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農業機械関連ニュース

平成24年7月10日発行

<新製品ニュース>

1.スガノ農機が除染対応プラウを発表

農地の放射線量を効果的に低減させる除染対応プラウ4機種で、農林水産省の平成23年度新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業による開発機。新たに開発したボトム形状によって表層に存在する放射性セシウムを精度よく下層にすき込むことができる。表層から12cm程度の土壌を確実にすき込む水田用二段耕プラウと、ジョインタ付き丘・溝兼用プラウ、畑・草地に適した耕深が確保できる畑用二段耕プラウなど。
 二段耕プラウは、ボトムを前と後に2個装備し、後ボトムで耕やしたところを前ボトムでさらに深く耕すようにしたもの。ジョインタは、先に地表面の土を切削して溝に落とし、その上に後のボトムで土塊をかぶせるようにし、すき込みをより良好なものにしている。

2.鋤柄農機が「スーパー2畦マルチ PH―MD212」を発売

甘藷、馬鈴薯、花卉などの畦立てマルチ作業に最適。主な特徴は

  1. 専用ロータリの採用により全長が短く、角度調節がハンドル操作により楽に可能。
  2. フィルム径150mmまで使用でき、安定ロールにより大径から小径まで安定した作業ができる。
  3. 成形板に樹脂板がはってあるので、畦をきれいに仕上げることが可能。

適応馬力は23〜33PS、耕幅1500〜1800mm。

3.みのる産業が静電噴口ネオヒートFS-50発売

作業性やメンテナンス性を向上した一般型静電噴口で、同社では3つのエコ提案を行っている。1つは、帯電噴霧により農薬の使用量を約30%節減が見込めること。2つ目は、流量表示で無駄な散布を削減できること。3つ目は、効果的防除で散布回数を減らせること。
 主な特徴は、

  1. 漏電の原因となる濡れや結露に対し内蔵のヒーターで最適な状態を維持。
  2. 噴口部分の帯電電極により薬液を帯電させて噴霧。
  3. 手持ちの動力噴霧機(手元圧力2〜3MPa)やホースが使用可能。
  4. ノズルと噴管の可変により様々な噴霧方向が選べる。
  5. 標準装備のオリフィス(噴板)とコア(中子)の組み合わせで4種類の噴霧角度・粒子が選べる。
  6. 本体にはノズルの目詰まり防止のため、ナイスクリーナーを標準装備。

―など

4.大島農機がプロ向け乾燥機と籾すり機発売

特定農業団体、集落営農組織などプロ向けの新型乾燥機「NX100型」と新型籾すり機「MRP6000型」。
 新型乾燥機は、「より早く」「より静かに」「より綺麗に」のコンセプト通りの評価を得ているNXシリーズに100石の大型機を加えた。遠赤外線の効果と温風を効率的に流れるよう新設計を行い、乾燥スピードのアップを図るとともに、美味しいコメに仕上げる。主な特徴は、

  1. あんしんナビゲータコントローラ搭載で楽々作業。明るく見やすい、鮮やかな蛍光管表示で作業の状況を知らせる。日本語文字やグラフで「作業操作の案内」や乾燥中の「水分のばらつき」「乾燥終了予測時間」などの情報を刻々と表示。
  2. 遠赤外線放射体は、集穀室内設置型で遠赤外線が全ての穀粒に効率よく照射される独自の形状を採用。おいしい品質に仕上げるとともに乾燥スピードがアップ。
  3. 排塵ファンからのゴミ、ホコリは極力排出をしないよう工夫。ほとんどのゴミは、上部の排塵機から取り出されるので後処理が大変楽。

―など。
 新型籾すり機は、ミニライスセンター仕様の6インチ型で、業界初の返り米工程に「回転粗選機」を装備し、異物を除去する。また、「籾無し自動運転制御」や「ロール間隔自動制御」機能を搭載し手放し作業ができる。能率面では選別板面積をアップし(同クラス同社比)高能率に仕上げる。主な特徴は、

