農業機械関係ニュース

平成13年10月


  1. 生研機構がネギ調製ロボットを一般公開
  2. 本田技研工業の船外機の生産工場が完成
  3. ヤンマー農機は使いやすさと低価格を実現した乗用4条,5条田植機発売
  4. 鋤柄農機が上面マルチと上面鎮圧マルチ新発売
  5. 生研機構と新農機が傾斜地用多機能トラクターの開発促進評価試験現地見学・検討会開く
  6. 丸山製作所は「マジかるスタート」開発
  7. 川辺農研産業ではイタリア製樹木粉砕機を輸入販売
  8. JA全農が営農サポートシステムを開発
  9. 日農工地方大会で今年の内需「やや減」の見通し
  10. 熊谷農機が炭焼機を発売
  11. 富士ロビンはリコイルスタートの新機構「ハッピースタート」開発
  12. 共立ではiスタートを進化させた「iBスタート」搭載の背負動噴発売

1.生研機構がネギ調製ロボットを一般公開
 平成10年度から21緊プロで開発を進めていたもので,委託先は株式会社マツモトと株式会社ちくし号農機製作所。長ネギの根部切断と皮むきおよび葉切りを,1人の作業者がネギの供給作業を行うのみで処理していく。構造は,間欠作動する搬送コンベア,根部を適正な位置で切断する切断部,空圧ノズル内蔵の移動式ダクトによる自動皮むき部,所定の長さに揃える葉切りカッターとからなる。セーフガード暫定措置がとられているネギの国内産地の強化対策につながるものとして関係者から注目されている。
 
