農業機械関係ニュース

平成11年11月


  1. 地域緊プロの新規に4課題
  2. コマツが超小旋回ミニショベル発売
  3. 松山は情報誌「ニプロウェーブ」を発刊
  4. 次世代向けの新型動噴を丸山製作所が発売
  5. 農林水産省・肥料機械課機械化指導班長に村川昇氏
  6. 新たな大豆政策で農林水産省が大綱
  7. 部品の業務自動化システムをクボタが開発
  8. 佐竹製作所は白米精選機とマジックエコ発表
  9. 小型乗用田植機をみのる産業で新発売
  10. 有機質散布のできる多機能散布機をタカキタ新発売
  11. 静岡製機が業務用生ゴミ処理機発売
  12. '99ホンダよかよかキャンペーンの第1回抽選会
  13. 農林水産大臣に玉沢徳一郎氏
  14. 共立がエンジン生産2,500万台達成し式典
  15. ヤンマーはペルー向けに大型トラクタ受注
  16. 八丈島に省エネモデル温室を三菱農機が建設

1.地域緊プロの新規に4課題
 農林水産省・肥料機械課(黒元重雅課長)は9月29,30の両日,埼玉県大宮市の生研機構・花の木ホールで平成11年度地域特産農作物用機械開発促進事業中央推進検討会を開き,今年度の新規4課題を含む23課題について,開発状況や試験の結果を報告,開発促進並びに普及策などを検討した。11年度の新規課題は有機栽培米用除草機(青森県,委託メーカー=和同産業),キク全自動移植機(奈良県,同=ヤンマー農機),シシトウガラシの簡易選別機(和歌山県),飼料作物用直播機(山口県,同=松村アクア他)を実施する。
2.コマツが超小旋回ミニショベル発売
 PC10UUは作業性など基本性能の向上や点検整備のしやすさを図ったもので,特に脱着可能なxウエイト(増量ウエイト)を装着したUUxは,履帯からのはみ出し量はわずか80mmながら抜群の安定性を実現し,様々な現場で威力を発揮する。バケット容量は0.025@。
3.松山は情報誌「ニプロウェーブ」を発刊
 同社では一昨年にニプロ製品愛用者を対象として「ニプロフレンズクラブ」を創設,このフレンズクラブ会員への情報発信を目的に発刊した。内容は創刊号が,松山社長の創刊の辞に続いて,ユーザールポ,ニプロ新製品紹介,作業機講座,工場紹介など。第2号では,1号からのユーザールポや作業機講座などのシリーズ記事に加え,この夏新設移転した関東営業所や松山記念館の概要などが紹介されている。
4.次世代向けの新型動噴を丸山製作所が発売
 アルティフローシリーズ6型式で,@品質工学に基づき最適な流れを追求,ポンプ体積効率を同社比で最大10%アップA球形の吐出弁の採用により騒音の低減を実現B新設計の調圧弁により容量性能が15%向上C調圧弁のダイアル径を大きくするなど,性能,使い易さを一段と向上させたもの。
 今後シリーズ化を展開するセット動噴,アルミキャリー動噴,ラジコン動噴など,すべての機種に逐次セッティングする予定。
5.農林水産省・肥料機械課機械化指導班長に村川昇氏
 10月1日付の人事異動で就任した。前職は関東農政局生産流通部農産普及課農政調整官。
6.新たな大豆政策で農林水産省が大綱
 12年産からの@取引の在り方の見直しA交付金制度についての考え方――に関して方向を示した。多様な取引ルートを認め,これまでの交付金から「銘柄ごとの市場評価が生産者の手取りに的確に反映され,需要に応じた良品質大豆の生産拡大に資する観点から,原則として事前に定めた全銘柄共通の一定の単価により助成するシステム」とする。
7.部品の業務自動化システムをクボタが開発
 同システムの導入により,補修部品の供給については,部品検索から在庫照会,発注,出荷に至るまでの一貫業務を自動化でき,迅速性や正確性が飛躍的に向上する。まず,アメリカ市場向けに導入。引き続き,日本を含めて欧州をはじめとする主要国のディーラーへ順次導入し,2001年末までには全世界レベルで導入を完了する予定。  システム名は「KWIN−EPC」で,部品情報を2枚のCD−ROMに収容,専用回線を介して同社ディストリビューターの受発注システムと接続する。
8.佐竹製作所は白米精選機とマジックエコ発表
 白米精選機は,糠玉や砕米はもちろん,白米に付着している虫(コクヌスモドキ,シバンムシなど)が完全に除去できるのが特徴で,選別網を振動させることでこれまではうまくいかなかった虫の除去を実現した。HACCPの導入など,衛生管理が重要視されている精米工場での導入が期待される。  マジックエコは,2kgタイプに続く1kgタイプ。バイオ分解型の生ゴミ処理機で,分解速度の速い微生物を採用,24時間で生ゴミを素早く分解する。メンテナンスも簡単で,分解基材を通常,半年に1回交換するだけで毎日使用でき,途中で残りかすを取り出す必要もない。
