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農業機械関連ニュース

平成28年1月12日発行

<業界短信-新製品1月>

1.サタケがピカ選αPLUSとペレットソーターDSを発売

平成26年に発売した、雑穀や種子、プラスチックなど多様な原料に対応し、シンプルで安価な光選別機「ピカ選α」が好評な中、今回開発した「ピカ選αPLUS」は、形状選別機能を搭載し、従来の色彩による選別に加え、形状の違いによる不良品選別が可能となり、より幅広い原料に対応できる。
 主な特徴は、

  1. 形状選別機能を搭載=従来の色彩による選別に加え、割れた原料や原料同士が固着したものなど、良品と同色の形状不良品選別が可能となり、より幅広い原料に対応。
  2. 自動検量線作成システム=光選別に必要な検量線(原料の種類ごとに設定される、判別基準の初期設定データ)を簡単な操作で作成可能。種類の異なる原料を選別する場合も、迅速に検量線を作成できる。
  3. 簡単メンテナンス。

-など。

一方、プラスチック専用光選別機「ペレットソーターDS」は、対象となる原料を不透明プラスチックペレットに特化した光選別機で、カメラを選別部の両側に搭載し、原料を表裏からチェックできるようにしたことにより、不透明プラスチックペレットの不良品選別率をさらに向上させている。

2.三菱マヒンドラ農機がトラクター、コンバインなど新製品発表

新商品は、トラクターがASUMA「GOE25」とASUMA「GM450/500/550」、コンバインがASUMA「V220/321/323」とASUMA「V325」、小型汎用コンバインがASUMA「VCH750」。
 三菱トラクターASUMA「GOE25」は、同クラスの機能を備えながら排ガス規制に該当しない求めやすいモデル。主な特徴は、

  1. 三菱4気筒ディーゼルを搭載。
  2. 大油圧揚力(1800kgf)。
  3. 28馬力クラス(GO281)と同等のホイールベース。
  4. 旋回アシスト機能でスムーズ旋回。

-など。

三菱トラクターASUMA「GM450/500/550」は国内市場では少なくなりつつある50馬力クラスのマニュアルミッション仕様で、コスト削減に貢献できるモデルとした。  三菱コンバインASUMA「V220/321/323」は、ワンクラス上の充実の装備を備えたコンパクトコンバインとして2条、3条刈をモデルチェンジしたもの。大排気量3気筒ディーゼルエンジン搭載、高精度な刈取り、脱穀性能―などが特徴である。
 三菱コンバインASUMA「V325」は、トラクター「GOE25」同様、排ガス規制が適応されない馬力帯に新たに3条刈コンバインをラインアップしたもの。コンパクトボディに高出力25馬力エンジンを搭載、上昇基準水平制御を標準装備―などが特徴である。
 普通型コンバイン「VCH750」は、国内最小汎用型コンバインとして登場したVCH650をさらに進化、より機動性を高め、さらに使いやすさを備えた。主な特徴は、

  1. 4tトラックに車載可能。公道走行可能。
  2. 75.3馬力の高出力ながら環境性能にも優れ国内特自4次規制に適応したクリーンエンジン搭載。
  3. 稲・麦刈取時、新たにフロートセンサによる選別自動制御を搭載、より高精度な選別を実現。

-など。

3.タイショーがNEWグランドソワーの新型発表

トラクター用肥料散布機・NEWグランドソワーの新型「NPD―170」(最大散布幅1700mm)と「同―200」(同2000mm)。新シリーズは、トラクターに乗ったまま、スイッチBOX(ダイヤル調整)の操作で手元での散布量の調整が可能な「高精度Dシャッター」を採用、精密散布が行える。
 いずれも、トラクターのフロント装着タイプで、操出しロータ部、シャッター部にそれぞれ独立したバッテリー電源のモーターを用いており、粒状・砂状・粉状・有機ペレットなどを正確にかつ的確な場所に散布できる。
 NEWグランドソワーは、耕うんと施肥が同時に行えるトラクター作業機で、特殊ローターの採用により正確な散布ができ、また、散布したい場所に適正な散布が可能なことから「減肥農業」につながる肥料散布機として、各地で人気を博している。

4.ビコンジャパンが40周年記念の特別仕様「マスキオ・ロータリーハロー」を販売

同社の40周年と、イタリアの作業機メーカー・マスキオ社の50周年を記念するコラボ企画の第2弾として、数量限定で販売する。
 「マスキオ・ロータリーハロー」は、マスキオ社のC・SCモデルをベースとして、「エコ」と「プロ」の2シリーズを展開。日本仕様では、通常チェーン駆動としているところをギア駆動としたギアドライブ方式を採用した。
 主な特徴は、

