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農業機械関連ニュース

平成28年6月10日発行

<業界短信-新製品6月>

1.ササキコーポレーションが木質バイオマスボイラー「匠」発表

2014年に製品化した木質バイオマスボイラー「CaP Fire WAZA(技)」の進化形の「CaP Fire TAKUMI(匠)」で、ペレットはもちろん、高含水率WB(ウェットベース)50%の木質チップ(生チップ)も燃料として使えるよう予備乾燥装置を備え、全自動で連続運転が可能な次世代型の木質バイオマスボイラーに仕上げた。八戸工業大、青森県産業技術センターとの共同開発で、常時燃焼温度90度C、熱効率80%以上を達成している。
 操作はタッチパネル式で予備乾燥、着火、燃料供給、燃焼の各制御がワンタッチででき、燃料や温水がなくなった場合でもセンサー、逆火防止機能の働きで安心して使用できる。用途は、作物の加温、加工品の乾燥をはじめ、施設内給湯、暖房と幅広く、農業分野以外の温浴施設、公共施設などでも使える。
 標準装備している予備乾燥装置は、ボイラー内の熱を利用した温風を供給タンク内に送り木質チップの含水率WB50%を40%以下に乾燥させることで、安定した燃焼が確保できる。

2.キャタピラージャパンがブルドーザを発売

国土交通省が推進するi-Constructionに対応するブルドーザ用3次元マシンコントロール「Catグレードコントロール3D」を新たに開発し、これを搭載したブルドーザ「D6T」と「D8T」。
 主な特徴は、

  1. GNSSと3次元設計データを利用したブレード自動制御により、丁張りと検測作業を省略でき現場の施工時間の大幅な短縮に貢献。デュアルGNSSシステムによる正確なブレード自動制御により、より少ない移動回数で作業を完了することができるため、施工時間の短縮と燃料消費量の低減を実現。
  2. ブレード制御モードとブルドーザ本体との協調機能を組み合わせることでオペレータ操作の低減と生産性を高い次元で両立。特にAutoCarry(オートキャリー)機能との組み合わせによりブレード負荷の自動制御で足回りのスリップを防ぐことで、より高い効率の押土作業を実現。
  3. 車両ブルドーザ本体と一体での開発により、GNSS受信機やセンサ等の重要なコンポーネントを損傷を受けにくい場所に装着し、設計・製造を本体と同じ標準作業で行うことで品質を向上。

-など。

3.ササキコーポレーションが除雪機の新製品発表

電動ラッセル除雪機のシリーズ新型機「オ・スーノDX」で、家電感覚で、簡単充電・操作、静音などのメリットがあるうえ、手元のスイッチ操作により軽い力で左右の旋回ができ、狭い場所での移動あるいは格納時などにおける身体への負担を大きく軽減(旋回機能)した。また、速度調整レバーで操作する人に合った最適な速度にできる(無段階スピード調整)、ブレード角度を左右30度に変換でき、長い距離の除雪などに威力を発揮(角度可変ブレード)、角度変更時の左右のサイドプレートは工具不要で脱着、工具不要でハンドルを折りたたみコンパクト収納(折りたたみ式ハンドル)、開梱時はハンドルを起こし固定するだけで、納品時の手間がかからない(組立不要)-といった新機能を付加した。

4.クボタが直進田植機など新製品を発表

発表した新製品は、KSASに対応した食味・収量センサを搭載、高品質な作物づくりに貢献する、3次排ガス規制に適合した3、4条刈コンバイン「ダイナライトネオ」。GPS農機「ファームパイロット」の第1弾となる、未熟練者でも真っ直ぐに田植えができる直進キープ機能付き8条ディーゼル田植機「EP8D-GS」。直播と同時に殺虫・殺菌剤を施用できる田植機アタッチメント「土なかくん」。関連商品として10馬力クラスの小型除雪機「スノースラローム」など。
 コンバイン「ダイナライトネオ」の主な特徴は、

  1. 収穫と同時に穀物の成分(水分とタンパク)を測定する「食味センサ」を新採用。今回新たに開発した食味センサでは、小麦と大麦についてもタンパク含有率の測定が可能になった。
  2. 収穫と同時に穀物の収穫量を測定する「収量センサ」を新採用。食味データとあわせて分析することで、収量アップや品質向上に向け、次年度の圃場ごとの施肥設計が可能となる。
  3. KSAS対応「無線LANユニット」を標準搭載。
  4. 第3次排ガス規制に適合する最新エンジンD1803型を搭載。
  5. 緊プロ事業対応「手こぎあんしん機構」を装備。
  6. 余裕の頭上空間と快適性を進化させたキャビン〈SQ仕様〉。

