。そのほかにもアイデアあふれた乾燥プラント、籾摺調整装置や低温貯蔵庫などが生産されています。珍しいものでは環境に配慮した木材チップ(ペレット)ストーブがありました。またスーパーカーと呼ばれる多用途作業車も健在でした。
ロングマット田植機の水稲育苗システムも手がけているということで、お邪魔をしたときにはちょうどロングマット研究会の勉強会が行われておりました。埼玉県を中心に30名あまりの農家の方々と研究者の皆さんが研究会を開催されておりました。
そのほかにも埼玉県農業機械化協会の会長として、先代社長の時代から引き続き、長年活躍してこられ、地域の農業機械化推進のリーダーとして大きな役割を果たしておられます。2年前からは県庁が団体の事務局を持てなくなったということから、会長会社として事務局を引き受けて、展示会や研修会を開催するなど、まさに牽引役を果たしておられます。さらに、埼玉県稲作協議会からの要請で、協議会の事務局も引き受けることになり、地域の農家と一体になって取り組んでおられます。
専一翁が木曽の御岳の登山で巡り会った「一心道神」で啓示を受け、「一心号」の称号のもとで発展してきた金子農機。これからも農家が欲しがっているものを作っていくという教えを実践していって欲しいと願っています。
一心号のマーク 乾燥機組み立てライン
最新鋭溶接ロボット 粉体塗装のセッティング

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