  1. 強靭なボディー構造+ギアドライブ式ローター。
  2. 6枚ブレードで高い砕土性能。
  3. 大径ケージローラーで高い鎮圧性能。

-など。

「エコシリーズ」は、ハンドル調製式カゴローラー+左サイドディスクを標準搭載。「プロシリーズ」は、耐久力に優れたタングステン溶射ブレード、油圧調整式カゴローラー、デプスホイール、左右両サイドディスクを有する充実のフル装備で2型式をラインアップしている。

5.井関農機が28年度上期新商品17品目32型式を発表

発表会は茨城県つくばみらい市のつくばみらい事業所で行われ、同事業所内にオープンした「夢ある農業総合研究所(夢総研)」をフル活用し、

  1. 夢総研が司令塔となってコーディネートした全自動野菜移植機など急成長する野菜作向け機械。
  2. 最先端技術を搭載し耕うんから収穫・乾燥まで「農作業の見える化」を実現した水田稲作機械。
  3. 今後成長が期待される東南アジア向け戦略トラクター。

などを発表した。

新商品のうち、水田稲作技術研究では、コンバインがフロンティアHFC325/フロンティアファイターHFG325/HFR338/440/450、乾燥機がドライボーイGML250/300/350/400/450、GHL30BN/40BN、籾すり機がスーパーメイトMG43―K/53―K/MGJ43―K/53―K/MGP53―K/MG63。
を発表。
 最先端ICT技術研究では「ISEKIアグリサポート」シリーズとして土壌センサ搭載型可変施肥田植機「NP80-FV」、収量センサ付きコンバインHJ4075-S/5098-S/6098-Sを発表。また、乾燥機GMLシリーズとGHLシリーズは、乾燥状態をタブレットで管理することができるアグリサポートにオプション対応した。
 畑作・野菜・転作技術研究では管理機KK43/KC333(真空播種専用)、キャビン仕様の乗用管理機「愛さいかJKB23―CY」、全自動野菜移植機「ナウエルエースPVZ1」(露地/マルチ/クローラ仕様)、大豆コンバイン「HC403」を発表。
 東南アジア戦略モデルトラクタでは、欧州の景観整備市場向けにエコノミートラクター「TLE3400」、東南アジア向けの戦略トラクター「NTシリーズ」を発表した。
 このうち、コンバインHFC325、HFG325は、国内排出ガス規制適応外の25馬力エンジンを搭載。価格を抑えた。
 また、拡大する野菜作市場に向け、効率的に作業ができる全自動タイプの移植機ナウエルエース「PVZ1シリーズ」を新発売した。

<業界短信1月>

1.国際ロボット展に農機メーカーが出展

「2015国際ロボット展」が都内の東京ビッグサイトで開催され、過去最大の446社が最新のロボット技術を展示した。このなかで、農林水産省による農機メーカー、大学等の農業ロボットの展示や学生による農業ロボコンの実演が行われるなど、農業のロボット化が進展していることをアピールした。
 農機メーカーではクボタがアシストスーツ「ラクベスト」(ARM-1D)と、スイング式電動草刈機「しずかる」、ヤンマーが無人トラクター「ロボトラ」、井関農機が土壌センサ搭載型可変施肥田植機を出品し、多くの来場者の関心を集めた。

2.TPP関連政策大綱で機械・施設導入へ

農林水産分野では、重要品目を中心に意欲ある農林漁業者が安心して経営に取り組めるように、夢と希望の持てる「農政新時代」を創造するとした。
 施策の展開として「攻めの農林水産業への転換(体質強化対策)」をあげ、意欲ある農業者の経営発展を促進する機械・施設の導入、無利子化等の金融支援措置の充実、農地中間管理事業の重点実施区域等における農地の更なる大区画化・汎用化、中山間地域等における担い手の収益力向上や、国際競争力のある産地イノベーションの促進として、高性能な機械・施設の導入などが盛り込まれた。
 一方、生産者の所得向上につながる資材(飼料、機械、肥料など)価格形成の仕組みの見直しが検討の継続項目としてあげられた。

3.タカキタが東証と名証の一部銘柄に

昨年12月4日に同社株式が東京証券取引所市場第二部より、同市場第一部銘柄に、名古屋証券取引所市場第二部より同市場第一部銘柄となった。
 同社では「これもひとえに、株主の皆様をはじめ、関係者の皆様の温かいご支援、ご協力の賜物と心より感謝申し上げます。今後も皆様方のご期待にお応えすべく、さらなる業容の拡大と企業価値の向上に努めてまいりますので、引き続き変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」とコメントしている。