-など。

直進キープ機能付き8条ディーゼル田植機「EP8D-GS」の主な特徴は、

  1. 直進キープ機能=短期間の取扱訓練で未熟練者でも簡単に真直ぐ田植えができる。
  2. 安心サポート機能=GPS測位不良時や畦への衝突防止の対応として、ブザーが吹鳴しエンジンが停止する。
  3. 多搭載予備苗台(レール8枚、段積8枚)補給回数を少なくでき、補助者の省人が可能。
  4. スーパーゆう優ターン=旋回時に必要な6つの手動操作がハンドルを回すだけで自動で行える。

-など。

5.サタケが業務用ミルコンポを発売

「ミルコンボ・摩擦3段タイプ」で、寿司や丼物などに求められる粒感のしっかりした米飯にするために、摩擦式の精米室を3室備えており、それぞれの精米室を順に通過する際にヌカを削り、可能な限り低い圧力で精米する。3室に分散させることで従来の1室あるいは2室タイプの精米機に比べ、低い圧力でやさしい精米を実現、削りすぎることなくヌカを取り除くことで粒感のしっかりした米飯に仕上げることができる。
 このほか、

  1. 残粒米除去機能を装備し生産ロットの切替時間が3分と迅速に切替できる。
  2. 最低30kgからの小ロット精米が可能で多品種多品種少量精米にも対応する。
  3. 操作部にはカラータッチパネルを採用し運転操作がわかりやすく、運転状況を常時確認できる。

-などの特徴を備えている。

<業界短信6月>

1.農業技術革新工学研究センターが平成28年度型式検査・安全鑑定の説明会

28年度の対象機種は型式検査10機種、安全鑑定31機種+その他機種と、前年度と同様。
 27年度からの変更点は、

  1. 組織再編に伴う担当窓口の変更。
  2. 安全鑑定証票の変更。
  3. 型式検査手数料の引き下げ。

窓口の変更は、農研機構の組織再編に伴い、検査・鑑定業務の実施体制を変更したことによる。
 安全鑑定証票の変更は、生研センターの農業機械化部門が4月より農業技術革新工学研究センターに変わったことに伴い、証票における「生研センター」の記載を「農研機構」に置き換えたものを新しい証票とした。

2.山本製作所のOB銀嶺会が天童市に寄付金

OB社員で組織する「やまもとOB銀嶺会」(菊池敏明会長)が、設立20周年を記念する祝賀会を開催し、佳節を機に「未来を担う子供たちの健全育成」を趣旨とする募金を行い、祝賀会の席で天童市の山本信治市長に10万円を手渡した。
 やまもとOB銀嶺会は、同社OBの親睦を深めるために設立されたもので、長きにわたって交流を重ね、いまでは100人を超える大所帯に成長している。今回20周年という記念すべき年を迎えるに当たり、子供たちのために役立ててほしいと会員に募金を呼びかけた結果、多くの善意が集まった。

3.サタケが熊本地震で支援活動

熊本地震の被災者支援として、4月22日から24日の3日間、JA熊本中央会が実施した炊き出し活動に協力し、業務用炊飯機の貸出や無洗米GABAライスなどの提供を行った。
 サタケ広島本社から業務用IH炊飯機(7kg釜で1時間当たり10釜炊飯可能)や無洗米GABAライス2t(1kg入り2000袋)などを、炊き出し拠点であるJA熊本教育センター(熊本県合志市栄)に発送。22日から24日の3日間、JA熊本中央会の職員および婦人会が中心となり、サタケ社員も協力しながら炊飯・調理作業および避難所への食事の提供を行った。
 22日は、おむすび400食分(1食分=おむすび2個)を益城中央小学校の避難所へ、23日は、おむすびと豚汁各1200食分を阿蘇熊本空港ホテル エミナースの避難所へ、24日は、カレーライス400食分を益城中央小学校の避難所へそれぞれ提供した。

