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農業機械関連ニュース

平成27年2月10日発行

<業界短信-新製品2月>

1.ササキコーポレーションが超耕速代かき機マックスハローACE391HAを新発売

超耕速代かき機マックスハローACEが好評を得る中、50〜60PSクラストラクタの使用農家からの「もっと小さいクラスのトラクタに対応するマックスハローACEがほしい」との要望に応えた。
 代かきの概念を変える「カットと叩きで砕土するCK爪」を採用。大きな稲株を砕くと同時に代かき内部での砕土性を各段に高め、さらに反転性や稲株・ワラなどのすき込み性も大幅に向上、高速作業で作業効率をアップさせており、加えて爪の板厚アップ、広い爪幅(従来比145%)、爪耐久性2倍、爪ホルダーの耐久性を約2倍―とし、大規模の過酷な作業条件下でも能力をフルに発揮する。
 大型トラクターのタイヤ跡・クローラ跡に対応したダブルワイパーブレードを装備。高速作業でもタイヤ跡を消してきれいに仕上げ、驚きの代かきができる。

2.田中産業が「振動検知付回転灯」を新発売

フォークリフトやトラクター、コンバインなど、作業車両に装着することで、動作とともに回転灯が発光、その接近や通過を知らせて安全通行、接触事故防止などに役立つ。カントリーエレベータやライスセンターなど米麦用施設内や整備工場内で起こる接触事故を未然に防ぐことを目的に開発された安全啓発器具。
 発光による報知のため、騒音で音が聞こえにくい場所でも一目瞭然。接近とともに無理なく注意喚起がなされ、回避行動がとれる。閃光数は、回転が毎分288回、点滅が毎分72回。本体は軽量コンパクトなうえ、電池式で配線が不要。底部の強力なマグネットを作業車両の鉄板部に当てるだけで装着できる。光源には超高輝度LEDを使用、発光色は赤色(ST―1408R)と黄色(ST―1408Y)がある。黄色は公道を走行できる。

3.クボタが新開発の畑作用大型トラクター発表

担い手による営農規模の拡大が進み、高馬力のトラクターへのニーズが高まる国内大規模畑作・酪農市場に、新開発の大型トラクターを投入する。日本で培ったクボタの技術を活かし、操作容易性、快適性などを充実させるとともに、クバンランド社のインプルメントの技術を融合させ、トラクターとインプルメントのベストマッチングを実現。欧米畑作市場への本格参入に向けて新しく開発した大型トラクターを、国内でニーズの高い北海道などの大規模畑作、酪農向けに投入する。
 精密農業をはじめ技術の高度化に伴い機器操作の難易度が高まる中、メーターパネル等にトラクターとインプルメントの情報を分かりやすく表示するとともに、複数の機能を一つの画面でコントロールできるタッチスクリーンを採用するなど、「使いやすさ」と「分かりやすさ」を追求。
 エンジン・トランスミッション・油圧機能・インプルメントを一体的に制御し、トラクターの最適性能を引き出すことにより、高い作業効率を発揮し、種苗や肥料・薬剤などの資材費や燃料費の節約を実現する。

4.タイショーがGPSコントロール連動、速効散布のトラクター用肥料散布機発表

グランドソワー「UHS―165MT―GP」で、駆動モーターにプレミアム増速モーター3基を新採用、GPS情報の設定に応じた散布制御を自動的に行い、ハイスピード(最大毎時5km)での耕うん作業に対応する。従来機に比べ大幅に作業時間が短縮でき、省力・低コストにつながる。
 より高精度で、トラクター速度に応じた均一散布を実現。肥料の撒き過ぎによるムダをなくした正確な散布作業ができる。GPS車速コントローラーは、±20%まで散布量が微調整できるダイヤル式微調整機能を装備。また、散布量・ロータリー幅・調整量などの設定が一目で確認できる液晶モニターを採用。さらに、表示切替ボタンにより、速度範囲が表示され、適正な速度で作業が行える。設定した内容を2つまで記憶させることができるメモリー機能も付いている。

5.オーレックが草刈機の新型を2機種発売

1つは自走二面あぜ草刈機「ウイングモアー」WM736B(刈幅690mm)で、ナイフギヤ・ボックスやユニバーサルジョイントを大型化している。もう1つは傾斜地対応草刈機「スパイダーモアー」SP430(刈幅430mm)で、草刈部に草巻防止皿を追加することで、出力ロスを軽減し、草の細かいカットが可能となっている。
 「ウイングモアー」WM736Bの主な特徴は、

