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農業機械関連ニュース

平成29年4月10日発行

<業界短信-新製品4月>

  1. クボタがRe;Specialシリーズのトラクターなど発表
  2. ササキコーポレーションが乗用ニンニク植付機を発売
  3. タイショーがシャッター目盛りを回答するアプリを開発
  4. クボタが大型ディーゼルエンジンを開発
  5. 農研機構とササキコーポレーションがあぜ道用リモコン草刈機を開発
  6. やまびこが新型軽量刈払機を発売
  7. タカキタが細断型ホールクロップ収穫機をモデルチェンジ

<業界短信4月>

  1. クボタが長澤まさみさんのテレビCM第2弾を放映
  2. 本田技研工業が新研究施設「R&DセンターX」を設立
  3. スガノ農機が全国土を考える会で説明
  4. クボタの大型トラクターM7001シリーズがiFデザインアワード2017を受賞
  5. 大丸梅田店で大阪アグリアカデミア×ヤンマープレミアムマルシェ
  6. 井関農機がふるさとの食にっぽんの食フェスティバルで最先端ICT農機をアピール
  7. 日農工が農機の安全設計で勉強会
  8. JA全中が通常総会を開催、所得増と生産拡大に取り組む
  9. オーレックが筑後川のヨシ刈りボランティアに参加
  10. 井関農機が福島イノベーション・コースト構想シンポジウムでスマート農業を紹介
  11. 三菱マヒンドラ農機が栃木県立宇都宮白楊高校でGPSトラクター講習会
  12. ヤンマーミュージアムの開館4周年記念イベント盛況
  13. IHIスターの新社長に宮原薫氏
  14. 全農機商連がアンケート調査、28年下期は「増加」3割
  15. 革新工学センター、新農機が28年度緊プロ開発機を公開

<業界短信-新製品4月>

1.クボタがRe;Specialシリーズのトラクターなど発表

作業の高能率・省力化及び資材のコストダウン等の課題を解決すべく、「Re;Special」シリーズのトラクターとコンバインを発表。
 トラクターはMR97RE(97馬力)で、高出力・低騒音・コンパクト設計の自社製エンジン「V3800」を搭載、高効率・省力化を実現。変速ショックを抑えたトランスミッションや主変速レバーと副変速レバーの一体化で操作性を向上。コンバインはER6120RE(6条刈120馬力)で、最高作業速度毎秒2mを実現するエンジンと各種装置を装備。
 また、KSAS対応の乗用管理機ハイクリブームKBSA-650CE-SASを発表。管理作業の簡略化で、効率化の実現を目指す。
 主な特徴は、

  1. 管理作業の効率化-KSASと連動。作業時の作業日時、噴霧圧力、車速、瞬間水量、総散布量、エラー内容を検出し、KSASシステムへ自動送信し作業履歴として管理できる。従来は手作業で管理していた作業内容の見える化を簡単に行うことができる
  2. トレーサビリティーの見える化
  3. 精密散布の実現

-など。

2.ササキコーポレーションが乗用ニンニク植付機を発売

新型乗用ニンニク植付機「NU425」を発売。ニンニク一貫体系作業機を有する同社が、作業体系の充実と生産性向上、品質向上、省力化を目的として昨年よりフルモデルチェンジを行ってきたものの一環で、農家をはじめ幅広く期待を集めている。
 主な特徴は、

  1. 新形状のフィンガーが、種をしっかりキャッチして種こぼれを軽減し植え付け精度が良く、耐久性にも優れている
  2. 目皿ゴムは変形や切れに対し強く種子の保持力に優れ、水田からの転作要望にも応え最大25cmの高畝にも対応
  3. 広幅のクローラーを採用し、バランス設計で安定と高精度の植え付が可能になり、圃場間の移動時にクローラーなどの走行部を洗浄したいという要望が多く、センサーを防水化して洗車対応もしている
  4. 掃除モードスイッチを操作パネルに追加し、押し込み部に付着した土を掃除できるようにしてあり、座席下のスペースを広げることで、長時間作業でも疲れにくい快適設計
  5. ボタン一つのマイコン制御で植え付深さを5段階に選べる機能や、株間をスイッチで3段階に調整でき、使いやすい設計

