ホーム >> 農業機械化関連 >> 農業機械化ニュース メニュー >>  平成30年7月10日発行 メルマガ7月号
農業機械関連ニュース

平成30年7月10日発行

<業界短信-新製品7月>

1.タカキタがオートラップマシーンを発売

ロールベールの積み込み、ラッピング、荷下ろしの工程を全自動で行うトラクタ3P直装式「オートラップマシーン」(WM1120)を発売した。ラップマシーンにロールベールを載せてから、リモコンでスイッチを押せば、フィルムの巻き付けからたておろしまでを自動でできる。重量物であるベールのハンドリング作業の省力化が図れる。適応トラクターは22.1~44.1kW(30~60PS)。
 主な特徴は、

  1. トラクターとのマッチングは3P直装式で、PTO駆動による油圧パッケージを標準装備
  2. ロールベールの積込みの位置決めの後は、コントロールボックスによるボタン操作でラッピング作業が簡単に行える
  3. ロールベールの荷降しは通常のよこ置きと、たておろしが選択できる
  4. ラップフィルムは50cm幅と75cm幅の2種類に対応している。50cmフィルムはダブルストレッチによる作業も可能
  5. 75cmフィルムを4本同時に搭載でき、フィルム交換の時には独自のフィルムチェンジャー機構でフィルム交換が簡単に行なえる
  6. 軟弱地での走破性に優れた大径キャスタを装備
  7. 定置作業に便利なリモコンアタッチWM1120-RCをオプション設定

-など。

2.クボタがフラグシップの自脱コンバインなど新製品発表

大阪府堺市の堺サービスセンターで新製品発表会を開催。KSASに新たに「食味収量メッシュマップ機能」と「自動日誌作成機能」を追加し6月下旬からサービスを開始。コンバインと田植機のフラッグシップ機を一新、業界最大馬力・最高作業車速とする自脱型コンバイン「ディオニス」3型式、ボンネットカラーをオレンジに変更した乗用型田植機「ナビウェル」2型式を発表。さらに1輪管理機「ニューウネマスターJr」、籾からでも精米できるコイン精米機「もみすりクリーン精米屋」、除雪機「スノースラローム」などを発表した。
 乗用型田植機「ナビウェル」は、GPSを活用した「3キープ1アシスト」のICT機能で田植えの高精度化、低コスト化に寄与する。ボンネットカラーもオレンジに一新した。
 主な特徴は、

  1. 株間キープ機能=GPSとHST駆動式の株間変速で車輪のスリップを補正しながら植付けするので、圃場条件(湿田、枕地等)の影響を受けにくく、設定した株間で植付けできる
  2. 業界最高出力ディーゼルエンジン・新開発軽量ボディー=NW8Sには業界最高出力(24.6馬力)のディーゼルエンジンを搭載
  3. 直進キープ機能&条間アシスト機能=好評の直進キープ機能が更に使いやすくなった。条間アシスト機能装備により、隣接合わせの時に「ズレ」があると、知らせアシスト

-など。

3.井関農機が2018年度下期新商品発表

茨城県つくばみらい市の夢ある農業総合研究所で2018年度下期新商品発表会を開催。今回のコンセプトは「規模拡大する夢ある日本農業に向けて」とし、同社のフラッグシップ機であるトラクターとコンバインのJapan(ジャパン)シリーズをモデルチェンジするとともに、直進アシスト田植機にディーゼル6条仕様を追加、資材費低減に応え田植機とコンバインに低価格シンプル仕様を投入、さらに野菜作向けに1台でキャベツとタマネギを植えることができる全自動野菜移植機など11品目22型式を発表した。
 ヰセキコンバインHXシリーズは、高い基本性能は維持したまま、シンプル・低価格をコンセプトにした本格4条刈と5条刈。ヰセキコンバインHJシリーズは、フラッグシップモデルであるHJ5098・6098のモデルチェンジを行い、高精度、高能率、高耐久のコンセプトはそのままに、排ガス4次規制へ対応するとともに馬力をアップし条件適応性、耐久性の向上を図り、次世代の大規模農家の主力となるコンバイン“ウルトラジャパン”シリーズ。さらに、業界最大出力を誇るコンバイン「モンスタージャパン」HJシリーズを投入、12月に商品化する予定。
 同シリーズの主な特徴は、

