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農業機械関連ニュース

平成25年9月10日発行

<新製品ニュース>

1.松山がスピードカルチ発売

基本型式はAPS1900(6本爪、作業幅190cm)とAPS2300(8本爪、同230cm)で、トラクターの適応馬力は40〜95馬力。主な特徴は、

  1. 高速での簡易耕起及び反転耕ができる。水田の秋耕しで高速での荒耕しと稲わら等の残渣のすき込が可能。
  2. 転作田及び畑で前作の残渣をすき込み次期作の適期播種が可能。
  3. 独自に開発したビームと反転ボードにより牽引抵抗を減らし、地表の残渣を効率よくすき込むと同時に高速で耕うん作業を行う。
  4. 作業深さは8〜25cmまで転圧輪により7段階の調整が可能。ビームには幅広のウィングを装着し、安定した耕深が確保でき、また残耕も出ない設計となっている。

―など。

2.クボタが平成25年夏の新製品として、田植機、鉄コーティング直播専用機など発表

今回発表したのは、新開発のガソリンエンジンを搭載し、軽快な走りで高能率作業が行える5条〜8条植え「ラクエルαシリーズ」、ディーゼル8条植えで業界最安価のワールド田植機「WP80D」、業界最多条数10条植えのディーゼル田植機「EP10D」の3シリーズ。また鉄コーティング直播専用機は6条の「WP60D―TC」。及び、新型トラクターGLOBEの力強さを最大限に引き出すと同時に、標準装備されたルーフパネルやフィンガータイプのシャトルレバーとの相乗効果で、より操作性を向上した作業を可能にした本格グレイタスローダMGH4型式、SMGH2型式。
 ガソリン田植機ラクエルαシリーズの主な特徴は、

  1. 高出力ガソリンエンジン=最上位機種のZP67・87には新開発のガソリンエンジンGZ520(20馬力)を搭載、ガソリン田植機では業界最速の毎秒1.8mの植付速度を実現した。またZP55・65もGZ460(17馬力)を搭載して出力アップし、更に軽快なフットワークと高能率作業が可能になる。
  2. ニューデザイン=ボンネット・ヘッドライトを一新。
  3. 1台5役の田植え同時作業=クボタ田植機が強みとしている1台5役の田植え同時作業(移植〈疎植株間対応ロータリ〉・施肥〈簡単ドライ施肥機〉・枕地ならし〈ゆう優ロータ〉・除草剤散布〈こまきちゃん=オプション〉・殺菌/殺虫剤散布〈箱まきちゃん=オプション〉)も可能で、省力作業に貢献。

―など。

3.キャタピラージャパンがミニホイールローダ3機種を発売

今回発売したのは「Cat 901C ミニホイールローダ(バケット容量0.4立方m、運転質量3.155t)」、「Cat 902C ミニホイールローダ(バケット容量0.5立方m、運転質量3.44t)」、「Cat 903C ミニホイールローダ(バケット容量0.6立方m、運転質量3.835t)」。
 環境性能と燃費効率をさらに向上した新エンジンを搭載し、オフロード法2006年基準に適合。従来機の優れた性能を踏襲しながら、作業性能やオペレータ環境をさらに改善している。主な特徴は、

  1. 大きな開口とサイドバーが特徴的な新開発のパフォーマンスシリーズバケットを標準装備。バケットフィルタ(積込係数)を従来機比約10%アップするなど優れた荷入り性能を実現。
  2. 大きな常用荷重とバランスのよい車体レイアウトにより、高い車両安定性を実現。機敏な動きと優れた小回り性により、狭い現場でも抜群の使いやすさを発揮。
  3. 独自のリンケージデザインにより、コンパクトな車体にもかかわらずクラストップレベルのダンピングリーチ&クリアランスを実現。

―など。

4.三菱農機がトラクターGAシリーズ7型式など発表

今回発表したのは、ミニ耕うん機2型式、トラクターのASUMA GAシリーズ(28.8〜50馬力)7型式、同GRシリーズ(100〜135馬力)5型式、ゴムクローラトラクタ「ASUMA GCR1010」(101馬力)1型式。
 トラクターASUMA GAシリーズの主な特徴は、

