新農機は、生研センターとメーカーが共同開発した緊プロ機である「きく挿し木装置」(井関農機)、「高精度水田除草機」(井関農機)、「自動直進田植機)(ヤンマー農機)を出展し、メーカー担当者が説明した。
「きく挿し木装置」は、カップに苗を投入するだけで挿し木ハンドがセルの真ん中に精度良く苗挿しするもの。ターンテーブルの回転速度(作業速度)毎時1,500〜5,200本の無段階で調節でき、1人作業、2人作業と都合に合わせて選択できる。人手の2〜2・5倍の能率で作業ができる。挿し込みは品種に合わせ1回挿し、2回挿しが選べ、コギク、スプレーギクなど多くの品種に対応できる。
 |
きく苗挿し木装置 |
 |
高精度水田除草機 |
「高精度水田除草機」は、有機米、減農薬米などの消費者ニーズに対応し物理的な除草を行うことで除草剤の使用を抑え、除草作業を省力化するもの。乗用田植機のアタッチメントとして使用する。左右陽動式の株間除草ツースと回転ロータ方式で、苗を傷つけずに条間、株間の除草が行える。1時間当たりの作業能率は除草幅6条タイプで約20a、8条タイプで約30a。除草深さは5段階で調節できる。田植機部はクイックヒッチ装備で植付け部、溝切機、米ぬかペレット散布機、湛水直播機などのユニットと交換でき、汎用性を備えている。
「自動直進田植機」は、直進作業時のハンドル操作を自動化したもの。直進中はハンドル操作が不要なので、植付けしながら肥料の状態、植付け状態を確認、植付けしながら苗継ぎなどが行える。自動直進には地磁気方位センサーを用いた。最初に手動で直進運転を記憶させて後は、ボタンひとつで自動直進する。また、深水でも田植え作業ができるので、琵琶湖のある滋賀県では、田植え時の落水による水質汚染を防止する農法が推進されており、深水作業ができる同機に関心が高いという。今年、秋田(八郎潟)、富山、埼玉、滋賀で開発評価試験が行われている。
山本製作所は、色彩選別機の説明を行う予定だったが、前日の台風7号の影響で、機械の搬入ができなかった。同機は、カメムシ被害粒や着色異物の選別に威力を発揮する。新機構のロールフィーダーでしっかり検出、選別する。原料を整列するためのシュート板がなく、摩擦による流れのムラがない。
 |
自動直進田植機 |
|