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農業機械関連ニュース

平成25年1月10日発行

<新製品ニュース>

1.井関農機が25年度新商品6品目11型式を発表

「日本の籾すりを簡単にする」を基本コンセプトにした、ヰセキ揺動籾すり機「スーパーメイト」MG/MGJ/MGP3シリーズ」5型式をはじめ、セミクローラトラクター「TQ17C」、普通型コンバイ2型式、大型乾燥機「GCL50RS/60RS」、自動計量選別機「LTS20」など6品目11型式を発表した。コンセプトは「低価格、使いやすさで日本の農業を応援する」。
 ヰセキ揺動籾すり機MG・MGJ、MGJ、MGP3シリーズの主な特徴は、

  1. レバー1本で簡単操作「ワンレバー」。
  2. 次のレバー操作を知らせる「「おしらせナビィ」。
  3. 自動排出機構付きゴミとり装置。
  4. 2回選別するから穀物に優しい「パパッと選別」(MGJ)。

 ―など。
 ヰセキ自動計量選別機「ポリメイト」LTS20の主な特徴は、

  1. ボタン3つのシンプルな操作パネル。
  2. 袋キャッチャー標準装備。
  3. 同じ処理能力(毎時34.5俵)の現行機より約14%価格を抑えた

 ―など。
 ヰセキトラクタTQ17Cの主な特徴は、

  1. 優れた湿田走破性。クローラ前後を切り上げた舟形とすることでホイール仕様と同様の旋回性を実現。
  2. スムーズな耕うん「デセラ機構」。
  3. 排気量1123㏄の3気筒エンジン。
  4. 低振動「ゴムマウント」。

 ―など。
 ヰセキ普通型コンバインHC400の主な特徴は、

  1. 従来機のHC380(38馬力)から2.5馬力の馬力向上を行い、作業速もクラス最速の1.38m/秒を実現。
  2. 大豆に優しいヰセキだけのエアー搬送「エアーグレン」(G型)。
  3. こぎ歯の配列をスパイラル状にし、作物に優しいスムーズな搬送ができる。
  4. アクセル操作不要の「IQアクセル」。

 ―など。
 ヰセキ小型汎用コンバインHC650の主な特徴は、

  1. 4tトラックに積載可能。
  2. 公道での自走が可能。
  3. 大豆の汚粒を軽減する高強度「撥水加工揺動板」。

 ―など。

2.みのる産業がポット苗箱運搬押さえ機を開発、新発売

ポット苗箱の運搬と鎮圧作業を大幅に省力化する「キャリープレッサーNBT―1」。これまでの作業より苗箱運搬・箱並べの作業時間を約66%削減でき、鎮圧作業でも約61%削減できる。
 使い方も簡単で、

  1. 従来通り苗床を作って根切りネットを敷く。
  2. 手作業で苗箱を8枚ほど並べ、その上にキャリープレッサーを置く(キャリープレッサーには苗箱が最大40枚積める)。
  3. 順次、苗箱並べと移動を繰り返す。
  4. 最後にキャリープレッサーに1人が乗り(50〜70kgの重量をかけて)苗箱を鎮圧していく。

 ―だけ。
 みのるポット苗箱なら、水稲の折衷苗代や畑苗代、また、タマネギや白ネギなど作物やポット苗代の種類を問わずに使用できる。

3.やまびこ産業機械が新製品発表会を開き、ディーゼル溶接機など発表

やまびこグループの同社は、東京流通センターにおいて、東京支店管内の流通業者など関係者を招き「2012度新製品発表会」を開催。ガソリン並びにディーゼル溶接機(発電機兼用)、リチウムイオン蓄電機、LEDバルーンバッテリー投光機などの新製品を発表した。

ディーゼルエンジン発電機「DGM600MK」の特徴は、

  1. 独自技術のマルチジェネレータを採用し三相・単相3線同時出力が可能。わずらわしい三相と単相の切り替えが不要で、1台で同時に使用できる。
  2. 420L大型燃料タンクを採用。金曜の夕方から月曜の朝まで連続運転が可能。
  3. オイルガード付きで河川や土壌への燃料やオイル漏れを防止。

 ―など

LEDバルーンバッテリー投光機「SMB240LLG」の特徴は、

  1. リチウムイオンバッテリー電池を採用し、低消費電力240Wを実現。バルーンの光拡散効果で、優しい光が空間全体を明るく照らす。
  2. 高輝度白色LEDランプ40W×6灯を使用し、全光束2万2200ルーメン。メタルハライドランプと比べ、消費電力を50%低減。
  3. 満充電時に連続8時間点灯が可能。住宅街の夜間工事や屋内、トンネル内工事の照明に適している

