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農業機械関連ニュース

平成25年5月10日発行

<新製品ニュース>

  1. タカキタがカルチプラウとコンビプラウを発売
  2. 静岡製機が玄米低温貯蔵庫「さいこ」と保冷庫「菜庫」の新型投入
  3. ササキコーポレーションが新型ごぼうハーベスタを発売
  4. タカキタが新型自走ラップマシーン発売
  5. 静岡製機が食品乾燥機「ドラッピー」新型3タイプ発売へ

<業界ニュース>

  1. ヤンマーがプレミアムブランドプロジェクトを開始
  2. 被災地農業再生の先端技術展開事業に井関農機、三菱農機などが参画
  3. 農業新技術2013に小型汎用コンバインとキャベツ収穫機が選ばれる
  4. 井関農機が「畑ごんぼ」復活を応援
  5. クボタの米国トラクター工場が本格稼働
  6. サタケが知財功労賞を受賞
  7. 本田技研工業が寄居工場の環境取り組みを公開
  8. クボタと南東北クボタが磐城農業高校に鉄コーティング直播の授業
  9. ヤンマーが悠々ファームとよので野菜作り体験教室を開催
  10. サタケが醸造機器展と環境展に出展
  11. 生研センターが農機検査・安全鑑定の説明会開く
  12. やまびこがエンジン生産累計6000万台で記念式典
  13. IHIスターがロールベーラ出荷2万5千台祝う
  14. 本田技研工業が2012年度決算を発表、汎用は607万台

<新規課題>

今年度から13課題を新規スタート
電動ロータリ耕うん機など
 生研センター

生研センターはこのほど、平成25年度から研究スタートする13の新規課題を発表した。

  1. バイオマス由来素材による育苗培地固化技術の開発(基礎技術研究部)
  2. 自脱コンバインにおける巻き込まれ事故の未然防止技術の開発(基礎技術研究部)
  3. 大豆用畝立て播種機の高速化技術の開発(生産システム研究部等)
  4. 超音波を利用した農作物の病害防除装置に関する研究(生産システム研究部)
  5. 野菜用の高速局所施肥機の開発(園芸工学研究部、協力=群馬県農技センター)
  6. 加工用ハクサイ収穫技術の開発(園芸工学研究部、協力=ヤンマー)
  7. 軟弱野菜の調量機構の開発(園芸工学研究部)
  8. 高速汎用播種機の開発(畜産工学研究部、協力=アグリテクノ矢崎)
  9. 個別給餌を行う繋ぎ飼い飼養体系における残飼料検出技術の開発(畜産工学研究部)
  10. 農用エンジン評価試験の高度化に関する研究(評価試験部)
  11. 刈払機の安全性向上に関する研究(評価試験部)
  12. 農用運搬車用転倒シミュレーションプログラムの開発(評価試験部)
  13. 乗用型電動ロータリ耕うん機の開発(特別研究チーム)

<新製品ニュース>

1.タカキタがカルチプラウとコンビプラウを発売

土壌の透・排水性、保水性、通気性をアップする「カルチプラウACP2503、同3004」とロータリやパワーハローとコンビ作業ができる「コンビプラウACP3004C」で、ともに特許爪を採用、土塊を幅広く垂直に持ち上げることで、抜群の生育環境作りを行う。また爪の耐久性も高く、経済的。爪の本数が少ないため、牽引抵抗が小さく、トラクタの燃費も少なくて済む。その他、主な特徴は、

  1. 心土層を破砕し亀裂が多く発生することで保水性をアップ。旱魃時は毛細管現象により水分が上昇し、作物の生育環境が良くなる。
  2. 硬盤層を破砕することで透・排水性が向上。湿害による酸素不足を防止。
  3. 後ろが良く見えるため、ロータリやパワーハロー等の取り付けが楽に行える。複合作業により省力化が図れ、作業効率もアップ。
  4. 土を反転せず、土塊や石を表面に上げないため後作業が楽に行える。

2.静岡製機が玄米低温貯蔵庫「さいこ」と保冷庫「菜庫」の新型投入

玄米低温貯蔵庫「さいこ」はGXシリーズの新型「GEシリーズ」5型式(7〜32袋)。多機能タイプ保冷庫「菜庫」はGBシリーズの新型「GB―Hシリーズ」4型式(14〜32袋)で、GEシリーズは5月より、GB―Hシリーズは7月より本格的な発売を開始する。
 新シリーズは、いずれの型式もデザインを一新。新たに温度調整パネルに節電モードを追加するなど冷却ユニットのさらなる節電機能に加え、業界最長クラスの製品5年保証を採用。性能・機能を向上しながら、価格は据え置きとしている。
 GEシリーズの主な特徴は、