  1. 逆流ツイン冷却ファン(HX463)/HST駆動逆転冷却ファン(HX575)で安定した連続作業
  2. 大径ロング扱き胴(HX463=径446×幅800mm、HX575=462×1050mm)を搭載
  3. 排出作業を楽に早くする「オーガ右前方排出」
  4. エンジン安全始動設定、手扱ぎ安全装置、緊急エンジン停止スイッチなど安全・安心機構

-など。

4.三菱マヒンドラ農機が平成30年度下期新商品を発表

平成30年下期新商品は、トラクターが4次排ガス規制適応エンジン搭載、シンプル装備・低価格で好評のASUMAGM301/331/361/451/501/551と高効率で快適な作業を追求したGA301、GA・GAK(Kはハーフクローラ仕様)331/361/451/501/551、ハウス内、果樹園作業に適した低床・コンパクト、ナロートレッドのGM330W、田植機がASUMALE4A(4条植、最大出力10馬力)、コンバインがジャストスタート採用のASUMAV211A/213A、コンバインシリーズでイーグルデザインを初採用したV216/218/318。
 三菱トラクターASUMA GMシリーズはシリーズトラクターのフェイスが一新。デザインは鷲をイメージした「イーグルデザイン」を採用。
 主な特徴は、

  1. エンジン性能=スス燃焼のための再生操作の必要なし。4次排ガス規制適応エンジン搭載。国内特自4次排ガス規制に対応した、パワフルなディーゼルエンジンを搭載
  2. 高精度な耕うん性能=ジャイロMACを搭載した傾斜センサ採用で、圃場の傾斜状況を素早く感知し、瞬時に水平を保つ。枕地など凹凸の多いところでも均平に保ち、田植えなど後作業が効率良く行える
  3. 快適オペレーション=新型メータパネル採用。デラックスシートで快適作業。らくらく旋回補助機能。LED作業灯装備(X仕様)
  4. 作業の幅を広げる便利機能=PTOの変速を入れたままで、PTO動力の「入」「切」を簡単にできる
  5. 優れたメンテナンス性=QRコードラベル採用

-など。

5.ホンダが汎用エンジンGCVシリーズを全面改良

汎用エンジン「GCV」シリーズをフルモデルチェンジし、欧州の各種作業機械メーカーに向けて9月より順次販売を開始する。同シリーズは、芝刈機や高圧洗浄機のパワーユニットとして、累計生産台数は全世界で3600万台を超えている。新シリーズでは、従来のGCV160、GCV190の2モデル構成に対し、「GCV145(総排気量145立方cm)」「GCV170(166立方cm)」「GCV200(201立方cm)」の3モデルを設定。優れた燃費性能はそのままに、燃焼室形状の変更などによる燃焼技術の向上により、クラス最大の出力・トルクを実現。同時に始動性の向上や振動の低減など一般家庭での使用を前提とした作業機器用パワーユニットとしての使いやすさも追求している。
 主な特徴は、

  1. エンジン骨格の抜本的な見直しを図り、構造や構成部品の最適化などにより従来モデル比4%の軽量化を図りながらクラス最大の出力とトルクを実現
  2. 燃焼室形状を従来のバスタブ型からペントルーフ型へ変更するなど、さらなる燃焼技術の進化を図ることでクラストップレベルの低排出ガスを実現
  3. 樹脂製マフラープロテクターの採用やマフラー内部構造の改良により、エキゾーストノイズの音質を改善
  4. 従来エンジンの取り付け位置など搭載互換性を確保しながら、供給先である相手先ブランドの商品デザインの自由度を拡大する新デザイントップカバーを採用

-など。

6.クボタがアグリロボコンバインを発表

千葉県柏市上利根の圃場で、今年12月から本格販売する「自動運転アシスト機能付コンバイン」(アグリロボコンバインWRH1200A)の発表会及び実演会を開催した。同機は、業界初のオペレータが搭乗して自動運転作業が可能なコンバインで、農林水産省が提示する農業機械の安全性確保の自動化レベル1に相当する。「誤差数cm」の刈取精度を実現。同社のGPS搭載農機である「ファームパイロットシリーズ」としては第4弾となる。2019年度の国内販売計画は20台。目指したのは、誰もが楽に無駄のない最適収穫ができる自動運転コンバイン。
 主な特徴は、