4.ヤンマーミュージアムの来館者が30万人を突破、
 「なつかしのヤン坊マー坊展」も

創業100周年記念事業の一環として、創業者生誕の地である滋賀県長浜市に建設した企業ミュージアム「ヤンマーミュージアム」が、オープンから約3年と2カ月で、累計の来館者数が30万人を突破した。記念すべき30万人目の来館者によるくす玉割りが行われ、副館長より記念品が贈呈された。
 また30万人達成の感謝の気持ちを込めて、5月10日~6月30日までの期間、同ミュージアムでは記念の「スクラッチくじキャンペーン」を実施。来館者にもれなくミュージアム限定のヤン坊マー坊グッズやオリジナルグッズが当たる。
 ゴールデンウイークには、「なつかしのヤン坊マー坊展」を開催、期間中6600人余りの人出で賑わった。

5.サタケの米・炊飯米品種鑑定サービスの対象が320品種に拡充

サタケでは2003年より米・炊飯米品種鑑定(DNA品種鑑定)サービスを開始し、これまで多くの品種鑑定を実施してきた。一方、新たな品種が年々登場してきており、これらの新品種に対応するため、鑑定可能品種の拡充に取り組んいる。
 今回、新たに12品種(うるち米11品種、酒造好適米1品種)を鑑定対象に加え、鑑定可能品種を320品種に拡充した。これにより、現在国内で流通している国産米の大部分の品種について鑑定が可能となった。

6.クボタが中国に新工場を建設

中国の現地製造会社である久保田農業機械(蘇州)有限公司の敷地内に、トラクターとホイールコンバインの生産工場を新たに設立する。
 新工場設立は、トラクターとホイールコンバインの生産をレンタル工場内の生産ラインから、久保田農業機械(蘇州)有限公司の本社工場敷地内の新工場(第二工場)へ移管するもので、今後の畑作事業の伸長を生産面から支えることを狙いとしている。
 投資金額は総額56億4000万円(為替レート19.01円)。新工場の建屋面積は2万9000平方mで、生産能力はトラクター、ホイールコンバインとも年間1万台。稼働は2017年11月を見込んでおり、今回の投資による生産能力増強と合わせて原価低減や生産性向上を進め、より競争力の高いモノづくりを目指し、中国農業の機械化の更なる発展に貢献していくとしている。

7.オーレックの家庭菜園SNS「菜園ナビ」が人気

登録料・利用料が無料で初心者からベテランまで、サイト内の様々な機能やユーザー交流を通して、家庭菜園についての楽しい情報を入手できる。
 同サイトでは、2016年3月18~25日に菜園ナビユーザーに対して、夏野菜についてのアンケートを実施し、トマトが第1位に選ばれた。選んだ理由として「美味しい」「とにかく育てやすい」「たくさん収穫できる」という回答が多かった。調理法についても、「収穫してそのまま丸かじり」「砂糖をかけてデザート感覚で」「トマトの葉っぱを乾燥後、砕いて塩と混ぜて自家製ハーブソルトに」という回答が得られた。
 第2位はキュウリで「シャキッとした食感が好き」「グリーンカーテンにもなる」等の回答が、第3位はナスで「長い期間収穫できる」などの回答があった。

8.サタケがNEW環境展に出展し、ピカ選αPLUSなどアピール

東京ビッグサイトで開催された「2016NEW環境展 」に出展し、幅広い原料に対応する多用途シュート式光選別機「ピカ選αPLUS(アルファプラス)」を実演したほか、各種光選別機やプラスチックリサイクルシステムなどのパネル展示、バラスト水生物検査装置の展示を行った。
 「ピカ選αPLUS」は、従来の色彩による選別に加え形状による選別機能を搭載し、廃家電のプラスチック片など幅広い原料に対応する多用途シュート式光選別機。また、各種光選別機をラインアップ。光選別機とプラスチック表面処理機などを組み合わせた、廃家電リサイクルや樹脂バンパーリサイクルのためのシステムをパネル展示で提案した。船舶のバラスト水中の生物個体数を簡単・迅速・高精度に推定する「バラスト水生物検査装置」の実機展示も行った。

9.革新工学センターが新規12課題を発表

農研機構農業技術革新工学研究センターで、平成28年度からスタートした新規12課題や、刈払機の刈刃の回転を即座に止める機構の開発、自脱コンバインの省エネルギー性能評価試験方法を作成、ニラ用の組み合わせ調量機構を開発などの研究成果を発表したもの。
 新たに研究を開始する課題は、