  1. 左右のドアのどちらからでも開けられる2ドアタイプ。
  2. 大きなデジタル表示で、庫内温度が見やすい。
  3. 握りやすく開けやすい大型取っ手を採用。

―など。
 GB―Hシリーズの主な特徴は、

  1. 庫内湿度を高湿(70〜90%)に切り替えることにより、野菜などの一時保管に利用できる。
  2. ワイドな温度調整(2〜20℃)が行える。
  3. ドアパネル・底板の厚さが60mmと断熱性に優れている。
  4. 大きく見やすい簡単操作パネル。

―など。

3.ササキコーポレーションが新型ごぼうハーベスタを発売

幅広い土質・圃場条件に対応する「ごぼうハーベスタPH1200」で、適応トラクタ馬力は50〜90PS。掘り上げ部を独自のスリムなウイング形状とし、新バイブ方式により牽引抵抗を小さくするとともに、低振動を実現。牽引抵抗を減らすことによって、降雨後の湿った土や粘土質の重い土などにおける作業をスムーズにこなし、また、作業位置については、油圧スライドに加え、新たにマストの組み替えでも調整でき、丘引き、溝引き作業にも対応。さまざまな栽培様式(畝間、条間)、作業体系に応じて作業できるものとなっている。
 さらに、作業中にごぼうハーベスタを左右にスライドさせても、作業姿勢を一定に保つWフレーム構造を採用、安定した作業を確保したほか、掘り上げ性能の向上によって搬送ベルトを土中に入れずに作業ができるようになり、ベルトの損耗を大幅に解消、メンテナンスコストの削減にも資している。

4.タカキタが新型自走ラップマシーン発売

SW1120Dで、最大出力13.5PSのディーゼルエンジンを搭載し、従来機比で約25%の燃費低減を実現。大容量燃料タンクを装備し、1回の給油で従来機比約3倍の量を注入できるため、6時間以上の連続運転が行えるほか、運転席に日よけのキャノピーを装備、炎天下での作業者の疲労度を軽減している。その他、主な特徴は、

  1. ストレッチ機構はフィルム幅50cm×2本のダブルストレッチ仕様。さらにフィルム幅750mmにも対応(シングルストレッチ)でき、作業時間の短縮ができる。
  2. フィルムの延伸率を見直してフィルム消費量を従来比約10%削減。
  3. アームの持上げ力は最大500kgと高密度ベールにも対応。
  4. リフトアップの高低差は97cm、最大450kgまで持ち上げ可能。
  5. 油圧ポンプ能力を倍増することにより、スピーディーな動作で操作性が向上。
  6. 積み込み角度センサ採用で、自動による積み込み、荷降ろし作業時にもエンジン回転数に影響されずに動作し、作業がスムーズ。

―など。

5.静岡製機が食品乾燥機「ドラッピー」新型3タイプ発売へ

多目的電気乾燥庫「ドラッピー」の新型、食品乾燥機「DSJ―3―1SS」(トレイ枚数3枚・単相100V)、「DSJ―7―1SS」(トレイ枚数7枚・単相200V)、「同―3SS」(同・三相200V)の2型式3タイプを開発、6月から本格発売する。食器消毒を兼ねた食品乾燥機で、主な特徴は、

  1. 食中毒の原因とされる黄色ブドウ球菌・大腸菌O157・サルモネラ・腸炎ビブリオの4種類の殺菌効果に対応した消毒機能を附加。
  2. 最高設定温度を80度Cまでとし、より乾燥時間が短縮できる。
  3. 衛生的で耐久性に優れたステンレス(SUS304)を使用しながら、求めやすい価格を実現。
  4. 設置しやすいコンパクト設計で、移動が楽なステンレスキャスター付き。
  5. 大きく、見やすいデジタル表示で、ボタン式の簡単操作。
  6. 省エネ設計(高断熱パネルを採用。マルチ気流方式を採用。電気熱風還流方式を採用―など)により、超低コスト(節電)を実現。

