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農業機械関連ニュース

平成24年9月10日発行

<新製品情報>

1.タカキタが「コンビレーキCT6400」を新発売

ロールベーラやコンビラップと合体して牧草収穫作業を省力化、牧草収穫体系を革新する。これまでは集草作業、ロール作業、ラップ作業に3台の機械と3人の人手が必要だったが、ロールベーラとのコラボレーションで集草・ロール作業が同時にできるため2台・2人で、また、コンビラップとのコラボレーションで集草・ロール・ラップ作業が同時に行えることで1台・1人で牧草収穫作業が行える。
 ロータが1点吊り構造となっており、圃場の凸凹にも柔軟に対応し、1ロータ4車輪方式で追従性が良く、理想的なウインドロウを作れる。また、“チョイアゲ”機構により、ベール梱包作業中で停車しているときでも、ロータを少し浮かせることができため、圃場を傷めずに作業できる。

2.タイショーがブレンド散布機「アトラス」の新型を発売

「SRBシリーズ」のSRB―140、同―180、同―220の3型式を開発、新発売した。機能性の向上を図るため、

  1. ホッパー容量を従来機の15〜20%アップ。
  2. ホッパー底部を開閉式に改良。
  3. 大口径シャッターを採用。
  4. シャッター摺動部にフェルトを採用。

―など新機構を取り入れ、使い勝手の向上を進めた。
 ホッパー容量をアップしたことにより、補給回数が低減でき、一挙に大量の肥料を散布できる。また、ホッパー底部を開閉式にしたことで、残った肥料を素早く排出でき、掃除も簡単に行える。
 さらに、大口径シャッターの採用により、従来機より粒径の大きい肥料を適正かつ大量に散布できる。加えて、シャッター摺動部にフェルトを採用、肥料の漏れ防止、シャッターのスムーズな動作を実現した。
 いずれの型式も、トラクターの動力を活用し、同社独自開発の多数の混合羽根(ウレタンゴム)により、比重の違う肥料も分離することなくスピーディーにブレンドする。

3.IHIスターがフォレージハーベスタをモデルチェンジ

 3条刈りのフォレージハーベスタ「MFH5040RC」のモデルチェンジを行い、2条刈りの「MFH3200RC」並びに「MFH4000RC」シリーズとのシリーズ共通化を図った。主な特徴は、

  1. デントコーンやソルガムをくわえ込んでロール部へ搬送するギャザリングチェーンには、グリース封入型チェーンを採用し、これにより著しく耐久性をアップ(MFHの他シリーズと共通化)。
  2. ロータリナイフの擦り合わせをスプリング式自動調整に変更したので、常に一定の力がかかるようになり、雑草が多い畑でも、常時刈取りの切れ味を保つことができる(MFHの他シリーズと共通化)。
  3. 切断ナイフは、9枚を標準装備(旧型のMFH5020RCは切断ナイフ6枚標準装備で、9枚とする場合はオプションでナイフを購入しなければならなかった)
  4. シュート旋回は複動油圧式、シュート折りたたみは単動油圧式(旧型のMFH5020RCはシュート旋回電動式だったが、より安定した力を発揮できる複動油圧とした)。

―など。

<業界ニュース>

1.生研センターがトウモロコシ不耕起播種機の現地検討会を開催

7月27日に群馬県、31日に徳島県で開催した。開発機は30馬力程度のトラクターに装着可能で、20〜30a程度の日本の小規模圃場で使える国産初のトウモロコシ不耕起播種機。毎秒2mの作業が可能で、従来の2条播種機に比べて約3倍の能率を発揮する。アグリテクノ矢崎と共同開発しているもので、ディスクを交換するだけで稲、麦、大豆、エンバク、ソルガムなどの播種にも適用できるよう汎用化の研究も進めている。平成25年春に市販化の予定。市販時には側条施肥装置を搭載し、4条播きも追加する予定。検討会では講演による機械の紹介と実演が行われた。