  1. マップ作成が簡単。手動であぜの内側6m以上収穫するだけでマップが自動的に作成される
  2. 自動運転開始操作が簡単。運転アシスト開始スイッチが点灯したらスイッチを両押しし、速度レバーを前に倒すだけ
  3. 作業シーンに合わせて刈取・脱こくクラッチのオン/オフや刈取部昇降を自動で行うので操作不要
  4. 前進・後進・旋回も自動で行う。オペレータは自動運転中は作業確認と安全監視に集中できる

-など。

<業界短信7月>

1.皇太子・同妃両殿下がヤンマーミュージアムをご見学

ヤンマーが創業100周年の記念事業の一環として、滋賀県長浜市に設立したヤンマーミュージアムに皇太子・同妃両殿下が来館された。山岡社長が両殿下をお出迎えし、ミュージアム館長の山本昇氏の案内で館内を見学された。
 初めに、MAN社の世界最古のディーゼルエンジンや山岡孫吉記念室をご覧になり、続いてヤンマーの各事業領域を紹介するコーナーを順に見学。農業ゾーンでYTトラクターをご覧になられた後、海洋ゾーンのプレジャーボート操船シミュレータを紹介した際には、皇太子殿下自ら体験された。1日目の行啓終了後、両殿下は「長浜市にあるヤンマーミュージアムを訪れましたが、ディーゼルエンジンの小型化に向けた努力と、それが農業や漁業などの産業振興に果たした役割について説明をうかがい、関係者の熱意と努力に感心しました」と感想を寄せられた(同社に関する部分のみの抜粋)。

2.日農工が定時総会、新執行体制

東京・白金台の八芳園で、第55回定時総会ならびに第148回理事会を開き、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に木股昌俊氏(クボタ代表取締役社長)を選任した。また、新任の副会長に北岡裕章(ヤンマーアグリ代表取締役社長)、永尾慶昭(やまびこ代表取締役社長執行役員)の両氏が就任した。木股新会長は就任のあいさつで、「私達農機メーカーは、生産資材コストの低減に資するシンプル機やIoT、ロボットによる営農の効率化など、新技術による農作業革新をもたらすことが期待されている」と、農業の成長産業化への貢献に意欲を示した。
 平成30年度事業では、技術・安全・環境に関する事業として1.農作業安全2.安全鑑定3.排出ガス規制4.リコール制度5.型式認定制度6.標準化7.油脂技術8.ロボット農機-への対応と消費者相談室の運営に取り組む。貿易振興に関する事業としては1.海外状況調査2.海外展開施策等への協力3.海外業界団体との連携を推進する。

3.井関農機が鹿児島で農業女子プロジェクト

鹿児島県阿久根市の県立鶴翔高校(前田良文校長)で、「夢ある“農業女子”応援プロジェクト・イン・九州(鹿児島)」を実施した。これには、県の女性農業者・同校の女子生徒ら17名に加え、男子生徒約40名も参加した。同プロジェクトは今回で24回目、鹿児島県では初の開催となる。当日は快晴に恵まれ、トラクター、管理機・耕うん機の安全な操作方法など基本的なことを中心に座学と圃場実習を実施した。また、農業女子プロジェクトと同社がコラボした“みんなに使いやすい”農機(トラクター「しろプチ」、ミニ耕うん機「ちょこプチ」、歩行型草刈機「プチもあ」)やICT、先端技術を活用した同社のスマート農機等も紹介した。
 前田校長は、「学生にとって普段触れる機会の少ない農業機械を体験できたことは貴重な機会だったと思う。ぜひこれを機に農業という職業について考えてみてほしい」と挨拶した。参加者からは、「初めて農機に触れられ、勉強する良い機会になった」「大小様々なクラスのトラクターを体験でき嬉しかった」等の感想が寄せられた。