  1. 中山間地用水田栽培管理ビークルの適用性拡大
  2. ロボット農用車両を用いた農作業効率化技術の研究
  3. 超音波等の物理的刺激を利用した防除装置の開発
  4. 高濃度少量散布に適した農薬の付着面積向上のための研究
  5. サトイモ収穫技術の開発
  6. レタスの高精度追肥機の開発
  7. 粗飼料水分の非破壊推定装置の開発
  8. 繋ぎ飼い牛舎の自動給餌システムにおける残飼料測定装置の開発
  9. TMRセンターを基軸とした国産飼料流通に向けた技術開発課題調査
  10. バイオマス由来高分子を用いたセル成型用育苗培地の固化・成形技術に関する研究
  11. 施設園芸用電動耕うん機の開発
  12. 結束連動型調量装置の開発

また、キャベツ収穫機に取り付けるハクサイ収穫アタッチメントと刈払機の停止機構など、研究成果の実演も行われた。

10.ホンダが国際バラ展に出展し、「こまめ」をアピール

西武プリンスドームで開催された「第18回国際バラとガーデニングショウ」の今回のコンセプトは「Paris パリ」で、同社のブースは淡いブルーのチョークペイントで彩色したガレージハウスと「パリ郊外の大人シックな生活」をイメージしたカラフルなフランス庭園が基調。そして、「こまめ」がフランスの家庭菜園用として開発され35周年の節目を迎えたことに合わせて、「こまめ」をフランス国旗の3色旗に染め展示、フランスの家庭菜園で活躍する「こまめ」をアピールした。また、来年春発売予定のハンディタイプ蓄電池「E500」を参考出品した。

11.クボタが米国の作業機メーカーを買収

米国子会社のクボタU・S・Aインクを通じて米国のインプルメントメーカーであるグレートプレーンズマニュファクチャリング(GP社)を買収することを明らかにした。米国カンザス州サライナ市に本社を置く播種・耕起用インプルメントメーカーで、GP社の全株式を取得することで合意に至った。買収額は4億3000万ドル(約495億円)。必要な手続きを経たうえで2016年7月に買収を完了する。
 GP社は1976年設立。播種、耕起、草刈り、砕土等のインプルメントを製造販売し、北米で高いブランド力を有する。2015年の売上高は約460億円、従業員数は約1400名。

12.サタケが全面協力し、JAめむろの穀類調製施設が竣工

新施設は、鉄骨造8階建、延床面積2680平方m、事業費約42億3000万円という国内最大級の小麦・豆類調製施設。
 小麦調製の処理能力が以前の2倍である毎時72tとなったため、いち早く小麦の調製を終わらせることができ、そのぶん豆類の調製作業を前倒しで行えるようになる。
 処理が速いだけでなく、収穫期の降雨によって品質が低下する低アミロ小麦を仕分けできる選別機をはじめ、比重や色彩、エックス線などによる各種選別機を備え、たとえ天候不順な時でも品質低下を最小限に留めた製品を出荷できるようになった。
 豆類調製については、以前と同様の毎時4.8tながら品質面では大きく向上している。その核となるのがタピオカでんぷんを使って豆表面の汚れを除去する「大豆クリーナー」である。
 最大毎時処理能力は2t。調製ラインに組み込んで連続的に処理できる高能率のクリーナーで乾式・湿式の2段階で研磨を行い高品質な製品を作れるのが特徴だ。新施設ではこの大豆クリーナーを2ライン設置している。

13.井関熊本製造所が生産を再開

平成28年熊本地震で被災した井関熊本製造所が5月16日から全面的に生産を再開したと発表した。16日から部品加工を開始、順次工程を再開、生産再開後初めてとなる同社のフラッグシップ・コンバイン「JAPAN HJ-6123」を出荷した。再開に当たり同日午前8時から同製造所内で木下社長、ヰセキ九州の深見雅之社長らが出席し、臨時全体朝礼を行った。
 朝礼では、全員で黙祷を捧げたあと、木下社長が訓示に立ち、社員の献身的な努力で短期間で生産を再開できたことに謝意を表するとともに、震源地・益城町が一躍全国に知られることになり、同町にある製造所がいち早く生産を再開し、日本を代表するコンバイン「JAPAN」を作っていることは、「今回の熊本地震復興のシンボル」になると力説、一日も早い完全復旧を目指して、地域の復興を支援するとともに、地域と共に完全復興の日を迎えるまで「がまだすぞ熊本」を合言葉に頑張ろうと訴えた。