  1. ナイフギヤ・ボックス大型化による強度アップ。
  2. ユニバーサルジョイント大型化により、伝達トルクを最大限に活かす。
  3. ナイフテンションをダブルテンション方式へ変更し、ベルトの寿命を延ばす。

走行デッドマンクラッチレバーが上から押さえる方式も可能になり、長時間作業での疲労が軽減される。

―など。
 「スパイダーモアー」SP430の主な特徴は、

  1. 小さな車体で高性能。タイヤ幅300mmのため、小さなあぜで作業ができ、430mm刈幅と2変速で高能率。
  2. ハンドル最大1900mm最短1050mmと伸縮し、ハンドル上下7段(73度)、左右11段(211度)で様々な場面に対応が可能。
  3. 特殊スパイク車輪(新仕様ラグ採用)のため、フリップ力が増し、斜面での滑りを軽減することができる。

―など。

<業界短信2月>

1.日農工が賀詞交歓会

一般社団法人日本農業機械工業会(山岡靖幸会長)は1月8日、東京都港区の明治記念館「曙の間」で、平成27年の新年賀詞交歓会を開催し、農機メーカー、官公庁、団体、試験研究機関など農機業界の幹部ら220人が一堂に会し、新年を祝った。冒頭、挨拶に立った山岡会長は「農業構造が変化する中、こうした動きをチャンスと捉えて、市場のニーズに対応する機械を開発し、日本農業の成長戦略化や国際貢献にこれまで以上に役立っていきたい」と述べるとともに、今年も農作業安全、資材費低減、海外展開支援などに重点的に取り組んでいく考えを述べた。

2.筑水キャニコム名誉会長の包行良人氏が急逝

90歳だった。密葬の儀が昨年12月24日に近親者のみにて、しめやかに執り行われた。本葬告別式は、お別れの会として「サンキュー『ありがとう』感謝のつどい」を3月9日正午から午後3時までの間、ホテル日航福岡にて執り行う。喪主は包行均会長。
 故人は終戦で復員後、実家の鍛冶屋「包行農具製作所」を継ぎ、カルチベータヘ進出、社名を筑後川の水の恵みにあやかり「筑水農機」とし、動力運搬車の製造を開始。50年代初期の日農工の運搬車両部会・技術委員長の時には、乗用型運搬車の型式認定の取得のために尽力した。長期にわたり日農工・車輌部会の部会長を務めた他、平成2年度からは日農工の副会長に就任。農機製造業厚生年金基金の設立準備委員会委員長、そして同基金の初代理事長を務めた。

3.ヤンマーがバイオイノベーションセンターを設立

食料生産とエネルギー変換の分野を融合したソリューションビジネスの創出を加速するため、生物系の知識・情報を集積し、研究を推進する拠点として、本社内に設立した。
 創業以来100年を超える歴史の中で携わってきた農林水産業に関する知見・ノウハウを結集した上で、さらに次の100年に向けて、農林水産業の様々な課題を解決し、食料の生産効率や機能性の更なる向上、資源循環型の生産を目指す。
 同研究拠点では自社開発にとらわれず、国内外における研究機関や他社と積極的に連携を図り研究を行うオープンイノベーションを推進することで、顧客へのソリューション提案へのシーズ提供を更に加速させ、未来につながる社会とより豊かな暮らしを実現できるよう取り組んでいく。

4.井関農機が創立90周年記念ヰセキ全国表彰大会を開催

東京・港区台場のホテルで開催した大会には、優秀特約店、スーパーセールスマン、エクセレントサービスマンの代表1100人と、昨年同様販社・製造所・砥部事業所を結ぶテレビ会議システムを利用して200人が中継会場に参加、合わせて1300名が参集した。スローガンに「Let's 90 ISEKI 感謝、そして応援」を掲げ、創立90周年本番の年の飛躍を誓い合った。
 木村社長は、「商品力の強化」「サポート力の強化」「グローバル戦略の本格展開」を強調。次のステージである2020年に向けて新たなスタートを切る決意を述べ、更なる存在感を拡大するために「国内外ともシェア25%を目指そう」と檄を飛ばした。また、菊池専務営業本部長は昨年11月から実売はV字反転しているとしたうえで、「競争力ある90周年記念機をラインアップしシェアアップの絶好のチャンス。この勝機を逃がさず、何としても目標シェアの達成を」と訴えた。
 販社表彰の最優秀賞には群馬ヰセキ販売が輝いた。

