「経営構造改善事業」関係予算の概算要求
 経営局構造改善課課長補佐(経営構造対策班担当)・島田英俊氏

経営構造対策も「強い農業づくり交付金」で実施することになり、大きく変わります。この中で、ソフト関係では、認定農業者等担い手育成対策が交付金となります。経営構造対策推進事業の民間団体分は、従来のままの補助金で、要求額は2億2600万円です。
 ハード事業は、認定農業者等担い手育成対策の経営構造対策タイプ、個別経営体を支援するアグリ・チャレンジャー支援タイプ、水田農業の利用集積を進める水田農業経営構造確立緊急対策タイプが「強い農業づくり交付金」で実施されます。
 「広域連携アグリビジネスモデル支援事業」は新規予算で、補助金として国が直接、事業実施主体に支援する形で10億円を要求しています。


経営構造対策推進事業
 経営構造対策はハードとソフト事業を一体的に行っていくことになっています。認定農業者等担い手育成対策のうち、経営構造対策推進タイプは、ソフト事業で、ハード事業を実施する前の年に、担い手の育成や担い手への利用集積等の数値目標に対する合意形成活動を行っていくというものです。17年度においては、経営構造対策の効率的な実施及び確実な事業効果の発現を図るため、ロジックモデルという形の評価活動を行います。これはそれぞれフローチャートをつくってその目標を目指していくものです。さらには中間段階でチェックを行っていきます。
 民間団体分では、新たに@新商品・新技術開発プロジェクト事業として、農業法人等からアイデア募集をして、それに対して研究開発費を助成するAアグリビジネスサポート事業として、情報提供や相談活動を実施し、アグリファンド(農産物証券)についての調査活動も行うB地域マネジメント高度化支援事業として、ロジックモデルの評価研究等や、販路開拓におけるシンポジウム等をやっていきたいと考えています。
 ハード事業の経営構造対策タイプは、交付金となるので、地域の自主性を活かしていきます。さらには、昨年から研究会を設けて検討してきた中で、事業の目標の高い地域から優先的に対策をしていこうとポイント制を取り入れました。
 まず、目標の見直しということでは、現在全国共通目標ということで、@認定農業者の育成A担い手への農地の利用集積B遊休農地の解消、の3つと、地区選択目標を設定してもらっていますが、国が示した数値を全て満たさなくてはいけないということから、この中で構造改革に結びつく、担い手の育成と農地の利用集積については必須目標として掲げてもらい、最低基準は満たしていなくてはなりませんが、現在よりはかなり緩い基準にします。掲げる目標については自由に設定してよいのですが、事業の採択は高い順からとなります。
 また、地区堤案メニューの創設ということで、従来対象とならなかった機械なども補助対象としていきたいと考えています。
 事業実施主体は、一定の要件を満たす農業法人、いわゆる一戸一法人であっても対象にする考えです。ただし、地域の農業に貢献するような一定の法人という面から、複数からの農地の利用集積を受けるとか、3人以上の農家の雇用を図るとか、一定の規模以上という形で、限定していきたい。また、構造改革特区で参入した特定法人、農業サービス事業体も事業実施主体として追加していきたいと考えています。
アグリ・チャレンジャー支援タイプ
アグリ・チャレンジャー支援タイプは、これまでやってきたアグリ・チャレンジャー支援事業を継ぐもので、アグリビジネスに挑戦する経営体などを支援していこうということで、年間売上額が3000万円または30%以上増加、雇用が3人以上などの要件を設け、ポイント制も導入し、意欲的に取り組む農業法人などを支援していきたいと考えています。
経営構造改革緊急加速リース支援事業
経営構造改革緊急加速リース支援事業は、今年度から畜産環境の家畜排せつ物等の処理施設の整備を行っていこうと立ち上げた事業です。この11月から家畜排せつ物処理法が本格施行となりますが、処理施設はまだ完了していないという状況にあります。従いまして、この畜産環境対応リース事業については、2年間の延長を図ることにしました。
 さらに拡充として、リースの対象に、併せてという形になりますが、家畜も対象に加えます。
 それから、農業機械の特別リースということで、経営構造対策で農業機械の補助率が2分の1から3分の1に引き下げられたこともあり、その補助残分に対する手当てという形で、リースを行う場合にその80%以内を貸し付けるいう仕組みで、支援を行うことにしています。

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