-など。

3.タイショーがシャッター目盛りを回答するアプリを開発

肥料散布機“グランドソワー”とブレンド散布機“NEWアトラス”のシャッター目盛りを一発回答するアプリを開発。AppStoreより無料で配信を開始した。
 従来は、速度表と散布量表を確認しながら散布目盛りを決めていたが、同アプリは、機種(グランドソワー・NEWアトラス)を選んで、条件(肥料の種類・散布量・ロータリ幅・トラクタ車速)を入力すると、瞬時に散布目盛りを表示。散布表を見ながら散布目盛りを決める煩わしさを解消した。i-Phone(IOS8.0)に対応。

4.クボタが大型ディーゼルエンジンを開発

2019年から実施される欧州排ガス規制(欧州ステージⅤ)に対応した、新しいディーゼルエンジン「V5009」(排気量5.0L、出力157.3kW=214馬力)を開発。併せて100馬力以下で世界トップシェアの実績に加え、新エンジンを主に建設機械・産業機械メーカーに供給することで、200馬力以下で「世界ナンバーワン・産業用エンジンメーカー」を目指すことを明らかにした。量産開始時期は2020年。
 主な特徴は、

  1. 単位排気量あたり最大出力を引き出すだけでなく、同じ出力クラスで最高レベルの低燃費性能を実現した4気筒ディーゼル
  2. 排ガス規制に対応するためにSCR(選択触媒還元=ディーゼルエンジンの排気中窒素酸化物を浄化する装置)とDPF(PM捕集装置=ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルター)を搭載
  3. 建機・産機側での設計柔軟性とメンテナンスの向上のため、動力の取り出し口のオプションを3カ所採用

-など。

5.農研機構とササキコーポレーションがあぜ道用リモコン草刈機を開発

夏の炎天下でより身体的負担の大きい草刈り作業の負担を解消し、排ガスで環境負荷を与えることなくあぜ道や路肩などの整備された斜面の草刈り作業を安全にこなしていく目的で、水田のあぜ道で使える電動式リモコン式草刈機を開発。畔草刈りの主流となっている刈払機による作業を軽労化し、また、安全に進められるよう開発された。
 主な特徴は、

  1. 無線リモコンによる遠隔操作に加え、一定条件下のあぜ道(途中に障害物がなく比較的平坦で直線的、十分な強度をもったあぜ道)では、あぜ道に沿った自動走行も可能
  2. 刈払機と比べ、飛び石や作業機の反発などによる事故を防ぐことができ、格段に安全性を向上させるメリットもある
  3. 一般的な草刈機と比べて、刈り取り精度、作業速度は同等で、機体から離れて遠隔操作できるため危険性は減少。岩手県で行った実証試験では、遠隔操作の際は市販機よりも作業者に与える騒音・排ガス・振動の影響が小さいことを確認
  4. 自動走行できるあぜ道としては上面幅50cm以上、高さ30cm以上、斜面部分の傾斜角60度程度としており、この条件に沿った作業では一層の軽労化が図れる

-など。
 今後は、実用性の向上に向けて、稼働時間を拡大するためのバッテリーの改良を検討する予定で、平成30年度の市販化を目指している。

6.やまびこが新型軽量刈払機を発売

「KIORITZ」「shindaiwa」の両ブランドの新型軽量刈払機「共立・SRE2230」と「新ダイワ・RA3021」を完成、4月より本格的な発売を開始した。同機は、エンジン排気量が20.9mLで、クラストップの質量と扱いやすさを目指し、同社技術陣が総力をあげて開発。発売に伴い、今年8月まで“軽いが一番”キャンペーンを実施する。
 主な特徴は、