  1. 「ゴムロール間隔自動制御」で面倒な調整が不要。作業開始時のロール合わせは勿論、作業中はロールが磨耗した分だけ、自動的に間隔を詰めて脱ぷ率を保つ。
  2. モーターを独立したことにより、脱ぷ部の負荷変動に影響されることなく安定回転で選別・能率を確保する。
  3. 業界初の「返り籾粗選機」を搭載。返り籾に混じった異物(稲コウジ、木片、小石、切りワラなど)を円筒型回転網で選別し、外部回収する。籾すり機のトラブルも減少して、作業能率がアップし高品質のコメに仕上げる。

―など。

5.静岡製機が超小型電気乾燥庫を発表

農産物直売所などで好評な「多目的電気乾燥庫」の家庭用兼食品業界向けの超小型タイプ「ドラッピーmini DSJ―mini」」で、東京ビッグサイトで開催された2012国際食品工業展」に出展しアピールするとともに、「新製品発表会」を行い、鈴木社長が「農家の家庭用から一般の消費者の趣味用まで幅広い分野に最適」と力を込めた。
 同製品は、は、同社のユーザーから「もう少し小型」、「安価」、「同じ性能で」という要望が多く寄せられたことに対応した新製品。手軽に農産物を乾燥させ、乾燥野菜やドライフーズ、粉末化しての利用ができる。主な特徴は、

  1. オーブンレンジを縦型にしたのとほぼ同じサイズで、小さく(幅325mm、奥行き380mm、高さ480mm、重さ10.5kg)、女性でも楽に移動が可能。
  2. 機能と性能は従来機以上、ムラが少なく、粉やペーストなどプロ向けの本格的な乾燥が可能。
  3. 飲み物や弁当などの保温庫として、食器や調理器具の乾燥庫として、ライフスタイルの様々な場面で多目的にマルチに使える。
  4. 気になる結露水も排気口とドアの下へ水受け機構を付け、手入れも楽。
  5. 運転音は電子レンジやオーブンより静か。

―など。

6.サタケが粒状物外観測定器を開発し発売

穀物等粒状物の形状や色の外観測定器「グレインスキャナー」(型式=RSQI10A)で、このほど世界同時発売した。「穀物のものさし」としての需要が見込まれることから初めて世界共通価格を設定している。三重大学大学院生物資源学研究科の森尾吉成准教授の協力を得て共同で画像処理エンジンを開発。この画像処理エンジンの搭載によって、さまざまな穀物に対応、1000粒当たり約60秒の高速測定を可能とした。主な特徴は、

  1. 測定した色や形の情報を使用し1粒ごとの画像を並び替えることが可能。予め設定した条件に基づいて分類結果、各種平均値、標準偏差、ヒストグラムを表示。
  2. 穀物一粒について色の情報と形の情報を多数の項目で測定。
  3. ユーザーの目的に合わせて穀物の分類基準(例=変色、砕粒)を設定し、次回からの測定に反映可能。

―など。

7.サタケが業界初の加圧式IH炊飯機新発売

従来の丸釜IH炊飯機の利点を継承しつつ、新たに加圧機構を加えることで釜内の圧力を1.2気圧まで高め、106度Cの高温炊飯を可能とし、米一粒一粒の芯までしっかり熱が伝わるため、よりムラの少ないふっくらとした美味しいご飯を炊き上げることができる。
 また、高温炊飯により一粒一粒の米の糊化が十分に行われるため、炊飯後に時間が経過しても硬化や食味劣化が進みにくく、ご飯の美味しさを長く維持することができる。さらに炊飯中に発生する蒸気を逃がさず配管を通して集中排気するため、炊飯室に蒸気が充満することなく、常に乾燥した清潔な環境が保てる。

8.タカキタが除染対応のエプロンアタッチ開発

「エプロンアタッチ」は、ゼオライトなどを散布して除染作業を行う際、風による飛散を防止するためのもの。除染作業に使用されるゼオライトなどセシウムの吸着資材の散布作業に活躍しているタカキタ肥料散布機のうち、ブロードキャスタBC2000シリーズ、コンポキャスタCC3520・CC2030シリーズ、自走コンポキャスタSC―200シリーズなど、散布方式がシングルスピンナ方式のものに、エプロンのように周囲を囲み裾を垂らすことで防風効果が期待できる。
 使い方も簡単で、要所をボルトで固定するだけ。生地は薄手のテント地に似たターポリン製。扱い易いうえ丈夫で耐久性が高く、使用後は折り畳んで保管でき、場所をとらない。

