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農業機械関連ニュース

平成24年4月10日発行

<新製品情報>

1.小橋工業が5連中耕ディスクを発売

好評発売中のトラクタ用中耕除草作業機「コバシ中耕ディスク」に、大豆などの大規模経営に最適な5連タイプの「DC501シリーズ」を新たに追加、5月より受注生産を開始すると発表した。「コバシ中耕ディスク」は生研センターと同社が緊プロ事業で共同開発したもので、土を練らず、土壌水分の多い条件でも作業ができ、大豆の中耕除草などに使われ高い評価を得ている。5連タイプの新製品「DC501シリーズ」は、経営規模の拡大が進む中、更なる高能率作業を求める声に応えたもので、取付ヒッチにより直装の「DC501」と日農工OLの「DC501T‐OL」2型式がある。

2.本田技研工業が汎用エンジンGXシリーズ、耕うん機パンチ・エックス発売

好評を得ている汎用エンジンGXシリーズの3モデルを一部改良し、国内の汎用エンジン取扱店および各種作業機械メーカーへの販売を開始した。GXシリーズの新3モデルは、GX120(総排気量118立方cm、最大出力2.6kW)、GX160(163立方cm、3.6kW)、GX200(196立方cm、4.1kW)で、コンパクト設計による広範な搭載互換性はそのままに、低騒音・低振動性能を向上、さらにクラストップレベルの低排出ガスと低燃費を実現するとともに操作性と耐久性も向上している。

また、家庭菜園などでの作業を手軽に行える小型耕うん機「パンチ・エックス」に高出力モデルの「F502」(最大出力4.9PS)を追加し、新発売した。ホンダ汎用エンジンGX160を採用したことにより、ホンダ車軸ローター式の耕うん機で最大の高出力化を図るなど、高い作業効率を実現している。

3.静岡製機が5インチ籾すりラインに直結できる能力の色彩選別機を新発売

「イージーSCS―50S」で、50チャンネルの溝シュートと3台のCCDカメラにより、カメ虫被害粒、ヤケ米、ガラス、プラスチック、シラタ、籾、もち米に混入したうるち米などを毎時2.1tの高能率で選別する。同機の最大の特徴は、籾すり機から米選別・石抜機そして色彩選別機までの一連の調製作業を「ノン・ストップ作業として実現」できること。また、異物の混入率は、以前は3%前後であったが、現在は10%近くになっている場合もあることから、異物混入率10%でも1時間当たり2.1tの処理能力の確保が図られている。玄米の通り道は、工具なしで掃除が可能であり、処理能力を安定するため、チャンネルすべてオール1次選別にし、高精度な選別を実現した。

4.タカキタがコンポキャスタ2030シリーズを発売

有機質と化成肥料の混合・散布も行える肥料混合散布機の新型「コンポキャスタCC2030」と「同CC2030D」で、タカキタ創業100周年記念モデルとして新発売した。主な特徴は、

  1. ホッパ底の散布口の開口面積が大きく、米ぬか、鶏糞、コンポスト(含水率45%以下)など有機、土壌改良材の散布に最適。
  2. ホッパの最大積載容量はたっぷり入る250L。
  3. 機体全高(ホッパ上面まで)は87cmとこのクラスでは業界最低レベルで、肥料投入時の負荷を軽減。
  4. 撹拌アジテーターはホッパ内でブリッジが起こらないよう、肥料の粉砕をしながら低速回転(約50回転/分)。比重が異なる有機、化成肥料を約1分間でムラなく簡易混合。

―など。

5.生研センターが緊プロ開発機4機種を公開

第4次農業機械等緊急開発事業開発機公開行事で公開したのは、

  1. たまねぎ調製装置
  2. 可変径式TMR成形密封装置
  3. 中山間地域対応型汎用コンバイン
  4. 果樹用農薬飛散制御型防除機

―の4機種。

たまねぎ調製装置(クボタ、松山)は、人力の2倍の能率で、精度良く根と葉の切り落としを行う。府県産たまねぎの調製作業を省力化する。可変径式TMR成形密封装置(IHIスター)は、ロールベールの大きさを自由に設定できるのが特徴。中山間地域対応型汎用コンバイン(三菱農機)は、4tトラックに積載可能サイズ、重量とし、圃場間移動が機動的。脱穀選別損失の発生を3%程度に抑え、またスライド引き抜き式揺動選別部で清掃が容易。果樹用農薬飛散制御型防除機は棚栽培用SSで、送風回転数を大幅低減し、騒音も抑える。