  1. 軽量加工の施された大きい窓付きのファンケースには新採用の防振機構を搭載し、エンジン部の軽量化を図った。軽さを追求するための構成部品をグラム単位で見直し、各所に新設計されたメカニズムを投入。旧モデルと比較して約600gと大幅に軽量化し、共立ブランドのツーグリップ仕様で質量3.2kgと圧倒的な軽さを実現
  2. 先端部には、新タイプの小型樹脂安定板を採用した軽量ギアケースや、新開発の操作桿などを採り入れ、総重量を削減しながらも全体の重量バランスを最適化し、とり回しがしやすい
  3. エンジン排気量20.9mlながら草刈り作業に適した出力性能
  4. 新しくなったブランド別の外観デザインは「軽さ」をイメージ。畦畔・法面での草刈りニーズをはじめ、女性や高齢者の使用、家庭での軽度な草刈りにも対応

-など。

7.タカキタが細断型ホールクロップ収穫機をモデルチェンジ

良質な稲発酵粗飼料づくりに定評がある細断型ホールクロップ収穫機をモデルチェンジした「WB1040DX」を平成29年12月から発売。クボタと共同開発したロールベールの簡易質量測定装置を標準装備し、収穫時に圃場でのロールベール質量の測定が可能になり、圃場ごとの収量管理に利用できる。
 主な特徴は、

  1. 飼料稲を細断するディスクカッタ幅の1100mmへの拡張や、混合スピンナーの周速を上げるなどにより処理能力を向上させ、長稈品種に類する草丈160cmまでの飼料稲の収穫を可能にしている
  2. 収穫物を理論切断長3cmに細断し良質な乳酸発酵が促進され稲発酵粗飼料に仕上げられる
  3. ネットの巻き数設定や、ベール成形数を記録する電子カウンターの表示、機械のエラーメッセージが表示できるコントロールボックスを標準装備し、運転席での操作、確認が容易にできる
  4. 乳酸菌などの噴霧に対応した添加装置を標準装備。タンク容量は従来の20Lから50Lに増量
  5. 最大出力75PS、2014年排ガス規制基準をクリアしたディーゼルエンジンを搭載
  6. 自動刈高さ制御モードではデバイダ先端の突っ込みを防ぎ、株抜けなどによる泥の混入をなくして良質の飼料生産が行える
  7. 前後・左右の4つのポジションで、車体を水平に保つことができ、またロングワイドクローラで湿田作業に威力を発揮
  8. 長時間作業に対応して、100Lの燃料タンクを装備

-など。

<業界短信4月>

1.クボタが長澤まさみさんのテレビCM第2弾を放映

ブランドパートナーとして起用した女優の長澤まさみさんのテレビCM第2弾「壁がある。だから、行く。フランス建機」篇(15秒/30秒)が全国でオンエアされた。内容は、長澤さんがフランス・パリを訪れるところからスタート。散策中に地元のカフェに立ち寄ると、店員も店長も、長澤さんを見て「クボタ~」と満面の笑顔に。戸惑う長澤さんをよそに、お店にいた地元の人たちが親しげに集まってきて「クボタによろしく!」と声をかけてくる。

2.本田技研工業が新研究施設「R&DセンターX」を設立

研究開発子会社である本田技術研究所が「ロボット技術」「モビリティシステム」「エネルギーマネジメント」などの新価値領域を担う研究開発組織として、「R&DセンターX(エックス)」を新設。「AI×データ×ホンダの強み」というコンセプトのもと、これまでの「モノづくり」に加え、人と協調する新たな価値をもった「モノ・コトづくり」に取り組む。当面の研究領域は「ロボット技術」および「モビリティシステム」などの自律的に動く機械やシステムとなり、その総称を「ロボティクス」とする。ロボティクスの概念には、ロボットやモビリティシステムを動かすための「エネルギーマネジメント」も含まれ、また、基盤技術として、「人と協調する人工知能技術」も研究していく。

