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農業機械関係ニュース

平成14年8月

  1. 田中産業ではフレコンの安全吊り上げ補助具開発
  2. 農機学会が農業ロボットのシンポジウム開く
  3. 三菱農機が新型トラクター発表
  4. 日立建機ティエラではNTトラクターをフルモデルチェンジ
  5. 「バイオマス・ニッポン総合戦略骨子」を策定
  6. 金子農機が莢つきの豆類用と少量乾燥できる乾燥機を発表
  7. 本田技研工業は家庭用小型コージェネユニットのモニターテスト開始
  8. アグリテクノ矢崎でマルチ同時土壌消毒機発売
  9. ササキコーポレーションが有機ミキシングソワーを発表
  10. 松山では3分割ウィングハローの新シリーズ発表
  11. 熊谷農機で透明な穀物搬送機を開発
  12. ヤンマー農機が新商品を多数発表

1.田中産業ではフレコンの安全吊り上げ補助具開発
 米麦用フレコンをフォークリフトで吊り上げて運ぶ際の安全吊り上げ補助具で「フォークハンガー」の名称で7月より新発売した。フォークリフトのフォークを差し込むだけで使用でき、フレコンの重みを4点支持で支えるため、吊り上げ時、移送時とも格段に安定性を増す。ロープが切れたり、横揺れせず、安心して作業が行える。
2.農機学会が農業ロボットのシンポジウム開く
 茨城県つくば市の農研機構・中央農業総合研究センターでシンポジウム「未来の食糧生産を支える農業ロボット・自動化フォーラム―21世紀の扉を開く官学の物づくり最前線―」を開催。午前中は講演とパネルディスカッション、午後は圃場で
  1. 移動体光測距、超音波速度計(東京大学)
  2. 耕うんロボット(生研機構)
  3. ロボットトラクタ(北海道大学)
  4. コンバインの群管理システム(京都大学)
  5. 田植えロボット(中央農業総合研究センター)
  6. 自動直進田植機(生研機構)
の実演が行われた。
3.三菱農機が新型トラクター発表
 4年度下期商品としてトラクター「GVシリーズ」2型式、同「GRシリーズ」4型式、同「低床仕様」4型式を発表。新製品のうち、GVシリーズはGV82(82PS)/90(89PS)の2機種。開発の狙いは
  1. 価格で勝つ=魅力的でかつ競争力の高い実質本位の「割安プライス」
  2. 実力で勝つ=タフでパワフル、スピーディ
  3. 快適で勝つ=操作性、居住性に優れた快適デラックスキャビン。
GRシリーズは、GR90/100/115/125の4機種。国産最大級の125PSを投入、基本性能、エンジン性能、走行・旋回性能、油圧能力において強力なスペックを搭載したシリーズ。
4.日立建機ティエラではNTトラクターをフルモデルチェンジ
 同社では滋賀県大津市の大津プリンスホテルで「日立建機ティエラ・全国販売店会議」開催。屋内展示場で、NZトラクターをフルモデルチェンジした日立トラクターTZタイプ5型式と新分野開発プロジェクトチームが開発した新商品を披露した。新製品は日立トラクターTZシリーズ5機種、日立コンバインHC―J207、日立田植機HP―J4。TZトラクターは「デザイン面の一新を図り、環境にやさしいエンジンの採用と、作業性・居住性の向上、更にコストパフォーマンスのよい機械」とし、また「3本目の柱の育成を狙った開発製品として、堆肥の撹拌混合を主目的としてミニショベルを母体とした全旋回クローラローダと小型・歩行型のスノーローダが展示された。
5.「バイオマス・ニッポン総合戦略骨子」を策定
 農林水産、文部科学、経済産業、国土交通、環境の関係5省が策定した。地球温暖化防止や循環型社会の形成に向けた国家プロジェクトとして、農業廃棄物、有機性資源等のバイオマス利用を推進していこうとするもの。この骨子を受けて、具体策などを盛り込んだ総合戦略を年末までに策定。来年度から施設整備等を含めた地域におけるモデル事業の実施などを検討していく。
6.金子農機が莢つきの豆類用と少量乾燥できる乾燥機を発表
 平面型乾燥機「ビートルドーム」(型式はTGD―330)は、多目的に使える乾燥機として、空気循環式を採用し丹波黒大豆など莢付きの豆類を均一に乾燥できる。また、「マルーカ」(MFD―40)は常温通風で発芽玄米など少量向けの乾燥に威力を発揮する攪拌流動乾燥機。「ビートルドーム」は、乾燥機でいわれる温度ムラ「30%以内」を、10%前後に抑える高い均一性を確保し、乾燥時間を半減、乾燥処理した豆の脱穀時間は従来の7割で済む。「マルーカ」は、発芽玄米など胴割れしやすい穀物を品質良く仕上げる目的で開発した。本体はオールステンレス製で食品などを乾燥するのに適している。
