(検査)
第六条
国は、農業機械化の促進に資するため、この法律の規定により、農機具の検査を行なう。
前項の検査は、依頼による農機具の型式についての検査(以下「型式検査」という。)及びその成果を確保するための事後の検査(以下「事後検査」という。)とする。
型式検査の実施は、研究機構に行わせるものとする。
 (型式検査)
第七条
農林水産大臣は、毎年度、当該年度において型式検査を行なう農機具の種類を定めて公示しなければならない。
型式検査は、前項の規定による公示に係る種類に属する農機具につき、型式検査を依頼する者(本邦内に住所又は居所(法人にあつては、営業所。以下同じ。)を有しない者を含む。以下「依頼者」という。)が提出した型式の農機具の性能、構造、耐久性及び操作の難易(以下「性能等」という。)について行うものとする。
型式検査の主要な実施方法及び基準は、農林水産大臣が定める。
農林水産大臣は、前項の実施方法及び基準を定めたときは、遅滞なく、これを公示しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
型式検査を依頼するため提出する農機具は、通常製造されたもののうちから抽出されたものでなければならない。
 (依頼の手続)
第八条
型式検査の依頼は、研究機構に対し検査依頼書を提出してするものとする。
依頼者は、前項の規定により検査依頼書を提出する際、研究機構が業務方法書で定める額の手数料を研究機構に対し納付しなければならない。
 (検査成績)
第八条の二
研究機構は、型式検査を実施した結果、その検査に供した農機具の型式につき、第7条第3項の基準に適合する場合には検査合格証及び検査成績表を、その他の場合には検査成績表を添えて、その依頼者に合格又は不合格を通知するとともに、その農機具の型式名、検査成績及び依頼者の氏名又は名称並びに合格を通知する場合にあつては合格番号を農林水産大臣に報告しなければならない。
農林水産大臣は、前項の規定により合格に係る農機具の型式についての報告を受けたときは、その農機具の型式名、検査成績の概要、合格番号及び依頼者の氏名又は名称を公示しなければならない。
第1項の規定による通知に係る検査成績に不服がある者は、その通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内(本邦内に住所又は居所を有しない者にあつては、六十日以内)に、農林水産大臣に対し書面でこれを申し出ることができる。
 (検査合格証票の添附)
第九条
依頼に係る農機具の型式が型式検査に合格し、前条第1項の規定により合格の通知を受けた者又はその一般承継人(これらの者から当該型式の農機具の製造、販売等の事業に係る営業の譲渡を受けたことその他特別の理由により農林水産大臣の承認を受けた場合には、その承認を受けた者又はその一般承継人とする。)は、当該型式の農機具に型式検査に合格したことを示す証票(以下「検査合格証票」という。)を附することができる。この場合には、当該農機具に、農林水産大臣の定める方法により、当該型式の農機具に係る前条第1項の検査成績表の写しをあわせて附さなければならない。
農林水産大臣は、前項本文の承認をしたときは、その旨を公示しなければならない。
検査合格証票の様式は、農林水産大臣が定めて公示する。
第十条
農林水産大臣は、第7条第3項の基準を変更した場合において、すでに型式検査に合格した型式の農機具について、変更後の基準に基づいて型式検査を行なうとすればこれに合格する見込みがなく、かつ、これを放置すれば農業機械化の促進に支障を与えると認めるときは、当該型式の農機具について、前条第1項の規定により検査合格証票を附することができる者に対し、当該証票を附することができる期間を限定することができる。
前項の規定による処分があつた場合には、その処分を受けた者は、その限定された期間内でなければ、当該型式の農機具につき、前条第1項の規定による検査合格証票の添附をすることができない。
農林水産大臣は、第1項の規定により検査合格証票を附することができる期間を限定したときは、その期間を公示しなければならない。
 (名称等の変更の届出等)
第十条の二
第9条第1項の規定により検査合格証票を付することができる者は、その氏名若しくは名称又は当該農機具の型式名を変更したときは、研究機構に対し、その変更に係る事項を届け出るとともに、その事項が第8条の2第1項の検査合格証又は検査成績表の記載事項の変更に係るときは、これらの書類を提出してその書換交付を求めなければならない。
第9条第1項の規定により検査合格証票を付することができる者が死亡し、合併し、又は分割(当該検査合格証票に係る型式の農機具の製造、輸入又は販売の事業の全部を承継させるものに限る。)をした場合には、当該相続人、当該合併によつて設立し若しくは当該合併後存続する法人又は当該分割により当該事業の全部を承継した法人は、遅滞なく、研究機構に対し、その旨を届け出るとともに、その事項が第8条の2第1項の検査合格証又は検査成績表の記載事項の変更に係るときは、これらの書類を提出してその書換交付を求めなければならない。
第9条第1項の1般承継人のうち分割により当該型式の農機具の製造、輸入若しくは販売の事業の一部を承継した法人又は同項の農林水産大臣の承認を受けた者は、遅滞なく、研究機構に対し、その旨を届け出るとともに、当該型式の農機具に係る第8条の2第1項の検査合格証及び検査成績表の交付を求めなければならない。