9.サタケが高速ブレンド計量機を発売

精米工場等でブレンド米を作る際に使用する「高速ブレンド計量機」(型式=BHWA)で、タンク下などのわずかなスペースでも設置できるよう、本体の高さを従来機の約2分の1とした。サイズを小型化したことで1度に計量できる重量が従来機の4分の1となったものの最大毎時15tの処理能力維持のため、計量の速さを従来機の約4倍に大きく速めた。
 また、高精度計量実現のためには、計量機自身や外部からの振動による重量値のブレが妨げとなっていたことから、同社では独自に開発した、計量時に発生する振動を平準化しより正確な計量値を出す「振動キャンセルアルゴリズム」を搭載。振動に応じて最適なデジタルフィルタを設定し、計量値を安定させることで計量の高精度化を実現した。
 なお、同計量機はブレンド米生産だけでなく、高精度の計量が必要とされる工程でも使用することができる。

10.IHIスターが溝掘り機とサブソイラ発売

低馬力トラクター用で、日農工Sヒッチにも対応した土関係作業機械2シリーズ「溝掘り機 FDMHJシリーズ」と「サブソイラ FDKPA2シリーズ」。
 「溝掘り機 FDMHJシリーズ」は、作業速度に優れたボトムタイプで、水田表面の余分な水分を排出することによって、より早く圃場を乾かし、地温上昇へつながるなど、次のような特徴がある。

  1. 18〜30馬力の低馬力トラクターに対応し、3P直装タイプの「FDMHJ」のほかに、日農工Sヒッチに対応した「FDMHJ―0S」も用意。
  2. 2つのコールタで、幅15cmの溝を切る。ボトムを用いて10〜20cmの深さで土を掘り溝を作り上げて、水田表面の余分な水分を排出し、土を乾かして地温を上昇させる。
  3. ボトムは手動で50cmまでオフセットが可能。
  4. キャスタースタンドは標準装備。

「サブソイラ FDKPA2シリーズ」は硬い耕盤を破砕することにより、保水性、透排水性に優れた土壌を作るなど、次のような特徴がある。

  1. 20〜30馬力の低馬力トラクターに対応し、3P直装タイプの「FDKPA2」のほかに、日農工Sヒッチに対応した「FDKPA―0S」も用意。
  2. 2本のナイフで、硬い耕盤を破砕して、保水性、透水性に優れた土壌を作る。ナイフの取り付け間隔は、70〜140cmまで自由に変えることができる。土壌が乾燥した場合は地下から必要な水分を吸い上げて、水分が過多となった場合は余分な水分を地下へと排出する。
  3. チゼルの後部には、ウィングを標準装備。簡易暗渠を作る場合は、ウィングを外して、チゼル後部にφ75mmまたはφ90mmの弾丸(オプション品)を装着可能。 cキャスタースタンドは標準装備。

11.井関農機が24年度下期新商品として省力・低コスト機9品目18型式発表

発表した新商品は、国内向けには、トラクター「トラQ」TQ13H(1型式)、発売時期24年8月。田植機「さなえ」PQZ3(3型式)、6月。コンバイン「フロンティアビバ」HVF218/320(2型式)、6月。ミニ耕うん機=「菜ゆうき」KG53DX(1型式)、6月。野菜移植機「ナウエルナナ」PVH1―120WLLGX(1型式)、9月。農産物保冷庫「ファームストッカ」FSJ―14BW・32B、FSJ―21B2〜40B2(7型式)、7月。インプルメント「エコうねまぜ君(4うね仕様)」UBS24―4U(1型式)、6月。
 海外向には、田植機・中国向けPZ80HDRT25―E18(1型式)、25年2月。野菜移植機・中国向けPVH1―TE18、同2月。
 新商品の主な特徴は次の通り。
 ヰセキトラクタTQ―13Hは、