6.ヤンマーが野菜全自動移植機などナプラシステムを拡充

「乗用全自動野菜移植機PF2R」は、定時定量出荷が求められる加工・業務用野菜向けの移植機で、高能率・高精度な2条同時植え。主な特徴は、

  1. 高能率・高精度な乗用タイプ=乗用タイプなので、作業者の疲労も大幅に軽減される。
  2. 簡単操作で安心=HMT無段ミッションを使ったペダル変速“e―move”の採用により、ペダル操作だけでクラッチ・ブレーキが連動して作動する。
  3. 自動植深さ制御&植付部フローティング機構=溝の凹凸や畦高さの変化に対応するピッチングセンサによる自動植深さ制御と畦上面の小さな凹凸や左右で違う高さの畦に追従するフローティング機構の2つの機能がそれぞれ左右独立で同時に働くことにより植付深さを常に精度よく保つ。
  4. ―など。

野菜菜作業車=NC16の主な特徴は、

  1. 作業性がアップ=畝サイズや作物の高さに合わせてトレッドや荷台の幅、高さが変えられ作業がスムーズにできる。いつもラクな姿勢で作業することができる。トレッドと同時に荷台幅が広がるので、ダンボール箱を多く積むことができる。
  2. ロングクローラで安定した走破性を発揮=スムーズに走行できるクローラ式。重量作物の運搬時でも安定して走行できる。

―など。

7.オーレックがラビットモアの新型投入

乗用草刈機ラビットモアーRM981(21馬力・刈幅975mm)で、最小回転半径1.95mを実現、狭い圃場でも切り返しが少なく効率的な草刈り作業ができる。最適重量バランスにより小回り性能、登坂性能を高め、斜面でも安定した作業が可能。13ccチャージポンプ付きHSTにより、余裕のある安定した走行を実現した。シート高さ調整は、ユーザーの用途に合わた作業ポジションが選べる(購入時に販売店対応)。ステップ、座席、エンジンボンネットが開閉するのでメンテナンスが楽にできる。また、車体底に引っかかる草もきれいに取り除ける。

8.三菱農機が小型汎用コンバイン、普通型コンバインを発表

国内最小の汎用型コンバインVCH650と、従来型式の性能アップを図った普通型コンバインMCH400。小型汎用コンバインは、生研センターの緊プロ事業で開発したもので、4tトラックに積載できるコンパクトな機体ながら、稲、麦、大豆、ソバの刈り取り作業に対応。稼働期間の延長で投資コストの低減を達成できるという新しいコンセプトの下に開発された製品。公道走行が可能で、現状の大型コンバインでは導入が難しい地域でも機動性を発揮できる画期的なものとなっている。

普通型コンバインMCH400は、エンジンの高出力化(40.4PS)と2インチ刈刃の採用で、ヘッドロスを軽減しながら作業能率を向上。脱穀システムは軸流式スパイラルロングロータで作物をスムーズに搬送、優しく揉みながら脱粒するため、大豆の割粒や損傷が少なく、茎汁付着による汚粒を抑える。また、ローラーコンケーブで、回転するパイプが排塵の濾過を促しコンケーブへのささりが減少した。

9.齋藤農機製作所が畦畔、法面草刈機を発表

草刈機「SGCシリーズ」の新シリーズ“畦畔草刈機”3型式と“法面草刈機”3型式の本格的な発売を開始する。新シリーズは、使いやすさと高能率を追求。畦畔や法面など不整地な場所でも安全に極めて効率的に草刈りができる。
 畦畔草刈機は、ツインブレード方式により、畦の平面・法面の草を細かくカット、刈り跡がきれいで、集草の手間もかからない。ステアリング機構(SGC603Rはオプション)により、傾斜地や草の繁茂が激しい場所でも直進性を保ち、安定した走行で作業ができる。
 法面草刈機は、低刈り時に一体化したエンジンと刈刃部が進行方向に対してスイングするスイング式刈刃機構を装備。この方式により、刈刃部の後方の空間が広くなるため、草の排出がスムーズになる。また、馬力ロスも少なくなり、高密度の草地でも高能率な作業が行える。刈刃は従来機比約150%の幅広刈刃を採用。低刈時でも長時間の使用が可能となっている。

10.エム・エス・ケー農業機械がトラクターMF1700シリーズを発売

すでに相互にOEM供給関係にあるAGCO社、及び井関農機との間で、日本国内市場向けマッセイファーガソン(MF)ブランドトラクターの製品化の合意に至ったことを受け、同社が日本国内で販売するもの。主な特徴は、