3.スガノ農機が全国土を考える会で説明

都内のベルサール八重洲会議室において、「土を考える会 in TOKYO 2017」と題して、土を考える会役員らに、同社の新体制などに関して説明を行った。「中長期戦略」のプレゼンテーションに立った大森社長は、同社の「基本と考え方」として、1.白の理念(清い心で真摯に農業へ貢献)、2.耕すを持って農業参画極めるにあり-をあげた。このことを基本として、周辺環境に負けず、永続的にサービスを継続するための「盤石の事業基盤」を築くことが重要であり、それによって「質の高いサービス」を提供できるとした。
 「2017重点課題」としては、

  1. 収益構造改革→収益を顧客のための投資に
  2. 営業体制の拡充(売り方改革→ソリューション提供)
  3. 先行受注体制(EOB)へ変革
  4. バトルフィールド活動で地域ごとの提案を推進
  5. KBF(購買バトルフィールド)でグローバル調達
  6. 部品発注システムの抜本改善(欠品撲滅)
  7. DTC(デザインtoコスト)開発コンセプトの具現化
  8. 使い勝手向上させ、コストを下げる
  9. 受発注から出荷までの業務一本化
  10. 部品センター設立→部品顧客サービス向上
  11. 工場大改革作戦(フロー大改善)
  12. Web Site一新(使い手に解りやすい)

-などと説明した。

4.クボタの大型トラクターM7001シリーズがiFデザインアワード2017を受賞

畑作用大型トラクタ「M7001シリーズ(M7)」がこのほど、デザイン界における“オスカー賞”と称されるドイツのハノーバ工業デザイン協会主催の「iFデザインアワード2017」を受賞した。同賞は、「優れたデザインの証」として国際的に権威のあるデザイン賞で1953年に設立された。本年度は世界59カ国・地域から5500件を超える応募があり、毎年各国から集まる著名な専門家による厳正な審査に基づき受賞製品が選出される。同社は「今回の受賞を励みに、今後も世界中のお客様から信頼される、優れたデザイン性や機能性、実用性の高い製品を通じ、世界の農業に貢献していく」とのコメントを発表した。審査では、農業の高度化・精密化に伴った多彩な機能操作をシンプルにした実用性や、新しく世界の畑作市場に向けたフラッグシップモデルとしての、力強いスタイリングなどが評価された。
 M7トラクターの主な特徴は、

  1. 見やすく使いやすい大型モニターを装備し、トラクター制御や作業機の制御、カメラモニタ等の様々な機能がわかりやすく表示され、タッチ操作で簡単に調整ができる
  2. 変速や前後進の切替えなど、トラクターの主な機能を一本の制御レバーにまとめることで操作を簡単にし、作業負担を軽減する
  3. 静かで広く低振動なワイドキャビンで、長時間でも疲れにくく快適な空間で作業できる
  4. GPSを活用したオートステアリング(自動操舵)仕様を設定している

-など。

5.大丸梅田店で大阪アグリアカデミア×ヤンマープレミアムマルシェ

大阪府が昨年9月に開講した農業ビジネススクール「大阪アグリアカデミア」の第1期受講生が大阪市北区の大丸梅田店に出展し、こだわり野菜などを直接販売するイベント「大阪アグリアカデミア×ヤンマープレミアムマルシェ『なにわの男前野菜』」が開催された。
 同スクールに講師を派遣するヤンマーが、創業300周年を迎えた大丸百貨店からのコラボイベント開催の相談を受けていたのがきっかけとなり、ワークショップで自分たちのこだわり農産物の販売を企画していた受講生との橋渡し役を果たし、生産者と消費者をつなぐ催しに協力した。
 大阪アグリアカデミアの第1期生が自信を持って勧める水ナスや大阪ナス、葉タマネギ、わさび菜など多彩なこだわり野菜を「なにわの男前野菜」と銘打ち特別販売する2週間の限定イベント。受講生40名のうち21名が出品し、前日収穫したばかりの野菜を受講生が集荷し毎朝持ち込む。出品者は日替わり交代で店頭に立ち、加工品コーナーも設けた。