  1. キャベツの栽培体系に最適なトレッド設定。1140、1200mmのトレッドは1尺9寸うね(57cm)、2尺うね(60cm)に対応。大径タイヤで余裕たっぷりの最低地上高(460mm)。
  2. 自動水平制御(X型)。
  3. 夜間作業性向上の「サイドビューライト」を標準装備。

ヰセキ田植機PQZシリーズは、

  1. さなえZターン(D型)、さなえ苗レール(同)、さなえZロータ(PQZ43DL、43VL、53DL)、さなえハンドルの装備充実。
  2. フロント集中操作、HST、オートアクセル、ワイドステップさなえセーフティとより安心・より快適な作業。
  3. PQZ43Kはリコイル式、クランク植込杆方式を採用、歩行型4条田植機より価格を抑えた。
  4. 疎植株間標準装備。

ヰセキコンバイン「フロンティアビバ」HVFシリーズは、

  1. 本格車格でお値打ち価格。
  2. 使いやすさ・刈りやすさを追求し、新操作席や「刈取フローティング」、「リモコンナローガイド」など採用。
  3. 脱穀精度をさらに高める「刺さり粒回収機能」を搭載。

12.ササキコーポレーションが除染資材散布専用機を開発

 ゼオライト、カリウムなどの除染用資材を、広幅4mに均一散布ができる除染専用「キャンバスキャスター」で、散布部をキャンバス専用特殊シュートヘッドとすることで、キャンバス内の両脇が厚くなることを解消し、定幅の高精度均一散布を実現する。
 また、ゼオライトが粉状から粒状まで様々であること、スジマキ状ではなく隙間なく全面均一散布が必要とされていることを考慮し、開発のベース機は肥料の種類、重さが変わっても調整なしで左右均一に散布ができる、陽動式のフリッカータイプを採用。大量散布に対応するため、耐久性に優れたグラスファイバー製強化シュート、耐摩耗性に優れた強化ヘッドとしている。  キャビンに乗ったまま、シャッター開閉はもちろん、散布量の調整ができる電動リモコンシャッターを採用。
 大量散布が求められるゼオライトに対応し、ホッパー容量300L、500L、1000Lの3型式がある。



<業界ニュース>

1.井関農機が電動トラクターを公開

愛媛県、愛媛大学とともに共同研究してきたもので、平成22年度にスタート。EV開発センターが、同センターの自動車の電動化に関する技術ノウハウの提供、井関農機が同社の農業機械に関する技術ノウハウの提供、愛媛大学が農業機械の電動化技術ノウハウの提供などと役割を分担して開発した。改造試作車は、井関農機の水冷ディーゼルエンジンを搭載したトラクター(型式TC―13、愛称「Piccoro」)をベースに、エンジンと燃料タンクを外し、エンジンの代わりに3.2Vのリチウムイオンバッテリー30個とモーターを搭載した。トランスミッションについてはそのまま。性能は、定格出力10kW、最大出力20kW、1充電(3.5〜5時間)で約1時間作業が可能。トルクは100N.mで、エンジン仕様の32N.mに比べ約3倍を実現し、「負荷変動の大きい作業にも対応できる」としている。

2.ヤンマーが学生懸賞論文・作文を募集

今回のテーマは“「進化する農」に対する3つの挑戦”、

  1. 世界で戦える農業への挑戦
  2. 儲かる農業への挑戦
  3. やりがい・生きがいとしての農業への挑戦

―の3つを掲げ、21世紀農業の確立を目指して「新たな一歩を踏み出そう!」と呼び掛けている。
 論文の部は、上記テーマと趣旨に沿った論文をまとめる。21世紀農業の確立をめざした“先駆的挑戦”を内容とする。自然科学、農業経営、農産技術、農芸化学、農業モデル(都会、中山間地、大規模平野、臨海地域)、新規ビジネスモデル、流通、教育、ICTなど様々な分野から独自の構想で提言し、その実現の過程、手法等を論理的に述べる。
 作文の部では、上記テーマと趣旨に沿って、感じていること、夢や思いを、これまでの体験やその時の情景を描写しながらまとめる。
 応募期間は2012年6月1日〜10月20日。応募資格は、論文の部が、大学、大学院、短期大学、農業大学校、農業短期大学、各種専門学校に在籍する30歳以下(平成24年10月20日現在)の学生。作文の部が、農業大学校、農業短期大学に在籍する25歳以下(同)の学生。
 賞金は、論文の部の大賞が100万円、作文の部の金賞が30万円など。