  1. 進化したノークラッチ変速MASCトランスミッション搭載。多段変速でより細かな速度設定を実現。作業にあった速度領域が得られる。
  2. オートマチック感覚のアクセル変速。
  3. 停止する際はブレーキペダルを踏むだけでクラッチの接続を自動制御でき、クラッチペダルを踏むことなく発進・停止が可能。圃場の出入り口など坂道での停止・発進も安心。
  4. 2駆状態で走行中スリップすると、自動的に4WDに切り替わり安定した走行ができる。
  5. 左右ブレーキが連結している状態でブレーキペダルを踏むと、自動的に4駆に切り替わり、安定した制動力が得られる。
  6. 作業時にエンジン負荷を検知して耕うんを制御するSモードがさらに性能向上。

―など。

5.本田技研工業が新興国向けエンジンを開発

ライトユース・低価格エンジン市場に向けた4ストローク汎用エンジン「GP」シリーズの2モデルGP160H、GP200H。
 中国の汎用製品生産・販売拠点である嘉陵本田発動機有限公司(本社重慶市、総経理・齋藤雅人氏)で生産を開始するとともに、新型エンジンを搭載した水ポンプを、今秋より中国国内およびアジアを中心とした新興国に向けて販売を開始する
 このGPエンジンは、ホンダ汎用エンジンの特徴である高い信頼性、高品質とコンパクト設計による広範な搭載互換性を継承しながら、新興国の水ポンプや発電機といった連続使用時間が比較的短く、軽負荷で使用される製品への搭載を前提に開発した。
 新興国にとって不可欠な農業機械であり需要の高い水ポンプへ搭載することで、現在中国メーカーの商品が主流である安価な新興国ライトユース商品市場での販売拡大を目指す。

6.本田技研工業がオーガアシスト搭載の大型除雪機を発表

型式はHSL2511。世界初のオーガアシスト機能を搭載しており、これによりスイッチ操作のみでオン/オフの切り替えができ、段切り除雪のように高く積もった雪を段階的に切り崩す熟練した操作技術が必要な除雪作業を簡単に行える。その他、主な特徴は、

  1. 新型Vツインエンジンと独自の電子ガバナの採用によりクラストップレベルの最大除雪量(140t/時)を実現。
  2. 除雪作業時に機体の傾き調整を簡単にするために、中型ハイブリッド除雪機シリーズで好評のオーガローリング機構の採用に加え、常に機体の傾きをセンサーが検知し、除雪面に合わせてオーガの角度を一定に保持できるオーガアシスト機能の採用で、初心者でも簡単に平らな歩きやすい除雪面を作ることができる。
  3. エンジンの出力特性を変化させ、2種類の除雪モードを設定。「標準モード」は、トルクの粘り強さを活かし、扱いやすく、より早く除雪が行える。「飛距離モード」は、高回転域で発生する高出力を活かし、より高く、より遠くへの投雪が行える。

―など。

<業界ニュース>

1.サタケが残留農薬分析で試験所認定を取得

米(玄米および精米)の「残留農薬一斉分析法」について公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)よりISO/IEC17025に基づく試験所認定を取得した。今回、認定を取得した分析は、ポジティブリスト制度に対応した米の残留農薬一斉分析法で、148成分の農薬が測定対象。今回の新たな取得により、市場要望に合致した、より信頼性の高い残留農薬分析サービスの提供が可能となったとしている。分析料金は1検体15万7500円(税込み)。分析結果は、認定機関(JAB)のロゴマークが付いた報告書で通知し、依頼者に対する結果の保証を行う。これにより、依頼者は貿易流通時の再検査が不要になる等のメリットが見込まれる。

2.スガノ農機が事務局を務める関東甲信越土を考える会が夏季研修会

長野県内の佐久一萬里温泉ホテルゴールデンセンチュリーなどにおいて、「あたりまえの『モノ』を特別な『コト』に変えるPart2(長野のイノベーターに学ぶ 客筋の見極め 顧客に選ばれる前に、まず顧客を選べ)」をテーマに、「夏季研修会 in 長野」を開催した。
 初日はまず最初に永井農場(長野県東御市)を視察。同農場会長の永井忠氏が、「ニーズをつくり出す複合経営」をテーマに講演。次に、ホテルゴールデンセンチュリーへ移動し、トップリバー(御代田町)代表取締役社長の嶋崎秀樹氏が、「農業経営者育成にかけること」をテーマに講演。
 その後、「グループディスカッション 新たなニーズを創新(イノベーション)するには?」、「情報交換会」のスケジュールで初日の日程を終えた。
 2日目は小松園芸(佐久市)の視察などを行った。