―など。


<業界ニュース>

1.ヤンマーがプレミアムブランドプロジェクトを開始

2013年度から成長に向けて大きく舵を切り、全社でブランドイメージを統一化し、デザイン・開発力を強化、ブランドの浸透・ファン層の拡大を図る。ブランドイメージを世界へ向けて向上させるプロジェクトで、全社でブランドイメージを統一、プレミアム化して世界へ発信する。総合プロデューサーにアートディレクターとして著名な佐藤可士和氏を起用。世界的工業デザイナー・奥山清行氏を持ち株会社のヤンマーホールディングスの取締役に迎え、全商品のデザインをダイナミックに刷新、グローバル市場での発信力を高めていく。
 2013年度からの成長戦略として、

  1. 「ソリューショニアリング」の更なる進化
  2. 重点海外市場の深掘り
  3. 新事業分野の開拓

―の3つの柱を同時展開していく方針で、特にアジア、欧米における農機・建機市場、欧米を中心としたマリン市場の深掘りを徹底、「そのためにもヤンマーブランドのプレミアム化を加速していく」としている。

2.被災地農業再生の先端技術展開事業に井関農機、三菱農機などが参画

農林水産省はこのほど、平成25年度「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」(岩手県内・農業・農村分野)公募研究課題の委託予定先を決定した。このうち、「中小区画土地利用型営農技術の実証研究」は東北農業研究センターを代表に、近畿中国四国農業研究センター、生研センター三菱農機など、「ブランド化を促進する農産物の生産・加工技術の実証研究」の野菜類では、岩手県農業研究センターを代表に、野菜茶業研究所、東北農業研究センター、井関農機、ヰセキ東北などが参画する。事前に開かれた先端技術提案会では、三菱農機の小型汎用コンバイン、井関農機のGIS可変施肥機などが提案されている。

3.農業新技術2013に小型汎用コンバインとキャベツ収穫機が選ばれる

農林水産省農林水産技術会議事務局が選定した、農業関係の試験研究機関による農業技術に関する近年の研究成果の中から早急に普及すべき農業技術である「農業新技術2013」の5技術に、小型汎用コンバイン、加工・業務用キャベツ収穫機の2技術が選定された。小型汎用コンバインは、稲、麦、大豆、ソバ等多様な作物が1台で収穫できる、中山間地や小規模区画の地域でも利用可能な小型汎用コンバイン。稲、麦、大豆等の輪作体系の省力化に貢献する。業務用キャベツ収穫機は、手作業による収穫作業を機械化し、機上での選別・調製作業と大型コンテナに収容する方式を採用した作業能率の高いキャベツ収穫機で、大規模経営や産地化を推進する。

4.井関農機が「畑ごんぼ」復活を応援

井関農機の「夢ある農業応援プロジェクト推進部」とヰセキ関西阪和支社が、幻のごぼう「畑ごんぼ」の復活に取り組む和歌山県橋本市西畑地区で、その支援を行っている。
 「企業のふるさと」第3号となる覚書への調印が、井関農機と地元「くにぎ広場・農産物直売交流施設組合」、橋本市、和歌山県の四者で交わされ、協働活動「畑ごんぼ栽培の実践活動」が開催された。国城山中腹に位置する西畑地区内にある耕作放棄地を畑ごんぼ畑として復活させようと、井関農機が機械力を駆使して耕起や深耕など植え付け準備を済ませた圃場で播種作業を実施した。

5.クボタの米国トラクター工場が本格稼働

クボタが米国に新設した中型トラクター生産工場が、今年1月に量産を開始し、4月8日にはジョージア州知事や社内外の関係者を招待して、オープニングセレモニーが開催された。
 トラクター生産工場は米国ジョージア州ジェファーソンにあり、既存のKubota Industrial Equipment Corporation(以下:KIE)の敷地内に設立した。
 KIEの敷地面積は35.6万平方m、トラクタ工場の建屋面積は4.3万平方m。生産品目は北米向け中型トラクター(30〜50馬力クラス)、生産能力は年間2万2千台。

6.サタケが知財功労賞を受賞

経済産業省はこのほど、平成25年度の「知財功労賞」の受賞者を決定した。業界からは経済産業大臣表彰の産業財産権制度活用優良企業等としてサタケが選ばれた。サタケは、創業者が国内初となる動力精米機を発明して以来、技術開発を原動力に食品加工機総合メーカーとしてトップの地位を確立。創業当時から特許を重視、特に二代目社長が知財活動の推進に尽力し、現在でもその精神を継承している。
 11名体制の法務・知財室を設置し、技術部門と連携を密にした活動を推進。体系的な先行技術調査や抵触調査を実施するとともに、技術動向等をパテントマップ化するなど、技術開発に有用な情報を積極的に発信。海外重視の経営方針に従い、PCT出願を積極的に活用。模倣品対策として、模倣品製造国からの輸出等の状況を踏まえ権利行使の要否を判断。また、ピンポイント的に模倣メーカーを提訴して、勝訴の場合はプレス発表するなど「戦うサタケ」のイメージを発信し、模倣行為を抑止していることなどが評価された。