2.JA全農の23年度農機実績は1264億円

第36回通常総代会での平成23年度事業報告によると、23年度取扱高は4兆8028億円、前年比100%、うち農機は1264億円、前年比103%と増加した。農機事業では21県、77JAと農機具費低減につながる農機レンタルの普及に取り組むとともに、JAグループ独自型式農機等の拡大を図った。この結果、JAグループ独自型式農機等は2480台、前年比115%と大きく拡大した。農機レンタルの実施は前年より4県、5JAの増加となった。
 事業基盤の強化では、JA・県域農機事業一体運営の拡大に努め、17県、75JAで実施。JA保有の共同乾燥調製施設の運営改善に向けた総合コンサルタントは6JAで実施した。
 また、東日本大震災により施設、資材が大きな被害を受けるなか、各種資材や農機などの緊急手配をはじめ、施設復旧に向けた除塩対策支援や放任果樹園の防除支援などを行った。

3.ヤンマーがタイでトラクター用変速機を現地生産

タイ王国バンコク都ラッカバン地区工業団地内にある現地法人・ヤンマーエスピー社(中満重廣社長)において、トラクターを一貫生産する体制をつくる。同社では昨年トラクターを4000台生産しているが、今年は2倍の約8000台を計画している。
 昨年2月からは、現地においてさらなる事業拡大を目指すべく、トラクターの現地生産を開始しているが、このたび、部材の現地調達率と生産効率を高め、現地での需要増に対応するべくトラクターの主要部品である変速機(トランスミッション)についても生産ラインを設け、現地生産を開始することにしたもの。
 ヤンマーエスピー社は1978年7月の設立で、ディーゼルエンジン、トラクター、小型農業機械を中心とする各種農業・産業用機械の製造・販売・サービス事業を幅広く展開している。ヤンマーでは、「食料の増産と機械化がすすむタイ近隣諸国の状況を視野に入れつつ、将来的にはトラクターだけではなく、農業機械のトータル・ソリューションビジネスをアジア地域で幅広く展開していく計画」としている。

4.ホンダのタイ工場が汎用製品生産2000万台を達成

タイの二輪車・汎用製品生産会社であるタイホンダマニュファクチュアリングカンパニー・リミテッド(タイホンダ)における汎用製品の生産累計が、7月28日に2000万台を達成。それを記念し、同日、昨年8月に稼働した汎用新工場で式典が行われた。
 タイホンダは、1987年に汎用製品の生産を開始、2007年10月には生産累計1000万台を突破し、その後わずか4年9カ月で今回の生産累計2000万台を達成した。新工場では、小型・軽量で高い互換性と耐久性に優れたホンダの最量販エンジン「GX」シリーズや、ポンプ、刈払機などの生産を行い、年間270万台の生産能力を誇る生産・輸出拠点となっている。
 タイホンダで生産する汎用製品はタイ国内やアジア・大洋州地域の販売にとどまらず、現在では北米や欧州、日本などをはじめ世界80カ国向けに輸出している。
 また、この汎用新工場にグローバルな生産機能に加えて、アセアンにおける二輪・汎用およびこれらに関する製品の研究開発機能を有するホンダR&Dサウスイースト・アジア Co., Ltdの汎用製品開発機能を移し、お客様に良い商品を、安く、早く、低炭素でお届けできるよう、汎用事業のさらなる拡大と効率化を目指す、としている。

5.ヤンマーがタイで創業100周年記念大会を開催

7月27日、タイ国バンコクのノボテルスワンナプーム・エアポートホテルに中国・韓国・シンガポール・インドネシア・ベトナム・タイなどアジア各国の現地法人代表やディストリビューター、ディーラー代表など約500名を招き開催した。主賓としてタイ投資委員会のアッチャーカー長官も出席した。
 大会では山岡会長兼社長が挨拶。「ヤンマーグループには、創業者の座右の銘である『美しき世界は感謝の心から』という言葉がある。これまで、この精神に基づき全社員が一丸となって『お客様の課題解決を通じた社会への貢献』を目指し、革新性、信頼性、効率性のある商品やサービスを追求してきた。これからも世界中の人々、また、社会の発展のお役に立てるよう、従来にも増してグループ社員全員が力を合わせ、前進してまいる」と決意を表明。小林直樹農機事業本部長は総合力を活かした体制作りを進めるとし、攻めの営業とサービスを要請、アジア戦略部担当として中根康有専務がグローバル事業の展開を説明した。