6.井関農機がふるさとの食にっぽんの食フェスティバルで最先端ICT農機をアピール

東京・渋谷の代々木公園で行われた第15回「ふるさとの食にっぽんの食全国フェスティバル2017」に、大型トラクター「TJW120」はじめ、リードアイ搭載のトラクター「TJV983」、コンバイン「HJ6123」(収量コンバイン)、可変施肥田植機「NP80」などを出品、日本農業を支える最新鋭・最先端のICT技術を搭載した農業機械をアピールした。同社は、2010年から毎回出品しており、なかでも大型トラクターTJW120との記念写真を刷り込んだカレンダープレゼントは「定番」として、行列ができる人気があり、今回も大勢の家族連れで賑わった。大型機械に加えて、農業女子とともにつくったトラクターZ15「しろプチ」、デザイン、ボディカラーを一新したミニ耕うん機「ちょこプチ」も出品し、同社が参画している農林水産省の農業女子応援プロジェクトをアピールした。
 さらに、今回は子ども向けに野菜苗の移植体験ができるワークショップを設け、チンゲンサイ、小松菜、ホウレンソウ、ミズナの4種類のポット苗と培土を用意し、「やさいをそだててみよう!」「やさいをしろう!」と野菜の魅力を訴えた。3D映像による稲刈り作業体験などもあり、多くの人が楽しみながら農業や農業機械の魅力を体験していた。

7.日農工が農機の安全設計で勉強会

日本農業機械工業会が「農業機械の安全設計に関する勉強会-機械安全及びロボットを含むコントローラーを搭載した機械の機能安全」を開催。「機能安全の取組・実践例-自動車産業」と題して、本田技術研究所の廣田俊明氏が講演した。ロボット化等技術開発の高度化が見込まれる中、その使用中の事故減少が課題となっている。このため、機械本体の安全及びロボットを含むコントローラーを搭載した機械の機能安全に係る勉強会を開催し、より安全な農業機械の開発とロボット利用の促進に資することを目的として開催した。

8.JA全中が通常総会を開催、所得増と生産拡大に取り組む

第63回通常総会を開き、JAグループの自己改革の実践に関する特別決議を採択した。決議では、「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」を最重点として取り組むことを改めて確認している。さらに、「JAグループは、第27回JA全国大会決議『創造的自己改革への挑戦』にもとづき、平成31年3月までに一定の成果を上げることを目指し、鋭意実践している。自己改革に終わりはなく、不断に継続していくものであるが、平成33年3月の農協法5年後検討条項の期限を大きな節目と捉え適切に対応する必要がある」とし、「JAグループ役職員は、従来以上に、自己改革の必要性や農協法5年後検討条項に対する危機感を共有しなければならない。また、組合員の評価が極めて重要との認識のもと、より一層組合員との意見交換を進めなければならない」と提言している。

9.オーレックが筑後川のヨシ刈りボランティアに参加

久留米市城島町の六五郎橋下にて行われた、城島エツ祭実行委員会主催の筑後川河川敷ヨシ刈りボランティアにオーレック社員が参加。絶滅危惧Ⅱ類に指定されているエツの生態系の保護と、河川の景観維持を目的として実施され、持ち込んだ弊社製品ラビットモアーRM980F、ブルモアーHRC663を5名の社員が使い、ヨシ刈りを行った。
 地上部を刈り取られたヨシは翌年さらに大きく成長する性質があり、その際に水中の窒素やリンなどを吸収し、水質を浄化。またヨシ原は様々な水生生物の住処となり、生態系を維持していく上で重要な役割を担っている。参加した社員は「年々漁獲量が減っているエツを守るためにも、地域の方々と力を合わせながら、地元企業として自分たちができる協力を続けていきたい」と話していた。