4.三菱マヒンドラ農機の新社長に末松氏

末松正之氏(非常勤取締役、三菱重工業㈱機械・設備システムドメイン事業戦略総括部企画管理部次長)が1月1日付で就任した。新執行体制と28年3月期の中間連結業績の概要を発表したもので、中間期(4~9月)は売上高273億6700万円(前年同期比111.6%)、本業の儲けを示す営業利益は13億4600万円(同218.5%)と、大幅な増収増益を達成した。経常利益も13億2800万円(同195.8%)と大幅増となった。
 末松社長は、「鳥取社長が進めた固締体質路線を継いで、さらにM&M社との関係を強化し、これをベースにまず国内を固めて、次いで海外への進出も積極的に進めていきたい。3年前から当社に籍を置いていたので中の様子はわかっているので、何も迷うことなく前に進んでいきたい」と抱負を語った。
 また、三菱農機販売のトップ人事も発表し、社長に国内営業統括部副統括部長兼系統推進部長の小林宏志参与が1月1日付で就任した。

5.エム・エス・ケー農業機械が秋の感謝セール

道東支社中標津支店が開催した。人気の高いトラクター「MF7600シリーズ」、「MF6600シリーズ」、「MF5600シリーズ」などを展示し、好評だった。
 「MF7600シリーズ」は、数々の賞を受賞した新しいフラッグシップモデルで、ボンネットはフロントガラスに近い部分が細く設計され、前輪タイヤの視認性を改善し、オペレータに優れた操縦性と視認性を提供。新型排気システムにはマフラーの中に還元触媒とスリップ触媒が一体となって組み込まれており、より優れた排気を行うためのユニークかつ効率的な排気ガス規制の解決方法を得ることができ、緩やかにカーブしたデザインのマフラーはオペレータの視界を妨げることがないように、キャビンのピラーと同様な形状をしている。
 140~160の最大馬力を発揮する「MF6600シリーズ」は、第2世代SCRシステムを搭載し、4.9Lエンジンによるパーフェクトなパワー、低重量、コンパクトサイズで燃料消費量が削減する。

6.ヤンマーのプレミアムトラクターがスーパーカー先導

大阪で「御堂筋オータムパーティー2015(御堂筋ワンダーストリート)」が開催され、奥山氏デザインで知られるヤンマーのプレミアムトラクターが100台に及ぶスーパーカーを先導した。パレードではF1カー(フェラーリF2003-GA)には、日本人として初めて世界3大レース(F1、ルマン24時間、インディ500)に参戦した大阪府出身の中野信治氏が搭乗。久太郎町から新橋交差点間の道路に豪快な爆音を響かせた。
 また、新梅田シティにある巨大緑化モニュメント「希望の壁」前では、この「御堂筋ワンダーストリート」プレイベントとして、大阪出身の世界的建築家・安藤忠雄氏と世界的工業デザイナー・奥山清行氏のスペシャルトークセッションが、プレミアムトラクターをバックに開催され、大阪発信による今後の価値創造についても期待を寄せた。

7.日農工が「通信制御共通化(AG-PORT)の識別記号に関するガイドライン」を制定

トラクターのフロントパネルなどに設けるシンボルマークに関するガイドラインで、AG-PORT(アグポート)を実装する農業機械は、CAN(相互接続された機器間のデータ転送に使われる規格)通信の共通規格によって接続・通信の互換性を有することができる。これによりエンドユーザーは、CAN通信による制御技術によって高効率・高精度な農作業を享受できる。
 AG-PORTに実装される機能は、ISO-11783の通信仕様に準拠することとする。AG-PORTの表記方法と呼び方については、「AG-PORT」またはアグポートとする。
 識別記号に関するガイドラインの適用範囲は、AG-PORTの要件に適合し、かつ「トラクターと作業機関の通信用接続コネクタ」規定(JAMMAS 0021-2012)のコネクタ要件を満たすものに適用できる。

8.柏コンソーシアムがロボット技術開発実証事業で研修会

千葉県柏市の柏みらい農場の圃場で、第2回高精度運転支援システム導入研修会を開催、1枚2haの大区画圃場など3カ所の水田に5台のロボットトラクターと田植機1台を揃え、各機種ごとの説明・実演の後、試乗も行った。
 同コンソーシアムは、クボタをはじめとする民間企業、地方自治体、生研センター、そして農業経営体が協力し合い、GPS自動走行システムなどの開発・導入を進めている。
 研修会ではGPS自動操舵トラクターと作業機、同8条植え田植機、軽自動車に搭載した遠隔感知装置、遠隔操作装置などが披露され、GPSガイダンスのみならずハンドルにモーターを取り付け、枕地旋回はオペレータが行うが、直線で走る作業時は自動操舵。ジャイロセンサ、電子コンパスなどの各種センサを用いての自動操作。オプションとして田植機に舵角を検出するセンサを取り付け、かじ取りのずれを修正して操舵-などの説明・実演があった。