6.諸岡が塗装・仕上げ工場を完成、米国で運搬車を生産

今年度より進めている中期5ヵ年計画の一環として、このほど本社工場の隣接地に「塗装・仕上げ工場」を完成、その落成式を7月27日、諸岡協力会など関係者120名を招き開催した。また、米国・バージニア州でキャリアダンプのライセンス生産を開始するモロオカ・アメリカにおいて諸岡社長出席のもと「オープンセレモニー」が8月2日、行政関係者、現地法人関係者など100名を招き、催された。
 今回完成した「塗装・仕上げ工場」は、本社工場の隣接地に新工場を建設し、最新の塗装設備を導入したもので、より効率的な塗装・仕上げが行えるとともに、環境にも配慮した設備となっている。
 また、今年より米国・バージニア州で、10tクラスのキャリアダンプ「MST-2200」の生産を開始。そのオープンセレモニーを行ったもの。

7.新型キャベツ収穫機の実用化に見通し

生研センターで開発中のもので、需要が伸びている加工・業務用キャベツなどに対応した、大規模畑作地帯での低コスト生産を支援するための自走式・乗用の収穫機。ヤンマーと共同開発した。
 生研センターによると、これまで実用化されたキャベツ収穫機は収穫精度や直接コンテナに収容できないことなどが問題点として指摘されてきた。このため、今回のキャベツ収穫機では、現場のニーズに対応して刈取部分の精度向上を図るとともに、機上で選別・調製作業をしてコンテナに直接収容するなど大幅に改良した。北海道や鹿児島で性能評価試験を重ねた。
 刈取りは、茎部を掻き込みディスクでしっかりと掴みながら引き抜き、挟持ベルトで搬送するとともに、結球部の姿勢を補正しながら茎部を最適な位置で切断、機上の調製ラインまで搬送する。
 市販開始は平成25年度の予定。

8.全農機商連が農作業安全ののぼり旗作成

農林水産省が提唱する秋の農作業安全確認運動への取り組みとして、期間中、全組合員店舗で、一斉に「農作業安全のぼり旗」を掲げる運動に取り組むこととしたもの。旗は2種類あり、どちらも「農作業安全は我らの願い」の文字を入れ、中央には大きく「農機商組合加盟の店」と掲示している。
 組合員各店舗では、これを掲示することにより組合に加盟していない店との差別化を図り、主目的である農家ユーザーへの「農作業安全」の啓蒙も行う。



9.やまびこが福島果樹農家に義援金

日本赤十字社福島県支部に東日本大震災にかかる復興支援として義援金55万円を寄託した。
 この義援金は同社が本年度「ありがとう共立スピードスプレヤー発売55周年キャンペーン」の一環として制作した「SSV1009FSC:1/43モデルカー」の売上げの一部を義援金に充てたもの。
 同社では「これまで、共立SSの歴史を支えて頂いた福島県果樹農家の皆様に対する感謝と応援の気持ちを伝えたかった」とし、その趣旨に賛同した全国の顧客とモデルカー購入者、また、同社社員の協力により実現した。



10.直売所にサタケの残留農薬測定装置を設置

愛媛県今治市のJAおちいまばりの直売所「さいさいきて屋」店舗内にサタケが開発した、柑橘類等対象の残留農薬測定装置を設置。農作物の抜き取り検査を行い利用者に安全・安心を提供している。  JAおちいまばりは、愛媛県の東予地方に位置し、同JA内には、全国で最大規模を誇る直売所「さいさいきて屋」がある。農産物だけでなく、肉や魚、花きや搗きたて米、オリジナル商品等を販売。冬には陳列棚の3分の1を柑橘類が占める。こうした事業の前身となる直売所をつくり立ち上げた、JAおちいまばり・直販開発室の西坂文秀室長は「農家の人たちに、農業の『農』だけでなく、『業』の楽しみも味わって欲しかった」と語る。  同直売所では今夏、さらなる消費者、生産者相互のためにサタケ開発の「残留農薬測定装置」の導入に踏み切った。直売所横に残留農薬測定装置を設置し測定の様子を見ることのできるよう大きな窓を設けた。  名称は「サイサイエンスラボ」。全国でも例を見ない、目につく場所で事業を進めることで、生産者・消費者双方へ訴えたい考えだ。