2.本田技研工業の船外機の生産工場が完成
 静岡県細江町に浜松製作所細江工場として完成したもの。最新鋭の高効率生産技術を取り入れるとともに,浜名湖畔という自然環境への影響の低減や職場環境のさらなる改善を進め,CO2排出量の4割削減や生産工程での排水ゼロを達成するなど,ホンダのグリーンファクトリーコンセプトを具現化した。同工場では,小型船外機BF2(2馬力)から,世界最大級のBF225(225馬力)まで,9機種28モデルの生産を行う。
3.ヤンマー農機は使いやすさと低価格を実現した乗用4条,5条田植機発売
 好評の乗用田植機Pe−1,Pe−2の改良型として,両機で好評を得た機能と価格はそのままに,新たに更に使いやすい数々の新機構搭載した。植付部レール,サイドバンパーを折りたためるため,狭い道での移動が余裕をもって行える。収納時にも場所をとらない。ミッションとリアアクスルの一体化設計と,植付部パイプフレーム構造で大幅な軽量化を実現,旋回時のハンドル操作も軽く,ぬかるみでも軽快に作業できる。その他,主変速レバーを「後進」位置にすると,自動的に植付部が停止し上昇する「バック連動機構」,2条ごとにレバーで植付爪が停止でき,植えじまいや畦際処理などに便利な「ユニットクラッチ」を採用などの特徴がある。
4.鋤柄農機が上面マルチと上面鎮圧マルチ新発売
 上面マルチは,畝の両サイドを土で押さえず,上面のみマルチフィルムをかける。独自の方法で風に飛ばされないような工夫を施し,発売した。専用覆土器によりフィルムの両端を十分に覆土することができ,安定した作業ができる。水田などの悪条件下でも作業ができる。
 一方,上面鎮圧マルチは,畝の上面を中高に鎮圧ローラーで鎮圧した後,マルチフィルムを被せる。鎮圧ローラの両側に設けた車輪で畝上面の両側部に溝を作り,フィルムの両端部を溝の上に敷き,鎮圧ローラーでフィルムの両端を溝部に踏みつけ,覆土デスクでフィルムの両端を覆土する。
5.生研機構と新農機が傾斜地用多機能トラクターの開発促進評価試験現地見学・検討会開く
 傾斜地用多機能トラクターは,生研機構,ヤンマー農機,タカキタで10年度から開発を進めているもので,青森県酪農振興センターで傾斜15〜18度の草地で実演した後,中間成績の検討などが行われた。開発中の傾斜地用多機能トラクターは60馬力ディーゼルエンジンを運転席横に搭載,重心の位置を低くし,車輪も直径77cmの小径幅広タイヤを採用。トラクターの前後に3点リンクとPTO軸を装備し,傾斜地での安定性を図り,前装ディスクモア,後装ブロードキャスタなどを装備し多機能な作業ができる。
6.丸山製作所は「マジかるスタート」開発
 エンジン始動時にリコイルスターターの引き力を従来の約3分の1に軽減したのが「マジかるスタート」。農業就業人口の50%以上が女性である現状を考え,「エンジンに不慣れな女性でもスムーズに始動ができる」をコンセプトに開発した。単純な部品構成で,確実な作動と軽量化が図られている。この「マジかるスタート」を主力商品の刈払機MB235SP,265SP,背負動噴MSO48SP−20,58SP−20,58SP−25に搭載し新発売する。
7.川辺農研産業ではイタリア製樹木粉砕機を輸入販売
 カラバッジ社製のBio−50(ホンダ5馬力エンジン搭載)と同150(同13馬力)の2機種。カラバッジ社は長年にわたりチッパーシュレッダーを製造し,独創の技術ノウハウは世界でも高い評価を得ている樹木粉砕機の専門メーカー。
 Bio−50と150は,小型でありながら効率よく枝葉を粉砕できる。耐久性の高い特殊鋼製切削刃と粉砕刃により,スピーディーにチップ状に減容し,堆肥化を促進する。また,厚い鋼板を使用した堅牢な構造で丈夫。車輪付きで簡単に移動できる。更に150型は直径90?までの丸太でも瞬時に粉砕。レバーによるスクリーン調節により粉砕チップサイズが自在に変更できる。
8.JA全農が営農サポートシステムを開発
 農家とのコミュニケーションを一層高めるため,NTTドコモが10月からスタートさせた次世代携帯電話「FOMA」とiモードの機能を利用し富士通などと連携して開発した。同システムは,農家がJA営農指導員に相談をしたい場合,不在,話し中などで待たされることなく連絡がとれる。また,JAが農家に伝えたい情報をメールマガジンやiモード画面で伝えることができるほか,農産物の出荷予約や肥料・農薬・農業機械などの注文を必要なときに即座に連絡できる。「FOMA」対応となっていることでテレビ電話機能を活用することにより,農機の故障対応や作物の病害虫診断などにも対応する
9.日農工地方大会で今年の内需「やや減」の見通し
 会の冒頭にあいさつした岡本会長は,今年の国内需要に関して前年比数%のマイナスになると見通した。各部会の部会長報告では,トラクターはウエートの大きい30PS前後の中型タイプが苦戦,今年の出荷は前年を数%下回る見込み。田植機は歩行から乗用型へのシフトが進み, 今年は乗用型5万台程度,歩行型6千台程度で弱含み横ばい。コンバインは5条以上は堅調だが,三条刈り中心の中規模層が低迷。出荷で90%程度,実販で93%程度と見込んでいる。
10.熊谷農機が炭焼機を発売
 温度自動監視型の専用炭焼機2型式と,簡単な切替レバーで焼却炉としても活用できる2型式の計4型式。専用炭焼機は本体全面を超高温耐熱セラミックファイバーで包み込むことにより,炉内の保温熱効率を高めており,堅くて良質な炭を作ることができる。炭焼機と焼却炉の兼用型は今までにない画期的なもの。ともにトグルロック方式による木酢液の回収装置を標準装備している。
11.富士ロビンはリコイルスタートの新機構「ハッピースタート」開発
 ハッピースタートはリコイルを軽く引いてバネに力を蓄え,一気にエンジンを回転させ始動させる画期的な始動機構。従来機の3分の1の引き力でエンジン始動ができる。このハッピースタートを搭載した新製品として刈払機3機種,背負動噴2機種を新発売する。刈払機はNB2100(エンジン20.0cc),NB2300(21.7cc)。背負動噴は「きりふじ」15aタンク仕様のRS251(24.5cc),20aタンク仕様のRS2520(24.5cc)。
12.共立ではiスタートを進化させた「iBスタート」搭載の背負動噴発売
 iBスタートは,軽い引き力でエンジン始動ができるiスタートを背負ったままで使え,停止もできる初の背引き仕様。
SHRE500BとSHPE701B,SHPE900Bの3型式で,ポンプは1回転2吐出のピストン差動式。圧力は3段階切り換えで除草剤散布から本格防除まで幅広く使える(SHPE701B)。
 また,iスタート搭載の中小型動散シリーズとしてDME321,同(F)−13,DME421の3型式も発表。一層の普及浸透を図っていく。