10.井関農機が福島イノベーション・コースト構想シンポジウムでスマート農業を紹介

福島市で開かれた福島県・経済産業省・復興庁主催による「福島イノベーション・コースト構想シンポジウム~世界が瞠目する浜通りの再生を目指して」において、シンプルロボットトラクター実証試験の取り組みについて、先端技術部担当執行役員の勝野志郎氏が講演した。農林水産分野イノベーション・プロジェクトに参画し、28年度から南相馬市で「作業の省力化と規模拡大に向けた無人ロボットトラクターの開発・実証」に取り組んでいる。
 勝野氏は講演で、まず井関が提案する省力・低コスト・収量アップを実現するスマート農業の姿を映像で紹介したあと、業界初の可変施肥田植機を説明。可変施肥の効果として、過剰施肥によって倒伏する稲を、適正な施肥によりなくすことができ、収穫時間を25a当たりほぼ半分に短縮できるとし、可変施肥田植機を中心に圃場に適した施肥設計が可能になるとした。ついで、南相馬市で取り組んでいるロボットトラクターを紹介。公開実証試験の模様を映像で流し、有人と無人のトラクターでの協調作業を披露した。「このイノベーション・コースト構想を通じて、次の世代につながる新しい農業をここ福島から発信したい」と述べた。

11.三菱マヒンドラ農機が栃木県立宇都宮白楊高校でGPSトラクター講習会

栃木県高根沢町にある県立宇都宮白楊高校の農場でGPSトラクターの実演・講習会を行った。「IT化が進展する農業の方向を具体的に生徒に教えて欲しい」という同高校から要請を受けて行ったもので、農業経営科の1年生、2年生計80名が受講。三菱マヒンドラ農機からは国内営業統括部国内営業部の越智充宏氏が講師として参加した。座学では、「GPSってなに?」から講義。GPS単独測位の誤差と、それを補正するDGPS、RTKについて説明。
 GPSトラクターを使用する効果として、

  1. 畝立て・マルチ・播種・施肥・カルチなどの作業で、真っ直ぐな作業が可能で生産性が向上する
  2. 作業中は自動操舵でハンドル操作は必要なく疲労軽減につながる
  3. 作業状態の確認も行える
  4. 農薬散布作業では散布された場所、されていない場所が明確になり、二重散布を抑えることができコスト低減につながる。また環境保護の面でも貢献する

-などを強調した。

このあと、実習圃場でトラクターGA550をベースにGPSガイダンスシステムを搭載したデモ機で実演を行った。事前に作業ルートを走らせてメモリーしてあり、それを自動操作で再現した。位置情報は受信端末(スマホ)で受けた。GPSトラクターに試乗した2年生の安納康太郎さんは「近い将来は間違いなくこういうかたちのスマート農業になっていくと思う。方向性は理解している。農業の経営環境はもっと厳しくなってくるのは間違いないと思うので、経営を強化して備えなくてはならない。農業の発展のステージに合わせて、自分もステップアップしていかなくてはならないと考えている」と語った。

12.ヤンマーミュージアムの開館4周年記念イベント盛況

創業100周年記念事業の一環として、創業者山岡孫吉氏の生誕地である滋賀県長浜市に開館した「ヤンマーミュージアム」が4周年を迎え、記念イベントが開かれた。ミュージアムでは午前10時の開館前にすでに長い行列ができ、当日は予想を上回る2000人以上が来場。同日時点で、累計入館者数は38万2924人に達した。
 エントランスには地元生産者などが出展した20近いブースが並び、ジャムやドレッシングなどの加工品やジェラート、こだわり野菜や米、雑貨などを販売。「どうぞ召し上がってみて下さい」。試食をふるまうブースもあり大いに賑わった。長浜北中学校吹奏楽部は「記念イベントで演奏できて大変光栄に思います」とミニ演奏。おなじみソングのメドレーや観客参加型、ダンス付きの曲などで会場を盛り上げた。長浜小学校合唱団はミニコンサートやミュージカルを披露。ほかにも先着100人にヤンマーミュージアムカレーがプレゼント。「手作りコマを作ろう」体験では、木材のヤスリがけ・絵付け・組立てをして自分だけのオリジナルのコマを作り、完成したコマを使った「コマ回し大会」では、誰が一番長く回せるかを競争して大盛り上がり。エンジンの廃熱を有効活用して温めた足湯はイベント限定で「ラベンダー湯」となり、人気を集めた。

