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農業機械関連ニュース

平成29年8月10日発行

<業界短信-新製品8月>

1.小橋工業がサイバーハロー、アゼローターを発売

サイバーハローTX-2シリーズをモデルチェンジし、各部の強度アップを図った「サイバーハローTX-3シリーズ」及び、アゼローターFRシリーズよりも適応トラクタの上限を上げ、オフセット量の拡大で大型化するトラクタに対応した「アゼローターFLシリーズ」を発表。TX-3シリーズは7月から発売した。
 サイバーハローの主な特徴は、

  1. U字型ピンとスプリングによる「ウルトラコネクタ」が中央、左右のレベラをしっかりと連結し、その強度を2倍にした
  2. サイドとセンタークラッチ部の強度アップで摩耗寿命を2倍に向上した
  3. サイバーハンド、爪配列、レベラ連結部などで土や泥の流れを総合的にコントロールする「サイバーフローコントロール」できれいな仕上がりを実現

-など。


 アゼローターの主な特徴は、

  1. 土の流れやすい斜め爪軸の採用で、土溜まり抵抗による作業中のトラクタの傾きを約5度改善(同社比)
  2. 畦が太くなりにくい優れた直進性を実現
  3. 従来のハイド爪をナタ爪に変更したことでシャーボルト折損頻度を低減、従来比では90%減

-など。

2.本田技研工業がロボット芝刈機を発売

電動で自走しながら自動で芝を刈り取るロボット芝刈機「Miimo(ミーモ)HRM520」を発売。本体、充電ステーション、芝刈り作業範囲を設定するエリアワイヤーの3つで構成され、作業範囲内の芝を自動で刈る。静粛性に優れ、環境にも配慮し、2012年に欧州で発売以来好評を得ている。ミーモの購入やメンテナンスは、専門の講習を受けた「ミーモ取扱店」でサポートする。
 主な特徴は、

  1. 充電残量を検知して自ら充電ステーションに戻り、再充電を行う自動充電機能を搭載するなど、芝刈り機能の自動化を実現
  2. 最大登坂能力25度を誇る強力モーターと傾斜自律制御システムの搭載で、傾斜地や起伏のある場所でも高い直進性を発揮し、均一に芝を刈り整える
  3. 本体の重量バランスと重心高を最適化したパッケージングにより、安定した走行を実現

-など。

3.松山が車速連動ブロードキャスター発売

ニプロブロードキャスターMPシリーズに車速連動仕様を追加して発売。トラクタと作業機の通信手段「AG-PORT」が日農工で統一規格となったことを受けたもの。これにより、より精密な肥料散布が出来るとともに、肥料代の節約にもつながり、低コスト農業にも貢献する。
 適応トラクタは13馬力以上。対応するブロードキャスターはMP-EXAシリーズ、独自車速信号取出し付きのトラクタに対応するものとして、MP-EXKシリーズ。電動仕様のブロードキャスターもオプションで車速連動仕様とすることが可能になるようにモデルチェンジし、MP-EXシリーズとして発売。経済的な手動シャッター開閉仕様は現行機がそのまま残り、ニーズに合わせてシリーズが充実した。
 車速連動仕様及び電動仕様は、ホッパー容量が220L、330L、400L、500Lが型式設定されている。手動仕様は更に600L、800L、1000Lの型式設定がある。この3型式はオプション部品で車速連動仕様、及び電動仕様として使うことが可能になっている。

4.三菱マヒンドラ農機が29年下期新商品発表

29年下期新商品として、三菱トラクタ「ASUMA GS182/202/232/252」と「ASUMA GM450D/500D/550D」、14年ぶりにモデルチェンジした三菱再生紙マルチ田植機「ASUMA LKE60D」を発表した。
 三菱トラクタGS182/202/232/252の主な特徴は、

  1. 鷲をイメージした「イーグルデザイン」を採用。鷲の鋭い爪は大地をしっかりつかむたくましい動力性能、大きな翼で羽ばたく姿は、快適な居住性と頼もしい耐久性を表現
  2. 自動制御「ジャイロMAC」「VRC制御(M仕様)」で均平性に優れた高精度な耕うん性能を実現
  3. ノークラッチで走行変速が可能なEZドライブ(T仕様)を新たに設定するなど安全・安心機能も充実

-など。


 GM450D/500D/550Dの主な特徴は、

  1. シンプル装備・低価格の現行GM450・500・550に前後進ノークラッチ変速仕様を追加ラインアップ
  2. ローダー作業や耕うん作業時の四隅切り返しなど前後進を頻繁に行う作業時に優れた操作性を発揮