 ―など

<業界ニュース>

1.ヤンマーの25年3月中間期決算は増収増益

売上高は2938億円で、前期比232億円(8.6%)増加、営業利益は218億円で同55億円(33.5%)増加、経常利益は215億円で同61億円(39.9%)増加した。売上高経常利益率は7.3%。連結売上高に占める海外売上高は前期比5億円減少の1186億円で、構成比は40.4%となった。
 セグメント別では、産業用機械事業(農業機械、建設機械、ガスヒートポンプ並びに常用・非常用発電機で構成)について、農業機械の国内市場は、前年度の米価高騰による農業所得増加等を背景に需要が好調に推移し、売上高は前期に比べ増加した。海外市場においては、タイでは米価が高値を維持する等、農家所得の増加もあり、市況は好調に推移し、また中国では補助金交付制度の変更により市場が混乱する中、いずれも新商品の投入効果により、売上高は前期を上回った。北米では販売施策を変更した影響もあり、前期に対して下回る結果となった、としている。

2.特許庁の「がんばろう日本!知的財産権活用企業」にササキコーポレーションが選定

昨年の第1弾に続き、知恵と知財を武器に活躍している中小企業等の取り組み事例を紹介した「がんばろう日本!知的財産権活用企業事例集2012」を刊行し、ササキコーポレーションが優良事例として紹介された。同社は1901年に北海道で開拓団向けに農機具の製造販売を開始して以来、1世紀以上にわたり農機具や農業機械の近代化に取り組んできた。トラクターに装着する作業機が同社の中心となり、中でも肥料散布機は国内において圧倒的なシェアがある。青森県でも有数の知的財産権を重視するメーカーで、特許に取り組むきっかけは昭和30年前後に起きた特許係争にあり、この経験を踏まえ、特許の重要性を早くから認識するようになり、事業戦略上、必ず開発段階から特許性があるものを極力商品として開発することを心がけている。また、新商品は他社特許に抵触するか徹底的に調査した上で販売することにしており、係争の未然防止につなげている、などと紹介されている。

3.クボタが中国でエンジン生産

中国を中心としたアジアでのエンジンの需要拡大に対応するため、中国にエンジン生産工場を設立し、立形ディーゼルエンジンの生産を行い、エンジン事業の更なる拡大を目指す。  新会社は「 久保田発動機(無錫)有限公司」(英文名 Kubota Engine (WUXI)Co.,Ltd.)。 所在地 は江蘇省無錫市で敷地面積約12万7000平方m、建屋面積約1万8000平方m。資本金は68億円。クボタ100%出資の子会社で、中国の地域統括会社である久保田(中国)投資有限公司が出資する。
 トラクター、コンバイン・建機用及び外販向けディーゼルエンジンを製造。生産能力は年間9万7000台。従業員数は約300人(2018年計画)。2014年7月より量産を開始する予定。

4.筑水キャニコムのリフトタイプ運搬車を果樹農家が導入

福岡県山川町の野田さんは、スピードスプレヤーが入る園地とともに急傾斜のミカン園の両方を持つ生産者。荷台がリフトするクローラ運搬車を導入して軽労化と省力化を進めている。
 労力は、奥さんと息子さんの3人。収穫したミカンの運搬作業に、クローラ運搬車を使ってきた。24年9月に更新した運搬車で3台目になったが、すべて筑水キャニコムの運搬車。
 新型機はBP419FLDP型「ピンクレディ」のリフトタイプ(4.2馬力)。油圧リフトで荷台が地上から1.2mの高さまで上げられる。
 奥さんは「新しい運搬車は、荷台がトラックの荷台と同じ高さに上がるから、コンテナはスーッと横滑りで移せるようになった。1回楽になるだけでもだいぶ違う」と喜んでいる。
 同町では25年、2倍以上のリフトタイプ運搬車の普及が見込まれている。

5.農林水産省が農業資材審議会農業機械化分科会を開き、高性能農業機械等の基本方針改正を検討

同基本方針は、概ね5年ごとに見直すこととなっていることから、検討を諮ったもので、その際の論点として、農業機械の開発・改良では、

  1. 規模拡大・体質強化等経営発展への貢献として、▽農業機械の高速化・高精度化・高機動化等の高性能化▽未機械化分野の新たな機械化▽機械操作未熟練者に対する高水準作業の支援▽ICTの活用による効果的・効率的利用の促進▽導入価格の低価格化▽植物工場等新たな生産システムへの対応―など。
  2. 環境保全型農業への貢献として、▽肥料・農薬等の施用量低減▽燃料消費量の低減、排ガス規制対応―など。
  3. 農作業安全への貢献として、安全装置等による農業機械の安全性向上―など。

