品質管理型たい肥自動混合・かく拌装置現地検討会
新農機梶E生研センター 於:群馬県畜産試験場

9月16日

検討会では、最初に生研センター、共同開発企業のクボタ、現地で実証試験を行っている群馬県畜産試験場などから説明があり、その後現地での実演を見学した。なお、会場には同装置のほか、パネル展示で関連の「自然エネルギー活用型高品質たい肥化装置」「高精度固液分離装置」の紹介も行われた。

品質管理型たい肥自動混合・かく拌装置の概要
経験がなくても高品質堆肥が生産可能
品質管理型たい肥自動混合・かく拌装置の概要

畜産の現場では、今年11月から本格施行される「家畜排せつ物管理法」により、畜糞尿の適切な処理が求められている。同装置はそうした背景の下、「低コストで高品質な堆肥を生産できるたい肥化装置」をコンセプトに開発を進めてきた。@低コストということでは、通気型の堆肥舎をベースに、1週間に1回撹拌を行うA高品質な堆肥のためには、有機物分解率を25〜30%以上、60度C以上を数日間維持するB短期間で堆肥化するために、4週間程度で一次処理を終えるC確実な堆肥づくりのために、温度、通気を計測、制御しながら堆肥化を促進する――ことなどが、そのための方法として考えられた。
 その結果、開発機は次のような特徴を持つ。
 ○自動混合撹拌装置=撹拌部の上下機構と位置決めセンサで指定ブロックを自動混合撹拌する。混合撹拌は1週間に1回で、自動で行われ、構造もシンプル。このため、ランニングコストが安価。
 ○品質管理型制御システムを搭載=温度、通気、臭気を計測しながら堆肥化を促進する。4週間で一次処理を終了する。これにより、高品質な堆肥を短期間で自動的に、確実に生産できる。
 ○通気型堆肥舎をベースにし、仕切壁がなく、片側開放=施設費を安価にできる。
 ○脱臭装置の設置が可能(オプション)=住宅の近くなど条件の厳しいところではロックウール脱臭装置やヤシガラチップ混合物による脱臭装置を設置できる。
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経験がなくても高品質堆肥が生産可能

開発機の処理能力は、1日7.5t(搾乳牛100頭規模)以上。家畜糞の投入から、できた堆肥の排出まで堆肥化処理を完全制御しており、撹拌が必要なところだけを撹拌する仕組み。この装置の最大の特徴となる品質管理システムは、原材料の投入位置、堆肥化する過程での温度、発酵程度、処理期間、臭気などをセンシング。撹拌作業と通気の量、時間を自動化・最適化することで、堆肥製造のノウハウや経験がなくても高品質の堆肥を生産できる。
 また、オープン式の撹拌機は、既存の堆肥舎の部分的な改造で利用することができる。撹拌機はロータリー式を採用しており、長わらや草でもトラブルなく撹拌する。粉砕しながら撹拌するため、膨軟化した堆肥ができ、好気性発酵が促進される。
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