9.小型乗用田植機をみのる産業で新発売
 低コストニーズに対応したポット苗成苗小型田植機で,ポット成苗用田植機の軽量コンパクト化に成功したもの。新規格の軽四輪トラックに積載することができ,遠距離移動も容易。価格も85万円とし,割安感を求めるニーズに対応している。主な特徴は,@操作が簡単で,女性や高齢者にも使いやすいA小型軽量のため小回りがきき,旋回が容易になり,ハンドル操作も楽B重心位置が低く安定しているCロータリー植付機構を採用しているので植付精度が高い――など。
10.有機質散布のできる多機能散布機をタカキタ新発売
 含水率45%以下のコンポストでもきれいに散布できる上,米糠,鶏糞,土壌改良剤まで対応するコンポキャスタ・CC3500で,希望小売価格は28万円と低価格も実現した。ピンの差し換えで堆肥と化成肥料の撒き分けができ,大型アジテータで強力攪拌し,ブリッジを起こさずスムーズに堆肥を繰り出せる。また,アジテータはスピンナーに比べ四分の1に減速されており,肥料粒を破砕することが少なく,所要馬力も減少した。散布幅はコンポスト3〜5m,粒状肥料6〜12m,10aをそれぞれ2.5〜22.3分,1.8〜8.3分でこなす。トラクタ適応馬力は25〜45PS。
11.静岡製機が業務用生ゴミ処理機発売
 同社環境機器事業部が展開するのは堆肥型の“エコロンポ”LEシリーズと超減容型のMEシリーズ。堆肥型LEシリーズは,業務用生ゴミ処理機としては従来にない極めて廉価な商品で,ランニングコストも籾ガラ使用により低コスト。できた堆肥は,少量取り出し方式を採用し,後処理が簡単で,菜園,花壇などに最適の良質コンポストとなる。  超減容型MEシリーズは,微生物の力で短時間に有機廃棄物を分解する大容量業務用タイプ。分解率は95%以上。全機種脱臭装置付きで,1日の処理量25kgから1tタイプまで8型式を揃えている。
12.'99ホンダよかよかキャンペーンの第1回抽選会
 本田技研工業・汎用事業本部が展開している「'99ホンダ汎用よかよかキャンペーン」の第1回抽選会を,本社青山ビルで行い,当選者500名を決定した。キャンペーンは,今年12月までにホンダ汎用製品を購入した客に,所定のハガキで応募してもらい,その中から1000名に1万円分の「JCBギフトカード」をプレゼントするという内容。
13.農林水産大臣に玉沢徳一郎氏
 第2次小渕・連立内閣が発足し,農林水産大臣に玉沢徳一郎氏(自民,森派,岩手)が就任した。また,農林水産政務次官には,谷津義男氏(総括)と金田勝年氏が就いた。
14.共立がエンジン生産2,500万台達成し式典
 1955年以来,エンジン生産が累計2,500万台となったことから,同社・盛岡工場で達成記念式典を開催した。式典で挨拶に立った谷澤社長は「次の目標である3,000万台ヘ向け社内一丸で“本気”を出して頑張っていく」と決意を示した。式典当日は,@2,500万台記念キャンペーンの実施Aチェンソーの新シリーズ・01シリーズB共立のエンジン排ガス規制への対応策――などについても発表。
 チェンソー01シリーズは,「もっと軽く,より安全に,使い易く」を開発コンセプトとした戦略機。また,排ガス規制対応では,2000年からの米国カリフォルニア州の規制(CARB)について,2サイクルエンジンでの技術対応を完了し,11月より本格生産に入ることが明らかにされた。
15.ヤンマーはペルー向けに大型トラクタ受注
 三井物産を窓口としてペルー共和国農業省より110馬力トラクター・AF1110exを800台受注し,11月上旬までに全数を納入する。今回の受注は,日本輸出入銀行が1998年にペルー政府に対し実施した総額70億円のエルニーニョ対策融資のうち,約27億円を使用して同国農業省が導入したもの。AF1110exは3,000mを超す山岳地帯や海岸地帯で使用されるため,ヤンマーグループは的確な使用のために技術講習やオペレーター指導を実施するとしている。
16.八丈島に省エネモデル温室を三菱農機が建設
 同社施設部が受注・設計施工したもので,観葉植物の栽培が始まった。10年度農業構造改善事業の一環としてJA八丈島が事業主体となり,地域の熱資源有効利用を目指してハウス温室で観葉植物の生産を1年中可能とするために取り組んだ。東京電力の八丈島地熱発電所の排温水を利用するもので,ハウスは塩害や最大風速60mに耐えるものとなっている。