7.本田技研工業は家庭用小型コージェネユニットのモニターテスト開始
 同社のユニットは、コージェネレーション(熱電併給)専用に新開発した世界最小のガスエンジン「GE160V」と、ホンダ独創の正弦波インバーター技術を採用した小型軽量の発電システムを効率的にレイアウトし、家庭用での設置に適した小型化を実現した。また、1戸建て住宅において1日10時間程度の稼働を想定し、毎時約3kWの発電をすることにより、総合エネルギー効率85%を実現した。汎用事業で蓄積してきた小型エンジンと発電機の技術を応用し開発したもの。今回モニターテストを75軒の一般家庭で行う。
8.アグリテクノ矢崎でマルチ同時土壌消毒機発売
 シンプル、コンパクト、高耐久性のDIT型の4条、5条、6条用。平マルチ同時作業で効率的な土壌消毒作業を可能にする。用途はD―D、クロールピクリンなど。
 特徴は、
  1. テフロンダイヤフラム採用により、耐久性を向上
  2. バルブ部の改良により、長時間使用後も吐出量が安定
  3. 注入ノズルに、液漏れ防止に効果的なチェックバルブを装着
  4. パルス式コントローラで、安定した回転制御が可能(1点当たり0〜6Mを吐出)
  5. 作業速度は毎時1〜3Hと幅広く対応できる。
9.ササキコーポレーションが有機ミキシングソワーを発表
 型式は「RMS300」。有機肥料混合散布機の第2弾として発表した。同機は、
  1. 有機肥料や化成肥料を定幅均一散布したい
  2. 数種類の肥料を混合して散布したい
  3. 肥料を条播したい―などの要望に応えて開発、商品化したもので、有機栽培に最適な施肥機。
主な特徴は、
  1. 有機肥料、米ぬか、化成肥料の単肥散布と混合散布ができる
  2. 混合部はWオーガ方式で、有機肥料や化成肥料を短時間で均一に混合する
  3. 1.5〜2.2mの定幅散布と、畝に合わせた条播ができる
  4. 電動リモコンシャッターを標準装備。シャッターの開閉は運転席で楽々操作できる
──など。
10.松山では3分割ウィングハローの新シリーズ発表
 新製品は、WBS2600B/2800B/3000Bの3型式で、
  1. 全面作業
  2. センター作業
  3. 片側作業のスリーウェイオペレーション機能を小型トラクター(20〜33馬力用)に採用した。
主な特徴は
  1. 左右の爪軸部が中央部にロックされてはじめて駆動される「コーンドック方式」のため大幅に軽量化でき、コストも抑えられ低コスト農業にマッチ
  2. 小型軽量用のため手動開閉のみの規格だがオプションで電動開閉できる部品(ミニモーション)を規格中
  3. 両サイドにチェーンケースがないので、より圃場の際より代かき作業ができる
――など。
 また、中山間地での要望に応えWASシリーズに「2200B」を追加。さらにWGSシリーズではサイドキットを標準とし一層使いやすくした。
11.熊谷農機で透明な穀物搬送機を開発
 スケルトンタイプの「TH―1」「同―1―15」(縦搬送)、「THY―2」「同―2―15」(横搬送)はパイプ部分を透明化することにより、穀物の搬送状態が一目でわかるため、空運転の防止や穀物の残粒状況など様々作業状況が確認できる。異物の混入場所をすぐ探せるため、ユーザーはむろん取り付け業者(販売店)にとっても極めて扱い易い商品となっている。
12.ヤンマー農機が新商品を多数発表
 トラクターEF300シリーズはオペレータの多様化するニーズに最新機能で応えた中型11形式。乗用田植機VP5C・6Cは好評のシリーズのコンパクト化に成功、更に操作性をアップしている。側条施肥機はPe1Aに装着できる超軽量11Lを実現。コンバインはGCシリーズを充実、軽量コンパクト・扱いやすさを追求した小形3条刈GC322のほか、納屋に収納しやすい「低車高仕様」を追加。加えて中山間地向けの超小形2条刈「Ce‐8」を新発売する。
 このうち、トラクターEF300シリーズはトラクター本来の基本機能を充実、最新機能との組み合わせにより、作業の多様化に幅広く応えた中型トラクター。平成15年10月からの国内排気ガス規制をクリアし、一歩先を行く低燃費・高出力の直噴エコディーゼルを搭載している。


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