-など。


 三菱再生紙マルチ田植の主な特徴は、

  1. 4年ぶりのフルモデルチェンジで基本性能、操作性、メンテナンス性等すべての機能を向上
  2. 高出力3気筒ディーゼルエンジンを搭載
  3. 大容量18L燃料タンク

-など。

5.革新工学センターが自動運転田植機を実演

埼玉県鴻巣市の革新工学センター附属農場で、自動運転田植機と電動植え付け田植機の実演会を開催。自動運転田植機は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として研究し、このほど一定の開発水準に達したことから、関係者に公開した。
 自動運転田植機の特徴は、

  1. 直進と旋回の大幅な速度アップを可能とする自動操舵システムを開発
  2. 無人運転で熟練者以上の速度と精度で植え付け
  3. 田植え作業と苗補給を1人で実現可能
  4. 自走車両全般の自動運転への活用に期待

-など。


 電動植え付け田植機の特徴は、

  1. RTK-GNSSの位置情報をもとに、植え付け爪の角度を制御でき、苗を横方向にも揃える正条植えが可能
  2. 疎植正業にも対応(今後はさらに密苗、密播苗への対応も検討)

-など。

6.松山が小型トラクタ向けドライブハローを発売

小型トラクタにベストマッチするニプロドライブハロー「HC030シリーズ」を発売。作業幅は1.6/1.8/2.0mの3機種、適応馬力は11~18馬力。
 主な特徴は、

  1. 20馬力以下のクラスのトラクタにベストマッチする代掻き専門機として発売
  2. このクラスのドライブハローでは業界初となる大型スプリングレーキを標準装備として、雑物の埋め込み性能を向上
  3. 代掻き爪は上位機種及び折りたたみ式のウィングハローで採用され、砕土、埋め込み性能に定評があるL814爪を装備し、小型トラクタ向け軽量安価タイプでありながら、代掻きの基本性能を十分に確保

-など。

7.三菱マヒンドラ農機が直進アシスト装置発表

三菱ステアリングホイール操作アシスト装置「スマートアイドライブ」を発表。これは緊プロ事業により農研機構革新工学センターと共同開発に取り組んできたもので、遠くの風景、前行程の作業跡をカメラで認識し、それを基準として機体をコントロールするシステム。既存の三菱トラクタに取り付けることでうね立て作業において、高い直線精度を発揮する。
 主な特徴は、

  1. キャビン上部に取り付けた単眼カメラで確認し、操舵自体をアシスト。超低速から作業でき、±5cm以内の高精度を実現
  2. 面倒な手続きや年会費等は不要
  3. 通信電波圏外でも利用可能

-など。

8.本田技研工業が除雪機に機能追加し発売

小型・軽量による扱いやすさと低燃費が好評のブレード除雪機「ユキオス」(型式はSB800)にブレード角度調節機能を追加して販売。
 ユキオスは2008年に発売されて以降、初心者でも気軽に扱え、安心して除雪作業が可能なブレードタイプの除雪機として好評を得てきた。今回のユキオス「SB800」は、簡単な操作性や低燃費・低騒音といった特徴を引き継ぎながら、ブレード角度を左右それぞれ30度に切り替えられる機能を追加。作業負荷を軽減し、より長い距離の除雪を可能にした。
 合わせて、すべてのホンダ除雪機を対象に、独自の補償制度として好評を得ている1年付帯の「賠償責任保険」と「盗難補償」を3年付帯とするキャンペーン「早得3年補償」を期間限定で実施。

<業界短信8月>

1.東海近畿クボタが発足

クボタの農機販売会社である東海クボタと近畿クボタが経営統合し、7月1日付で「東海近畿クボタ」が発足。
 これはクボタが進めている中期構想の一環で「広域化・規模拡大により販売力の強化及び経営効率の向上を図る」のが狙い。営業地域は岐阜、愛知、三重、兵庫、大阪、和歌山、奈良の7府県。本社は兵庫県尼崎市浜1の1の1。代表取締役社長には高橋克夫氏が就任した。
 同社では、「地域の皆様へのより密着した販売・サービスの一層の充実に向けて体制整備を進めていく」としている。

2.スガノ農機の社長に村井信仁氏

先の株主総会ならび取締役会において、役員が選任され、新執行体制が決定した。代表取締役社長に村井信仁氏(新任・北農工元専務理事)、取締役に菅野充八氏(重任)、菅野鋭三氏(新任)が就任した。
 森岡秀士氏(前代表取締役社長)と山口嘉明氏(前専務取締役)は6月12日付で解任され、大森聡氏は5月22日付で取締役を辞職した。

