ネギ平床栽培法の現地検討会開かれる(埼玉県) 埼玉県農林総合研究センターの主催により、(ふかや農業協同組合並びに井関農機株式会社共催)、「ネギ平床栽培法の省力・高位生産化技術開発現地検討会」が、6月3日(金)埼玉県深谷市豊里公民館で開催された。 当日の現地検討会にはモニター農家を含む深谷市・越谷市等近在農家の参加を始め、関東農政局、生研センター、埼玉県、ふかや農協・井関農機等関係者ら約250余名が参加した。 検討会においては、埼玉県園芸研究所岡安副所長が埼玉県のネギの慣行栽培である溝植え栽培と、平床移植栽培法の特徴と平床用移植機開発の目的等、研究成果の概要を説明し、井関農機竃リ下野菜移植技術部長が平床栽培用移植機の開発経緯と平床栽培における移植方法と開発機の特長を説明した。 そして、岩崎園芸研究所主任が移植機の作業精度・作業能率の向上を規定する移植苗の条件を長さ・太さ等苗の外部要素との関連と手植え移植と機械移植における作業能率について説明した。 検討会終了後、実演会が豊里公民館隣接圃場でおこなわれ、供試された実演機2台により参加農家の男性はもちろん女性も機械操作に参加し苗の投入作業を行いつつ、1人作業だけでなく、2人組作業の操作を井関農機潟Iペレーターの指導のもとに行った。 今回の実演機は、井関農機が市販中の「玉ねぎ移植機」をベースに開発した歩行型移植機で、高品質・軟白長のネギで上位の規格物としての収量の増加と省力生産をめざした平床移植専用機である。全長2100o、機体重量180s、2.4PS後輪駆動、4輪の2条植えであり、1人植え作業も可能な半自動移植機である。特長は容易な方向修正レバーを有し前輪を操舵することで直進性が良好で、操作容易な植付姿勢矯正器具を持つ千鳥2条植えの挿し苗方式の移植機で、現行の手植え平床移植方法では2条植で株間5p×条間6pのところ、機械植えは株間5〜8pの間で6段階に調節可能で条間3pと、農家の栽培様式に応じて密植が可能なことである。 今後の検討事項として、平床栽培用移植機に適応する苗の生産技術の確立と、移植実作業における労働負荷軽減効果の評価と導入した場合の経済的評価等が残されている。 特に安定的育苗技術の確立がもっとも重要な検討事項となるが、農家とすれば移植機以外の追加投資を避ける意味からも、単純な慣行育苗方法を基本とする育苗法の確立が望まれる。なおこの平床栽培用移植機の市販時期は未定である。 |
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