4.三菱マヒンドラ農機が2017年度事業実績を発表

2017年度事業実績について記者会見を行い、それによると、売上高は445億3000万円、前年度比99.2%。このうち国内事業は、「ロングライフ」をうたう同社のブランド価値の浸透、イーグルデザインの新商品効果などで同103.5%の355億6300万円に伸ばした一方、海外はマヒンドラUSAにおける流通在庫調整の影響などで同85.4%となり、内外で明暗を分けた。また、基盤整備など「今後の成長の種になる」(末松社長)先行投資がかさみ営業利益は4億5400万円の損失となった。
 2018年度の取り組みに関しては、ブランドイメージの強化、大型整備施設の建設によるサービス売上げの拡大を進める一方、マヒンドラ&マヒンドラ社との連携によるインドでの材料調達の加速、海外事業拡大、アジアを中心とした新市場の開拓などに本格的に注力するとし、戦略的先行投資の成果を活かして収益力の向上に努める方針。

5.サタケのTVCM2作品に金賞

広島市内で開かれた広島広告協会主催の第39回(2018年)広島広告企画制作賞・贈賞式においてサタケのテレビCM2本に「電波部門テレビCM15秒の部」の「金賞」が贈られた。受賞作は、「チャレンジサタケダイヤモンド篇」と「チャレンジサタケ枝豆篇」の2作品。ダイヤモンド篇は、機械の中を流れる大量の米の中から1粒のダイヤモンドを見つけ出す技術を、「枝豆篇」では同様に流れる枝豆の中から本物の枝豆に混在している食品サンプルの枝豆を瞬時に選別する技術が描かれている。
 この2作品は1~4月に広島県内で放送されたテレビCMで、就活生、特に理系学生への訴求を企図して制作したもの。就活戦線が売り手市場ともいわれる中で、テレビCM放送後は同社への応募者数が前年度の約1.5倍になり、特に理系学生の応募が増加したことから同社では一定の効果があったと考えており、今後も状況を見ながら訴求力のあるテレビCMを制作・放送していく計画。

6.新農機が定時株主総会で解散を決議

都内のコープビルで第26期定時株主総会を開き、解散を決議した。平成5年10月1日の設立以来、累計で39万台の緊プロ機を世に送り出した。農業機械化促進法が今年4月1日付で廃止されたことに伴い、「高性能農業機械実用化促進事業」も終了。これにより、同社の事業目的の中心がなくなることから、解散を決議したもの。総会では、木下榮一郎会長のあいさつに続き、農林水産省の今野聡生産資材対策室長、革新工学センターの藤村博志所長が来賓としてあいさつした。代表清算人は小西孝藏氏が選任された。

7.JA全中が食料・農業・地域政策確立全国大会

都内の砂防会館で、平成30年食料・農業・地域政策確立全国大会を開き、与党政策責任者に政策提案を行った。この中で、労働力不足対策として、省力化・労働負担軽減に資する機械化、新技術導入への支援策を講じることを盛り込んだ。政策提案は、農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化に向け、「食料安全保障」に資する基本政策の確立を求めた上で、輸出対策、国産農畜産物の需要拡大、食の安全確保対策、担い手育成対策、農地関連制度、水田農業、多面的機能の維持・発揮、鳥獣被害対策などを政府・与党に提言した。

8.サタケがDNA品種鑑定分析サービスを341品種に拡充

米・炊飯品種鑑定サービスの鑑定可能品種を341品種に拡充した。同社は、2003年よりDNA品種鑑定分析サービスを開始し、これまで数多くの分析サービスを受託するとともに鑑定可能品種の拡充に取り組んできた。今回、新たに16品種(うるち米13品種、もち米2品種、飼料米1品種)を鑑定対象に追加した。「いちほまれ」(福井)や「銀河のしずく」(岩手)、「金色の風」(岩手)など、各生産地がブランド化を目指す期待の新品種や「たちはるか」、「やまだわら」など、多収を特徴とし、外食・中食産業へ需要を伸ばしている話題の品種も鑑定可能となった。同社では、今後も全国で発売される新品種にいち早く対応し、分析サービス利用者の利便性を向上すべく鋭意研究に努めてまいりたいとしている。

