(1)無風または風の弱いときに散布しましょう。
・京都議定書が発効され、環境問題がクローズアップされてきています。CO2による地球温暖化や大気汚染が国民一般の関心事となり、農薬散布もドリフト(飛散)が周辺環境を悪化させるとして白い目で見られています。空散からラジヘリ防除への転換が急激に進んだのも環境問題に端を発しています。
風による農薬の飛散を防止するために、風の無いときに散布することが大切です。
夕方の上昇気流が発生しない風の無い日に、周辺の家屋や作物、樹木の状況を考慮しながら散布する方向等も考慮して必要最小限の散布作業を実施しましょう。 |
(2)農作物の近くから散布しましょう。
・防除機械の性能が良いからと言って、遠くから作物に向かって農薬を散布すると、薬が作物に到達するまでの間に飛散する可能性が高くなります。風向きによっては作業者が農薬被爆する事になり危険です。
(3)散布圧力を上げすぎないようにしましょう。
・動力噴霧器ではノズルにより適正な噴霧圧力が設定されています。余裕があるから、能率が高くなるのではないかと勘違いし、設定圧力を高くすると、薬が勢いよく飛び出し思わぬ方向に薬剤が飛び出します。
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散布は作物の高さに合わせて噴頭の位置を調節します |
(4)体調が悪い場合は作業を控えましょう
病気・過労・体調の悪い時や妊娠中の場合、また、お酒や身体に影響を及ぼす薬を飲んだ時には作業を行わないこと。
体力が落ちているときにはちょっとしたことでも、体調不良を激化させてしまいます。
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農薬散布後に体調に異常を感じたら、すぐに病院で手当てを受けましょう
農薬中毒はすぐに症状が出るものとしばらく経ってから出るものがあります。おかしいと思ったら、医者の適切な治療を受けることが重要です。 |
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農作業安全のための指針
平成14年3月農林水産省通知によると
次のアからキまでに掲げる者は、機械作業、高所作業等危険を伴う作業に従事しない又はさせないこと。また、それ以外の作業にあっても、必要に応じて作業の内容を制限することとしています。
ア 飲酒し、酒気を帯びている者
イ 薬剤を服用し、作業に支障がある者
ウ 病気、負傷、過労等により、正常な作業が困難な者
エ 妊娠中及び産後一年を経過していない女性(特に、当該作業により、妊娠又は出産に係る機能障害等健康状態に悪影響を及ぼすと考えられる者。)
オ 年少者
カ 作業の未熟練者(熟練作業者の指導の下で行う場合を除く。)
キ 機械操作や化学物質等を取り扱う作業において、必要な資格を有していない者
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農薬は登録どおりの時期に適正に散布しなければ農薬取締法違反となります。
・圃場の端では特に気をつけて散布しましょう。収穫間近の作物が隣接している場合は最大の注意を払いましょう。
・近隣の農家と良く話し合い、散布時期等を決めましょう。
・防除基準を守るとともに、適期・適量防除に努め、無駄な散布が無いようにしましょう。
・農薬散布の際、近隣の農作物に農薬が〔ドリフト〕した場合、近隣の農作物に適用されていない農薬の付着や農薬残留物の問題が生じることがありますので注意しましょう!(その他、農薬飛散は、水路、河川等への環境汚染や居住地への飛散等もあります。
・少量散布用の農薬は、散布濃度が高いので、特に注意しましょう。
・水田では、農薬が流出しないように水じり(排水口)を閉めておきましょう。 |