3.中九州クボタの玄米ペースト食品をタニタカフェが採用

クボタグループの中九州クボタの子会社が製造・販売している玄米ペーストパン・パスタが、新潟県長岡市のタニタカフェのメニューに採用されたと発表。
 取り組みの内容は、タニタカフェのオリジナルメニュー「野菜をたっぷり食べるパスタ」4種類(ブロッコリーとひき肉のトマトパスタ・キャベツとアスパラのシーフードパスタ、ほうれん草となすのナポリタン、レンコンと小松菜の和風パスタ)への玄米ペーストパン・パスタの提供。1日20食限定で6月15日から提供を開始。
 クボタグループは、パンやパスタなど、栄養価の高い米の用途や販路を拡大し、米の消費拡大支援に取り組んでいくとしている。

4.三菱マヒンドラ農機が新サイト開設

三菱マヒンドラ農機ホームページ内に、ブランド訴求の一環として、「Long Life(ロングライフ)~人も道具も、長く強く。」サイトを開設。
 同社は今年1月から三菱農業機械ブランド価値向上に向け、お客様との絆を長く強く続けたいと願う気持ちを表現したメッセージ「ロングライフ~人も道具も長く強く。」を掲げ、ブランド発信を強めている。新サイトオープンはその一環。

5.本田技研工業がパワープロダクツ事業を再編

国内におけるパワープロダクツ事業の再構築および営業体制の強化をめざし、現在パワープロダクツの販売を担っているオールホンダ販売に営業機能を業務移管するとともに、10月1日より会社名を「株式会社ホンダパワープロダクツジャパン」に変更すると発表した。代表は関原彰氏が務める。
 除雪機、発電機、農業機械などのパワープロダクツのフィールド営業・サービス機能を、ホンダパワープロダクツジャパンに集約、強化することで、取引先・販売店とともに各地域のニーズに合った販売・サービスを提供。また、全国のフィールド営業・サービス機能を担当するとともに、フィールド営業・サービスに長けた専門性の高い人材の採用・育成を担うことで、パワープロダクツ事業における人材強化と営業力の向上につなげることを目指す。

6.IHIシバウラの新社長に宮原氏

6月28日に開催した株主総会ならびに取締役会で新たな役員体制を決め、社長には宮原薫氏(非常勤、IHIスター社長)を選任、同日付で就任した。
 そのほか、非常勤の新任取締役として小林勝、昆明彦、合馬次郎の各氏が就任した。

7.28年度安全鑑定結果は10機種177型式

革新工学センターの発表によると、平成28年度分の安全鑑定適合型式数は、10機種177型式で、前年度に比べて5機種21型式減少した。安全鑑定が開始した昭和51年からの累計適合型式数は、9855となった。28年度は乗用型トラクタや乾燥機、自脱型コンバインが増えたほかは軒並み減少しており、適合機種の集中が進んでいる。
 主な機種の型式数をみると、28年度の適合機が最も多いのは乗用型トラクタで6社92型式となり、前年度に比べ32型式増加。次いで乾燥機(穀物用循環型)が53型式となり、同13型式増えた。一方、歩行型トラクタの適合機は、2型式で、同6型式減少した。「その他機種」に分類されたものは、3機種8型式あった。

8.クボタが住友化学と連携強化

クボタと住友化学は、クボタグループが運営する農場「クボタファーム」で米の低コスト生産の共同実証実験を開始した。クボタの農業機械、低コスト栽培技術、ICTと、住友化学が持つ農薬・肥料・種子や栽培ノウハウとの連携を強化することで、米のさらなる低コスト生産を実現し、日本農業の競争力強化に貢献する。
 今後、クボタファームで住友化学の米品種「コシヒカリつくばSD1号」などを、鉄コ直播等の技術と、住友化学の農薬・肥料を用いて、業務用米として栽培する。また、生産過程において、クボタの「KSAS」農機で収量・品質などのデータを蓄積し、生産性の向上に取り組む。
 将来的には、生産した米の輸出を検討するとともに、自動運転農機やドローン、高性能農業資材等を組み合わせた、より効率の高い栽培体系を構築・実証して農家に提案し、低コスト栽培技術の各産地への普及につなげていく。

9.日本農業新聞広告賞でヤンマーがグランプリ

日本農業新聞が実施する「第13回日本農業新聞広告賞」にて、ヤンマーのトラクタ「YT2/YT3シリーズ」の広告がグランプリを受賞した。
 同社が受賞した広告は「乗りかえよう。新しい農業へ。トラクタYT2シリーズ/3シリーズ誕生」というタイトルで、2016年5月17日から19日まで、計3回のシリーズで掲載された。審査にあたっては「農業の新しい豊かさとは何かを問いかけた」という点が評価され、この度の受賞となった。
 受賞に当たり、同社は代表取締役副社長・アグリ事業本部長の鈴木岳人氏による「これからも農業機械の提供のみならず食料生産全体のトータルソリューションを提供し、農業を元気にしていくことに取り組んでまいります」等のコメントを発表している。