9.ササキコーポレーションが青森で電動リモコン作業機実演

青森県十和田市の大竹農園(大竹光雄園主)にて、新製品の電動リモコン作業機「スマモ」の実演会を行った。同機は、太陽光パネル下の狭い空間、果樹園の枝下、棚下など、低く狭い場所での草刈り作業が楽に行えると注目されている。3月に都内で開催された太陽光発電システム施工展で発表して以来実演の依頼も増え、主に太陽光パネル下の草刈り実演を行ってきた。農業の分野でも大型機械や人が作業しにくい場面での活用が期待されており、実演を進めている。
 実演では、樹高が低いブルーベリー畑の草刈りを行った。木の枝や実に触れることなく、畑の間の草地を力強く刈っていく同機を見ていた同園の大竹氏は「乗用モアで草刈りを行っているが、実や枝に当たって落ちたり、折れたりすることがある。スマモは車高が低いので木の根元まで入り込め、草刈りができる。除草剤をなるべく使いたくないのでとてもよい」と語り、草刈りの仕上がりにも満足の様子だった。佐々木社長は「太陽光パネルの下や果樹の下など、機械が使えない場所で炎天下の中、刈払機や手押しの草刈機などで作業をしている人々をサポートするコンセプトでスマモを出した」と語り、今後も様々な用途に向けた開発に力を入れていくとこれからの展開に期待を向けた。

10.諸岡が組織変更と新役員発表

本社で記者会見を行い、経営企画本部を中枢とした5部門の組織変更と、これに伴う新役員人事を6月1日付で行ったことを発表した。それによると、管理本部・国内営業本部・海外営業本部・生産技術本部を統括し、会社経営の全般を掌握する経営企画本部を新設。その本部長に諸岡昇専務取締役が、また、新たに取締役に就任した今井博史氏が国内営業本部長に、阿部文彦氏が海外営業本部長にそれぞれ就任したことを明らかにした。席上、諸岡社長は「中期経営計画GO5、MOROOKA2020の目標達成に向け、社内基盤の整備を重視し、強固な体制づくりを今後も積極的に進めていく」と発表した。
 今回、成長に合わせた体制整備の一環として、経営企画本部を中枢とした、5部門の組織変更を行ったとした上で、経営企画本部は、専務取締役の諸岡昇本部長を長とし、会社経営の全般を掌握し、中長期計画の立案や経営会議の運営、新規事業の企画立案、内部統制などを行うとした。また、同社は「創業60周年の区切りを迎え、これを機に、新たな体制づくりを積極的に進めている。創業100周年に向け、これからもお客様に喜ばれる独創的な商品を提供し続ける」とした。

11.ヤンマーアグリが学生懸賞論文・作文の募集を開始

同社が主催する第29回ヤンマー学生懸賞論文・作文募集要項を発表した。テーマは「“農業”を“食農産業”に発展させる」。趣旨は「生産から先にある加工、流通などを含めた“食のバリューチェーン”に入り込み、広く“食”に対するソリューションを提供したいとの思いから、生産物の付加価値を高めることで、農業の儲かるかたち、『経済性』を、次代を担う若い皆様と一緒に考えていきたい」とし、「日本の、そして世界の農業において生産性、資源循環、経済性を追求し、“農業”を魅力ある“食農産業”へと発展させる提案を期待している」と呼びかけている。
 募集内容は、論文の部は21世紀農業の確立を目指した先駆的挑戦、その実現の過程、手法等を論理的に論述するもの。作文の部は自分が感じていること、夢や思いを、これまでの体験やその時の情景を描写しながら作文にするものとしている。募集期間は9月末まで。

12.革新工学センターの農業技術クラスターが始動

さいたま市の革新工学センターで、第1回農業技術クラスターコアメンバー会議を開き、農機クラスター事業が始動した。それによると、初会合では、農機メーカーなど22社・団体が出席し研究課題化の検討を行うなど、今後の方向性を議論。今後、会員連携の下、現場からの要望に迅速に対応し、必要な機械開発等を行うこととした。コアメンバー会議は今後、2カ月に1回のペースで開催し、そこで必要な課題の検討を行い、課題の決定は随時行っていく。会議ではクラスターの運営について、研究課題化検討、安全性検査について、ANTAM,OECD,ISOの動向についての4議題について議論された。農業機械技術クラスターの会員は、6月20日現在、41団体71名となっている。
 藤村所長は開会にあたり「このコアメンバー会議においては、何かを決めるというより、方向性をみんなで検討したい。挙げられた現場のニーズに対して、しっかりと答えを返していきたいので、メーカー、関係機関、異業種の皆様の協力をお願いする。我々は各機関の結節点として活躍できればと考えている」などとあいさつした。