7.本田技研工業が寄居工場の環境取り組みを公開

埼玉製作所寄居工場は3月末に竣工し、この7月から稼働する。年間25万台の生産能力を持つ小型車専用の四輪完成車工場。敷地面積は約95万平方m、建築面積は約22万平方m。工場屋根に現在設置工事が進められているメガソーラー(2.6MW規模。6月15日設置完了、8月末発電開始の予定)と、今回とくに地域との共生の観点から力を入れたビオトープ(生物生息空間)が公開された。
 メガソーラーは、子会社のホンダソルテックのCIGS薄膜太陽電池モジュールを工場の屋根約9万2000平方mに敷設、年間使用電力の約3.7%を賄う計画。CO2の削減効果は年間約1200tで、これは一般家庭約459戸分になるという。
 ビオトープは、敷地面積の30%(約28万平方m)の緑地に1万6000平方mを設置。ここでは専門家のアドバイスを受けトウキョウサンショウウオ、ホトケドジョウ、ゲンジボタルなどの希少種を保全する。

8.クボタと南東北クボタが磐城農業高校に鉄コーティング直播の授業

福島県いわき市の福島県立磐城農業高等学校で、同校園芸科作物専攻班の3年生を対象に特別授業で、鉄コーティング直播技術のメリットを伝え、また、実習でコーティング種子を製造、直播実習に備えた。東日本大震災復興支援活動の一環で、昨年宮城県農業高等学校で実施した活動に続くもの。
 特別授業は、機械倉庫代わりになっている農機実験室で行われ、午前はクボタの小須田清担当部長が鉄コーティング直播栽培の有用性などとともに同技術の内容を解説した。午後は、クボタアグリサービスの渥美達磨部長補佐、南東北クボタの石井正男課長指導の下、コーティング種子製造の実習。回転するコーティングマシンに浸漬した種籾、鉄粉、消石膏を規定量混ぜ込み、適度な水分を補給しながらコーティングしていく作業を2班に分かれて行い、2年生もその様子を見学した。

9.ヤンマーが悠々ファームとよので野菜作り体験教室を開催

ヤンマーが大阪府北部の豊能町高山に開設した会員制の農業体験施設「ヤンマー遊悠ファームとよの」で4月13日に第1回目の「野菜作り体験教室」が開催された。
 同施設では「野菜作り体験教室」と「田んぼでお米作り体験」が実施され、野菜作り体験教室では、20aの圃場を使い、体験料月額5250円(税込み)で、トウモロコシ、オクラ、ピーマン、ナス、ミニトマト、ズッキーニ、枝豆、シシトウ、ハーブ、キュウリ、大根、カブ、白菜、キャベツ、ブロッコリ、ホウレンソウ、ミズナ、高山菜などを作る。
 今回は午前中の坐学のあと午後からは「じぶんの畑」で実習。ホウレンソウと小松菜の条作り、種まき、覆土、石灰・肥料・竹パウダー・発酵鶏糞などの散布作業を行った。

10.サタケが醸造機器展と環境展に出展

5月21日、22の2日間、同社・広島本社を会場に開かれる全国醸造機器用品展示会(主催=全国醸造機器工業組合など)と5月21〜24の4日間、都内有明の東京ビッグサイトで開催される「2013NEW環境展」(N―EXPO2013 TOKYO)にそれぞれ出展する。最新鋭の醸造用機器が揃うことで知られる全国醸造機器用品展示会には、小ロット醸造精米機などの出展を予定。NEW環境展にはガラスびんなどのリサイクル使用する「リサイクルソーター」をはじめ、プラスチックを選別する光選別機「ピカ選 GRAND」などを実演展示し、この分野での優れた作業性能を紹介、アピールしていく