3.タカキタが創業100周年記念誌「道をつくる〜タカキタ100年のあゆみ」発刊

明治45年、三重県名張の地での創業者・高北新治郎氏による創業から100年の歩みを序章と全5章に分けて紹介している。冒頭、各界から寄せられた祝辞に続き、松本充生社長のトップインタビュー「新しい100年へのスタートに向けて」を掲載。
 松本社長はその中で、「他社に対抗して商品をラインナップするのではなく、エンドユーザーである農家の作業を認識して、本当に必要な製品は何かを見極める。それによって、独自の商品提案が生まれます。そして圧倒的であるためには、コスト・品質・機能・性能のいずれにも抜きんでたものが必要です。これを実現するためには、常に現状否定に徹し、安易な妥協をしないことが大切です。今のやり方より、もっと良い方法、もっとお客さまに喜ばれる方法はないか、そのような視点をすべての出発点にして取り組まねばなりません」と語り、次の100年へ向けての経営の指針と覚悟を示している。A4判、158ページ。

4.三菱農機が小型汎用コンバインの試乗会を展開

小型汎用コンバイン「VCH650」の発売を前に、5月末から兵庫、福岡を皮切りに全国で実演試乗会を開始した。これには、営農集団、生産法人、大規模経営農家など有力見込客を中心に約300人を動員する。試乗のほか、経営体育成支援事業の集落営農補助事業、農畜産業機械等リース支援事業など導入の際の国の補助事業の説明も行う。
 このうち栃木県栃木市大宮町のJAしもつけ栃木地区営農経済センター近郊の圃場で行われた試乗会には、JA全農とちぎ、JA全農いばらぎ、JAしもつけ、JA茨城むつみ、JA北つくば、JA土浦などJA全農、JAの関係者、生産集団、大規模農家など40名が参加した。
 VCH650は、

  1. 水稲、麦、大豆、そば、ナタネのすべてが1台で収穫できる。
  2. スーパーeスレッシャーを搭載しコンパクトボディで4tトラックに車載可能。
  3. 従来に比べて3割強のコストダウンが可能で経営に大きく貢献する。

―などの特徴がある。

5.新農機株式会社が総会、会長に益本氏

新農業機械実用化促進農機株式会社の第20期定時株主総会が都内のコープビルで開かれ、第19期事業報告ならびに任期満了に伴う役員改選の件を承認。新会長にクボタ会長兼社長の益本康男氏が就任した。
 第19期の売上高は8500万円で、前期比15%増となった。19期における農業機械の生産出荷は、国内向け、輸出向けともに前年を下回ったが、震災後の落ち込みから徐々に回復しつつあるとの認識のもと、同社では、平成20年度に策定された「新たな事業・経営改善策」に基づき、効率的な事業運営と経営改善に努めた。2機種について実用化を図るとともに、既に実用化している機種についても、普及促進に重点をおき、パンフレットの作成配布、現地セミナー等における緊プロ機の実演展示、インターネットによる情報提供等に努力した。その結果、19期における緊プロ機の普及台数は、約2万1000台となった。

