農業機械関係ニュース

平成13年2月


  1. ヤンマー農機が全国大会開く
  2. 井関農機は13年度ヰセキ全国表彰大会開催
  3. 三菱農機が有力販売店会議を全国13カ所で開催
  4. 全農機商連が21世紀ビジョン作成
  5. 松山ではNEOロータリーに大型シリーズを追加
  6. スター農機で中・大型のハイドロマニュアスプレッダ発表
  7. 田植え同時の散粒機を丸山製作所が開発
  8. JA全農が5カ年の事業構想原案で資材コスト20%減示す
  9. 富士ロビンの東部地区新社屋が埼玉県桶川市に完成
  10. 本田技研ではロータリ式小型耕うん機を新発売

1.ヤンマー農機が全国大会開く
 創業40周年と21世紀の幕開けの記念すべき年であることから,新ビジョンの下,「勇気ある変革」と「ダイナミックスピード」をモットーに,グループの社会的使命を具現化していくことを確認した。大会に先立ち神戸国際展示場で行われた商品展示では「ローカルヒーロー」「顧客拡大商品」「農用リサイクル関連商品」など18のコーナー別に平成13年度上期新商品,参考出品など210点が展示された。
 今回発表した新製品は,コンバインEe−30,同GC218,218G,GC451,揺動籾すり機VH35(A),VH40(A),VHX45A,VHX50A,ヤンマーロータリー一体型管理機・新HKシリーズ,ヤンマー汎用管理機・新MK大型シリーズなど。
 このうち2条刈りの10PSコンバインEe−30は,刈取部の上下,左右旋回がワンレバー操作のオールマイティステアリング,HST無段変速を採用するなど操作の容易化を図っている。
 