  1. 広々とした静粛性の高いキャビンは長時間の作業でも疲れにくく快適。
  2. 電子制御油圧クラッチを採用、変速時でも動力遮断時間がないスムーズな変速フィーリングを実現。
  3. MF1728/1730にはパーキンス製4.4L4気筒コモンレールエンジンを搭載。低燃費かつ低騒音で経済的。
  4. MF1718〜1726にはE4DGエンジンを搭載。コモンレール搭載でエンジンの運転状況に応じて最適な燃料噴射を行う。
  5. ATシフト搭載で快適な変速が可能(主変速のみ)。

―など。

<業界ニュース>

1.全国農業機械整備技能士会が創立30周年で式典

 同会は昭和58年、農業機械整備技能士の資格取得者が、その社会的地位の向上と業界の発展を目指して設立され、以来農機修理整備体制の確立強化、技能の向上、経営の健全化に役立つ整備動向アンケート調査の実施など諸事業を進めてきた。式典ではそうした30年の歩みが紹介されるとともに、この間の貢献者に対して感謝状の授与が行われた。また、式典終了後は祝賀会を開催。同会の新たな発展に決意を固めた。

2.サタケがフーデックスに米粉関連機器など出展

千葉市の幕張メッセで開かれた、アジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN2012」に、国内・農産コーナーの米粉パビリオンが設けられ、サタケのブースでは、昨年発売された、米粉食品に対応した小型製粉機「SRG05A」を展示。同機のコンセプトは7枚のスクリーンで様々な原料や粒度の製粉ができるというもので、白米は200gの少量から製粉可能。ブースでは同機による白米の製粉を実演、その手軽さが注目されていた。また、パックご飯「楽メシ」や非常用保存食の「マジックライス」の展示も参観者の目を引いていた。

3.丸山製作所が中国農薬企業と合弁会社

中国広東省に本拠をおく大手の農薬メーカー・深セン諾普信農化股份有限公司との間で業務提携し、中国における生産・販売活動を行う合弁会社を同省に設立することを決めた。深セン諾普信農化股份有限公司は、農薬事業のさらなる拡大のため、より品質・性能の高い噴霧機と連携して販売していくことが不可欠として、技術力の高い日本企業との提携を求めていた。丸山製作所は、これに応えてエンジン、噴霧機の生産技術を提供する業務提携を行い、併せて同社との間で生産・販売活動に関する合弁会社を中国で設立することにしたもの。新会社の名前は、山東秋田丸山機械股份有限公司。所在地は山東省臨沂市高新技術開発区双月湖路西段。業務内容は、農業機械、造園機械の生産および販売。

4.生研センターが農地周辺を除染する作業機4機種を現地試験

福島県飯舘村で開発中の、

  1. 農道表層剥ぎ取り機
  2. 法面表土削り取り機
  3. 畦畔表土削り取り機
  4. 用排水路内土砂すくい上げ機
  5. の現地試験を行った。

農道表層剥ぎ取り機は、踏み固められた農道の表面をストーンクラッシャーで砕土し、トラクターの前に着けたフロントローダーですくい取る方式。ヤンマーが担当。
 法面表土削り取り機は、上下両方向に50度傾斜させながら法面を削り取る。クボタ、ササキコーポレーションが担当。
 畦畔表土削り取り機は、3〜5cmの表土を削り取るもので、畦の傾斜および上面に対応して作業できる。クボタ、ササキコーポレーションが担当。
 用排水路内土砂すくい上げ機は、畦を越えて水路内の土砂をすくえる。ヤンマーが担当した。

5.井関農機の新社長に木村典之氏

6月下旬に開催予定の定時株主総会で選任する代表取締役人事を内定した。併せて役員の人事異動並びに機構改革を決定、発表した。それによると、代表取締役社長に常務執行役員の木村典之氏が昇任、同会長に南健治副社長、同専務に菊池昭夫常務と木下榮一郎常務が昇任する。蒲生社長は相談役、竹下啓一専務は顧問に就く。
 木村典之(きむら・のりゆき)氏は、昭和29年4月9日生まれ。52年4月井関農機入社。系統推進部課長、関西支店長などを歴任し、現在、ヰセキ北海道社長。