5.第68回クボタ機械グループディーラーミーティングを開催

「2015クボタ新春のつどい〜挑戦」と題して、国立京都国際会館に関係者4300名を集めて開かれた。会議スローガンは「クボタの新技術とトータルソリューションで、農業の新たな可能性を拓こう!」。本会議では木股社長が「今こそ示せクボタの底力 挑戦!」とのメッセージを発信。挨拶の中で「食料・水・環境分野でのグローバルな課題解決に貢献すること」であるとし、売上高2兆円の早期達成を求めた。
 また、北尾取締役常務執行役員農業機械総合事業部長は、農業を進化させる、農家の「挑戦」を支えると表明。新製品の投入、ICT技術を活用した農業生産現場の支援強化、サービス対応力の強化、米輸出など事業領域の拡大を重点推進事項として、新しい価値の創造に挑戦すると語った。
 表彰式では、特別優秀ディーラーに11社が輝き、木股社長から表彰を受けた。
 世界的建築家・安藤忠雄氏の特別講演が行われたほか、イベントホールでは、14シリーズ35型式の新製品を含む総数110点の戦略製品を展示、農業新時代に対応する技術力をアピールした。

6.諸岡が協力会・賀詞交歓会を開催

関係者180名余りを招き開催した賀詞交歓会では、協力会の藤原会長(ブリヂストン・ゴムクローラ部長)が「諸岡さんは、同社5カ年計画の中期目標である売上げ100億円達成を、3年目の今年度で、前倒し達成する見込みである。これからも、国内のみならず、海外へグローバルな展開を進め、さらなる躍進をして頂きたい。協力会一丸となって、継続的な発展に寄与していく」と挨拶。
 続いて、諸岡社長が、「スピード感をもって、新たな市場を開拓していく。マンネリを打破して新しいことにチャレンジしていく」と2015年の諸岡の誓いと挑戦を発表。
 具体策として

  1. 特殊機械のレンタルの強化
  2. 農業土木分野への拡販
  3. 太陽光からバイオマスへの転換
  4. 沖縄駐在員事務所の設置
  5. 美浦工場と部品倉庫の本格活用

―などの主要重点9項目を打ち出した。

7.ヤンマーがオーストラリアにおける準天頂衛星システムの精密農業への利用可能性調査を受託

日立造船および日立製作所とともに、総務省が実施する「海外における準天頂衛星システムの高度測位信号の利用に係る電波の有効利用に関する調査」の委託先に選定された。準天頂衛星システムから配信される高度測位信号が、オーストラリアにおける精密農業に利活用できるかを検討する。具体的には、同地域の稲を栽培する農場において、高度測位信号を用いて自律走行型ロボットトラクターを制御し、農作業を行う実証実験を行う。この実証実験を通じて、現在技術実証が進められている3種類の高精度測位方式(RTNet、RMIT、MADOC)からオーストラリアでの精密農業に適切な方式を選定することを目指す。
 従来のGPS衛星から測位データを直接受信する精密単独測位方式(PPP方式)の測位精度は約10〜20cmが限界であり、センチメートル級の測位に置き換えることができないことが課題となっていた。そこで、同調査ではオーストラリアの電子基準点を使用した新しい精密単独測位方式(PPP―AR方式)を適用することで測位精度を高め、誤差5cmの精度で農作業ができることを目指す。
 2014年11月末に最初の実証実験を行い、自律走行型ロボットトラクターを使用した稲の立毛時期における条間走行(植えた稲と稲の間をタイヤが通る走行)と農作業に成功した。今後は、2015年1月に稲の生育状況を自律走行型ロボットトラクターで計測するなど、複数の農作業を時期を変えて行い、調査を推進していく。