2.井関農機は13年度ヰセキ全国表彰大会開催
都内でグループの特約店,販売会社など約800名を結集,「ISEKI フロンティアスピリッツ21」をスローガンに,堀江社長は「商品力,営業力の強化,及び収益構造改革の推進で企業基盤を強化し諸情勢の変化に的確,迅速に対応することが最大の課題である」と指摘し「井関農機は、創業以来70有余年の間、農業機械のパイオニアとして、農業とともに歩んできた。今世紀も農業と農業機械に基軸を置いて、我が国、そして世界農業のために貢献し続けていく所存である。フロンティア精神をいま一度呼び起こし,全員一丸となって厳しい新世紀元年を切り拓いていく決意である」と語った。
3.三菱農機が有力販売店会議を全国13カ所で開催
 今回は「より地域との密着を図り、第一線との対話活動を重視する」方針から広域販社7社との共催で行い、席上13年上期商品としてトラクター「パルシードGSシリーズMTZタイプ」,コンバイン「レセルダVMシリーズ」「同VSシリーズ」,乗用田植機「マイレディシリーズMPR61H」など12機種を発表した。
 このうち,、パルシードGSシリーズは,ハイパワー・低振動・低騒音のS&C式ディーゼルエンジンを搭載,ハンドルを切ると前輪を約2倍速に回転させるダイヤクイックターン,耕深調整はレバー1本でできるPAC機構を標準装備するなど,操作性・機能性を向上させている。
4.全農機商連が21世紀ビジョン作成
 全農機商連会員企業へのアンケート調査や実地調査により農業機械販売整備業の現状を分析、それを基に業界と組合組織の展開方向を示した。これにはいくつかのパターンが示されており,それぞれの企業をまたは組織に見合った展開方向を選択してもらえるようにしている。
 第2章では,現状を従業員5人以下の企業が7割,年商5億円未満が9割,人材確保が難しいことなどを指摘。その上で展開方向として,高齢者が農業を支える現実に対応し,@出張整備体制の確保A引取・納車の積極的対応B細かな需要を拾う巡回サービスなどの取組みを求めた。また,農業に真剣に取り組む人々との付き合いを増やす観点から,@後継者の勉強会に積極参加A農業生産性向上に関する技術情報を積極PRBインターネットでの相互交流――などを提言している。
5.松山ではNEOロータリーに大型シリーズを追加
 50〜95PS用の「LXRシリーズ」5型式,75〜105PS用の「DXRシリーズ」8型式,80〜120PS用の「EXR−Vシリーズ」10型式。NEOロータリーの主な特徴は,(1)耕うん部の内側にステンレスカバーを装着。土の付着が少なく作業時の重量が軽くなり爪の摩擦抵抗を軽減させた(2)ゲージ輪は幅広でゴムを焼き付けているので土の付着が少なく,トラクタ後輪にスライドセットできるため、より安定した耕うん作業を実現(3)容易なメンテナンス(4)爪交換も楽にできる(5)フランジタイプの耕うん爪は石に強く反転性に優れた形状で粘土地でも土の抜けが良く,土詰まりが少ない――など。
 また,小型トラクター用の畦塗機「NZ250」,「SZ250」も新発売した。
6.スター農機で中・大型のハイドロマニュアスプレッダ発表
 中型は「安価で精度の高い作業」を実現するTHM2000Mと同3000M。大型はTHM8020,同12020で,新たに開発した「ビータリフト機構」を装備,ビータを外さないでパワーゲートと一緒にリフトアップできるため堆肥を畑に野積みする等の作業がスピーディに行える。
 中型の特徴は,堆肥を後方へ搬送する油圧プッシュゲートと,移動中に堆肥をこぼさないパワーゲートが連動して作動するため操作が簡単,プッシュゲートの送り速度はトラクター座席からコントロールボックスのダイヤルを回すだけ――など。大型は,プッシュゲート速度をトラクター座席からリモコン操作で0〜5m/分の範囲で無段階に調整できる,ビータの駆動系統に過負荷が生じたときにシャーボルトが切れてビータ駆動を保護する,油圧プッシュゲートで堆肥を搬送するためビータへ定量供給できるので,圃場へ均一散布できる――など。
7.田植え同時の散粒機を丸山製作所が開発
 散粒機「イノベーターMGT−5型」は,乗用田植機に取り付け,植え付けスピードに合わせ除草剤イノーバを散布する。田植え作業と同時に除草剤イノーバ1キロ粒剤が散布できるため、田植え後の除草剤散布作業が省け,大幅な作業時間短縮が図れる。また、散布は植え付け速度に連動するため,正確で均一な散布が可能。手元コントローラーのパイロットランプで確認しながら作業でき、安心して行える。
8.JA全農が5カ年の事業構想原案で資材コスト20%減示す
これまでの3カ年事業計画に代わるものとして平成13年から17年までの5カ年の事業方針と重点実施策を内容とした中期事業構想原案で,臨時総代会で決定する。
 生産事業については,機能・規模に応じた価格対応など担い手への対応強化,低価格資材や省力化に資する栽培技術の開発・普及,物流拠点の集約・再配置などによる効率的な物流体系の整備。これらを通じた品目ごとの具体的な数値目標の設定で生産資材コストの着実な低減,をあげている。  また,2005年までの行動計画として購買について,農家配送拠点を全国300カ所に集約,物流情報センターを全国事務集中センターへ展開,低コスト資材の重点推進とJAグループ全体の業務・物流改革で生産資材コスト最大20%削減を打ち出している。
9.富士ロビンの東部地区新社屋が埼玉県桶川市に完成
 同社の国内営業部東部地区事務所が大宮市の都市再開発事業で移転、新たに桶川市に用地を取得し、施設を完成させた。東京以北の東日本地域の営業・物流拠点として30名のスタッフで業務に当たる。所在地は埼玉県桶川市西2−9−42。
10.本田技研ではロータリ式小型耕うん機を新発売
 「ラッキーボーイFU400」で、扱いやすさや高い信頼性で好評のラッキーシリーズの入門用モデル。走行部へのロック機能付ディファレンシャル機構やループ式ハンドルなどの採用によりスムーズな旋回を可能にするなど、取り扱いやすさと高い作業性を両立させ、初心者が安心して使えるようにした。また、搭載した「GX120」エンジンは米国環境保護局(EPA)のフェーズ2をクリアするなど世界最高水準の環境性能を有している。  その他、(1)ラクラク始動、頼りになる4ストロークOHVエンジン(2)安定感ある低重心設計(3)メンテナンスに便利なクイックドレンシステムC燃料計装備――などで容易に扱える。