 をあげた。
 また、農業機械装備の最適化として、過剰投資にならない農業機械装備の最適化が事務局から提案された。

6.日農工が除染農機の洗浄マニュアルを策定

農地等の除染作業に使用した農業機械洗浄マニュアル」を策定し、ホームページ上で公開した。
 工業会に設置した検討委員会(小林恭委員長・農研機構中央農研センター前作業技術研究領域長)が策定したもの。除染作業に使用した農機の洗浄は、通常の洗浄以外に注意しなければならない点が多いため、洗浄の手順や留意点などを、トラクター、作業機、刈払機など16機種について解説している。
 洗浄は、農地等の除染作業後、農業機械の洗浄作業前に、農業機械に付着した土や雑草等を作業現場で落とし、汚染程度を確認するため表面の放射線量を測定。汚染状況に基づき汚染度の高い部分から洗浄する―などの手順を示し、併せてその際の注意点として、拭き取り、ブラシ作業では往復掛けをせず、一方向掛けをすることなどをあげている。

7.クボタが東日本大震災被災地の農園にミニ耕うん機を寄贈

東日本大震災復興支援活動の一環として、福島県本宮市内の浪江町高木応急仮設住宅で居住者が運営する「高木・みんなの原っぱ農園」(佐藤繁芳代表)に、ミニ耕うん機2台(TRS60、TMA350)を寄贈。12月6日には支援・復興事務局の松田徹事務局長と地元の南東北クボタのスタッフらが両機を納入し、住民に運転指導を行った。
 佐藤代表は耕うん機の寄贈を受けたことで「これからさらに参加者を募り、野菜や花づくりにいまの倍の世帯にげていきたい」と語り、南東北クボタの小島良介氏は、「皆さんに本当に喜んで頂いて、われわれも嬉しい。今後もこうした活動にしっかりと取り組んでいきたい」と、アフターケアなどに意欲を示した。

8.スガノ農機が有機物循環農法体験記授賞式と全国土を考える会総会を開催

つくば市のオークラフロンティアホテルつくば及び同社茨城工場で、「第22回ボトムプラウ有機物循環農法体験記授賞式」並びに勉強会、全国土を考える会総会を開催し、同総会では、新会長に鳥取県八頭町の田中正保氏(田中農場)を選出した。
 ボトムプラウ有機物循環農法体験記授賞式には、全国から約150人が出席し、菅野社長が対象者の体験記を元にその特徴を表した概要文と象徴する一文字を読み上げ、それぞれに賞状と副賞を手渡した。また、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の著者、岩崎夏海氏の記念講演「夢は絶対に叶わない!〜夢が夢であるうちは叶わない。目標でないと達成できない〜」に耳を傾けた。

9.ヤンマーが農機管理の「スマートアシストサービス」展開を発表

情報通信技術(ICT)を活用、独自のノウハウと最新の携帯通信インフラを融合させたシステムで、製品1台ごとの稼働状況や位置情報などのデータをリアルタイムで把握し、故障時のダウンタイムの短縮や未然防止につなげ、「お客様の手を止めないサービス」の提供を図るもの。25年1月から北海道地区より順次提供していく。
 製品1台ごとの位置や稼働状況・コンデションをデータとして把握、インターネットを通じてヤンマーのデータセンターに送られる仕組み。データセンターは国内7カ所に設ける。稼働状況に応じて、メンテナンスの時期や部品の交換を提案できるなど、適切なサービスとサポートを農家に提供できる。
 提供するサービスは、

  1. 稼働状況管理サービス(農機の日時別位置情報を地図上の軌跡として確認できる。ムダのない作業配分や機械の回送手配が可能になる)。
  2. 保守管理サービス(農機の使用状況に合わせて、最適なタイミングでメンテナンス実施を提案する)。
  3. 異常発生通知サービス(農機の電子制御の異常をモニタリングし、異常発生の際にはヤンマーのサービス拠点とサービスマンに通知する。異常内容の程度に応じて顧客へ連絡し、必要な場合は異常内容に最適な対処方法をサービスマンが把握した上で現場に急行する)。
  4. 作業改善サポート(農機から自動で取り込む稼働機情報へ、顧客が直接作業内容をインプットすることにより、簡単に「作業日誌」が作成でき、今後の農作業計画や作業工程の改善に活用できる)。
  5. 盗難対策(農機に搭載したGPSの電子制御機能により、盗難被害の防止に役立てることができる)。