11.生研センターが農機検査・安全鑑定の説明会開く

説明会では、農業機械の安全鑑定について、25年度から乗用トラクターの低速車マークの装備、農用運搬車の安全フレームの装着可能な構造とすることなどの基準が追加された。
 低速車マークに関しては、「その他」の項目として「農用トラクター(乗用型)にあっては、走行中に低速車両であることを後続の車両に知らせるための表示を備えること」とした。低速車両でありことを知らせる表示は、ANSI/ASAE規格S276・ECE規格№69に規定されるもの、もしくはこれと形状、性能要件が同様で高さが250mm程度のものとする。
 「農用運搬機(乗用型)」および「座席を有する圃場内運搬機」にあっては、別に定める基準を満たす安全フレームが用意されており、その安全フレームが装着可能な構造であることを「機体転倒時の運転者保護装置」の項目で定めた。

12.やまびこがエンジン生産累計6000万台で記念式典

旧共立が1955年にエンジンを生産して以来、累計5000万台を達成。また、旧新ダイワ工業が1977年に第1号エンジンを搭載したチェンソーを世に送り出してから、累計1000万台を達成したことから、盛岡事業所において「エンジン累計生産台数6000万台達成記念式典」を開催した。。席上、永尾社長は「新会社が発足して3年半が経過するが、エンジン累計生産台数6000万台という数字は、やまびこにとって合併の象徴として意義深い。合併による相乗効果を最大限に発揮させ、次は累計1億台達成記念式典を開催したい」と意欲を語った。

13.IHIスターがロールベーラ出荷2万5千台祝う

1981年にロールベーラの販売を開始して以来32年間で2万5000台目となるロールベーラを出荷し、記念式典を執り行った。
 記念式典は、千歳工場内において行われ、2万5000台の出荷に至る経緯や思い出が披露された後、IHIの中村副社長、同社の細倉社長、東日本営業部の小野寺豊副部長ら6人によりテープカットが行われ、中型カッティングロールベーラが出荷されていった。
 IHIスターでは、大型ラドルバータイプシリーズを発売後、国産初の直装ミニロールベーラ、中型ロールベーラ、細断型ロールベーラ発売などを次々と発売してきた。

14.本田技研工業が2012年度決算を発表、汎用は607万台

本田技研工業が発表した2012年度(2012年4月〜2013年3月)の連結業績によると、売上高は9兆8779億円(前年同期比24.3%増)、営業利益は5448億円(同135.6%増)、税引前利益は4888億円(同89.9%増)、当期純利益は3671億円(同73.6%増)となった。
 このうち汎用パワープロダクツ事業及びその他事業は、売上高2016億円(同0.7%増)、グループ販売台数は607万1000台(同4.3%増)となった。販売台数は北米、アジア、その他地域で伸びたが、日本国内、欧州は減少した。2013年度は620万台を見通している。


<新規課題>

1.バイオマス由来素材による育苗培地固化技術の開発(基礎技術研究部)

有機認証が得られない石油由来ではなく、環境配慮性の高いバイオマス由来素材を用い、根鉢の形成が容易な育苗培地を開発する。
 セル苗の機械定植では、根鉢形成が不十分だと培地の崩落により作業精度が低下する。若苗や根鉢形成が難しいタマネギを定植するには、固化培地を利用する場合、石油由来素材のため、有機認証がとれない。固化剤を利用する場合は労力と時間がかかり作業負担が大きい。このため、ポリ乳酸などバイオマス由来高分子による、移植時に根鉢が崩落しにくい育苗培地を開発する。

2.自脱コンバインにおける巻き込まれ事故の未然防止技術の開発(基礎技術研究部)

巻き込まれ事故が後を絶たない自脱コンバインの手こぎ作業について、供給中の作物と作業者の手などを非接触で判別し事故を未然に防止する技術を開発する。
 磁気センサーによる金属探知技術と検出用手袋を応用。①磁心コイル(検針器)+耐切創手袋②MIセンサー+磁石手袋の2タイプを研究。磁気センサーの最適設置位置の検討、実機に搭載して検出精度向上のノイズ対策、検出手袋の実用性向上を図り、より実用性の高い技術開発を目指す。

3.大豆用畝立て播種機の高速化技術の開発(生産システム研究部等)

現行のロータリ式畝立て機構による大豆の播種は、作業速度が遅く土壌を練ることも多いため、牽引式畝立て機構ならびに播種機構を開発し、適期の播種作業と50%以上の高速化を図る。
 耕うん同時畝立て播種機は24年度には1万5000haに普及見込みだが、アップカットロータリを使用しているため、作業速度に限界があった。このため、ディスク牽引式畝立て機構により、湿潤土壌への適応性を拡大、現行機に比べて50%以上の高速化(毎秒1m以上)を目指す。