13.IHIスターの新社長に宮原薫氏

臨時株主総会および4月1日取締役会において、代表取締役社長に宮原薫氏(元IHI産業ロジスティックスセクター副セクター長)が就任。前代表取締役の青柳稔氏は、3月31日をもって退任し、4月1日付で遠大石川島農機(瀋陽)有限公司の総経理に就任。

14.全農機商連がアンケート調査、28年下期は「増加」3割

平成28年下期の販売実績と29年上期の販売予測等に関する会員アンケート調査を行い、結果を発表した。それによると、28年下期の実績(農機関係、台数ベース)は、「増加した」が31.7%、「変わらない」3.3%、「減少した」65.0%となり、「増加」が前年同期よりも16.1ポイント低下。「減少」は23.2ポイント上昇し、「回復には至っていない状況がうかがえる」(全農機商連)。一方、29年上期の予測では、「増加する」が21.6%、「変わらない」31.4%、「減少する」47.1%となり、「増加」は18.7ポイント低下、「減少」は5.4ポイント上昇した。
 28年下期の実績では、前年度を100とした総売上高は97.9%となり、前年同期の100.7%を下回った。地域別では北海道と九州が100%を上回った一方、中四国が93.5%と伸び悩んだ。また、通期でみると、「増加」が28.3%、「変わらない」6.7%、「減少」65.0%で、減少の比率が高く、総売上高率でも98.7%で、前年の94.7%は上回ったものの、その下げ分を挽回できないでいる。

15.革新工学センター、新農機が28年度緊プロ開発機を公開

さいたま市の革新工学センターで、平成28年度農業機械等緊急開発事業公開行事を実施し、大豆用高速畝立て播種機(共同研究会社=アグリテクノ矢崎、小橋工業)、樹園地用小型幹周草刈機(同=クボタ)、高機動畦畔草刈機(同=ササキコーポレーション)-の3機種を公開、実演した。概要説明の後、圃場等で実演が行われ、その性能を披露した。いずれも生産性向上や作業の省力化等に貢献するもので、29年度以降、順次、市販化される予定。

 大豆用高速畝立て播種機の主な特徴は、

  1. 従来のロータリ式畝立て播種機に比べ2倍以上の速さで作業
  2. 従来機では作業困難な湿潤土壌に対応
  3. 開発機から播種機を分離した畝立て機構は、単体で中耕除草機として利用可能
  4. 作業速度は時速4~6kmと高速で、12~15cmの高さの畝を形成しながら深さ3~7cmに播種する

-など。今後現地実証試験を実施し、30年度以降の実用化を目指す。

樹園地用小型幹周草刈機の主な特徴は、

  1. 長いハンドルとオフセット草刈り部を備えた歩行型草刈機
  2. 樹列に沿って真っすぐ走らせるだけで、樹冠下草刈りを実現
  3. 作業時間を刈払機より5割削減
  4. 法面の草刈作業にも利用可能。本体の草刈部のほかに車体側方にオフセット刈刃部を追加することで、刈幅を460mmに拡大した。オフセット刈刃部は障害物に当たると車体側に避ける機構で、樹列に沿って真っすぐに草刈りができる。

-など。29年度以降の実用化を目指す。

高機動畦畔草刈機の主な特徴は、

  1. リモコン操作により作業負担の軽減や作業環境の改善が期待できる
  2. 1台で畦畔および整備法面における草刈作業ができる
  3. 一定条件下では、畦畔に沿った自動走行(ならい走行)が可能。電動式で、クローラ刈取り部は2連式の回転刃。稼働時間は30~40分。遠隔操作可能距離は500m。

-など。平成30年度に市販化の予定で稼働時間拡大に向けてバッテリーの改良を検討する。