9. 2015年農林水産研究成果10大トピックスに中山間地対応型栽培管理ビークルとイチゴのパック詰めロボット

農林水産省農林水産技術会議事務局が発表した2015年農林水産研究成果10大トピックスで選ばれた。
 1位となった「中山間地対応型栽培管理ビークル」は、三菱マヒンドラ農機と生研センターが緊プロ事業で開発した。小型で旋回しやすいため小区画圃場でも作業しやすく、また、後輪を上げ下げできるため水田から出る時や傾斜のきつい農道を走行時の安全性が向上する。作業機を交換することで耕うん、田植えなど様々な農作業が可能であり、中山間地の小区画・非定型水田における作業の省力化及び新規就農時の初期投資の抑制つながることが期待される。
 8位となった「イチゴのパック詰めロボット」は、ヤンマーグリーンシステムと生研センターとが、同じく緊プロ事業で開発した。1回に最大で6個の果実を同時に扱えることにより、人が行うよりも作業時間を40%程度短縮することができる。本装置により選果施設の処理能力が拡大されることで、イチゴ生産者がパック詰め作業から完全に解放され、よりきめ細かい栽培管理や規模の拡大が可能となり産地の活性化が期待される。

10.日農工がベトナムの農機展に出展

経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」の補助を受け、ベトナム南部のカントー市の貿易・投資促進展示センターにおいて開催された国際農業展示会「AGROTEX 2015」にジャパンブースを出展した。農機の展示・実演と併せて、ビデオやポスター・カタログによるPRも行い、販売網の構築・拡大を目指したマーケティング活動や受注に向けた活動を行うとともに、日本の農機の販売を希望する販売店及び輸入代理店との商談会(ビジネスマッチング)を実施した。
 主な出展会社は、金子農機(循環型穀物乾燥機)、静岡製機(循環型穀物乾燥機)、山本製作所(穀物乾燥施設・パネル)、やまびこ(乗用管理機、スピードスプレーヤ、クローラスプレーヤ、動力噴霧機、背負動力散布機、刈払機、チェンソー等)など。

11.サタケの炊飯設備が韓国で稼働開始

韓国の弁当・惣菜製造会社であるウーリデリカ社より炊飯設備を受注。その工事が完成し、稼働を開始した。韓国からの炊飯設備受注は今回が初めて。ウーリデリカ社で製造された弁当やおむすびは、韓国国内の大手コンビニエンスストア各店舗へ供給される。
 今回、サタケが炊飯設備を納入したのは、韓国の大手コンビニエンスストア運営会社である、ジーエスリテイル社の子会社でサンドイッチや弁当、惣菜などを製造するウーリデリカ社。サタケは今年7月、韓国の販売代理店を経由して、ウーリデリカ社より炊飯設備「IH炊飯マスター」を受注。同設備の炊飯能力は時間当たり約4200食。
 ウーリデリカ社は、弁当・惣菜の供給体制増強を目的として2015年11月に設立された。炊飯設備の選定にあたっては、韓国国内で主流のガス炊飯設備と比べて米飯の食味・品質が向上し、他社との差別化が図れることから、「サタケIH炊飯マイスターシステム」の導入を決定した。
 サタケとしても韓国国内における炊飯設備の受注拡大に一層力を入れていく考えだ。

12.筑水キャニコムが創立60周年式典、社名をキャニコムに変更

式典で包行均会長は、「未知へのものづくりに挑戦するキャニコムがカンブリア宮殿で放映され、広範囲で反響があった。また、内閣総理大臣表彰ものづくり日本大賞において製品・技術部門優秀賞を受賞したことで、キャニコムは社会的にも認められる企業になったと自負している。ネーミング大賞も『家族(うち)のまさお』がノミネートされ、V10の挑戦権を得た」と述べ、変化に対応するではなく、キャニコムが変化を創り出す、でなくてはならない、と訓示した。
 包行良光社長は新社名「キャニコム」を発表、「超一流のグローバル中小企業を目指し、社員一人一人が考え、チャレンジ・行動し、変化を楽しんでほしい。社員が輝き、主役芝耕作ならぬ主役社員となってください」と挨拶した。
 懇親会では60周年を記念して制作された包行会長作詞のものづくり応援歌「ものづくりは演歌だネ」が発表された。