8.クボタと全農が米輸出で合意

日本産米の輸出事業に関し共同して取り組むことで合意した。双方の強みを活かし生産から販売までの一貫した米輸出事業を共同して行うことにより、日本産米の輸出拡大を目指す。
 輸出販売の目標はシンガポール、香港に向け、平成28年度までに年間1万t。今後は、両者が共同して輸出事業を行い、日本産米の輸出を拡大することにより、国内の農業生産基盤の維持・拡大と地域農業の生産振興を図り、日本農業の発展に貢献していく。
 クボタでは、日本の農業を活性化し、日本農業に貢献したいという思いから、日本産米の輸出を支援する目的で、香港とシンガポールに日本産米の輸入精米販売会社を設立している。今回の取り組みにより、「日本産米の輸出支援をさらに拡大し、日本農業の発展に貢献したい」としている。

9.2015年ヤンマー・アグリ特販店大会を開催

神戸ポートピアホテルに関係者500名を集めて開催。大会と併せ、竣工なったヤンマー新本社ビルの内覧会とヤンマー農機製造の工場ライン及びプレミアムデザイン製品の展示見学会が行われた。大会スローガンは「未来につながる農業ソリューションの提案と実践」。山岡会長兼社長は「本年は、いよいよこのミッションステートメント実現の牽引役となる商品・サービスの仕組みが揃ってくる」と、プレミアムデザイン商品のラインアップを宣言。小林常務・アグリ事業本部長が唯一無二の農業経営のパートナーを目指して、質の高いソリューションを提案し、実践を、と呼びかけた。
 会場展示では、「スマートアシスト」のコーナーで、今年4月から「スタンダードコース」を新設、無料サービスが受けられること、「リモートサポートセンター」が開設されることなどが紹介された。

10.やまびこ東部が「造園緑化機械展示会」を開催

やまびこ本社構内の特設会場で開催された展示会には600名余りの参観者が来場。「共立」「新ダイワ」ブランドのチェンソーをはじめとして、刈払機、ヘッジトリマー、パワーブロワー、セット動噴、ラジコン動噴、ウッドチッパー、モア、発電機、洗浄機、高所作業車など、造園・緑化管理作業に欠かせない管理用機器が多数出品された。
 新発売した、低騒音・低振動・排ガスゼロの36Vリチウムイオンバッテリーを搭載したヘッジトリマー「BHTシリーズ」などのバッテリー機器、さらに、3月発売予定のナイロンカッター専用の刈払機「共立・SRE2720―N」などの新製品を展示し、新しい機能をアピールした。
 また、このほどやまびこが子会社化したベルギーのBelrobtics社の無人芝管理システム「ロボット芝刈機」「無人ボール回収機」を展示。1回のバッテリー充電で最大2万平方mの面積に対応できるとあって、高い関心が寄せられていた。

11.三菱農機が平成27年三菱農機全国有力販売店会議を開催

東京・高輪のホテルで開催された会議には、「チェンジ・フォー・フューチャー」(未来のために変わる)をメーンテーマに、営業スローガンには「需要開拓 創造!」「連携 結束! 強い絆で目標必達!」を掲げた。鳥取社長は、同社が昨年創業100年を経過したことに触れながら「一丸となった取り組みで改革を実行し強固な事業基盤を構築、三菱農機の未来を切り開く」と決意を述べた。事業方針に立った久野貴敬副社長事業本部長は「大規模化への対応」「アフターサービスの拡大」「海外の拡大」の3つの方針を明示し、連携・結束を強め、明日の農業を自ら切り開いていこうと訴えた。また、開発中の新たな営農サポートシステム「MIT」について説明した。

12.ササキコーポレーションで太陽光発電を開始

昨年8月、自社保有地に太陽光発電所の建設を進めていたが、順調に設置が進んで昨年11月末から発電を開始している。
 2万平方m余りの敷地に3150枚のソーラーパネルを設置しており、出力規模約750kW。初年度年間発電量は約80万kWとなるもので、一般住宅の約230戸分の使用量に相当する見込み。発電効率がよく耐久性のあるパネルの選択はもちろん、パネルを支える架台を自社製作しコストを低減するなど、様々な研究を踏まえて完成に至っている。
 同社では、今後も太陽光発電設置、バイオマスヒーター/ボイラーの自社工場への設置及び更なる開発など再生可能エネルギーへの取り組み強化による、環境への配慮と環境負荷の低減を実践することにより、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。