研究機構は、前3項の規定による請求があつた場合には、請求に係る第8条の2第1項の検査合格証又は検査成績表の書換交付又は交付を行うとともに、第1項又は第2項の規定による請求の場合には当該届出に係る変更事項を農林水産大臣に報告しなければならない。
農林水産大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、その旨を公示しなければならない。
第1項から第3項までの規定による請求をする者は、研究機構が業務方法書で定める額の手数料を研究機構に対し納付しなければならない。
 (事後検査)
第十一条
農林水産大臣は、必要があると認める場合には、検査合格証票を附した農機具につき、随時、事後検査を行なうことができる。
農林水産大臣は、事後検査をする場合において、必要があると認めるときは、その職員(非常勤職員を含む。以下同じ。)をして第9条第1項の規定により農機具に検査合格証票を付することができる者(第4項に規定する者を除く。)の事業場、店舗又は倉庫に立ち入り、当該農機具若しくはその部品を検査させ、関係者に質問させ、又は当該農機具を農林水産大臣の指定する場所に提出させることができる。ただし、農機具を指定する場所に提出させるときは、必要な費用を支払わなければならない。
前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、これを関係人に呈示しなければならない。
農林水産大臣は、事後検査をする場合において、必要があると認めるときは、第9条第1項の規定により農機具に検査合格証票を付することができる者で本邦内に住所又は居所を有しないものに対し、その事業場、店舗若しくは倉庫において当該農機具若しくはその部品についての検査を受け、若しくは関係者が質問に応じ、又は当該農機具を農林水産大臣の指定する場所に提出することを請求することができる。ただし、農機具を指定する場所に提出させるときは、必要な費用を支払わなければならない。
前項の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける者の負担とする。
 (合格の取消)
第十二条
農林水産大臣は、事後検査の結果、前条第1項の農機具の性能等が第7条第3項の基準に適合していないと認めるときは、当該農機具の型式についての型式検査の合格の決定を取り消すことができる。
農林水産大臣は、前項の規定による処分をしたときは、これを公示するとともに当該農機具の型式につき第9条第1項の規定により検査合格証票を附することができる者にその旨を通知しなければならない。
第1項の規定による処分があつた場合には、当該処分を受けた者は、当該処分に係る型式の農機具につき、第9条第1項の規定による検査合格証票の添附をすることができない。
 (検査合格証票等の表示に関する制限)
第十二条の二
何人も、この章の規定により農機具に検査合格証票の添附をすることができる場合を除き、農機具に、検査合格証票又はこれに紛らわしい表示を附してはならない。
農機具の輸入業者は、検査合格証票又はこれに紛らわしい表示の付してある農機具でその輸入に係るものを販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。ただし、検査合格証票がこの章の規定により付されたものである場合は、この限りでない。
 (異議申立ての処理)
第十三条
農林水産大臣は、第10条第1項又は第12条第1項の規定による処分についての異議申立てがあつたときは、その異議申立ての日から六十日以内に決定をし、これを異議申立人に通知しなければならない。
農林水産大臣は、前項の決定をする場合には、異議申立人に対し、あらかじめ、期日及び場所を通知して公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合において、意見の聴取に際しては、異議申立人又はその代理人は、当該事案について証拠を提出し、意見を述べることができる。
 (意見聴取)
第十四条
農林水産大臣は、次に掲げる場合においては、農業資材審議会の意見を聴かなければならない。
 第7条第1項の規定により型式検査を行う農機具の種類を定めるとき。
 第7条第3項の規定により型式検査の実施方法又は基準を定め又は変更するとき。
 第12条第1項の規定により合格の決定を取り消すとき。
 前条第1項の規定により異議申立てに対する決定をするとき。
 (報告の徴収)
第十四条の二
農林水産大臣は、第7条第1項の規定により型式検査を行う農機具の種類を定め、又は同条第3項の規定により型式検査の実施方法若しくは基準を定め若しくは変更するため必要があるときは、農機具の製造業者、輸入業者又は販売業者に対し、その製造、輸入又は販売に係る農機具の種類、型式又は数量に関し必要な報告を求めることができる。
 (権限の委任)
第十四条の三
この章に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。
 (農林水産省令への委任)
第十五条
この章に規定するもののほか、型式検査の手続その他この章の規定を実施するため必要な事項は、農林水産省令で定める。

 


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