6.鋤柄農機にJICAから海外研修員が訪問

同社本社工場及び小針工場内の圃場において、国際協力機構(JICA)筑波国際センターの平成23度集団研修「小規模農家用適正農機具開発普及」コースの研修の一環として、「工場見学」が行われた。今回は、ブータン、パキスタン、エチオピア、ナイジェリア、ルワンダの行政関係者や普及員など7人が参加。まず、会議室において、鋤柄社長から同社の歴史や概況などの説明を受け、続いて、鋤柄勘治専務の案内により工場内を見学し、組立てや部品の研磨、塗装など幅広く研修を行った。また、小針工場内にある圃場に場所を移して、

  1. ハンドカルチベーターによる中耕・除草・培土作業(ハンドカルチ・培土板・除草刃・双用プラウ)
  2. 耕うん機とロータリプラウによる畦立・培土作業
  3. トラクターによる畦立・マルチ作業(スーパーエイブル平高成形機、マルチ)

―など各種実演し、研修した。

7.筑水キャニコムの「あぁ〜おふくろさんョ」がネーミング大賞受賞

小型特殊自動車「あぁ〜おふくろさんョ」(5.7馬力、最大作業能力200kg)が日刊工業新聞社主催、第22回読者が選ぶネーミング大賞ビジネス部門の第2位に選ばれた。同社製品は6年連続の入賞となった。丸の内ブランドフォーラム代表の片平秀貴氏は講評で「キャニコムさんは毎年上位に入っておられ、さすがにこの賞の常連にふさわしく、個性がある砕けたネーミングで、名前を聞いただけで会社がわかるところはネーミングにも『継続は力なり』があることを実感させる」と述べた。

8.井関農機が海老名市へレンタル農機納入

全国で初となる行政主体の農機貸出(レンタル)事業を開始した神奈川県海老名市で、その機械の納車式典が行われ、機械を納入した柳田ヰセキ販売の柳田純昭社長、井関農機の大込敏夫営業本部副本部長らが出席した。海老名市では、耕作放棄地を減らすことに市を上げて取り組み、そのための農機のレンタルを新規事業としてスタートさせた。対象機械はトラクター(ロータリ付き)3台、乗用田植機(4条植え)3台、汎用コンバイン1台(市で奨励している菜種向け)。

9.農林水産省の農業新技術に高所作業台車など選定

農林水産省農林水産技術会議事務局が選定した「農業新技術2012」に、生研センター、サンワなどが第4次緊プロで開発した、小回りがきき、傾斜地でも安全性を確保できる高所作業台車や、農研機構農工研が開発した、低コストな補助暗きょ工法であるカッティングソイラ工法など5技術が選ばれた。高所作業台車は、高齢者や女性にも操作が簡単で、水平制御機能の搭載により果樹の管理作業の安全性が向上した高所作業台車。特徴は、水平制御機能により14度の傾斜でも小回りがきき、傾斜地でも安全性を確保できることや、約4m高の果樹の管理・収穫作業に対応できることなど。
 農工研が開発したカッティングソイラは、カッティングドレンをベースにしたトラクター用アタッチメントで、圃場に堆肥、作物残さ(わら等)を散布し、溝を切断掘削し、同時に、側面のドリル状の掻きこみ機構で表面の堆肥などを集め溝に落とす―というもの。

10.農林水産省が22年の主要農業機械の出荷台数をまとめる

メーカー等の報告を元に集計したもので、それによると、乗用型トラクタは4万5316台の国内出荷となり、ほぼ前年並みだった。自脱型コンバインは2万1460台で、前年より下回る97.9%となった。田植機は乗用型が2万9470台、104.6%に微増。歩行型が1036台、90.2%と減少。乾燥機(施設用を除く)は1万 7749台で86.1%に減少。歩行型トラクターは14万7866台、97.6%と微減となった。

11.クボタが機構改革、事業構造の改革図る

4月1日付で機構改革と人事異動を行い、農業機械総合事業部・国内営業本部及びグループ体制の変更については、

  1. 東日本と西日本、本社の機械営業本部を統合し、「農機国内営業本部」として本社に集約。
  2. KA東日本/西日本・エリアKS・クボタ農業施設を統合し、新会社クボタアグリサービス株式会社(略称AS)を設立。
    1. ―など。
       今回の体制変更の目的は、国内農機事業の環境変化に対して、事業構造の改革を図ることと、事業構造の改革を進めるに当たり、人材・ノウハウの集約・強化を行い、更に効率的かつスピード重視の体制とすること。更にグループ会社を統合することで、事業環境の変化に対して総合的・組織的なソリューション提案を強化することにより、日本の農業の発展に貢献する―こと。