3.生研センターが乗用トラクターの事故について分析し、段差が低くても転倒の可能性と警告

 12の道県と連携して進めている農作業事故の要因調査から、乗用トラクターについて分析。

  1. 事故の傾向や特徴は全国一律ではなく、地域ごとに実態に違いがある。
  2. 転落事故では、狭い路幅や路肩の強度不足などの環境条件、段差近傍での作業方法、雑草繁茂や崩れといった路肩の管理状況のそれぞれに要因があり、死亡事故では段差の大小にかかわらず発生している―などを明らかにした。

 トラクター転落事故と環境条件の関係では、

  1. 路幅が不十分な道路が多いと推察される。
  2. 死亡事故は、路幅や段差の大きさに関係なく発生している。
  3. 進入路からの転落では多くで進入路の傾斜がきつく、路幅もかなり狭い。
  4. 圃場からの転落では、段差のかなり近くまで作業していた事例も多い。

―などがわかった。
 これらから、トラクター転落事故の防止には、路幅等の環境条件、作業方法、路肩や圃場橋の管理状況のそれぞれに対応すべき点があることが、改めて推察されたとしている。

4.山本製作所の太陽光発電設備が完成

同社敷地内に年間発電量約50万kW(二酸化炭素の排出量換算で年間約156t以上の削減効果)の太陽光発電設備工事を進め、このほど完成、東北電力に売電を始めた。
 同社の設備は、業界最高水準の発電効率を誇るソーラーパネル(500kW級の発電設備は東北初)で、多結晶系と比較して暑い日でも曇天でも、出力低下が少ない。鋼材による杭基礎のため、万が一の撤去の際には鉄クズとしてリサイクルが可能となっている。
 同敷地内には、南北に等間隔10列、東西に最大60組の総枚数2120枚のパネルを設置。発電量は受付のモニターで確認できる。
 同社では、今年創業95周年を迎え「農業を大切にすることは、地球を大切にすること」をスローガンに掲げ、メーカーとして、製品だけでなくエネルギーも「つくる」ことで、多くの方々に安心・安全・満足を提供していくとしている。

5.ヤンマーミュージアム入場者が開館約5ヶ月で5万人を突破

ヤンマーミュージアムは、昨年創業100周年を迎えた同社が、記念事業の一環として創業者・山岡孫吉氏の生誕の地に建設したもの。エンターテインメントと学習が融合した新しい形の企業ミュージアムとして今年3月のグランドオープン以来、来館者が相次ぎ、夏休み期間中も館内は多くの家族連れで賑わった。
 5万人の記録達成は8月11日の日曜日で、グランドオープンから144日目。同館では年間来館者の目標を15万人としており、「これからも学習とエンターテインメントが融合した新たな企画を続々と展開していきますので、どうぞご期待ください」と話している。

6.日農工が山形農機ショーで農作業安全をPR

8月31日から開催された第90回山形県農業まつり農機ショーに出展し、安全啓発チラシの配布及び農作業安全確認運動ステッカーの配布、低速車マーク装着のための促進活動、農機盗難防止のためのチラシの配布など、農作業事故の減少に向けた啓発活動を行った。
 ステッカーは、農林水産省が作成した「カエル」デザインのものに、日本農業機械工業会のネームを入れ、色あせを防止するためコーティングを施した。チラシとともに、約2000枚を用意し、訪れた農家に配布した。

7.ヤンマーの名誉会長・山岡淳男氏が逝去

山岡淳男(やまおか ただお)氏が、2013年8月18日午前7時35分、肝不全のため自宅で逝去、享年87。故人並びに遺族の意向により、通夜ならびに葬儀については、近親者のみにて執り行った。ヤンマーでは「お別れの会」を10月11日リーガロイヤルホテルで行う。
 故山岡淳男氏は、1953年(昭和28年)2月ヤンマーディーゼル(現ヤンマー)に入社、1963年(昭和38年)、2代目山岡康人社長の急逝に伴い、同年10月ヤンマーディーゼルの代表取締役社長、同年11月ヤンマー農機(2009年2月ヤンマーに吸収合併)の代表取締役社長に就任、ヤンマーグループの総帥としてその発展拡大を図った。
 業界の発展にも尽力し、農業機械関係では、本会の副会長、日本農業機械工業会会長などを歴任。これらの功績が認められ、1984年(昭和59年)4月に藍綬褒章、1996年(平成8年)7月に運輸大臣表彰、1998年(平成10年)4月に勲二等瑞宝章を受章した。