4.超音波を利用した農作物の病害防除装置に関する研究(生産システム研究部)

これまで実施した超音波を利用した作物の病害抑制に関する研究成果をもとに、病害防除に利用可能な超音波病害防除装置の研究開発を行い、本装置が利用可能な病害や、技術の実用化について検討する。農薬を使用しないため、環境負荷を低減しつつ病害防除が可能となる。
 トマト、イネの苗に超音波照射を行った結果、照射した苗は病気を発生しにくい傾向があった。

5.野菜用の高速局所施肥機の開発(園芸工学研究部、協力=群馬県農技センター)

傾斜地圃場においてトラクター等がスリップすることにより施肥量がバラつく問題に対し、施肥量の補正を行う機能を付与すると共に、大規模化が進む現地からの要望を踏まえ、従来機より作業速度の向上を図った局所施肥機の開発を行う。
 嬬恋村の要望を参考に、GPSを利用した車速連動繰り出し機構と2段畝内施肥により高精度高速施肥を実現する。

6.加工用ハクサイ収穫技術の開発(園芸工学研究部、協力=ヤンマー)

ハクサイの加工用需要は50%を超えているが、手作業による収穫には多くの労力を要している。そこで、作業の省力・低コスト化のため、キャベツ収穫機をベースに加工用ハクサイ収穫技術を開発する。
 先に開発した加工・業務用キャベツ収穫機をベースに掻き込み装置を改良するとともに、刈取り方式を引き抜き・茎切断方式へ改良する。

7.軟弱野菜の調量機構の開発(園芸工学研究部)

軟弱葉菜類は、小規模経営が多く、調量・包装作業の多くは未だに手作業に頼っている事が多い。そこで、生産農家の負担軽減や作業能率向上のため、適正な質量に調量できる調量機構を開発する。
 ニラを対象に、作業者が任意に小分けした束を組み合わせ、100gに対しプラス10g以内程度の精度となる個選調量機構を開発する。

8.高速汎用播種機の開発(畜産工学研究部、協力=アグリテクノ矢崎)

農業機械コストの低減には、年間の作業面積を拡大することが重要である。そこで、時速6〜8kmの高速作業が可能で、稲、麦、大豆の他、トウモロコシ、ソルガム等幅広い作物に適応できる播種機を開発する。
 既存汎用播種機の約2倍の高速化を図り、不耕起圃場、稲の乾田直播にも対応させる。

9.個別給餌を行う繋ぎ飼い飼養体系における残飼料検出技術の開発(畜産工学研究部)

乳牛の採食が減少する主な要因は、暑さ等によるものや疾病の予兆などがある。そこで、採食量の低下を早期に把握し、給餌の調整や疾病の治療等適切な対応を可能とするために、自動給餌機による個別給餌を対象として、残飼量を検出する技術を開発する。
 残餌の量を、移動しながら自動的に測定し、測定方法は光、超音波などを検討する。

10.農用エンジン評価試験の高度化に関する研究(評価試験部)

農用エンジン、トラクタ等の評価試験に際しての試験環境条件が出力・燃費・排ガス等に及ぼす影響を明らかにし、より高度性能試験が実施できるよう試験手法や試験基準等を整理する。
 26年度から実施予定の農用トラクター(乗用型)の省エネルギー性能評価試験などに適用する。

11.刈払機の安全性向上に関する研究(評価試験部)

刈払機について、刈刃との接触を主因とする事故防止の観点から、取扱性等を考慮した刈払機用の刈刃停止機構を検討・試作する。 現行機ではクラッチを切ってから惰性で30秒ほど刈刃は回り続けるので、使用実態に即した刈刃停止装置を追加し、急速に停止させる機構を開発する。

12.農用運搬車用転倒シミュレーションプログラムの開発(評価試験部)

農用運搬車に装着するTOPS(横転時運転者保護構造物)の構造要件の一つである「不連続転倒機能」について、現在のシミュレーションでは確認できない走行装置の配列(3輪式等)を追加したプログラムを開発する。

13.乗用型電動ロータリ耕うん機の開発(特別研究チーム)

エネルギー問題、地球温暖化への対応を目標に、従来の乗用型トラクターとロータリ作業機の組み合わせではない、電気を全駆動源とする小型の電動ロータリ耕うん機を開発する。
 現在、20kW級以下のトラクターはロータリ耕うん専用に使われているケースが多く、これを電動化することで石油依存を低減するとともに、耕うん専用機とし、騒音や振動を低減、エネルギー効率を高める。