6.クボタがインドネシアに販売会社

今年9月にインドネシア共和国の首都ジャカルタに、100%出資の農機販売会社(P.T.Kubota Machinery Indonesia(仮称)=KMI」を設立する。水田農業機械の主要機種であるトラクタ・コンバイン・田植機の本格販売を行い、アジアでの農業機械事業を更に拡大する。
 インドネシアは、コメの生産量世界3位、パームの生産量世界1位の農業大国で、クボタでは、40年来、代理店を通じてプランテーション向けトラクタを販売。一方で40年前に横形ディーゼルエンジンの製造会社「P.T.Kubota Indonesia(PTKI社)」を設立し、現地耕うん機メーカーへ、横形ディーゼルエンジンを提供してきた。今後、インドネシアでは更なる経済の発展により農村人口の減少が予想される。それを背景に農業の生産性向上のための機械化が進み、水田農業機械の主要機種であるトラクター、コンバイン、田植機の需要拡大が見込まれる。こうした今後の農業機械市場の拡大に合わせ、現地に販売会社を設立し、農業の機械化を促進、インドネシアの農業発展に貢献していく。
 今後の予定は、2017年に売上高約100億円を目指すとともに、2017年までに全国に50店のディーラー網を整備する。

7.ホンダのガスコージェネが日本ガス協会の技術大賞受賞

一般社団法人日本ガス協会の主催・選考による「平成24年度技術大賞」を受賞した。この賞は、新型家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム「エコウィル(ECOWILL)」のガスエンジンコージェネレーションユニットを開発した同社と、排熱利用給湯暖房ユニットを開発したノーリツが共同で受賞したもので、表彰式は日本ガス協会「第60回通常総会式典」で行われた。
 なお、ホンダとノーリツは、2004年6月にも初代「エコウィル(ECOWILL)」として同賞を受賞し、今回で2度目。
 ホンダはガスエンジンと独創の発電技術「正弦波インバーター」を組み合わせた小型発電システムによる家庭用小型コージェネレーション(熱電併給)ユニットを2003年より販売開始。このユニットと排熱を利用する給湯暖房ユニットで構成されるシステムは、エコウィル(ECOWILL)のブランドで各ガス事業者から販売され、累計約11万8000戸に設置されている。

8.2012やまびこフェアを開催

やまびこの地域販売会社であるやまびこ東北が、“届けよう笑顔を!”をテーマに岩手県産業文化センターで、2日間開催した。会場には連日、同社東北管内の80社を超える得意先から、2300名余りの参観者が来場。やまびこの製品ブランドである「共立」「新ダイワ」の新製品が作業体系別に数多く展示され、各実演・試乗コーナーでは実際に“乗って”“触って”体感する農家で活況を呈した。
 共立・新ダイワの合併後では初の大展示会となり、会場には、作業体系別に、ラジコン動噴・畦草刈機など「稲作機械」、RV・ブームスプレヤーなど「畑作機械」、SS・高所作業機など「果樹機械」、チェンソー・刈払機など「林業・緑化機械」の農林機器群に加え、新ダイワの発電機・投光機などで構成される「防災機器」の5コーナーに色分けされた展示が行われた。

9.山本製作所がペレット温風暖房機を明治大学黒川農場に寄贈

山形県天童市が、同大学創始者の一人である宮城浩蔵氏の出身地で、同社の本社が天童市にあり、農業関連機器・環境関連機器を製造している縁から、新型の「ペレット温風暖房機」を寄贈したもので、明治大学黒川農場の開所式で、感謝状が贈呈された。
 開所式、記念講演が終了した後に、山本社長は、「明治大学黒川農場の開所おめでとうございます。明治大学創始者のひとり宮城浩蔵先生が天童市出身ということからはじまった、明治大学と天童市の連携協力による協定、また弊社が天童市で創業したことなど、明治大学と天童市そして弊社の縁を深く感じ寄贈にいたりました。環境共生・自然共生をテーマにする黒川農場の研究や、川崎市をはじめとする環境共生へ貢献できれば幸いです」などと話した。
 今回、感謝状が贈呈された「ペレット温風暖房機」は、再生可能なエネルギー源である木質ペレットを燃料として使用する、環境に配慮した園芸ハウス用温風暖房機。石油に頼らない、ハウス農家の経営に適しており、環境に配慮して地球に優しい。間伐材やおが屑を加工し、木質ペレットにするので、木材利用の拡大、健全な森林育成、未利用資源の活用につながる。