10.井関農機の特許査定率が1位

特許庁が公表した特許行政年次報告書2017年版で、井関農機が「その他の特殊機械」で分野別登録数第1位、さらに特許査定率は100.0%で「全産業中」第1位を獲得した。
 同社によると、分野別登録数は通算15年連続1位(2016年版までの日本における分野別公開数については、2000~2006年は「農林水産分野」で7年連続第1位、2007~2014年は「その他の特殊機械分野」で8年連続第1位)。特許査定率(特許査定件数、拒絶査定件数、取下・放棄件数を合算して特許査定件数を除したもの)は2004~2010年は全産業中第1位、2011年は第2位、2012~2016年は第1位。

11.オーレックが九州農業ドリームプラン・プレゼンに参加

福岡国際会議場で開かれた「九州農業ドリームプラン・プレゼンテーション2017」に、オーレックが協賛企業として参加した。選出された10名のプレゼンターは農業や食の分野に関わるそれぞれの夢を発表し、グランプリと準グランプリが決定した。
 同社の今村社長はコメンテーターを務めるとともに、創業者精神である「世の中に役立つものを誰より先に創る」と題した講演を実施。オーレックの紹介、現代の食生活と課題、農業の課題、これからの農業に必要なもの、業界初製品開発体験、世の中に役立つものを誰より先に創るため、消費者視点の農業を支える新規事業、地域貢献と社員教育、志高い農業ベンチャーに期待-と各項目ごとに分類して、過去の体験談や現在の取り組みについて語った。その中で自身の業界初製品の開発体験を踏まえた上で、「志高い農業ベンチャーに期待している」と述べた。

12.日農工が29年上期部会統計を発表

平成29年1~6月の日農工統計生産出荷実績によると、1~6月の出荷金額は2198億2200万円で、前年同期比97.9%となった。うち、国内向けは1355億1300万円、同101.8%と増加。国内向けが上半期で前年増となるのは、26年1~6月期以来3年ぶりとなる。台数ベースで国内向けに好調だったのは50PS以上トラクタが113.8%と2ケタ増となったほか、田植機1.8%増、防除機7.5%増など。コンバインは91.8%と振るわなかった。
 一方、1~6月の生産実績は全体で2294億3800万円、前年同期比115.5%、うち国内向けは1494億6600万円、同131.6%、輸出向けは799億7100万円、同94%と、国内向け生産が好調に推移した。

13.全国農業機械士協議会が宮崎で全国大会

第42回農業機械士全国大会宮崎大会が7月12、13の両日、宮崎県で開催され、全国から農業機械士や農機行政関係者など約200名が参集した。
 12日は、宮崎市のニューウェルシティ宮崎にて、同協議会の役員会及び総会、農業機械士全国大会式典が行われた。総会では、平成28年度事業報告及び収支決算案、29年度事業計画及び収支予算案、役員改選、第43回全国大会開催など議論し、全て事務局の提案通承認された。役員改選では、伊藤会長、岡本正文副会長、田村通康副会長らを再選。新任理事に金本哲弥氏(広島県農業機械士協議会)、大城毅氏(沖縄県農業機械士協議会)が選ばれた。全国大会式典では第33回功労者表彰や大会決議、基調講演、事例報告など行われた。
 13日は、県立農業大学校内にある次世代型農場チャレンジファームの視察研修が行われた。

14.農業食料工学会が29年度開発賞を決定

農業食料工学会の平成29年度開発賞で、開発特別賞にヤンマーの「密苗+感度アシストによる田植作業の革新的省力・低コスト化技術」が選ばれた。また、開発賞は、井関農機の「全自動野菜移植機PVZ1シリーズ」、NECソリューションイノベータの「NEC農業技術学習支援システム」、クボタの「直進キープ機能付田植機」が選ばれた。授与式は9月8日、都内の東京農業大学で開催される第76回農業食料工学会総会の席上、行われる予定。また、12月に開催される「第22回テクノフェスタ」において、受賞企業による講演が持たれる。

15.九州北部豪雨災害被災地域へ各社支援

平成29年7月九州北部豪雨災害の被災地域に、各社が支援を表明。クボタグループは日本赤十字社を通じて300万円の義援金を、ヤンマーグループは福岡県共同募金会に1000万円の義援金を、井関農機は被災地域の自治体に200万円の義援金を、三菱マヒンドラ農機グループは日本赤十字社を通じて200万円の義援金を贈ることを決定した。