10.2012研究成果10大トピックスに農機関連が2課題選定

農林水産省農林水産技術会議事務局が発表した「2012年農林水産研究成果10大トピックス」に、「青刈りトウモロコシ用高速不耕起播種機を開発」が8位、「果樹用新型スピードスプレヤーを開発、農薬飛散・騒音を大幅低減」が10位に選ばれた。いずれも生研センターと農機メーカーが共同開発した機械。
 青刈りトウモロコシ用高速不耕起播種機は、
生研センターとアグリテクノ矢崎が共同開発。高速作業が可能な青刈りトウモロコシ用不耕起播種機を開発で、平成24年度中に市販化予定であり、青刈りトウモロコシの栽培が大幅に省力化されることが期待されるとしている。
 また、果樹用新型スピードスプレヤーは、丸山製作所、ヤマホ工業と共同開発。棚面に近づけて散布できる昇降型のノズル管支持装置により、エンジン・送風機の回転数を下げて薬剤散布が可能となる棚栽培果樹用の新型スピードスプレヤーで、従来機より農薬飛散・騒音が少なく、園地と住宅地が近い都市近郊型栽培での活用が期待されるとしている。

11.サタケがカンボジアから大型精米プラントを受注

カンボジアのコメ輸出販売会社であるビクトライス社(Victrice Mill Co;Ltd=プノンペン市)より大型精米プラントを受注したもの。毎時20tの籾を処理する籾摺精米プラントで、25年5月に工事を開始し、同年9月の竣工・稼働開始の予定。契約金額は300万USドル。
 ビクトライス社は、カンボジアで精米した香り米をフランスを中心に欧州へ輸出販売している。これまで同社では自社で精米設備を保有せず輸出販売のみを手掛けていたが、24年夏に輸出拡大と収益向上のため、自社で精米加工する方針を打ち出し、サタケがその大型プラントを受注した。ビクトライス社では近隣国であるタイなどの精米プラントを視察、精米品質の高さや安定性などからサタケを選定した。

12.オーレックの工場見学者が24年も2000名を突破

2000名突破となった11月30日には、福岡県筑後市の古島小学校と下妻小学校が合同で、5年生22名と引率の先生3名が同社を訪れた。見学した生徒達は「材料から部品の一つ一つを作り、製品になるまでの流れが見えた」と大感激。工作機械の傍らで感じる匂いや音にも興味津々だった。
 同社のCMソングを作詞作曲しラジオで活躍中のタレント“おかはちさん”もサプライズで登場し、20分のミニコンサートも行われた。見学者には、同社からロゴ入り2000名特別記念グッズ(水筒、スポーツタオルなど)がプレゼントされた。

13.静岡製機が創業100周年のプレイベントとしてドラッピー購入者にプレゼントキャンペーン

2014年に創業100周年を迎えるそのプレイベントとして、平成25年1月1日から3月31日の間、多目的電気乾燥庫「ドラッピー」(全13型式)の購入者を対象にリンゴ3kg入り1箱、またはイチゴ1.2kg入り1箱、併せて乾燥ガイドブックをもれなくプレゼントする「特産品&ガイドブックWプレゼントキャンペーン」を実施する。
 応募は、対象機種を購入し、製品に付いている応募ハガキに必要事項を記載し返送する(応募ハガキの消印有効期間は4月15日まで)。プレゼント品の発送は2月中旬頃から4月末の予定。

14.クボタが中国でトラクターを生産

中国の現地法人「久保田農業機械(蘇州)有限公司」(以下「KAMS」)のレンタル工場内で2013年1月よりトラクターの生産を開始する。中型機種を中心にまず年間約1万台の生産を目指す。投資額は約3億円。現地生産によりコスト競争力を強化し、中国市場でトラクターの拡販を目指す。
 現地生産により、為替変動リスクを低減するとともに、2014年に量産を開始する「久保田発動機(無錫)有限公司」から基幹部品であるエンジンを調達するなど、部品の現地調達率を引き上げることでコスト競争力を強化する。
 今後の予定は、中国国内で拡大している高馬力の需要に対応するため、70馬力クラスのトラクターから生産を開始。2016年には100馬力以上のトラクターの生産も開始する計画。